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「最優先することはより多くのチャンスを作って勝利し、見に来てくださった方々に満足してもらうこと」マチェイ スコルジャ監督(定例会見 12/4)

4日、マチェイ スコルジャ監督の記者会見がオンラインで実施され、6日(土)に埼玉スタジアムで行われる明治安田J1リーグ 第38節 川崎フロンターレ戦【MATCH PARTNER 三菱自動車】に向けての意気込みなどを語った。

(1月、2月のトレーニングキャンプから思い描いていたものと現在がどれくらい近づいているのか、それとも及ばなかったのかというテーマに関して、マチェイ監督は今のチーム状態をどのように感じているのか?)
「シーズンをつうじて、いくつかの要素で苦しい部分があり、我々が期待していたレベルに達しなかった部分はあります。特に攻撃面がそうでした。シーズン開幕当初はチアゴ(サンタナ)をストライカーとして起用し、3月末くらいまでは4点を取ってパフォーマンスも好調だったと思いますが、そこで怪我をしてしまいました。そこからは松尾(佑介)を偽のストライカーのような形で起用することにしました。チアゴが復帰するまでの間は、(FIFA)クラブワールドカップを含め、松尾がストライカーの位置に入り、前線の4人がローテーションしながらプレーするという形を取りましたが、それが今シーズンの最も良い時期だったと思います。

今シーズンを大きく2つに分けることができると思います。クラブワールドカップまでの時期がまず1つで、その中でプレーの内容もどんどん発展していったと感じています。しかし、クラブワールドカップ以降は安定性を欠き、試合によってかなりパフォーマンスのばらつきがありました。ペナルティーエリア内での決定力にも問題がありました。ゾーン2、ゾーン3の攻撃は我々が望んでいたほど効果的なものになりませんでした。8月の後半、9月は望んでいた結果が残せず、さまざまな大会から敗退することが決まってしまいました。後半戦は全体的に選手たちの最もいい状態を維持することができず、安定性を欠いてしまいました」

(マチェイ監督が試みるサッカーの一つになるべく高い位置に選手を置き、選手が押し上げていって相手陣内でボールを奪って素早く攻撃を仕掛けるということが特に今季はスタートからあったと思う。実際のデータを見ると、レッズはハイポジションリカバリーというセンターサークルより先でボールを奪った回数が20チームの中で2番目に少ないので、狙ったことはうまくできなかったのだと思っている。そういう意味で、今シーズンの中で取り組もうとしながらうまくいかなかった要素についてどう捉えているか?)
「それにはハイプレスを掛けると相手がロングボールを蹴って結果的に低い位置でボールを回収するという側面もあると思います。例えば、ハイプレスがいい形で発揮できた試合に、アウェイの清水(エスパルス)戦やアウェイの(東京)ヴェルディ戦があると思いますが、いいプレスを掛けている試合だけど数値を見れば高い位置でボールを回収したということにはなっていません。しかし、それはハイプレスが掛かっているからこそロングボールを蹴っていたからデータに残っていないということになります。そして、それは狙っていた部分でもあります」

(FIFAクラブワールドカップの前に、マチェイ監督はしばしば「クラブワールドカップを見据えて」という言葉を使っていた。例えば渡邊凌磨選手をサイドで起用したことなど。リーグはもっとゴールを取って、勝ち点を取っていかなければいけない。クラブワールドカップはまた違う。それは理解するが、クラブワールドカップに向けた守備を重視した配置をリーグの後半戦でも繰り返した。その考えはどういうところに結論があったのか?)
「クラブワールドカップ以降、守備的な形、あるいはメンバーで戦ったつもりはありませんが、相手のプレーによって押し込まれて結果的に守備が多くなる試合はあったと思います。例えば、柏(レイソル)やガンバ(大阪)とのアウェイゲームなどを考えても、守備を優先して考えるならば、例えば中島翔哉は起用しなかったと思います」

(川崎戦を今シーズンの集大成と位置づけているのか?それとも来シーズンを見据えた戦いをしていくと位置づけているのか?)
「その2つの側面のミックスになると思います。そして同時に、チアゴやマリウス(ホイブラーテン)など、チームを去る選手たちにも出場の機会を設けたいと思っています。ただ、最優先することは岡山戦より多くのチャンスを作って勝利し、見に来てくださった方々が満足して帰れる状況を作ることです」

(川崎にはYBCルヴァンカップでも嫌な思いをさせられたが、どのような点がキーになると考えているか?)
「ルヴァンカップの試合を昨日見返していましたが、特にホームの試合は相手より多くのチャンスを作っていて、勝つべき試合だったと思っています。アウェイの試合は我々が望んでいたプレーがあまり出ず、ゾーン1でシンプルなミスも犯してしまいました。そういうミスを避けるために、より責任を持ってプレーしてもらいたいと思います。そして、川崎は最もチャンスを作っているチームの一つであり、得点が最も多いチームですので、我々のディフェンスが試される試合でもあると思います」

(今週のトレーニングで何人かの選手に取材したが、クラブワールドカップで感じた高いレベルのプレーや強度を大会直後はチームに持ち込もうとしていたが、だんだん元に戻ってしまったというニュアンスの話をしていた。せっかく世界で学んだものをチームとして表現し続けられなかった理由として感じているものはあるか?)
「クラブワールドカップでの経験をJリーグで活用し、それをアドバンテージにしようとしました。それが良かった試合もあったと思いますが、長期的にみるとそれを維持することができませんでした。先ほども言いましたが、クラブワールドカップの後は安定性を欠いてしまいました。フィジカルコンディションを維持できなかったり、集中力が切れたりするという問題があったからです。選手たちも人間ですので、そういうこともあると思いますし、夏場のトレーニングが影響したのかどうかわかりませんが、クラブワールドカップで学んだ高い強度でプレーし続けることを維持することはできませんでした」

(日本の夏は影響していて、トレーニングの強度のコントロールはマチェイ監督も気を使った点だと推察するが、もし同じ状況があったとしたらどういうアプローチをしたいか?)
「シーズン途中のクラブワールドカップは、我々全員にとって初めての経験でした。何か変えられるところがあるとすれば、アメリカから帰ってきた後のトレーニングの部分かもしれません。もしかしたら、試合での強度を上げるためにトレーニングの強度を少し落とすということも必要かもしれません」

(前節のファジアーノ岡山戦は今季アウェイでの3勝目となったが、誰を使うかではなく活躍できる選手を起用したことが素晴らしかったと思う。川崎戦は肥田野蓮治選手や植木颯選手は大学の公式戦があるので起用できないと思うが、その点についてどう感じているか?)
「蓮治と颯はレッズの将来だと思っています。蓮治は決勝点を挙げましたが、まだ若い選手ですし、謙虚でいてもらいたいと思いますので、過大評価をしすぎない方がいいと思います。岡山戦に向けてのトレーニングの中で、トレーニングマッチもプレーしましたが、そのデータを見ても蓮治と颯が高い数値を残していました。プレーヤーロードという数値が非常に高かった2人でしたので、Jリーグに出場しても高い強度を維持しながらプレーすることができると期待して起用しました。2人とも非常に興味深いスキルを持っていて、戦術的にチームが必要としているものでもあります。来シーズン、チームの力になれる選手たちだと思っています」

(川崎は浦和レッズにとっても脅威になった伊藤達哉選手が出場停止となるが、伊藤選手を含めて川崎全体の印象は?)
「ルヴァンカップでは伊藤選手に3点取られ、我々が敗退する大きな要因となった選手でした。この前のサンフレッチェ(広島)戦での1点を含め、川崎の攻撃の中心となる選手です。伊藤の不在で家長昭博が出場することを予想していますが、この経験豊富な選手を抑えるのは大事なことになってきます。川崎の全体のパフォーマンスを考えると、サイドバックが攻撃的に来ることが予想されます。また、ボールをしっかりとキープできて、中盤の選手たちといいコンビネーションをするエリソンはすでに13点取っていますので、非常に重要な存在だと思います。マルシーニョのスピードも特長的ですが、このチームで最も重要なのは、山本(悠樹)、河原(創)、脇坂(泰斗)の中央での3人の連係だと思います。彼らは川崎の心臓部であると言えると思います。非常に賢い選手たちで、ボールをキープするのか、スピードアップするのかという判断を下しながらプレーできる選手たちです」

(今シーズン1年を見てきて、マチェイ監督の守備は局面における集中ディフェンスというイメージを持っている。個人で奪うのではなく、チームで気づけばマイボールにしている。それには多くのスプリントが必要で、レッズはゾーン1、ゾーン2、ゾーン3それぞれのスプリント回数は非常に高く、平均のスプリント回数も多い。デュエル勝利総数もこぼれ球奪取総数もマテウス サヴィオ選手、安居海渡選手が多いが、リーグでは上位ではない。データには反映されないところがマチェイ監督の守備のディテールにあると思うが、どこで奪うかよりもどうやって奪うかを大事にしていたのではないか?)
「そのように言えると思います。我々はマンツーマンでハイプレスを掛けてはいません。マンツーマンでハイプレスを掛ければ、プレスを掛けているゾーンでより多くボールを奪うことができると思います。我々の守備は基本的に中締めをして、中を通させない形でロングボールを蹴らせる、もしくはサイドに出させるという、相手が出そうとしているところを使わせないというものになります。場合によっては低めのゾーン2、ゾーン1で回収することがありますが、そこからの切り替えがあまりうまくいっていませんでした。そのときの攻撃にもう少し枚数を掛けることができていればと思います。守から攻への切り替えのときの攻撃に参加する選手の人数を考えれば、十分ではなかったと思います」

(抽象的な質問になるが、サッカーに限らずプロスポーツクラブである以上、全く同じメンバーやスタッフで来季も戦うということはなかなかないと思う。そういう中で、シーズンの最終戦はどうあるべきなのか?クラブとしてどういう学びや経験をすべきだと考えているか?)
「いくつかの要素を考えなければいけないと思います。第一に考えることは、いいパフォーマンス、いいゲーム、そして勝利をみなさんに喜んでもらうというものです。戦術的なところを考えると、今までのプロセスを考え、その発展と継続性を見たいと思います。その中で中盤の選手の背後、ディフェンスラインとのライン間ですね、あるいはディフェンスラインの背後を使いながらプレーすることができればと思います。来シーズンのことを考えると、例えば根本健太のように来季、重要な役割を担うであろう選手には経験を積んでもらいたいと思っています。それとは別に、いままでレッズに貢献してきた選手で去る人たちのことも考えなければいけません。そういったさまざまな要素を考え、妥協点を見つけながら川崎にいかに勝てるかということを今は考えています」

(肥田野選手は6日に大学の公式戦があるので浦和には帯同しないということでいいのか?)
「蓮治も颯も次の試合のメンバーには入りません」

【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

「最優先することはより多くのチャンスを作って勝利し、見に来てくださった方々に満足してもらうこと」マチェイ スコルジャ監督(定例会見 12/4)

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