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「まだまだ伸ばさないといけないものがある」曺 貴裁監督(定例会見9/4)

4日、曺 貴裁監督の記者会見が対面形式で実施され、6日(日)にメルカリスタジアムで行われる明治安田J1リーグ 第6節 鹿島アントラーズ戦に向けての意気込みなどを語った。

(7月5日の就任会見から9月2日のアビスパ福岡戦の試合後会見までの言葉を紐解いていくと、曺監督が多く使う言葉として「選手たち」が挙げられる。他には「試合」、「チーム」。最も気になる言葉として「自分たち」をかなり使うが、曺監督にとっての「自分たち」とは何を差すのか?)
「もちろんサッカーチームなので、相手チームやレフェリーや天候をコントロールできないのは周知の事実ですから、コントロールできるものが『自分たち』であることは間違いありません。その『自分たち』を成長させる、それが勝利につながるというサイクルを毎試合、毎日回していくというのが、監督がチームに示すものとして一番いいものだと思います。その中には、相手がどういうことを仕掛けてくるか、どう防いでくるか、みたいなことを想像しながらマネジメントしなければいけませんが、『自分たち』のやってきたこと、目指しているもの、そしてそれが勝利につながるということをすべてセットとしてレベルを上げていかない限りは、シーズンを通して『自分たち』らしく勝ち切ったという試合が増えないと思っています。そういう意味で使っていると思いますが、あまり意識はしていません」

(この言葉を勝手に分析させていただくと、PDCAサイクル、プランを立てて、実行して、評価して、さらに実行するという繰り返しになっていると思う。改善されているところは意外と人の目にはつかず、新しい課題が目につく。例えば、福岡戦では安い失点があったと思う。ただ、クロスボールの対応、あるいはセットプレーの守備のフォーメーションは変化が見られたと思います。その改善についてどう捉えているか?)
「おっしゃるように、福岡戦の前の試合が(横浜F・)マリノス戦でしたが、その前の(FC)町田(ゼルビア)との試合で、自分たちが改善しなければいけない、どういう問題を解決しなければいけないかというのは、本当に小さい問題なのか、グループだけの問題なのか、チーム全体として取り上げなければいけないのか、その問題の質を捉えることで答えは変わってくると思います。マリノス戦で出た課題は、福岡戦でも同じ絵になることが想像できましたし、それについて前日、前々日と少し押さえた方がいいなと。コンディションのこともあるので長いトレーニングはできませんが、取り組んだことの成果は一定数出たとは思います。

昨日は移動してリカバーだけでしたが、福岡戦で出た課題を今日、明日でどう改善して鹿島(アントラーズ)さんに挑んでいくのかということはもちろん大事ですが、課題が出て、それをPDCAで回して改善していくスタンスをチームとして取り続けることが本当にチームにとって、その場、その状況で正しいかどうかはまた別だと僕は思っているので、あえて言うこともありますし、あえて言わないこともあります。あえてポイントを指摘しないと困りますが、1回1回課題を指摘することで選手のエネルギーが削がれてしまうこともあります。それは、前にこうしたから良くなったということが全く通用しないものがチームだと思っています。チームは人間が作るものですから生き物ですし、今日もまだ鹿島戦に向かうにあたって選手には多くを話してはいません。選手は鹿島さんに向かって自分たちをぶつけていきたいという気持ちを強く持っていると思いますので、その気持ちを逆撫でしないようにうまく伝えたいと思っています」

(他には「ハイブリッド」という言葉もよく出てくるが、この言葉がメディアにうまく伝わらないと、さらにファン・サポーターのみなさん、あるいはサッカーファンに伝わらないと思う。曺監督が考える「ハイブリッド」を言葉で伝えていただきたい)
「僕は浦和レッズの監督として仕事を始めて2ヵ月と少しですが、外から自分が感じた浦和レッズの印象、例えば監督として実際に選手と接して感じる印象は全く同じだったわけではありません。中に入ったからこそ知れるものもありますし、自分が抱いていたイメージよりこうだったんだ、ああだったんだという気づきは毎日あるものです。僕が言う『ハイブリッド』はすべての面を平均的にして隙がないチームを作るというよりは、春夏秋冬咲く花はだいたい決まっているもので、春に咲くべき花が春に咲かないという前提で『ハイブリッド』にしてもしょうがないと思います。どこか尖りながらも、車で言えばエンジンが必ず機能してスイスイ走るようなチームが間違いなく上に行くと思っていますし、世界的に見てもそうだと思います。

色のない『ハイブリッド』の車を作るというよりは、何か特長がある、その中でも自分たちの見える、見えない課題みたいなものをいい意味で隠せる、そして試合がファン・サポーターの方々のボルテージが上がる場面はこうなんだということを共有してもらえる、すべての面で分かりやすいけど、自分たちが引き起こす何かについて向き合っているというのが『ハイブリッド』の正体だと思っています。ただ、今は全くそれが完成された車になっているとは僕自身も感じていませんし、まだまだそれに関しては越えなければいけないハードルがあると思いますが、前に進んでいる実感はありますので、それをさらに確信にするために日々、トレーニングと試合を続けていきたいですし、そこに臨まなければいけないと思っています」

(失点が続いている状況に目を瞑るというわけにはいかないと思うが、あえてそこよりも得点を取れていることや尖っていることにフォーカスしていくということなのか?)
「始めからこれくらいの失点をするスタートで『ハイブリッド』を始めたわけではないので、全くいいとは思っていませんが、新しい監督が来て、そういったものがエラーではなくて、今起きているものは現実として捉えなければいけないと思っています。もちろん修正する必要があるものは修正して臨みたいですが、僕の中では問題は点を取られることにファジーになっているというか、もっと局面、こういうことを対処したときにこういう答えがあったよね、ということが2つとか3つではなくて、1つないし1.5くらいになっていると思っています。修正することが目的ではないですが、起こる現象を捉えて、選手が理解を深めて実行できることが強いチームになるために必要です。ホームで戦った(サンフレッチェ)広島戦は完敗でしたし、ズタズタにされたと思っていますが、あの試合を除く被ゴール期待値は実はそんなに高くなくて、1.09くらいでリーグで3番目か4番目くらいに低いんですよ。だけど、失点がそれに比例しないというのは、ある意味で全体構造の中というよりも、その局面におけるものがまだ研ぎ澄まされていないという印象は僕もスタッフも選手たちも感じていると思いますので無失点を目指していきたいです。

一方でおっしゃられるとおり、5試合で11点取れているというのは、点数は偶然の要素がないわけではないですが、自分たちのゴール期待値もかなり上がった中で、それと同じくらいの数字が出ているというのは、自分たちがやってきたものを後押しするものだと思います。僕が今すごくいいなと思っているのは、11点取ったことで選手が満足していないというか、『もっと取れたよね』という気持ちになっているはずなので、その前向きなトライは絶対に火を消してはいけないと思いますし、決して逆転勝ちをしたいとか、打ち合いをしたというつもりはないですが、そういうものがチームに一体感として生まれているのは、開幕したころよりも感じる場面は多いです」

(得点も失点も多いというのは見ている側は楽しいと思うが…)
「でも失点して楽しくはないと思いますよ」

(中立の人にとっては3-0よりも3-2の方が楽しいという面もあると思うが、曺監督は監督としてもそうだし、見る立場としてどういう試合がいいと思うのか?)
「(FIFA)ワールドカップのように自分が肩入れしない試合は、おっしゃるように両方にゴールが生まれて後半アディショナルタイムにどちらかが決める試合は見ていて面白い部類に入る確率は高いです。0-0の時間が長くても面白い試合はたくさんありますが、目に見えて緊張感が高まるのは、ゴールであり失点であり、とその担当でなければ思いますが、僕は監督なので、福岡戦も心臓がいくつあっても足りないような試合というか、その瞬間、それをいいように捉えているわけではないですが、ワンプレーで目まぐるしく状況が変わるようなものの中で、選手が自覚を深めて勝ちに持っていけるチームにしていきたいという肝tもあります。

先ほども言いましたが、起きた現象で何かが間違えていたとか、うまくいかなかったというよりは、現実なので、その現実に対して、さらに上回るエネルギーをどう出していくか。どう修正ポイントを入れていくかというマネジメントを含めた取り組みが今後必要だと思います」

(リーグ5試合と天皇杯の計6試合を戦い、どの試合も4-3-3でスタートしていると思うが、その形にこだわりや表現しやすいものがあるのか?)
「システムはほぼ関係ありません。今の浦和レッズの選手の特長と自分がのサッカーの考え方で、この試合に対しての最適解が何かと思ったときにそういった並びになっていることが多いですが、このシステムありきでサッカーを考えているわけではありません。だからと言って、試合ごとに始めの並びが5つあって、5番に行ったから次は1番、2番、3番、4番、5番というのが正しいとは思わないので、その都度、臨むにあたって先発で行った方がいいと思うメンバー、それにはGKを含めてどういう並びがいいのか、ということでそれを選択することが今のところ多いという感覚です」

(後半の交代でボランチが2枚になることが多い印象だが、前半だけのスコアと後半だけのスコアを比較すると、明らかに後半の方がいいチームでもある。ダブルボランチで最初から戦うという考えに至る可能性もあると感じるが?)
「そこも全く関係ありません。4-3-3だろうが3バックだろうがダブルボランチだろうが、一人が攻撃参加すればボランチの1枚が上がりますし、4-3-3で一人が、福岡戦で言うと(渡邊)凌磨と(安居)海渡が相手のセンターバックにプレッシャーをかけて絞るとダブルボランチになりますから、そういうものは全く関係ありません。あくまで、自分たちに交代選手としてどういう選手がいて、この選手が相手に対してどういう配置で起用したらこうなるだろうというだけです。だから2枚や1枚や3枚という数字は試合の状況によって変わるものです。

ただ、その場所に入った役割を理解しないと、左から右に大きく動くことが正解のときもあるかもしれないですし、試合の途中でそれが正解になることはほとんどないと思っています。そういう意味での配置や起用の仕方で変化が生まれているだけで、数字の並びや配置は僕の中ではあまり意味がないと思っています」

(鹿島が近年、安定して好成績を残しているという意味では浦和レッズはチャレンジャーだという見方ができるし、実際に11試合勝てていない)
「そうなんですか?鹿島さんに?11試合?」

(11試合勝利がない)
「初めて聞きました。すみません。アウェイの福岡戦は5年勝っていない、点を取れていないとは聞いたので選手に伝えましたが、3点取って2点取られてしまいました」

(そういう鹿島に対して中3日で簡単な試合にならないと思うが、この2日間で強調すべきことや今年の鹿島を見て感じることは?)
「本当に短い時間の中で鹿島さんを見て、すべてを理解しているわけではないですが、事実として11試合勝っていないということも、あまりそういうことは事前に聞いてしまうと自分の考えがブレてしまうので聞かないようにはしていますが、事実としてあることでしょう。僕はシーズン前、選手たちに、『鹿島さんは優勝するまでに2位と3位になっている回数が浦和レッズよりかなり多くて、上位にいた中での優勝だったけど、浦和レッズのこの10年の立ち位置はそこの争いも4位に1回なったくらいなので、それを勝ち取るためにも安定して』という話はしたと思います。昨年だけではなく、ここ数年引っ張ってきたチームですし、それくらい伝統と実績のあるチームとの対戦に向かうにあたって、言葉で言うと相手よりも強い気持ちを持って臨まなければいけないですし、言葉だけではなく戦略的にも選手の起用や戦い方としてもベストのものを出さないと勝てる相手ではないと思います。

ただ、自分は今、みなさんが見える景色と同じかもしれないですけど、完璧な試合をして勝ったとは思っていませんし、まだまだ自分たちに伸ばさないといけないものがある中での鹿島戦なので、楽しみですし、そういう相手と戦うことで自分たちの色がどれだけ出せて、相手に対してどれだけ脅威を与えられるかということを測る、すごくいいタイミングの試合だと思います。お互いに連戦になって、お互いにどんな選手が出るのか、いつもより予想しづらいですが、そういった気概を持って臨みたいと思います」

(曺監督が求める強度があり、その強度が足りないけど他の能力が高い選手がいると思うが、その選手に足りない強度はいろいろなアプローチをすることで高めうるのか?監督によっては強度がない選手は使わずに強度を出せる選手を使うと思うが、しっかりアプローチして曺監督が求める強度に高められるものなのか?高められるとしたら、日々どんなアプローチが必要なのか?)
「これは僕だからこそ持たれるイメージだと勝手に思っていますが、強度はボールを奪うとか前から行くというイメージが8割、9割くらいだと思われていると感じることが多いです。この前ちょうどそういうことを選手にも話しましたが、例えばボールアウトしたときにボールを見ずに目を切るチームは弱いんですよ。それも強度の一つだと思います。ボールが出たときにボールを見ずに戻る選手が多いチームは、今はスローインを投げるまで秒数の制限もあるので、悪い形で始められてしまうと意外とスローインやゴールキックからシュートまで行かれるんですよ。それはかなり少なくなってきたと思いますが、それも一つの強度です。例えば、うちで言うと、GKがボールを持った瞬間にどこのポジションでボールをもらおうとするか、はっきり分かりやすいポジションを取るのも強度じゃないですか。俗に言う、声を出してチャレンジ&カバーを決めるのも強度じゃないですか。連続してボールを奪うのも強度ですし、3人目が入って4人目、5人目が行くのも、一括りにはできませんが、すべて強度なんですよね。強度が強いチームは強いですよ。ボールを奪えて、はっきりポジションを取ってボールを動かせて、外にボールが出ても絶対に目を切らず、セットプレーのときも集中できる。だから強度というのは、すべてのプレーに伴ってなければいけない。それは強くボールを蹴るとかではなくて、優しいボールをセットアップしてあげるのも強度の一つです。そのように僕は考えていますが、僕が目指すというといつもファジーに前からプレスに行くのが強度、球際が強いのが強度と思われています。僕の説明不足でもあると思いますが、実際はそういうことだと思っています」

(そういうものが今ない選手がある程度、年齢を重ねていても植えつけることができるのか?そのためのアプローチは日々考えているのか?)
「足をいきなり速くしろとか、ジャンプをあと50センチメートル跳べという強度は難しいと思います。ただ、意識をそういうものに寄せていくことによって、判断や一歩競るスピード、いいポジションでボールを受ける強度は間違いなく上げられるものです。『あの選手って試合の中で消えている時間があったのに目立つようになったよね』みたいなことは、見えないそういうものが担保されているときだと思います。強度という言葉は目に見える、奪うとか闘うとかアプローチするとかに捉えられがちですが、それ以外もかなりの部分でサッカーはそれがないとうまくいかない要素というか、ポイントだと思っています」

(守備の局面について、相手陣内でボールを失って取り返すための強度というか形はできていると思うが、一度セットしたり、そこから出ていったりする際は選手のやることが複雑そうに見える。切り替え以外の守備の完成度はもう少し伸びしろがあると思うが、曺監督はどう捉えているのか?)
「そのとおりだと思います。伸びしろという言葉で言うと、全部が伸びしろだとごまかせますが、選手の中でその景色がいつも見ている景色にまだなりえていないところがあります。自分たちが今取り組んでいることで点を取れたりボールを奪えたりすることは、自分が着ている服になりつつありますが、そういう部分がもっと自分が着ている服や自分の景色になっていかないと、そこで言う強度は高まりません。ただ、戦術的なことや配置的なことと言うよりも、言葉で言うとバランスみたいなものが、今の言葉をお借りすると伸びしろとして残されている中で、それを今後の試合もしくは練習でどう表現していくかという段階だと思います。

すべての面を同時に引き上げていくのはおそらくサッカーチームにとって難しいというか、ほぼ不可能だと僕は思っています。何かの色をつけながら、そういうものを引き上げていくという作業をしていかなければいけない。でも試合が続くので、不完全なままでどこも臨んでいるはずですが、その不完全が不完全に見えないような戦い方をしていくというところで言うと、早急に取り組むべき問題なのか、それとも今は多くは言わずに違うところにアプローチすべきなのか、問題はないから進むべきなのか、そういう問題の把握をしっかりしていかないと混乱が生まれると思っているので、そこは明日もミーティングがありますが、何を話すかもう少し整理して選手に伝えなければいけないと思っています。ただ、おっしゃるとおり、そういうことが今チームの中にあるというのは否めないと思っています」

(チームに安定性を求めるならメンバーを固定するのが近道だと感じることもあるが、選手を入れ替えたりするところの考え方はどうか?)
「僕は入れ替える方に見えますか?」

(例えば、ダニーロ ボザ選手を右サイドバックで使ったりセンターバックで使ったりするなど、そう見えるところもあるが?)
「固定か固定じゃないか…僕の言う固定メンバーというのは、そういった選手の可能性を固定概念で見ることで阻害してしまうこともあると思っています。チームにはこういう形でボザはここ、とやった方が見える景色は安定しますが、その見える景色だけでずっと勝てますか?ということもありますし、選手の成長も促せますか?ということもありますので、まず固定概念はほぼありません。後から見て、『こことここは同じメンバーだったんだ』という感覚です。よくスギ(杉山弘一コーチ)にも『曺さん、今まではこの連戦のときにこういう使い方でこうしていたよ』と言われて、『そうだったんだ』と。だから、そもそも固定しているのか替えているのか、替えていることに抵抗もないですし、固定することへの抵抗もありません。その概念というか考え方が人よりも薄いかもしれません。

それは先発メンバーを選ぶことも、今後の成長のためだけで選んでいるわけではないですし、成長を促さないようなやり方が正しいとは思わないですが、それをエクスキューズに使ってはいけません。そういう職業なので、ボザの話などは、そう見えているんだと。僕の中で固定したと言えば固定した中で戦っているし、ボザがセンターフォワードやGKでプレーしているわけではないですし、(安居)海渡がいきなり左サイドバックでプレーしているわけではないので、固定や替えているというそもそもの考えがあまりありません」

(選手の特長を生かしたり、相手チームを考えたり、チームの台所事情があったりすると思うが)
「でも、今、日本代表になっている選手もそうですし、過去もそうですけど、よくあるじゃないですか。僕の記憶が正しければ、内田篤人さんも布啓一郎さんがU-16代表監督になったときに元々はサイドハーフだったけどサイドバックにして、きっかけをつかんで、アントラーズに入ってあそこまで行ったみたいな。出会いやタイミングで内田篤人さんの景色もそこで変わったと思うんですね。でもそれがいい方に出る場合もあるけど、ダメになってしまうこともあるから、一概に変えればいいということではないですが、そういう景色もあるんだろうなと思って監督を務めていないと、自分が思っている考え方で『こうすればこうやっていくんだろう』といった枠の中にとどまっていると、なかなか次の発想が出てこないのではないかと思います」

(福岡戦の1失点目が典型的だったと思うが、キッカーがシュートを打つ瞬間に両方のゴールポストと結んだ三角形の中にレッズの選手がいないことが多いと思う。つまり、GKが止めるかどうかだけになってしまい、被ゴール期待値だけでは表し切れない失点の確率が上がるシチュエーションになると思うが?)
「ゴール期待値が高ければ勝てるわけでも、被ゴール期待値が低ければ負けるわけでもありませんが、例えば福岡戦の1失点目は最もゴールが生まれやすい場所でシュートを打たれていますよ。逆に我々の(マテウス)サヴィオがヘディングで触った場面もゴールが生まれやすい場所だから、あそこまで運ばせないようにどうするかが大事なのと、運ばれたときにどうGKとDFが連係して、俗に言うシュートブロックなのか、角度なのかというのが得点につながるか、失点につながるか。期待値はあの時点で失点の方も高いし、得点の方も高いので、僕が言いたいのは、被ゴール期待値が高いチームは、チームとしての構造上、そういうものが作られるケースが多いということです。ゴール期待値が高いチームは、チームとして戦い方でそうなっていて、決して個人の力だけで行っているわけではないというのがケースとしては多いです。すべてとは言いません」

(守備はなるべくまずい状態が起こらないようにどうするかと、なってしまったときにどうするかという二段階があると思う。その観点では、前の方にまだ問題が多いのか?それともゴール前に来られてしまったときにどうにかできるケースがたくさんあるという感覚なのか?)
「それはそうなんですが、来られないようにしようというのは、要はゴール前でシュートを打たせなければ被ゴール期待値も下がるし、失点も減るということですが、果たしてそれがすべて勝つことにつながるかというのは、また別のことです。その戦い方を取った方がいいチームもあるし、あえてやらない方がいいチームもあると僕は思っていて、そういう現象が起こるリスクを抑えた上で選手やスタッフが取り組めるかどうかが大事だということは前提ですが、そういう状況をまったく作らないようにすることが王道で正しいとは一概には言えないと思っています。なぜかというか、僕の中ではそれをやればそうなるだろうということは分かっているので。ただ、チームというのは監督と選手とスタッフがいて、特長も違いますし、今は点を取られているから悪い、点を取っているからいいという問題ではないと思っています。すべての局面をパーフェクトに持っていくのは、言葉で言うのは簡単ですが、実際に動かす中で言うと、どのチームもかなりの時間と労力がかかっていると思います。一例になるか分かりませんが、得点が取れないチームは本当に前の選手のシュート力が悪いのか、それは一概には言えないと思います。人数はかかっているけどシュートが外れているのか、人数がかけていない上でシュート力がないのか。得点を取っているチームはカウンターのときに2人しか行っていないのにその2人の得点力が高くて得点力が上がっている。一方は7人行っているのに入らない。そういうことはたくさんあります。ただ、僕はチャンスだと思ったら7人で行くべきだと思っています。それが正しいかどうかは分かりません。『違うだろ。取ったときに後ろに5人いた方が点を取られないんだから、2人で点を取った方が効率だからそうすべきだ』というのも合っていると思います。解釈はそういうものだと思っています」

(シーズンが始まるときに5試合で勝ち点10取れていれば優勝争いに絡んでいけるという言葉があったが、現状で勝ち点10に達しているのは5位のヴィッセル神戸まで。その中で町田と広島の2チームがまだ負けていない。逆に20チーム中18チームは負けていて、まったく負けないのは簡単ではないが、浦和レッズが5試合で勝ち点6という状況をどう捉えているか?)
「僕が5試合で勝ち点10というのはあくまで傾向の話をしたつもりで、それをもちろん狙いますが、5試合で勝ち点10というのは引き分けと負けが1試合ずつしかない状況です。そういう結果を重ねていけば優勝争いというような景色が見えるようになるというのは全世界どのリーグを見ても間違いなく正しいことだと思います。次の5試合でそれを目指すというのはきれいな言い方ですが、だからこそ1試合1試合、1プレーの重みを感じて、この5試合で出たものを受けて、次の鹿島戦に臨まなければいけないと思います。事実は一つだと思いますが、解釈の違いで、選手に対するものも、ある事実があるのにこちらから話すとこういうことになってしまうと、あちらから話すと逆になってしまうということが、チームは生き物であるという一つの所以だと思っています。この5試合で6ポイント取ったというのはあくまで過去ですから、次に向かっていくには1試合ずつの勝ち点をさらに取るために高い確率のプレーを選択しなければいけない。ただ、そこには自分たちがこれから進もうとするものに対して、ブレずに進まなければいけないと思っているというのが僕の本当の気持ちです」

(1994年7月27日は県立カシマサッカースタジアムで浦和レッズが初めて勝利した日であり、ギド ブッフバルトとウーベ バインが初めて出た試合で、曺監督も試合に出ていた)
「おそらく1回か2回しか一緒にトレーニングをしていなかったと思います。違うかな?その年は福島でトレーニングキャンプをしましたが、ウーベが来たのは覚えています。すごいパスを出すなと思いました」

(浦和は鹿島相手にここ11試合勝利がない。ファン・サポーターにとってはアウェイの鹿島戦で勝利するのは特別だと思うが?)
「京都(サンガF.C.)のときも2025年まで勝ったことがなかったんですよ。その話をして、逆転で4-3で勝ちましたが、それを思い出しました。ただ、鹿島さん相手に11試合勝っていないというのも本当に驚きです。あまり選手に言うつもりはないですが、それくらい鹿島さんと浦和レッズは初年度からしのぎを削ってきたというか、いい意味で自分たちが向かっていく、チャレンジャーという言葉が正しいかどうか分からないけど、順位や最近の成績ではそういうところが否めないと思いますが、臆病な試合だけはしないようにしたいと思います」

【浦和レッズオフィシャルメディア】

「まだまだ伸ばさないといけないものがある」曺 貴裁監督(定例会見9/4)

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