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ファン・サポーターのみなさまへ「2025シーズンの振り返りと2026年に向けて」
日ごろより浦和レッズへ熱いサポートをいただき、誠にありがとうございます。
今シーズンの公式試合は12月6日(土)に開催された川崎フロンターレ戦をもちまして、全日程を終了いたしました。今シーズンも前年に引き続き、年間70万人を超えるファン・サポーターのみなさまにご来場いただき、心より感謝申し上げます。
一方で今シーズンの成績が、当初の目標に及ばず、多くのファン・サポーターのみなさまのご期待に沿うものではなかったことを、クラブとして重く受け止めております。
シーズンを通じて実践できたこと、できなかったこと。
これらの事実と誠実に向き合い、来年以降も変わらずにみなさまにご期待を寄せていただけるクラブであるよう、2025シーズンの振り返りを、ファン・サポーターのみなさまへお伝えさせていただきます。
2025シーズン振り返り
今シーズンは、6月にFIFAクラブワールドカップへ出場することがあらかじめ決まっており、変則的な日程のシーズンでした。そのような試合日程でも、これまでとおり常にJ1リーグで優勝を狙えるポジションに位置し続けるチーム作りを目指しながら、明確に目標をJ1リーグ優勝と掲げておりました。
シーズンの序盤は上位をキープしながら6月のクラブワールドカップを意識し、シーズン前に行った多くの補強選手をチームに融合し、チームの完成度を高める計画でした。そしてクラブワールドカップを通じて国際レベルのインテンシティ、プレースピードといった「世界基準」を体感し、その経験を活かして、リーグ後半戦を戦い抜き、優勝を目指すという狙いを持っておりました。
リーグ前半戦こそ5連勝した時期もあり、クラブワールドカップ前の最終戦である6月1日(日)の横浜FC戦終了時点で、21試合消化した段階で勝ち点34となり、リーグ優勝を狙える可能性を残しておりました。しかし、その後行われたFIFAクラブワールドカップでは、グループステージを3戦3敗で終え、帰国することとなりました。そして、7月19日(土)から再開したリーグ戦でも「世界基準」の経験を活かすことができず、戦い方に安定性を欠くことが多く、特に、自陣ゾーン1でのビルドアップやゾーン3での攻撃の最終局面での課題が顕在化する試合が続き、得点ができない時期を過ごしました。8月31日(日)の新潟戦から11月30日(日)の岡山戦までが顕著であり、リーグ戦10試合でわずか3得点しか挙げることができず、前半戦のように勝ち点を伸ばすことが出来ず、結果的に優勝争いに加わることができませんでした。国内主要大会である天皇杯およびJリーグYBCルヴァンカップにつきましても、共に準々決勝で敗退し、全てのタイトルにおいて上位に進出することができませんでした。
これらの結果に至った要因のひとつとしましては、ピッチ上で選手が規律を守りながらチームの戦術を高い強度で実行できた試合と、できなかった試合の差が大きく、戦い方に安定性を欠いたことと考えています。例えば、結果として勝利にはつながらなかったものの、2月15日(土)の神戸戦や、3月16日(日)の鹿島戦ではハイプレスが機能し、ネガティブトランジション(攻撃から守備への切り替え)の部分では昨年より改善されたことをうかがえるものでした。また、9月20日(土)の鹿島戦、9月23日(火)の清水戦、9月27日(土)の東京ヴェルディ戦では、多くの時間でボールを保持し、ゲームをコントロールして決定機を作る場面が見られました。しかしながら、これらの試合においても、ゾーン1でのビルドアップのミスが相手の決定機につながり、自ら試合運びを難しくしてしまうケースや、ゾーン3で相手を引き出して裏へ抜ける動きや素早いサイドチェンジ等に課題があり、チーム戦術の実行に安定性を欠くことで獲得できたはずの勝ち点を失ってしまう結果となりました。
FIFAクラブワールドカップについて
アジア代表クラブとして4度目の挑戦となったFIFAクラブワールドカップは、グループステージを突破し、1試合でも多く戦うことを目標としました。また、国際試合を経験することで、チーム全体の力を高める機会とも捉えておりました。J1リーグ優勝の目標はもちろん、クラブワールドカップでの闘いを見据え、実力のある多くの選手をシーズン前に補強しました。シーズン前のキャンプイン後にもダニーロ ボザ、特別ウィンドーを活用して小森飛絢を獲得し、選手層を強化しましたが、結果としては3戦3敗となり、グループステージを突破することは叶いませんでした。
ボール保持の技術や判断力、球際の競り合いなど、多くの指標で世界基準とのギャップを感じる結果となりました。一方で、松尾、金子、サヴィオといった選手がドリブルや個人の仕掛けで局面を打開した場面も見られ、世界基準で闘うために、個人で局面を打開できる選手の必要性をあらためて認識することともなりました。
今後もう一度、クラブワールドカップに出場した際に、世界のトップレベルのクラブとして結果を出すために、ピッチ内外で経験し、感じたあらゆることを一過性の「貴重な経験」として終わらせず、クラブ内に継承していくとともに、今後のチーム作りに還元してまいります。
コンセプトベースの振り返り
以下、トップチームのコンセプトである「チーム」、「個」、「姿勢」に沿った振り返りをさせていただきます。
・チーム:攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレー
今シーズンは、攻守両面におけるトランジションの質と量の改善を昨年来の課題として取り組んでまいりました。しかし、改善できた試合と改善できなかった試合との波があり、安定して結果を残せなかったという評価をしております。選手のフィジカルコンディションや、フォーメーションの組み合わせによってもパフォーマンスに差がありました。例えば前半戦の5連勝していた時期のように、多少のミスがあったとしても安定してパフォーマンスの良化が見えていた時期がある一方で、クラブワールドカップ後には、それが見られない試合が増えてしまいました。本来目指していた、ハイプレスが機能し、ボールを取られても即時奪回して短い時間で攻め切るようなシーンは、後半戦においてはほとんど見られず、さらにゾーン1でのミスや、ゾーン3において効果的な攻撃ができずに、多くの勝ち点を失ってしまいました。シーズンを通じて、攻守両面におけるトランジションの質と量は改善されなかったわけではありませんが、改善の度合いは全く満足できるものではありませんでした。来年に向けては、課題をより詳細に分析し、改善された試合の割合を増やしてまいります。
・個:個の能力の最大限発揮
選手個人の能力を最大限に発揮するための前提として、選手のコンディション維持が重要な要素となります。その点において、今シーズンはメディカル、フィジカルグループが大きな成果をあげました。シーズンの途中で数か月に渡り離脱するような大きな怪我人が出ることはなく、年間を通じて安定して戦力を維持することができました。
一方で、怪我を起因にした長期離脱選手がいない中で、特に前半戦で試合出場メンバーが固定されたことで、途中から出場する選手がコンビネーションや試合勘の点で選手本来の力を発揮しきれない試合が多くあったことも事実です。
・姿勢:前向き、攻撃的、情熱的なプレー
ホームゲームにおいて1試合あたりの勝ち点が2.21と、優勝した鹿島アントラーズ(2.26)とほぼ変わらない勝ち点を獲得できた一方で、アウェイゲームでは0.89と勝ち点を積み上げることができませんでした。
ホームゲームにおいて、多くのファン・サポーターの皆さまのご声援を受けて、前向きな姿勢を示せた試合が多かった半面、アウェイゲームでの姿勢や戦い方は決して評価できるものではなく、ホームゲームとアウェイゲームでは、姿勢・成績ともに一貫性を欠いたと言わざるを得ません。その要因は一つではないと考えており、よりピッチ内のコミュニケーションを活性化することといった基本的なことから、ピッチ内でリーダーシップを発揮できるリバウンドメンタリティを持った選手を育成していくことや、クラブ主導のメンタル面でのマネジメントまで含めて、来季に向けての大きな課題の一つと考えております。
2026年に向けて
スコルジャ監督を再招聘した際に、再度、チームを成長曲線にのせるというミッションを掲げました。攻守のバランスにおいて攻撃に傾斜し過ぎた部分を調整し、ハイプレスとローディフェンスを組み合わせる、あるいは使い分けることで守備を再構築したことには一定の評価をしております。しかし、その反面、攻撃で再度課題を抱えることになり、成長曲線にうまく着地させることができていない現状があります。前述のとおり、成果が出せた試合も一定数あるものの、チーム戦術の実行に安定性を欠き、成果を出せなかった試合も多い、というのが、現在のチーム状況と考えています。
要因は一つではなく、複数の課題が折り重なったものと考えています。攻守両面におけるトランジションの質と量の改善については引き続き最優先の課題となります。その他にも、ゾーン1でのビルドアップやローディフェンスを選択した際の技術や判断、ゾーン3で効果的な攻撃を継続して表現すること、苦しい展開におけるピッチ内でのリーダーシップや選手間のコミュニケーション、アウェイゲームで勝ち切ること、等。これらの課題を一つひとつ改善して、より安定した成果を出せる試合の割合を増やしていけるようスコルジャ監督とともに課題に取り組んでまいります。課題解決のため、選手の補強に関しては、ピッチ内での統率力や、リバウンドメンタリティを兼ね備えた選手が望ましいと考えており、具体的なポジションとしてディフェンスラインの補強を検討しています。
またチームスタッフの体制を強化する点についても、来シーズンのテーマの一つと捉えています。すでにお知らせのとおり、テクニカルダイレクター(TD)を招聘いたしました。前任のTDが退任後、このポジションは長らく不在となっておりました。選定にあたっては重要なポジションであるがゆえに拙速に決めることはせず、慎重に候補者を絞ってまいりました。常に情報収集を続け、この度、ようやくこのポジションを任せられる適任者と合意に至ったものです。TDは今後のチーム編成に特化した役割を担うことになります。
最後に
2025シーズン、特に後半戦において安定した成果を得られない試合が多く、ファン・サポーターのみなさまのご期待に沿う結果が出せず大変心苦しく思っております。2026年に向けて、引き続き応援したいと思っていただけるクラブになるため、一つひとつの課題解決に真摯に取り組んでいくしかない状況であると考えております。
このような状況においても、試合のたびに多くの方々にサポートをいただき、J1リーグのホームゲームでは709,655人にスタジアムへご来場いただきました。ホームゲームへのご来場者のみならず、苦しい思いをさせてしまうことが多かったアウェイゲームで一緒に闘ってくださったみなさま、配信等で試合を観戦してくださったみなさま、様々なかたちで浦和レッズに対してご期待を寄せ、共に闘ってくださった全てのみなさまに、あらためて感謝申し上げます。
私たち浦和レッズは、みなさまのご期待が当たり前のことではないと強く認識しなければいけません。ご期待を寄せていただくばかりでなく、そのご期待に応えていく責務があり、そのための努力を怠ることがあってはいけません。そのことを強く自覚し、来年も誠実にクラブ運営を行ってまいります。
今シーズンも最後まで熱いサポートをいただきまして、誠にありがとうございました。
来シーズンは明治安田J1百年構想リーグを経て、秋春制へ移行するシーズンとなります。
引き続き、浦和レッズへの熱いサポートを、どうぞよろしくお願い申し上げます。
浦和レッドダイヤモンズ
今シーズンの公式試合は12月6日(土)に開催された川崎フロンターレ戦をもちまして、全日程を終了いたしました。今シーズンも前年に引き続き、年間70万人を超えるファン・サポーターのみなさまにご来場いただき、心より感謝申し上げます。
一方で今シーズンの成績が、当初の目標に及ばず、多くのファン・サポーターのみなさまのご期待に沿うものではなかったことを、クラブとして重く受け止めております。
シーズンを通じて実践できたこと、できなかったこと。
これらの事実と誠実に向き合い、来年以降も変わらずにみなさまにご期待を寄せていただけるクラブであるよう、2025シーズンの振り返りを、ファン・サポーターのみなさまへお伝えさせていただきます。
2025シーズン振り返り
今シーズンは、6月にFIFAクラブワールドカップへ出場することがあらかじめ決まっており、変則的な日程のシーズンでした。そのような試合日程でも、これまでとおり常にJ1リーグで優勝を狙えるポジションに位置し続けるチーム作りを目指しながら、明確に目標をJ1リーグ優勝と掲げておりました。
シーズンの序盤は上位をキープしながら6月のクラブワールドカップを意識し、シーズン前に行った多くの補強選手をチームに融合し、チームの完成度を高める計画でした。そしてクラブワールドカップを通じて国際レベルのインテンシティ、プレースピードといった「世界基準」を体感し、その経験を活かして、リーグ後半戦を戦い抜き、優勝を目指すという狙いを持っておりました。
リーグ前半戦こそ5連勝した時期もあり、クラブワールドカップ前の最終戦である6月1日(日)の横浜FC戦終了時点で、21試合消化した段階で勝ち点34となり、リーグ優勝を狙える可能性を残しておりました。しかし、その後行われたFIFAクラブワールドカップでは、グループステージを3戦3敗で終え、帰国することとなりました。そして、7月19日(土)から再開したリーグ戦でも「世界基準」の経験を活かすことができず、戦い方に安定性を欠くことが多く、特に、自陣ゾーン1でのビルドアップやゾーン3での攻撃の最終局面での課題が顕在化する試合が続き、得点ができない時期を過ごしました。8月31日(日)の新潟戦から11月30日(日)の岡山戦までが顕著であり、リーグ戦10試合でわずか3得点しか挙げることができず、前半戦のように勝ち点を伸ばすことが出来ず、結果的に優勝争いに加わることができませんでした。国内主要大会である天皇杯およびJリーグYBCルヴァンカップにつきましても、共に準々決勝で敗退し、全てのタイトルにおいて上位に進出することができませんでした。
これらの結果に至った要因のひとつとしましては、ピッチ上で選手が規律を守りながらチームの戦術を高い強度で実行できた試合と、できなかった試合の差が大きく、戦い方に安定性を欠いたことと考えています。例えば、結果として勝利にはつながらなかったものの、2月15日(土)の神戸戦や、3月16日(日)の鹿島戦ではハイプレスが機能し、ネガティブトランジション(攻撃から守備への切り替え)の部分では昨年より改善されたことをうかがえるものでした。また、9月20日(土)の鹿島戦、9月23日(火)の清水戦、9月27日(土)の東京ヴェルディ戦では、多くの時間でボールを保持し、ゲームをコントロールして決定機を作る場面が見られました。しかしながら、これらの試合においても、ゾーン1でのビルドアップのミスが相手の決定機につながり、自ら試合運びを難しくしてしまうケースや、ゾーン3で相手を引き出して裏へ抜ける動きや素早いサイドチェンジ等に課題があり、チーム戦術の実行に安定性を欠くことで獲得できたはずの勝ち点を失ってしまう結果となりました。
FIFAクラブワールドカップについて
アジア代表クラブとして4度目の挑戦となったFIFAクラブワールドカップは、グループステージを突破し、1試合でも多く戦うことを目標としました。また、国際試合を経験することで、チーム全体の力を高める機会とも捉えておりました。J1リーグ優勝の目標はもちろん、クラブワールドカップでの闘いを見据え、実力のある多くの選手をシーズン前に補強しました。シーズン前のキャンプイン後にもダニーロ ボザ、特別ウィンドーを活用して小森飛絢を獲得し、選手層を強化しましたが、結果としては3戦3敗となり、グループステージを突破することは叶いませんでした。
ボール保持の技術や判断力、球際の競り合いなど、多くの指標で世界基準とのギャップを感じる結果となりました。一方で、松尾、金子、サヴィオといった選手がドリブルや個人の仕掛けで局面を打開した場面も見られ、世界基準で闘うために、個人で局面を打開できる選手の必要性をあらためて認識することともなりました。
今後もう一度、クラブワールドカップに出場した際に、世界のトップレベルのクラブとして結果を出すために、ピッチ内外で経験し、感じたあらゆることを一過性の「貴重な経験」として終わらせず、クラブ内に継承していくとともに、今後のチーム作りに還元してまいります。
コンセプトベースの振り返り
以下、トップチームのコンセプトである「チーム」、「個」、「姿勢」に沿った振り返りをさせていただきます。
・チーム:攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレー
今シーズンは、攻守両面におけるトランジションの質と量の改善を昨年来の課題として取り組んでまいりました。しかし、改善できた試合と改善できなかった試合との波があり、安定して結果を残せなかったという評価をしております。選手のフィジカルコンディションや、フォーメーションの組み合わせによってもパフォーマンスに差がありました。例えば前半戦の5連勝していた時期のように、多少のミスがあったとしても安定してパフォーマンスの良化が見えていた時期がある一方で、クラブワールドカップ後には、それが見られない試合が増えてしまいました。本来目指していた、ハイプレスが機能し、ボールを取られても即時奪回して短い時間で攻め切るようなシーンは、後半戦においてはほとんど見られず、さらにゾーン1でのミスや、ゾーン3において効果的な攻撃ができずに、多くの勝ち点を失ってしまいました。シーズンを通じて、攻守両面におけるトランジションの質と量は改善されなかったわけではありませんが、改善の度合いは全く満足できるものではありませんでした。来年に向けては、課題をより詳細に分析し、改善された試合の割合を増やしてまいります。
・個:個の能力の最大限発揮
選手個人の能力を最大限に発揮するための前提として、選手のコンディション維持が重要な要素となります。その点において、今シーズンはメディカル、フィジカルグループが大きな成果をあげました。シーズンの途中で数か月に渡り離脱するような大きな怪我人が出ることはなく、年間を通じて安定して戦力を維持することができました。
一方で、怪我を起因にした長期離脱選手がいない中で、特に前半戦で試合出場メンバーが固定されたことで、途中から出場する選手がコンビネーションや試合勘の点で選手本来の力を発揮しきれない試合が多くあったことも事実です。
・姿勢:前向き、攻撃的、情熱的なプレー
ホームゲームにおいて1試合あたりの勝ち点が2.21と、優勝した鹿島アントラーズ(2.26)とほぼ変わらない勝ち点を獲得できた一方で、アウェイゲームでは0.89と勝ち点を積み上げることができませんでした。
ホームゲームにおいて、多くのファン・サポーターの皆さまのご声援を受けて、前向きな姿勢を示せた試合が多かった半面、アウェイゲームでの姿勢や戦い方は決して評価できるものではなく、ホームゲームとアウェイゲームでは、姿勢・成績ともに一貫性を欠いたと言わざるを得ません。その要因は一つではないと考えており、よりピッチ内のコミュニケーションを活性化することといった基本的なことから、ピッチ内でリーダーシップを発揮できるリバウンドメンタリティを持った選手を育成していくことや、クラブ主導のメンタル面でのマネジメントまで含めて、来季に向けての大きな課題の一つと考えております。
2026年に向けて
スコルジャ監督を再招聘した際に、再度、チームを成長曲線にのせるというミッションを掲げました。攻守のバランスにおいて攻撃に傾斜し過ぎた部分を調整し、ハイプレスとローディフェンスを組み合わせる、あるいは使い分けることで守備を再構築したことには一定の評価をしております。しかし、その反面、攻撃で再度課題を抱えることになり、成長曲線にうまく着地させることができていない現状があります。前述のとおり、成果が出せた試合も一定数あるものの、チーム戦術の実行に安定性を欠き、成果を出せなかった試合も多い、というのが、現在のチーム状況と考えています。
要因は一つではなく、複数の課題が折り重なったものと考えています。攻守両面におけるトランジションの質と量の改善については引き続き最優先の課題となります。その他にも、ゾーン1でのビルドアップやローディフェンスを選択した際の技術や判断、ゾーン3で効果的な攻撃を継続して表現すること、苦しい展開におけるピッチ内でのリーダーシップや選手間のコミュニケーション、アウェイゲームで勝ち切ること、等。これらの課題を一つひとつ改善して、より安定した成果を出せる試合の割合を増やしていけるようスコルジャ監督とともに課題に取り組んでまいります。課題解決のため、選手の補強に関しては、ピッチ内での統率力や、リバウンドメンタリティを兼ね備えた選手が望ましいと考えており、具体的なポジションとしてディフェンスラインの補強を検討しています。
またチームスタッフの体制を強化する点についても、来シーズンのテーマの一つと捉えています。すでにお知らせのとおり、テクニカルダイレクター(TD)を招聘いたしました。前任のTDが退任後、このポジションは長らく不在となっておりました。選定にあたっては重要なポジションであるがゆえに拙速に決めることはせず、慎重に候補者を絞ってまいりました。常に情報収集を続け、この度、ようやくこのポジションを任せられる適任者と合意に至ったものです。TDは今後のチーム編成に特化した役割を担うことになります。
最後に
2025シーズン、特に後半戦において安定した成果を得られない試合が多く、ファン・サポーターのみなさまのご期待に沿う結果が出せず大変心苦しく思っております。2026年に向けて、引き続き応援したいと思っていただけるクラブになるため、一つひとつの課題解決に真摯に取り組んでいくしかない状況であると考えております。
このような状況においても、試合のたびに多くの方々にサポートをいただき、J1リーグのホームゲームでは709,655人にスタジアムへご来場いただきました。ホームゲームへのご来場者のみならず、苦しい思いをさせてしまうことが多かったアウェイゲームで一緒に闘ってくださったみなさま、配信等で試合を観戦してくださったみなさま、様々なかたちで浦和レッズに対してご期待を寄せ、共に闘ってくださった全てのみなさまに、あらためて感謝申し上げます。
私たち浦和レッズは、みなさまのご期待が当たり前のことではないと強く認識しなければいけません。ご期待を寄せていただくばかりでなく、そのご期待に応えていく責務があり、そのための努力を怠ることがあってはいけません。そのことを強く自覚し、来年も誠実にクラブ運営を行ってまいります。
今シーズンも最後まで熱いサポートをいただきまして、誠にありがとうございました。
来シーズンは明治安田J1百年構想リーグを経て、秋春制へ移行するシーズンとなります。
引き続き、浦和レッズへの熱いサポートを、どうぞよろしくお願い申し上げます。
浦和レッドダイヤモンズ
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