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PICK UP PLAYER | 安居海渡
安居海渡という選手の魅力――。
そのひとつに、球際の強さや豊富な運動量が挙がることは間違いないだろう。
たしかにそれは、彼の特長のひとつでもある。
だが、彼がサッカーについて深く考えるタイプであるという側面も忘れてはならない。
その背景には、所属するサッカー少年団の指導者を務めていた父親の影響が強くある。
試合の映像を見返し、プレーについて振り返り、何が正解だったのかを考える――。
それが、試合があった日の『父と子の日常』だったそうだ。
「子どものころはそれが面倒で億劫だったところもありますけど、高校生くらいからは、ありがたいなと思うようになりましたね」
安居はそう振り返る。
「試合についての自分の記憶だけだとやっぱり限界があって、ボールを持ってないときの動きなんかは、映像を見ないとわからないところでもある。なので、見返すようにしています。見返して、『ああ、このときはもうちょいこうだったな』とか、そんなふうに思うことはよくあるんです」
そう語る安居。
「自分の性格的にはいい試合を見て浸るんじゃなくて、悪い試合を見て改善したいという気持ちが強いんです」
加えて、特に昨シーズンは、サミュエル グスタフソンから学んだものも多かったと語る。
「相手や味方との距離感、立ち位置、ボールの出しどころ。そういう部分は、一緒にプレーしたり彼のプレーを見て学んだところです」
たとえばサイドチェンジのように戦況を大きく動かそうとするパスではなく、近くにいる味方に一旦ボールを預けるような短いパス。
グスタフソンが多用していたその種のパスを、安居は「アソビのパス」と表現する。
「そういう『アソビのパス』みたいなものを一回挟んで相手を引きつけるような動きをしないと、一発でサイドを変えてもそこに敵がいることもある。それじゃサイドを変える意味がない」
今季は特に、安居自身が意図してそのプレーを選択しているように見える。本人も「そういうパスを出すからと周りに伝えているので、今までよりもスムーズにいくようになっていると感じます」と手ごたえを語る。
大げさに言えば、そこに、今季の安居の変化を垣間見ることができる。
昨年の彼は「真ん中の選手として、もっとリーダーシップを発揮できるようにしないといけない」と語っていた。そのリーダーシップの発露のひとつであると言っていいだろう。
同時に、彼は昨年こう語ってもいた。
「性格的に、言葉で鼓舞して引っ張るというのはなかなかできない部分でもあるので、プレーでというのが自分には合ってるのかなと思うんです」、と。
プレーでチームを引っ張る。
その思いは、換言すれば「ゲームをコントロールすること」だとも言える。
そしてそれはまさに、今季の彼が注力してきた仕事と言っていいだろう。
昨年とは与えられている仕事が微妙に異なる。ゆえに、アグレッシブに前線へ出ていく場面は減ったかもしれない。
だがその代わりとでも言うかのように、彼は中盤の底にドッシリと構えてゲームを作っている。
その位置からの、安居が出す1本のパス――。
そこには、メッセージが込められている。
チームを、ゲームをコントロールしようとする強いメッセージが。
「真ん中に立っている自分がどれだけやれるか。それによって、周りの動きも変わってくると思います」
4月5日、レッズはアウェイで川崎フロンターレと対戦する。
ここまで獲得した勝ち点は共に11。順位は浦和が5位、川崎が6位。しかも直近の数試合では、それぞれ苦汁を舐めてもいる。
そういう対戦相手だからこそ、「難しい」と安居は警戒感を強める。
それでも、力強くこう口にした。「だからこそ、勝たなければ」と。
デュエルばかりが、その魅力ではない。
彼が繰り出す1本1本のパス――。
『いかにゲームをコントロールするか――』
今の彼は、その点を重視している。
そのパスに込められたメッセージが、試合の趨勢を大きく左右することは間違いない。
(取材・文/小齋秀樹)
そのひとつに、球際の強さや豊富な運動量が挙がることは間違いないだろう。
たしかにそれは、彼の特長のひとつでもある。
だが、彼がサッカーについて深く考えるタイプであるという側面も忘れてはならない。
その背景には、所属するサッカー少年団の指導者を務めていた父親の影響が強くある。
試合の映像を見返し、プレーについて振り返り、何が正解だったのかを考える――。
それが、試合があった日の『父と子の日常』だったそうだ。
「子どものころはそれが面倒で億劫だったところもありますけど、高校生くらいからは、ありがたいなと思うようになりましたね」
安居はそう振り返る。
「試合についての自分の記憶だけだとやっぱり限界があって、ボールを持ってないときの動きなんかは、映像を見ないとわからないところでもある。なので、見返すようにしています。見返して、『ああ、このときはもうちょいこうだったな』とか、そんなふうに思うことはよくあるんです」
そう語る安居。
「自分の性格的にはいい試合を見て浸るんじゃなくて、悪い試合を見て改善したいという気持ちが強いんです」
加えて、特に昨シーズンは、サミュエル グスタフソンから学んだものも多かったと語る。
「相手や味方との距離感、立ち位置、ボールの出しどころ。そういう部分は、一緒にプレーしたり彼のプレーを見て学んだところです」
たとえばサイドチェンジのように戦況を大きく動かそうとするパスではなく、近くにいる味方に一旦ボールを預けるような短いパス。
グスタフソンが多用していたその種のパスを、安居は「アソビのパス」と表現する。
「そういう『アソビのパス』みたいなものを一回挟んで相手を引きつけるような動きをしないと、一発でサイドを変えてもそこに敵がいることもある。それじゃサイドを変える意味がない」
今季は特に、安居自身が意図してそのプレーを選択しているように見える。本人も「そういうパスを出すからと周りに伝えているので、今までよりもスムーズにいくようになっていると感じます」と手ごたえを語る。
大げさに言えば、そこに、今季の安居の変化を垣間見ることができる。
昨年の彼は「真ん中の選手として、もっとリーダーシップを発揮できるようにしないといけない」と語っていた。そのリーダーシップの発露のひとつであると言っていいだろう。
同時に、彼は昨年こう語ってもいた。
「性格的に、言葉で鼓舞して引っ張るというのはなかなかできない部分でもあるので、プレーでというのが自分には合ってるのかなと思うんです」、と。
プレーでチームを引っ張る。
その思いは、換言すれば「ゲームをコントロールすること」だとも言える。
そしてそれはまさに、今季の彼が注力してきた仕事と言っていいだろう。
昨年とは与えられている仕事が微妙に異なる。ゆえに、アグレッシブに前線へ出ていく場面は減ったかもしれない。
だがその代わりとでも言うかのように、彼は中盤の底にドッシリと構えてゲームを作っている。
その位置からの、安居が出す1本のパス――。
そこには、メッセージが込められている。
チームを、ゲームをコントロールしようとする強いメッセージが。
「真ん中に立っている自分がどれだけやれるか。それによって、周りの動きも変わってくると思います」
4月5日、レッズはアウェイで川崎フロンターレと対戦する。
ここまで獲得した勝ち点は共に11。順位は浦和が5位、川崎が6位。しかも直近の数試合では、それぞれ苦汁を舐めてもいる。
そういう対戦相手だからこそ、「難しい」と安居は警戒感を強める。
それでも、力強くこう口にした。「だからこそ、勝たなければ」と。
デュエルばかりが、その魅力ではない。
彼が繰り出す1本1本のパス――。
『いかにゲームをコントロールするか――』
今の彼は、その点を重視している。
そのパスに込められたメッセージが、試合の趨勢を大きく左右することは間違いない。
(取材・文/小齋秀樹)
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