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PICK UP PLAYER | 金子拓郎
苦しい状況に陥っても、勝利を目指す強い気持ちは変わらない。4月25日の横浜F・マリノス戦は2-3で敗れたものの、金子拓郎のプレーは目を引くものがあった。チーム戦術に合わせて、右から左へ、そして中央と、ピッチのあらゆる場所で、それぞれ違った持ち味を出した。
0-1で迎えた28分、右サイドで石原広教がボールを持った瞬間から、すでにペナルティエリア内での駆け引きは始まっていた。相手のマーカーがボールばかりに気を取られているスキを見逃さなかったという。
「背後に回り、一度相手の視界から消えて、前に入り込んだのが良かったのかなと思います」
クロスボールに飛び込むタイミングはあうんの呼吸だった。石原がワンテンポ遅らせ、カーブをかけた速いボールを蹴ってくるのはほぼ想定どおり。ひねりを入れたダイビングヘッドで叩きつけ、ゴールネットを揺らしてみせた。
「うまくミートすることと、コースは狙いどおりでした」
今シーズンの2点目は、技ありの同点ゴールだった。後半は本来の右サイドではなく、左サイドに回っても働いた。トレードマークのカットインではなく、縦への鋭い突破から好機を創出。持ち前のスピードを生かし、サイドをえぐると、左足でクロスを供給した。相手に脅威を与えていたものの、本人は厳しい表情で振り返る。
「レッズペースだった後半の早い時間帯で2点目、3点目を取らないと、今日のような展開になってしまいます。チャンスはつくれていましたが、あそこで決めきらないといけなかったです。そこが僕らの弱いところだと思います」
悔しさを押し殺し、目の前の現実から目はそらさない。ただ、すべてが悪かったわけではないだろう。左サイド、中央の位置でも手応えを得ており、すぐに気持ちを切り替えていた。
「位置を変えてプレーするのは今後、良いオプションになってくると思います。相手も対応しにくいはずです。右と左では自分のスタイルも変わりますから。試合に応じて、変えていればいいのかな、と」
昨季以上に今季は目立ったパフォーマンスを見せている。2026年のJ1リーグ公式データを見ても、それは明らか。シュートチャンスが得点に結びつく確率を示す指標のゴール期待値『2.4』、シュート総数の『25』はチーム1位、ドリブル総数の『53』は2位マテウス サヴィオの『22』に倍以上の差をつけ断トツの1位。それでも、もどかしいのはチームの結果に結びつかないこと。ゴール数も物足りない。
「毎試合、点を取らないといけないと思っているので」
今季はウイングとしてサイドに張るだけではなく、意図的に中央に入っていくランニングを増やしている。目的は言うまでもない。勝利に導くためのゴール。得点の価値は、誰よりもよく知っている。日本大学から北海道コンサドーレ札幌に加入し、頭角を現したのも、分かりやすい数字を残したからだ。プロ2年目の2020年に4ゴールを挙げると、その翌年には7ゴールを記録。23年にはキャリアハイの8ゴールをマークし、クロアチアのGNKディナモ・ザグレブへ移籍している。得点パターンも多彩。カットインからの左足シュートもあれば、ミドルシュート、スルーパスから抜け出して流し込むゴールなど、あらゆるパターンに対応できる。礎は日大に築いたものだ。神奈川県内の練習場で、まだ大学生だったころに話していた。
「試合を想定して、ひたすらシュート練習をしています。長所を伸ばすために1対1の仕掛けから打つんです。自分で考えて、どうすれば、プロになれるのかって。環境のせいにも人のせいにもしないで、自分のできることをやり続ければ、チャンスはあると思っています」
大学3年時は実質3部の東京都リーグ、4年目は関東2部リーグでもがきながらレベルアップしてきた。逆境に負けず、己を信じて、シュートを打ち続けた結果、いまの金子がある。現在、レッズはPK負けを含めると、7連敗中。これまでにないほどの苦境に立たされている。あきらめれば、何も見えてこない。苦労人の28歳は、ひしひしと感じているようだった。
「こういう状況のなかでもファン・サポーターの方たちは毎試合、応援に来てくれています。自分たちは結果を残さないと。次の試合は何が何でも勝つ、という気持ちを前面に出して闘いたいと思っています」
4月29日は、再びホームの埼玉スタジアム。アウェイで逆転負けを喫した難敵を迎える。川崎フロンターレ戦で金子は今季初ゴールを決めているが、悔しさばかりが残っており、次こそは勝利に導くゴールを決めることを誓っている。雑草魂を忘れないレフティーの闘争心にかげりは一切見えない。
(取材・文/杉園昌之)
0-1で迎えた28分、右サイドで石原広教がボールを持った瞬間から、すでにペナルティエリア内での駆け引きは始まっていた。相手のマーカーがボールばかりに気を取られているスキを見逃さなかったという。
「背後に回り、一度相手の視界から消えて、前に入り込んだのが良かったのかなと思います」
クロスボールに飛び込むタイミングはあうんの呼吸だった。石原がワンテンポ遅らせ、カーブをかけた速いボールを蹴ってくるのはほぼ想定どおり。ひねりを入れたダイビングヘッドで叩きつけ、ゴールネットを揺らしてみせた。
「うまくミートすることと、コースは狙いどおりでした」
今シーズンの2点目は、技ありの同点ゴールだった。後半は本来の右サイドではなく、左サイドに回っても働いた。トレードマークのカットインではなく、縦への鋭い突破から好機を創出。持ち前のスピードを生かし、サイドをえぐると、左足でクロスを供給した。相手に脅威を与えていたものの、本人は厳しい表情で振り返る。
「レッズペースだった後半の早い時間帯で2点目、3点目を取らないと、今日のような展開になってしまいます。チャンスはつくれていましたが、あそこで決めきらないといけなかったです。そこが僕らの弱いところだと思います」
悔しさを押し殺し、目の前の現実から目はそらさない。ただ、すべてが悪かったわけではないだろう。左サイド、中央の位置でも手応えを得ており、すぐに気持ちを切り替えていた。
「位置を変えてプレーするのは今後、良いオプションになってくると思います。相手も対応しにくいはずです。右と左では自分のスタイルも変わりますから。試合に応じて、変えていればいいのかな、と」
昨季以上に今季は目立ったパフォーマンスを見せている。2026年のJ1リーグ公式データを見ても、それは明らか。シュートチャンスが得点に結びつく確率を示す指標のゴール期待値『2.4』、シュート総数の『25』はチーム1位、ドリブル総数の『53』は2位マテウス サヴィオの『22』に倍以上の差をつけ断トツの1位。それでも、もどかしいのはチームの結果に結びつかないこと。ゴール数も物足りない。
「毎試合、点を取らないといけないと思っているので」
今季はウイングとしてサイドに張るだけではなく、意図的に中央に入っていくランニングを増やしている。目的は言うまでもない。勝利に導くためのゴール。得点の価値は、誰よりもよく知っている。日本大学から北海道コンサドーレ札幌に加入し、頭角を現したのも、分かりやすい数字を残したからだ。プロ2年目の2020年に4ゴールを挙げると、その翌年には7ゴールを記録。23年にはキャリアハイの8ゴールをマークし、クロアチアのGNKディナモ・ザグレブへ移籍している。得点パターンも多彩。カットインからの左足シュートもあれば、ミドルシュート、スルーパスから抜け出して流し込むゴールなど、あらゆるパターンに対応できる。礎は日大に築いたものだ。神奈川県内の練習場で、まだ大学生だったころに話していた。
「試合を想定して、ひたすらシュート練習をしています。長所を伸ばすために1対1の仕掛けから打つんです。自分で考えて、どうすれば、プロになれるのかって。環境のせいにも人のせいにもしないで、自分のできることをやり続ければ、チャンスはあると思っています」
大学3年時は実質3部の東京都リーグ、4年目は関東2部リーグでもがきながらレベルアップしてきた。逆境に負けず、己を信じて、シュートを打ち続けた結果、いまの金子がある。現在、レッズはPK負けを含めると、7連敗中。これまでにないほどの苦境に立たされている。あきらめれば、何も見えてこない。苦労人の28歳は、ひしひしと感じているようだった。
「こういう状況のなかでもファン・サポーターの方たちは毎試合、応援に来てくれています。自分たちは結果を残さないと。次の試合は何が何でも勝つ、という気持ちを前面に出して闘いたいと思っています」
4月29日は、再びホームの埼玉スタジアム。アウェイで逆転負けを喫した難敵を迎える。川崎フロンターレ戦で金子は今季初ゴールを決めているが、悔しさばかりが残っており、次こそは勝利に導くゴールを決めることを誓っている。雑草魂を忘れないレフティーの闘争心にかげりは一切見えない。
(取材・文/杉園昌之)
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