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PICK UP PLAYER | 中島翔哉
水を得た魚のようにピッチで躍動している。
中島翔哉は4月29日の川崎フロンターレ戦で今季、初先発のチャンスを与えられると、7戦ぶりの勝利に貢献。流動的に動きながら役割を全うした。中盤でパスを引き出し、攻撃のリズムをつくっていた。チームのボール保持率、チャンス構築率の数字は目に見えて上がっている。いきなりスタートから出場しても、周囲も背番号10の動きはよく理解しているようだ。ボランチの安居海渡は笑みを浮かべて話す。
「翔哉君はいつも通りの感じですよ。自由にやってもらうのが一番いいんで。それに合わせて周りも動きますから」
出場時間が増せば、輝きも増していく。5月6日の柏レイソル戦でもスターティングメンバーに名を連ね、抜群の存在感を示した。0-0で迎えた58分、正確なクロスボールで渡邊凌磨の決勝ゴールをお膳立て。ただ、大仕事をしたあとも、本人はあまり多くを語らない。「凌磨が良い場所に走り込んでくれたから」とあっさりしていた。マジシャンは、自らの言葉でタネ明かしはしない。マジックは見て楽しむもの。天才肌のテクニシャンと15年以上の付き合いがある牲川歩見はしみじみ話す。
「ピッチで全てを語ってくれますので。翔哉はそれでいいんじゃないですか(笑)」
U-17日本代表の元チームメートで、昔から馬が合ったという。レッズで久しぶりに再会すると、2人で過ごす時間が増えた。プライベートで中国茶を飲み、たわいもない会話を楽しむ。
「2人とも独特の空気を持っていて、なぜか知らないけど、気が合うんですよ」
のんびりした相棒もスパイクを履いてピッチに入れば、別格の存在になる。随所で見せる卓越したスキルには目を見張るものがある。
「試合中にベンチから見ていても、いつも『違い』をつくっていますね」
Jリーグ指折りの技巧派と言っていいブラジル人のマテウス サヴィオも、中島の技術力には一目を置く。8年前にヨーロッパで対戦した経験があり、当時からそのテクニックは光っていたという。
「僕がまだポルトガルリーグ(当時エストリール)にいたときに同じピッチで翔哉(当時ポルティモネンセSC)と戦っているんです。彼を敵に回せば、どれだけ大変か、身をもって知っています」
ただ、チームメートになれば、百人力。互いの波長が合い、近い距離でプレーすれば、サヴィオの持ち味もより生きてくる。細かいパス交換、ワンツーでの打開も即興でこなすことができる。
「僕とプレースタイルが似ていますし、同じような感覚を持っていますからね」
“中島効果”を実感している選手は少なくない。中盤の底からパスを供給するボランチの植木颯にとっては、信頼してボールを預けられる存在。あらゆる場所に顔を出し、狭いスペースでもパスを呼び込んでくれる。
「ボールが足元に入れば、ほとんど失わないので、安心して出せます。本当に足から球が離れないんですよ。あれも巧さなのかもしれないですが、他の人とはアイデアが違います。自分では思いつかないようなプレーを選択しますから。一緒にサッカーをしていると、こっちも楽しくなってきますね」
奔放に動き回っているようで、そのポジショニングは絶妙。相手の嫌がる位置に立ち、ボールを持つ味方の視野にすっと入ってくる。センターバックの根本健太はルックアップすると、そこに背番号10が立っているという。
「よく目が合うんです。翔哉君がいると、縦パスを入れやすくて。自分の強みも生きます。ボールをあれだけ引き出せるのは、マークにつく相手の守備陣が迷うところに立っているからだと思います」
フィーリングで動く感覚派のイメージもあるが、即興性だけではない。そこには裏付けがある。ある一面だけをとらえると、本質を見誤ってしまう。自身のプレーに集中しているように見えて、周囲にもそっと目を配っているのだ。試合のメンバーにあまり絡めていない大卒1年目の松永颯汰は感謝していた。
「よく話しかけてくれますし、いろいろと教えてもらっているんです」
いつもひょうひょうとしており、言葉と表情からはなかなか内面まで窺い知れない。それでも、サッカーに飢えているのは、ひしひしと伝わってくる。古巣対決となる5月16日のFC東京戦。10番の活躍なくして、5連勝もないだろう。意気込みのコメントはいらない。ピッチの上で全てを語ってくれるはずだ。
(取材・文/杉園昌之)
中島翔哉は4月29日の川崎フロンターレ戦で今季、初先発のチャンスを与えられると、7戦ぶりの勝利に貢献。流動的に動きながら役割を全うした。中盤でパスを引き出し、攻撃のリズムをつくっていた。チームのボール保持率、チャンス構築率の数字は目に見えて上がっている。いきなりスタートから出場しても、周囲も背番号10の動きはよく理解しているようだ。ボランチの安居海渡は笑みを浮かべて話す。
「翔哉君はいつも通りの感じですよ。自由にやってもらうのが一番いいんで。それに合わせて周りも動きますから」
出場時間が増せば、輝きも増していく。5月6日の柏レイソル戦でもスターティングメンバーに名を連ね、抜群の存在感を示した。0-0で迎えた58分、正確なクロスボールで渡邊凌磨の決勝ゴールをお膳立て。ただ、大仕事をしたあとも、本人はあまり多くを語らない。「凌磨が良い場所に走り込んでくれたから」とあっさりしていた。マジシャンは、自らの言葉でタネ明かしはしない。マジックは見て楽しむもの。天才肌のテクニシャンと15年以上の付き合いがある牲川歩見はしみじみ話す。
「ピッチで全てを語ってくれますので。翔哉はそれでいいんじゃないですか(笑)」
U-17日本代表の元チームメートで、昔から馬が合ったという。レッズで久しぶりに再会すると、2人で過ごす時間が増えた。プライベートで中国茶を飲み、たわいもない会話を楽しむ。
「2人とも独特の空気を持っていて、なぜか知らないけど、気が合うんですよ」
のんびりした相棒もスパイクを履いてピッチに入れば、別格の存在になる。随所で見せる卓越したスキルには目を見張るものがある。
「試合中にベンチから見ていても、いつも『違い』をつくっていますね」
Jリーグ指折りの技巧派と言っていいブラジル人のマテウス サヴィオも、中島の技術力には一目を置く。8年前にヨーロッパで対戦した経験があり、当時からそのテクニックは光っていたという。
「僕がまだポルトガルリーグ(当時エストリール)にいたときに同じピッチで翔哉(当時ポルティモネンセSC)と戦っているんです。彼を敵に回せば、どれだけ大変か、身をもって知っています」
ただ、チームメートになれば、百人力。互いの波長が合い、近い距離でプレーすれば、サヴィオの持ち味もより生きてくる。細かいパス交換、ワンツーでの打開も即興でこなすことができる。
「僕とプレースタイルが似ていますし、同じような感覚を持っていますからね」
“中島効果”を実感している選手は少なくない。中盤の底からパスを供給するボランチの植木颯にとっては、信頼してボールを預けられる存在。あらゆる場所に顔を出し、狭いスペースでもパスを呼び込んでくれる。
「ボールが足元に入れば、ほとんど失わないので、安心して出せます。本当に足から球が離れないんですよ。あれも巧さなのかもしれないですが、他の人とはアイデアが違います。自分では思いつかないようなプレーを選択しますから。一緒にサッカーをしていると、こっちも楽しくなってきますね」
奔放に動き回っているようで、そのポジショニングは絶妙。相手の嫌がる位置に立ち、ボールを持つ味方の視野にすっと入ってくる。センターバックの根本健太はルックアップすると、そこに背番号10が立っているという。
「よく目が合うんです。翔哉君がいると、縦パスを入れやすくて。自分の強みも生きます。ボールをあれだけ引き出せるのは、マークにつく相手の守備陣が迷うところに立っているからだと思います」
フィーリングで動く感覚派のイメージもあるが、即興性だけではない。そこには裏付けがある。ある一面だけをとらえると、本質を見誤ってしまう。自身のプレーに集中しているように見えて、周囲にもそっと目を配っているのだ。試合のメンバーにあまり絡めていない大卒1年目の松永颯汰は感謝していた。
「よく話しかけてくれますし、いろいろと教えてもらっているんです」
いつもひょうひょうとしており、言葉と表情からはなかなか内面まで窺い知れない。それでも、サッカーに飢えているのは、ひしひしと伝わってくる。古巣対決となる5月16日のFC東京戦。10番の活躍なくして、5連勝もないだろう。意気込みのコメントはいらない。ピッチの上で全てを語ってくれるはずだ。
(取材・文/杉園昌之)
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