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vsジェフ千葉 試合後 フィンケ監督

フォルカー・フィンケ監督 Jリーグ第28節 ジェフユナイテッド千葉戦後のコメント
「最終的には妥当な勝利と言うことができると思いますが、長い時間帯にわたって見ることができたのは、私たちの選手が、前回のとても残念な形に終わった結果をまだ頭の中に残していたということです。
そして、特に後半に入って、私たちはとてもたくさんの得点チャンスを、作り出していましたが、残念ながらなかなかゴールに結び付けることができていませんでした。ですので、私は、外から見ていて、このまま得点チャンスを外していけば、もしかしたら、この試合に負けてしまうのではないか、失点を食らってしまうのではないか、と感じていました。
最終的には、私たちが、2-1となるゴールを決めることができて、選手たちにしてみれば、このゴールは、ある意味とても解放感が与えられるような素晴らしいゴールだったのではないでしょうか。その後、最終的には3点目を入れることができましたが、すべての3得点にいえることは、とても美しい形でチャンスを作り出して、ゴールを生み出していたことです。そして高橋峻希がゴールを決めることができましたが、これは特に若い選手たちにしてみれば、とても大きな喜びだったのではないでしょうか。
最後になりますが、千葉は最初の60分間、非常に運動量の豊富なプレーを見せていたと思います。実際に私たちがとても危ない状態、危険な状態にもなっていたわけですし、彼らはその運動量という意味ではとても優れたところを見せていたと思いますが、いつかはその運動量がキープできなくなる時間帯があるのではないかと思っていました。実際に、特に試合の終盤になりまして、運動量が落ちたことによって、私たちが相手のペナルティーエリアの周辺でたくさんのパッシングをすることができて、実際にたくさんの得点チャンスを生み出すことができていました。
最終的には、今日の勝利は妥当だと言えるのではないでしょうか」

(私が見ている限りでは得点場面がたくさんありました。ただ、多分、監督が一番やりたいサッカーでできたチャンスの内容としては、後半10分にコンビネーションから最後に阿部が抜け出して、フリーでシュートして、最後はポストに当たって入らなかったですけれども、ああいうチャンスが、監督にとって、作りたいチャンスだったのではないかと思います。それにアグリー(賛同)だった場合に、それがコンビネーションからうまくチャンスができないという事実をどういうように考えていますか?)
「得点チャンスの質は、今日はとてもよかったと思いますし、実際にいくつかとても質の高い形での得点チャンスを作り出していたと思います。試合の終わりごろだけではなくて、特に後半に入ってからのだいたい50分から70分前後、私たちは、とてもたくさんの得点チャンスを、実際にコンビネーションによって生み出していました。私たちの選手は目を閉じてシュートを打ったわけでもありませんし、ゴールがどこにあるか分からないまま、遠くからロングシュートを狙ったりとか、そのようなことはほぼなかったと思っています。ですので、多くの得点チャンスは、私たちが自らのプレーによって、意図的に作り出したものでしたし、これはとてもいい形で実践できていたのではないでしょうか。
私が一つ不満に思っていることといえば、それは特に前半に起きていたことですが、何人かの選手が、何度か間違ったプレーの選択をしてしまって、質の高いプレーをしていなかったことです」

(前半について、前の試合のショッキングな結果が尾を引いていたということでした。尾を引いた結果、選択が悪かったとおっしゃいましたが、足が非常に動かない状態で、個人で打開しなければいけないというような、まるで『去年の浦和レッズ』を見ているような感じでしたけれども、どうしてこのようなことが起きるのでしょうか?)
「これはある意味、よくあることです。なぜかというと、このチームは、長い間、結果がなかなか出ていなかった、それによってさまざまな不満を抱えていた・・・。このような状況では、メンタル的な『強さ』が部分的に失われてしまいます。そうすると、どうしても、今まで長年にわたってプレーしていなかった新しいプレースタイルを実践するのが難しくなってきます。実際に選手たちはとても努力をしていたわけですが、残念ながらこのような結果が続いていたこともあって、なかなか自分たちがやっていることを実践することができていませんでした。しかも今年からやろうとしていることは、今までやっていなかった新しいこと、新しいプレースタイルであるわけです。このような状況になりますと、やはり一人の監督として非常に難しい状況になるわけですが、それでも選手たちはできる限りの努力をしていたわけですし、最終的にはしっかりと再び立ち上がって、結果を残すために進んできました。もちろん、すべてがうまくいくわけではありませんし、部分的にはまだまだうまくいっていない、これから改善していかなくてはいけないところもありますが、それでもしっかりと前進していると思います。

誤解が生まれないように、もう一度しっかりと説明したいと思いますが、ピッチに立った選手たちがお互い助け合いながら、共同作業をしながらサッカーをするということ、これは私自身確信を持って実践させていることです。これが『コンビネーションサッカー』という言葉によって、よく表現されているわけですが、これはあくまで、ここ最近、国際的なプロサッカーの発展の中で見ることができたことに対してのリアクションです。今日の国際レベルのサッカーでは1人の選手が独りでチームに勝利をもたらすことはできません。なぜかというと、世界中を見渡してもそうですが、すべてのチーム、そしてすべての選手に多くの運動量が求められるようになってきました。そしてとてもインテンシブな形でのゲームが展開されるようになりました。実際にすべてのチームがスペースをとても狭くすることができますし、非常に大きな圧力の掛かったところで、優れたサッカーを展開しなくてはならない時代になってきています。これが、現在の国際的なレベルでのサッカーです。今から10年、12年、15年前のように、僅か数人のとても『個』の優れた選手がピッチでチーム全体をリードして、そしてすべてを決定づけてしまう・・・そのような時代ではもうなくなったのです。ですので、現在の国際レベルのサッカー界ではすべての選手のそれぞれの個性は伸ばしますし、優れた『個』を持った選手は必要ですが、ピッチの上では優れた共同作業を実践しなくてはなりません。これが時代の流れであり、以前との決定的な違いです。
確かに、数年前まででしたら、とても優れた数人の選手がピッチに立って、彼らが試合を決定づけてしまうところもありました。私たちの国、ドイツでしたら、リベロとしてプレーしていたローター・マテウス、中盤でプレーしていたギュンター・ネッツァー、それからヴォルフガング・オベラートなどがそうですが、その他、世界的にも有名な選手がたくさん生まれたわけです。そして彼らと、もう一人、前線に優れたフォワードがいることによって、縦の軸ができて、それでこのような『君臨する』選手たちがチーム全体をリードして、試合を決定づけたところもありました。そしてその他のピッチに立った選手たちはとにかく走り、とにかく戦った・・・しかし、現在の国際レベルのプロサッカーでは時代が変わっているのです。現在では、プレーの密度が濃くなって、さらに豊富な運動量が求められることによって、チーム全体がボールオリエンテッドに機能して動かなくてはいけなくなりました。お互いピッチの上で助け合うことが大切なのです。
ですので、私たちがやろうとしているサッカー、よく日本でも『コンビネーションサッカー』と言われますし、よく『美しいサッカーを実践しようとしているんだ』というふうに言われますが、私たちが意図的に美しいサッカーをやろうとしているわけではありません。誤解が起きないようにお話ししますが、美しいサッカーをすることが目標ではないのです。私たちが今やろうとしていることは、国際的なプロサッカーのレベルで『常識』となっているサッカーをここで導入しようということなのです。そして、あくまでもこれを良い形で実践したら、その結果として美しいサッカーを見ることができるのです。しかし、これは目標ではありません。目標というのは、私たちが国際レベルでプレーされているプレースタイルをここで導入して、実践していくことです。これが、私たちが今、行なおうとしている、目指そうとしている目標なのです」

(3枚目の交代枠を使い切っていなければ、闘莉王は交代すべきような状態だったのでしょうか?)
「私が現時点で得ている情報では、彼は『つった』ということです。つったということは、試合中に、とても筋肉の疲労がたまっていたサインでもあるでしょうし、本人もあの時点で自ら『駄目だ』としっかりとサインを出して、交代してほしいことを言ってきたわけですが、実際に既に3人の交代枠を切っている状態でしたし、本人もすぐに、実際に3人が交代されていたことに気付いたわけです。ですので、彼はプレーを続行したわけですが、私は、つったのであれば、例えば前線に行って、あまり負荷のかからないようなところでプレーした方がいいということを彼に伝えました。しかし実際に最後まで彼はピッチの上でプレーを続けることができたわけですし、現時点で私が得ている情報では、あまり大きなケガではないということです。あくまでつっただけだということでした。代表への道が閉ざされたというわけでは一切ありませんよ(笑)」

(先ほどの質問と合わせて、あれだけチャンスを作って、決定的なチャンスを何本も外して、フォルカー・フィンケさんが『このままでは負けてしまうかもしれない』と思った、みんなも確かに思っている。この現象なんですけれども、チャンスを決めることができないというのは、フィンケ監督にとって、必然的なバックグラウンド、バックボーンというのはあるのでしょうか?)
「サッカーは、すべてを論理的に説明できるものではありませんし、サッカーは数学でもありません。だからこそ、このサッカーというものは、感情的にもとても興味深い、そしてとても素晴らしい競技なのではないでしょうか。選手が得点を決める『時期』というのもありますが、今日の高原のようにピッチに送り出してから、僅か23秒で相手のゴールキーパーと1対1の状況になってゴールを決めることもできたはずですが、決めることができなかった。このようなことについて、さまざまな方が試合の後に、夜、何度も何度も、なぜ高原があの状況でゴールを決めることができなかったんだと一緒に仲良くビールでも飲みながらディベードすることができると思います(笑)。『なぜゴールを決めることができなかったんだ』と語り合いながら『はい、次のもう一杯、またビール』と(笑)。このような形で一つのことについて延々と話し合うことができる、語り合うことができるのが、この競技の素晴らしいところです。実際に、このことに関しましては、いくら話をしたとしても、最終的な答えはなかなか出て来ないと思いますが・・・しかし、それが、この競技の素晴らしいところでもあるのです」

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