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「強い意志を持って戦い抜き、勝ち点3を奪う」フィンケ監督
フォルカー・フィンケ監督 Jリーグ第20節 湘南ベルマーレ戦前日のコメント
「中3日ということもあり、もっとも大切だったのは、前回の試合からしっかりと回復をすることでした。そして、特に次の試合で起用されることになる選手たちが、しっかりと回復した状態で試合に臨むことができるように準備することが大切でした。
選手たちの状況についてですが、柏木陽介と阿部勇樹は、私と話し合いをして、現時点で試合に出られる状態だと思う、と言ってきました。そしてケガ人の状況については、皆さんご存じだと思いますので、今、私がすべての選手をリストアップする必要はないでしょう。前回の試合と比較しても、メンバーに関しまして、大きな変更はありません。
前回の試合も、すべての選手たちが正しい姿勢、そして戦う意志を見せてプレーしていたということは、皆さんも感じ取ることができたと思います。ですので、同じような姿勢で、次の試合に臨みたいです。そして何があっても勝ち点3を奪いたいです。
確かに、強い意志を持ってピッチに立つこと、そして戦い抜くということはとても大切な要素です。しかし、同時に視野の広さを失ってはいけません。正しいバランスが必要なのです」
【質疑応答】
(阿部選手は大丈夫ですか?)
「少なくとも、本人は、私に対して試合に出られる状態である、しっかり回復できているということを話していました」
(原因は疲労だったということですか?)
「前回の試合でも、もう少し早い時間帯で彼を交代させるべきだったと思っています。ワールドカップ後の休みの期間が、どうも彼にとって短すぎたようです。ただし、彼に対してブレーキをかけることもできませんでした。それは、やはり指摘しなくてはいけない要素だと思います。私は、本人に対して、もっと長い間しっかりと休めということを何度も伝えていましたし、ワールドカップの直後から十分な休養期間を与えるつもりでしたが、彼はすぐにでも、休みなしで練習を始めたいという姿勢を持っていました。このような姿勢を誰から学んだのか分かりませんが、それでも彼はとにかく休みは必要ない、すぐに練習をしたいということを言っていたのです。
対照的に、長谷部に代表されるように、ドイツのブンデスリーガでプレーしている選手たちには、クラブから、大会後3週間はボールに触れてはいけないという指示が出されたのです。どんな選手であろうと、年間を通して、少なくとも3週間の休みを一度は必要としています。大会もありましたし、その前にも長い期間にわたって合宿を行なっていたのですから。
『できる限り早く、チームを助けたい』というのは、確かにある意味ポジティブな姿勢でもあります。ですので、休みを取らないですぐ練習に参加したいという姿勢を持つことは、確かに一つのいい面かもしれません。ただし、現実としては大会後の休みをまったく取れないまま、チームの練習に入ってしまったので、現時点でも、完全に疲労が取れているわけではないと思います」
(また月末から新しい代表チームが動く可能性がありますし、そういう意味では彼のコンディションについては緻密な戦略というか、慎重にならざるを得ないというのもあると思いますが、その辺は?)
「このテーマについて、私はあまり大きくここで語るつもりはありません。なぜならば、根本的な考えの違いが存在しているからです。私が今までヨーロッパで学んで、実戦してきた姿勢と、日本で存在している選手たちの姿勢というのは、少し違います。ですので、今このことについて議論していくのは、まったく建設的なことではないと思います。
私が選手に対して、もう少し休んだ方がいい、しっかりとした休養日を取るべきだ、そしていくつかの大会後のアポもキャンセルして、行かない方がいい、ということを私がいくら言っても、選手本人は今までそういう教育をされてきたので、義務感、使命感を感じて、何があってもすべてのアポをこなさなくてはいけない、すべての練習に参加しなくてはいけないという姿勢を持っているのです。ですので、このことについて、これ以上ここで深くお話をするつもりはありません」
(今日の練習で、キーパーからのロングボールに前からプレスをかけて、どこでボールを奪うかという意識が非常に高かったと思いますが?)
「すべてのことに関して満足しているわけではありません。ただし、よかった面もあれば、これからまだ改善していかなくてはいけない面もあります。まだ時間がかかる部分もあるかもしれませんが、根本的なことを何度も何度も練習で繰り返していくことが大切です。こういうことを繰り返していくのはとても大切なことです。なぜならば、チーム自身も自分たちの総合力を改善していこうと考えているわけですから」
(湘南とは今季2回対戦していますが、次の湘南戦ではどんな戦い方をしたいですか?)
「私たちは勝利を収めるための戦い方をしたいです。前もってすべてのことについて予定を立てることは、サッカーではできません。大切なのは、すべての選手が、強い意志を持ってピッチに立つこと、そして勝利のために戦うこと、守備のときも攻撃のときも、必ず他の選手と連携して動くこと、必ずゴールを決めるという強い意志を持って、攻撃に参加すること。そしてボールを奪われた時点で、すべての選手が守備をこなす、という強い意志を持つこと。こういうことをしっかりと実践していけば、試合の90分が終わった時点で一つの結果が出ます」
(前節の仙台戦の前に、監督がメンタル面で今、問題を抱えていると。名古屋戦よりも仙台戦の方が、メンタル面でプレーにかかわるストレスがなかったように思うのですが?)
「多くの選手たちとさまざまなことについて話をしています。そして先ほどおっしゃった精神面のことに関してもそうですが、チームの代表組とさまざまなことについて話し合いをしたり、それぞれの選手たちと話し合ったり、状況によっては中盤の選手だけを集めて、いくつかの映像を見ながら話をしたりしています。私はこのクラブに来たときから、チームの代表組を選手たちに選んでもらいました。このようなやり方は、このクラブでは新しい試みでしたが、他の選手たちから信頼されている選手たちが集まって、いろいろなことについて議論を交わしたり、自分と話をするのが大切だと思っているからこそ、このような代表組を設けているのです。定期的に選手たちとさまざまなことについて話をすること、これは私がいつもヨーロッパでやってきた仕事の一部ですし、私はそのようなプロフェッショナルな仕事をここでも継続してやりたいと思っています。
私はこのような会話を定期的に行なってきましたし、できる限り選手間の会話も活発になるように願っていました。そしてその状況が最近いい方向に向かっています。ただし、皆さんが見ることができない裏の部分で、何かとてつもない素晴らしいこと、もしくは、何か秘密のことが起きているわけではありません。あくまで私たちは、毎日の仕事をこなしているのです。仕事の一環として、選手たちの会話があります。
また、この件に関しては大きなメンタリティの違いもあります。例えばこの間の名古屋戦後の状況で、もしヨーロッパで知られているような選手たちならば、全員が帰りの電車の中で、『確かに結果は非常に残念だった、でも自分たちに対してもっと自信を持っていい。なぜなら、名古屋の選手が自分たちよりずっと優れていたわけじゃない』そういう自信を持つでしょう。だいたい80分まで、私たちは彼らと少なくとも同じレベル、場合によってはそれ以上のレベルでプレーしていたわけですし、私たちの選手の能力が劣っているわけではないということを、しっかりとピッチの中で証明することができていました。多くの選手たちがこの試合から勇気をみつけて、次の試合に臨まなくてはなりません。そして、帰りの電車の中で『自分たちはこれだけできるんだ、次こそは必ず勝つぞ』という強い意志を持たなくてはならないのです。
ただし、私が日本に来て経験したのは、一度でも負けてしまうと、多くの選手がよかったことをすべて忘れてしまい、一つの穴に落ちてしまうことです。ですので、いつも私は何度も繰り返しているのです。『メンタル的な強さを身につけなくてはいけない』と。こういうときに何人かの選手たちがロッカーの中で、『そんなに心配するな。自分たちは正しい道を進んでいる。自分たちが作り出したたくさんの得点チャンスの中で、2つ、もしくは3つの得点チャンスをゴールに結びつけていれば、何も問題視することはない』と発言できなくてはいけません。
サッカーでは、自分たちに自信を持たなくてはなりません。自信を持たなかったら、プレーできないのです。このような強さを身につけるには、まだまだ努力を続けていかなくてはなりません。このチームに所属している多くの選手たちは才能は持っています。ただし、このような本当の意味での強い自信を身につければさらに優れたプレーをすることができます。これはとても根が深い要素ですので、これに取り組んでいくのは非常に厳しい仕事でもあります。でも私はできる限りのことをしています。本当の意味でのメンタル的な強さを身につけるために。
長年にわたって日本でプロのサッカー選手として活躍し、代表歴のある元選手が私に対して、あることを教えてくれました。それは『日本では1人の選手がPKを外してしまうと、その選手は数週間にわたってPKをなかなか蹴りたがらない、場合によっては1シーズンにわたってまったくPKを蹴らないことがある』ということでした。その考えは、ヨーロッパでは、全く逆なのです。外した選手こそが『次こそは必ず決めてやる』と言って、何があってもPKを蹴りたがるのです。メンタリティの違いがはっきりと見えてくる一つのいい例だと思います。
ピッチの上で、本当の意味での自分たちの能力を信じ切る強さを身につけなくてはならないということです。申し訳ないことですが、こういうことは今日、明日で身につけられるものではありません。時間がかかることなのです」
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】
「中3日ということもあり、もっとも大切だったのは、前回の試合からしっかりと回復をすることでした。そして、特に次の試合で起用されることになる選手たちが、しっかりと回復した状態で試合に臨むことができるように準備することが大切でした。
選手たちの状況についてですが、柏木陽介と阿部勇樹は、私と話し合いをして、現時点で試合に出られる状態だと思う、と言ってきました。そしてケガ人の状況については、皆さんご存じだと思いますので、今、私がすべての選手をリストアップする必要はないでしょう。前回の試合と比較しても、メンバーに関しまして、大きな変更はありません。
前回の試合も、すべての選手たちが正しい姿勢、そして戦う意志を見せてプレーしていたということは、皆さんも感じ取ることができたと思います。ですので、同じような姿勢で、次の試合に臨みたいです。そして何があっても勝ち点3を奪いたいです。
確かに、強い意志を持ってピッチに立つこと、そして戦い抜くということはとても大切な要素です。しかし、同時に視野の広さを失ってはいけません。正しいバランスが必要なのです」
【質疑応答】
(阿部選手は大丈夫ですか?)
「少なくとも、本人は、私に対して試合に出られる状態である、しっかり回復できているということを話していました」
(原因は疲労だったということですか?)
「前回の試合でも、もう少し早い時間帯で彼を交代させるべきだったと思っています。ワールドカップ後の休みの期間が、どうも彼にとって短すぎたようです。ただし、彼に対してブレーキをかけることもできませんでした。それは、やはり指摘しなくてはいけない要素だと思います。私は、本人に対して、もっと長い間しっかりと休めということを何度も伝えていましたし、ワールドカップの直後から十分な休養期間を与えるつもりでしたが、彼はすぐにでも、休みなしで練習を始めたいという姿勢を持っていました。このような姿勢を誰から学んだのか分かりませんが、それでも彼はとにかく休みは必要ない、すぐに練習をしたいということを言っていたのです。
対照的に、長谷部に代表されるように、ドイツのブンデスリーガでプレーしている選手たちには、クラブから、大会後3週間はボールに触れてはいけないという指示が出されたのです。どんな選手であろうと、年間を通して、少なくとも3週間の休みを一度は必要としています。大会もありましたし、その前にも長い期間にわたって合宿を行なっていたのですから。
『できる限り早く、チームを助けたい』というのは、確かにある意味ポジティブな姿勢でもあります。ですので、休みを取らないですぐ練習に参加したいという姿勢を持つことは、確かに一つのいい面かもしれません。ただし、現実としては大会後の休みをまったく取れないまま、チームの練習に入ってしまったので、現時点でも、完全に疲労が取れているわけではないと思います」
(また月末から新しい代表チームが動く可能性がありますし、そういう意味では彼のコンディションについては緻密な戦略というか、慎重にならざるを得ないというのもあると思いますが、その辺は?)
「このテーマについて、私はあまり大きくここで語るつもりはありません。なぜならば、根本的な考えの違いが存在しているからです。私が今までヨーロッパで学んで、実戦してきた姿勢と、日本で存在している選手たちの姿勢というのは、少し違います。ですので、今このことについて議論していくのは、まったく建設的なことではないと思います。
私が選手に対して、もう少し休んだ方がいい、しっかりとした休養日を取るべきだ、そしていくつかの大会後のアポもキャンセルして、行かない方がいい、ということを私がいくら言っても、選手本人は今までそういう教育をされてきたので、義務感、使命感を感じて、何があってもすべてのアポをこなさなくてはいけない、すべての練習に参加しなくてはいけないという姿勢を持っているのです。ですので、このことについて、これ以上ここで深くお話をするつもりはありません」
(今日の練習で、キーパーからのロングボールに前からプレスをかけて、どこでボールを奪うかという意識が非常に高かったと思いますが?)
「すべてのことに関して満足しているわけではありません。ただし、よかった面もあれば、これからまだ改善していかなくてはいけない面もあります。まだ時間がかかる部分もあるかもしれませんが、根本的なことを何度も何度も練習で繰り返していくことが大切です。こういうことを繰り返していくのはとても大切なことです。なぜならば、チーム自身も自分たちの総合力を改善していこうと考えているわけですから」
(湘南とは今季2回対戦していますが、次の湘南戦ではどんな戦い方をしたいですか?)
「私たちは勝利を収めるための戦い方をしたいです。前もってすべてのことについて予定を立てることは、サッカーではできません。大切なのは、すべての選手が、強い意志を持ってピッチに立つこと、そして勝利のために戦うこと、守備のときも攻撃のときも、必ず他の選手と連携して動くこと、必ずゴールを決めるという強い意志を持って、攻撃に参加すること。そしてボールを奪われた時点で、すべての選手が守備をこなす、という強い意志を持つこと。こういうことをしっかりと実践していけば、試合の90分が終わった時点で一つの結果が出ます」
(前節の仙台戦の前に、監督がメンタル面で今、問題を抱えていると。名古屋戦よりも仙台戦の方が、メンタル面でプレーにかかわるストレスがなかったように思うのですが?)
「多くの選手たちとさまざまなことについて話をしています。そして先ほどおっしゃった精神面のことに関してもそうですが、チームの代表組とさまざまなことについて話し合いをしたり、それぞれの選手たちと話し合ったり、状況によっては中盤の選手だけを集めて、いくつかの映像を見ながら話をしたりしています。私はこのクラブに来たときから、チームの代表組を選手たちに選んでもらいました。このようなやり方は、このクラブでは新しい試みでしたが、他の選手たちから信頼されている選手たちが集まって、いろいろなことについて議論を交わしたり、自分と話をするのが大切だと思っているからこそ、このような代表組を設けているのです。定期的に選手たちとさまざまなことについて話をすること、これは私がいつもヨーロッパでやってきた仕事の一部ですし、私はそのようなプロフェッショナルな仕事をここでも継続してやりたいと思っています。
私はこのような会話を定期的に行なってきましたし、できる限り選手間の会話も活発になるように願っていました。そしてその状況が最近いい方向に向かっています。ただし、皆さんが見ることができない裏の部分で、何かとてつもない素晴らしいこと、もしくは、何か秘密のことが起きているわけではありません。あくまで私たちは、毎日の仕事をこなしているのです。仕事の一環として、選手たちの会話があります。
また、この件に関しては大きなメンタリティの違いもあります。例えばこの間の名古屋戦後の状況で、もしヨーロッパで知られているような選手たちならば、全員が帰りの電車の中で、『確かに結果は非常に残念だった、でも自分たちに対してもっと自信を持っていい。なぜなら、名古屋の選手が自分たちよりずっと優れていたわけじゃない』そういう自信を持つでしょう。だいたい80分まで、私たちは彼らと少なくとも同じレベル、場合によってはそれ以上のレベルでプレーしていたわけですし、私たちの選手の能力が劣っているわけではないということを、しっかりとピッチの中で証明することができていました。多くの選手たちがこの試合から勇気をみつけて、次の試合に臨まなくてはなりません。そして、帰りの電車の中で『自分たちはこれだけできるんだ、次こそは必ず勝つぞ』という強い意志を持たなくてはならないのです。
ただし、私が日本に来て経験したのは、一度でも負けてしまうと、多くの選手がよかったことをすべて忘れてしまい、一つの穴に落ちてしまうことです。ですので、いつも私は何度も繰り返しているのです。『メンタル的な強さを身につけなくてはいけない』と。こういうときに何人かの選手たちがロッカーの中で、『そんなに心配するな。自分たちは正しい道を進んでいる。自分たちが作り出したたくさんの得点チャンスの中で、2つ、もしくは3つの得点チャンスをゴールに結びつけていれば、何も問題視することはない』と発言できなくてはいけません。
サッカーでは、自分たちに自信を持たなくてはなりません。自信を持たなかったら、プレーできないのです。このような強さを身につけるには、まだまだ努力を続けていかなくてはなりません。このチームに所属している多くの選手たちは才能は持っています。ただし、このような本当の意味での強い自信を身につければさらに優れたプレーをすることができます。これはとても根が深い要素ですので、これに取り組んでいくのは非常に厳しい仕事でもあります。でも私はできる限りのことをしています。本当の意味でのメンタル的な強さを身につけるために。
長年にわたって日本でプロのサッカー選手として活躍し、代表歴のある元選手が私に対して、あることを教えてくれました。それは『日本では1人の選手がPKを外してしまうと、その選手は数週間にわたってPKをなかなか蹴りたがらない、場合によっては1シーズンにわたってまったくPKを蹴らないことがある』ということでした。その考えは、ヨーロッパでは、全く逆なのです。外した選手こそが『次こそは必ず決めてやる』と言って、何があってもPKを蹴りたがるのです。メンタリティの違いがはっきりと見えてくる一つのいい例だと思います。
ピッチの上で、本当の意味での自分たちの能力を信じ切る強さを身につけなくてはならないということです。申し訳ないことですが、こういうことは今日、明日で身につけられるものではありません。時間がかかることなのです」
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】