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vs鹿島「0-2から意地の反撃で勝ち点1をもぎ取る」

21日、浦和レッズは第12節鹿島アントラーズ戦に臨んだ。本来は鹿島ホームで行なわれるはずだったこのゲームだが、震災でカシマスタジアムが大きなダメージを受け、Jリーグ史上初めて、ホームとアウェイを入れ替えるという措置が取られ、埼玉スタジアムで開催されることとなった。試合前のウォーミングアップ中には、ビジタースタンドに『前例の無いHome&Away変更 ホームを愛するクラブの英断に感謝』という横断幕が掲げられた。
入場の際には、ゴール裏のレッズサポーターがビジュアルで選手を鼓舞。ホーム側ゴール裏は真っ赤に染められ、漢字で白い「浦和」の文字が描き出された。
16時3分、レッズボールでキックオフされた試合は立ち上がりから攻守の切り替えが早くスピーディな展開。50:50のボールには両チームの選手が体を張る激しい戦いとなる。
ゲームが動いたのは13分、アントラーズが先制する。レッズは自陣左奥へのサイドチェンジからマイナスでのグラウンダークロスを許し、フリーで西のシュートを浴びる。これは永田がスライディングでブロックしたものの、リバウンドを再び打たれ、相手選手に当たってコースが変わった末にネットを揺らされた。
前節同様に4-1-2-3で臨んでいたレッズは、右サイドをセルヒオが縦に持ち上がってクロス、左からは原口がカットインしてシュート。宇賀神も機を見て攻撃参加し、得意のシザースから縦へと突破してクロスを入れる。しかし、決定的といえるビックチャンスは生まれないまま、0-1で前半を終えた。
後半、ベンチは開始から2枚のカードを切る。啓太に代えて山田暢、セルヒオに代えてマゾーラを投入する。しかし、原口・マゾーラ共にインサイドへと入っていくことが多いせいか、ピッチをワイドに使うことができず、アントラーズの守備網に引っかかってしまい、思うように攻撃の型を作ることができない。フィールド中央でボールを失ってカウンターを喰らうことも多く、危険な場面が何度か訪れる。そして62分、大きなサイドチェンジで揺さぶられ、最後は左からのクロスを中央でフリーになった増田に押し込まれ、2失点目を喫してしまう。
突き放されたベンチは即座に3枚目の交代カードを切る。柏木を下げて高崎を投入して4-4-2へ。山田暢とマルシオのダブルボランチ、原口の右、マゾーラの左サイドハーフにエジミウソンと高崎の2トップという布陣を敷く。高崎投入から4分後の68分、原口のパスをエリア右角で受けた高崎が左足で狙い、巻いたシュートがファーサイドのネットを揺すって1-2。1点差に迫る。
スタジアムがヒートアップしていくのに呼応するように、2分後の70分、高崎のパスをエリア左脇で受けたマゾーラがワンフェイクで相手を振り切ってエリア内へ。角度のないところから左足を強振し、アウトにかかった強烈なシュートが相手GKのニアサイドを抜けてネットに突き刺さると、スタジアムの興奮は最高潮に達した。マゾーラはピッチに突っ伏して喜びを噛みしめた後、昨日、長女が生まれたばかりのマルシオ リシャルデスのために『ゆりかご』のパフォーマンスを披露した。
その後は速いカウンターの応酬となり、両チームとも決定機かと思われるチャンスを迎えたが、守備陣が体を張ってブロック。2-2のまま、残り時間が進んでいく。
89分には、原口がセンターサークル付近でスライディングからボールを奪い、カウンターに。原口が右に開いた高崎へと渡し、高崎がエリア右へ走りこんだマゾーラにスルーパスを出したが、飛び出した、GKと接触。2度目の警告を受けて退場となってしまう。
その後、アディショナルタイムの6分間、両チームとも最後まで勝ち越しを目指してゴールに迫ったがスコアは動かず、2-2の引き分けに。
うなだれて挨拶に向かう選手たちに、スタンドから「浦和カモン!」のコールがわき、選手たちを勇気づけた。
リーグ戦、ホーム3連戦の3戦目となる次戦は、28日(土)、埼玉スタジアムにて14時キックオフの第13節アルビレックス新潟戦となる。

柱谷幸一GM
「ホームゲームで勝つことは今年のテーマであり、勝てなかったことは非常に残念です。ただ、最後まであきらめず、2点差を追いついて引き分けに持ち込んだ部分は評価しています。高崎、マゾーラと、今まであまり出場機会の多くない選手が後半から出て、点を取ってくれましたのは収穫でした。
彼等が結果をだしたことで、これから高いレベルのポジション争いによって、より良い結果を残していければと考えています」

永田 充
「スペースがあったので、守りづらかったところはありました。コンパクトにできていれば問題なかったと思いますが、切り替えも悪かったです。啓太さんも人に行ってくれているんですが、その逆のスペースを埋められていなくて、向こうにうまく使われる状態になってしまっていました。
2点目を取られてからは、攻めるしかなかったですし、守り方を変えたというよりは、ヤマ(山田暢久)さんの脇に陽介をおいたり、ダブルボランチでスタートしようということを話して、それで少しうまくいったと思います。
2トップになって、だいぶ、僕らも行きやすくなりました。ラインコントロールは、どちらか気付いた方がやるという形です。後半良くなったのは、高崎が前で体を張ってくれていた部分もありますし、ヤマさんのところでボールが落ち着いたり、マルシオに良いボールが入り出したので、そういうところが良かったと思います。
高崎がいることで、エジの負担が軽減されるのかなとは思いました。結果としては勝てませんでしたが、チームとして良い状態で終われたと思うので、これを次につなげないと意味がないですし、次のゲームがとても大切になります。ああいう展開で追いつけるのと、負けてしまうのでは、まったく違うので、良い流れにはなってきていると思います」

高崎寛之
「(反撃の得点となったが?)それまで流れが悪かったですし、いつも途中から出て、何もしないで終わってしまていたと感じていたので、反撃になる1点を決められたのは良かったです。
でも、同点で終わったことは反省しないといけないことですし、次はしっかり勝ちたいです。シュートを打つ場面もこれまでの途中出場の試合にはなかったので、良いゴールが取れたと思います。トレーニングから、いろいろこういう動きをしろ、というのは言われていたので、やるべきことは分かっていました。
やっぱり前が動くことによって、DFも動くし、人と人のスペースも空いてきます。あとは、ゲーム自体もなかなか動きがなかったので、外から見ていて、自分が入ったらとにかく動いて行こうというのは考えていました。
(マゾーラの退場のときに仲裁に入っていたが?)僕のパスがもう少し短ければ良かったのですが、マゾーラも興奮していたので。
(追いつけた実感、勝てなかった悔しさ、どちらが大きい?)逆転できなかった気持ちというのは大きいです。あの時間でもう1点は行けたと思いますし、あれで勝ちきれないのが今のチームを象徴していると思います。でもマイナスに考えるのではなく、前向きにやっていきたいです」

マゾーラ
「気持ちの面では、僕の持っているものをチームのために、すべて出し尽くそうと思っていたので、ゴ-ルという結果が出たことについては非常にうれしく思っています。
ゴールは日々の行ないから来たものだとは思いますが、みんなで戦えたことに感謝しています。最初はクロスを上げようと思ったのですが、瞬間的にシュートを打とう、勝負した方が良いと思って打ったら入ってくれました。良かったです。
(追いついて引き分けたが?)浦和レッズは下位の方ではなく、上位にいるべきチーム。それをみなさんに知らしめないといけません。早く下位から抜け出し、上位に行きたいです。
(ゴールパフォーマンスでユニホームの中にボールを入れましたが?)僕のフィアンセは妊娠していません。昨日、マルシオにかわいい女の子の赤ちゃんが生まれたので、今日の試合前、僕がゴールを取ったらゴールを捧げるとマルシオに話していました。その通り、彼の娘さんにゴールを捧げることができて良かったです。
(最初は右サイドにいたが、途中から左サイドになったが?)試合に出してくれるのでああれば、右でも左でもかまいません。
(イエローカードを2度受けて退場になったが?)正直に言うと感情的になってしまいました。ボールを下に叩きつけてしまったのは良くなかったです。今後は気を付けます。浦和レッズのサポーターは、この世に数少ない、モチベーションを上げてくれる偉大な力を持っています。僕はその力をリスペクトしています。サポーターの力で戦っていける、良い仲間なのです」

【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

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