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「クラブワールドカップで得た経験や知識は、我々をより強いチームにさせてくれる」マチェイ スコルジャ監督(定例会見 7/17)

17日、マチェイ スコルジャ監督の記者会見がオンラインで行われ、7月19日(土)に味の素スタジアムで行われる、明治安田J1リーグ 第24節 FC東京戦に向けて意気込みを語った。

(少しJ1リーグを離れてからのゲームになるが、その間にあったのがFIFAクラブワールドカップだった。大会全体として浦和レッズが得たもの、あるいはこういうところをもっと伸ばしていかなければいけないことなど、どのように総括しているか?)
「クラブワールドカップを戦って、いろいろな印象があります。そして、クラブワールドカップで戦った相手との比較で我々がどういったところを改善しないといけないのかという話はほぼ毎日のようにしています。たくさんの要素がありますが、例えばそのうちの一つはボールロストがあったときのディフェンスラインの再構築の早さです。ローディフェンスのときのクロス対応の場面でのペナルティーエリア内でのセットアップ、そしてファイナルサードに落ち込んでいる状況でいかにマネジメントできるかというところもクラブワールドカップでは見てきました。そして、このクラブワールドカップでの経験がこのチームをさらに向上させ、より強いチームにさせてくれると私は思っています」

(第3戦のCFモンテレイ戦は残念ながらグループステージでの敗退が決まった後の試合だったと思うが、いつも通りのメンバーで臨んでいったと思う。大会を通してピッチに立った選手は18人だった。スタメンに名を連ねた選手は12人だった。もしかしたら、第3戦でもう少し幅の広いメンバーを使うという考えがあったのではないかということが引っかかっているが、決断の過程や理由はどうだったのか?)
「まず3戦目、敗退はしていたものの、この試合に勝ちにいきました。浦和レッズにとって非常に重要な大会であり、その試合で勝利を収めようとしました。そして、スタッフ間でもたくさん話し合いをして、その決断に至るのは簡単なプロセスではありませんでした。最終的にはその試合で勝ち点を取るために最も強いと思われるメンバーで挑みました」

(J1リーグでは今のところ2試合少ないが、首位との差は大きく開かなかった。リーグ後半戦で優勝するチャンスをものにするために最も強調したいと思うことはどんなことか?)
「今、我々にとって大きなチャレンジ、大きな仕事となるのが、いかに早くゲーム勘を取り戻すかというところだと思います。Jリーグで最後にプレーしたのが7週間前ですので、我々にとって少し難しい状況ではあります。今一度Jリーグに順応し直して、その中でいかに効果的なプレーを攻守にわたってできるかというところだと思います。おっしゃった通り、首位との勝ち点にはそこまで差がありません。我々はできる限りのことをして、そこに近づいていきたいと思っています」

(クラブワールドカップで得られたものがある中で、またJリーグの戦いになると相手の戦い方や気温、プレー強度などが異なるが、先ほどおっしゃった順応の難しさはあるのか?逆にそのクラブワールドカップを戦ったからこそ、週末のFC東京戦に生かせるような何かを感じているのか?)
「そういったところはあると思います。クラブワールドカップでの最も大きな問題は安定性だったと思います。3試合ともいい場面が見られましたが、立ち上がりから終了までそれを維持することができませんでしたので、そういった時間をいかに長くするかというところです。ただ、どの試合でも良い時間帯がありましたので、選手たちは自らのスキルに自信を持っていいと思います。あのような良いチームとの対戦というのはJリーグでは得られない経験です。FC東京戦では自信を持って、クラブワールドカップで得た経験や知識を立ち上がりから生かすことができればと思います。素晴らしいチームとの対戦でしたので、そういう試合では自らの弱点が目立つことになります。自分たちの弱点を見つけるという意味でも良かったと思います。選手そしてスタッフ全員でそこは生かさなければいけないと思います」

(クラブワールドカップから帰国し、オフを挟んでトレーニングがスタートした。リーグ再開に向けてどういうところにフォーカスし、どういうプロセスを踏んでいったのか?)
「まず日本の暑熱順化を行いました。アメリカでは気候が少し違っていましたので、まず日本の暑さに慣れること、そのためには1週目の最初の3日間はスムーズに入っていくことが重要でした。それ以降はより戦術的なところを中心に、特に守備のトレーニングを行ったりしました。1週目の最後はトレーニングマッチで締めくくりました。2週目、今週は5日間で次の試合に向けて準備しています。今週はトレーニングの強度も上げています。そして、ゾーン2、ゾーン3のビルドアップを中心に行ってきました。それが全体的な流れでした」

(クラブワールドカップに行く前に小森飛絢選手が加入した。クラブワールドカップでは出場する機会がなかったが、小森選手のプレーの印象と期待したいことは?)
「飛絢は非常に興味深い選手で、ピッチ上で賢さを見せています。ゲームの読みや動きのところには素晴らしいものがあります。彼の決定力のところは今まではJ2リーグでしか見たことがありません。ただ、年齢や彼の性格や能力のことを考えれば、レッズで明るい未来が待っていると思っています」

(FC東京のイメージやキーポイントになるところをどう考えているか?)
「私のレッズでの経験から言えることは、FC東京戦は常に厳しい試合になるということです。どの試合もタフなものでした。前回の対戦でも80分で2-1で負けていて、終盤に2点を取り、非常にドラマチックな形で勝利を収めることができました。ただ、前回対戦したときからシステムを変えていますし、選手も替わっていますので、そのときとはまた違うチームになっています。GKも替わっていますし、アレクサンダー ショルツ選手や室屋(成)選手なども加入して、彼らが非常に大きな影響を与えていると思います。また、FC東京にとっては(長倉)幹樹の加入も大きいと思います。幹樹がたくさんプレーして点を取っているのは、私にとってもうれしいことです。そのおかげでレッズに今後戻ってきたときはさらにいい選手になっていると思います。システムを4バックに変え、松橋力蔵監督が(アルビレックス)新潟でも行っていた形に近いものになっていると思います。攻守のバランスを取りながらも、より攻撃的なチームになっていますし、ディフェンスラインもより強固になっていると思います」

(クラブワールドカップ期間中に報道があったポーランド代表監督の件だが、マチェイ監督は断ったと明かしていた。すごく名誉なことだったとは思うが、なぜ断ってレッズに残るという決断をしたのか?)
「もちろん代表監督は非常に光栄なものだと思います。しかし、私にはレッズでの目標もありましたので、ここに残る決断をしました。Jリーグで優勝するという夢を叶えるのも、これがラストチャンスだという気持ちでいつも挑んでいます」

(レッズでリーグ優勝するためには、先ほどおっしゃっていたようなクラブワールドカップでの経験を生かす必要があると思うが、選手たちはフィジカル面や判断スピードの差を大会で感じたと話していた。それをJリーグで改善していくためには、どういうアプローチが必要だと考えているか?)
「まず、我々が行っているトレーニングでもそのような要素により注意を払っています。選手たちもどういったところを改善しなければいけないかを理解しながら取り組んでくれています。我々のDNAをしっかりとしたものにしていかなければいけないと思います。クラブワールドカップで学んだことを実行しようと思いますが、現実的な目線で何が自分たちにできることなのかということも考えなければいけないと思います。多くの要素を考慮しながら今後もトレーニングを続けていきたいと思っています」

(今季のJ1リーグで優勝ラインと言える1試合平均勝ち点2ポイントを超えているチームはいないが、レッズは現在、約1.62ポイントだと思う。このあと、平均勝ち点を2ポイントに近づけるためにどのようなことを考えているか?)
「ファイナルサードでの決定率、効果的なプレーを増やすと同時に、今年の前半戦は失点が多かったので、守備も改善しなければいけません。勝ち点の平均を伸ばすためには特に守から攻への切り替えの改善が必要だと思います。判断のスピードもそこに関わってくると思います。攻から守への切り替えもワールドカップでの対戦相手を見ていると、我々より速い反応がありました。その切り替えは今、我々が力を入れて練習しているところでもあります」

(他のチームよりも2試合少ないアドバンテージをどう考えているか?)
「それに関して特にアドバンテージは感じていません。残り17試合で、できるだけ良い結果を残していくということを考えています。シーズン後半戦で成功を収めるために確実に必要なのは、アウェイゲームでの結果だと思います」

(2023シーズンの終盤に失速した原因について、夏の暑い時期に強度の高いトレーニングを多くやりすぎたということを聞いたが、今年はそれについてどのような対策を取る予定なのか?)
「2年前は強度、負荷で夏の時期に私はミスを犯したと思います。スタッフ全員でそこをコントロールしようとしています。2年前にミスを犯したということもみんなが分かっていますので、トレーニングの負荷のところもコントロールするように彼らはアドバイスをくれたりしています。メディカルスタッフも優秀ですし、石栗(建)フィジカルコーチ、(ヴォイチェフ)イグナティウクフィジカルコーチ、そして(ハイパフォーマンスコーディネーターの)池田正剛さんがチームとなっていい仕事をしてくれていますので、2年前起こった問題は起こらないと私は信じています」

(FC東京戦のこととは外れるが、監督という仕事についてお聞きしたい。監督という仕事は非常にハードでプレッシャーもあり、ストレスもものすごく溜まると思うが、なり手も多いし、マチェイ監督の場合はポーランドから日本に来て仕事をしている。監督としてのやりがい、こういうことがあるから監督という職業を続けているということはこれまでの経験の中で何が言えるのか?)
「非常に興味深い質問だと思います。手短に答えられるような質問でもありません。モチベーションの問題ではないとは思いますが、今、監督として最も満足している時期ではないと思います。まず、私にとって、クラブにとって、そしてファン・サポーターの方々にとっても重要な大会であったクラブワールドカップでの結果に関して、もちろん満足をしていません。私自身への憤りも感じたりしていて、準備の段階で他に何ができたかということは日々、自問しています。そのような状況をいかに早く変えるかということが今の私のモチベーションになっています。意味のない大会だったのではなく、シーズン後半戦をより力強くプレーするための大会であったというふうにしたいと思います。そのようなポジティブではない気持ちが逆にシーズン後半戦に向けてのモチベーションの源になっています。ポジティブではないものが、モチベーションの源になり、今の状況を変えたいという気持ちにさせてくれています。

ただしそれは今の状況です。今までのレッズで指揮した時期の中には、もちろんよりポジティブな状況からモチベーションを得て、さらにハードワークをするということもありました。浦和レッズは目標を忘れてはいけないクラブだと思います。そのためにはファン・サポーターの方々の姿を見ることも非常に力になります」

【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

「クラブワールドカップで得た経験や知識は、我々をより強いチームにさせてくれる」マチェイ スコルジャ監督(定例会見 7/17)

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