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「何としても乗り越えたい」柱谷GM

アウェイでモンテディオ山形と0-0で引き分けた翌日の7月7日、柱谷GMがチームの現状について話した。

7月6日のモンテディオ山形戦を終えて、リーグ戦15試合で2勝8分け5敗。勝ち点14で15位ですが、この現状を柱谷GMはどう捉えていますか?
「まず、日ごろからサポートしていただいているファン・サポーターの方々の期待に、応えられておらず、大変申し訳ないと思っています。順位と勝ち点という数字的な部分で、非常に厳しい状況であるということは、強く認識しています。勝敗の内訳を見ると、引き分けが多くなっていますが、これらの引き分けの多くは勝ちにもっていけるゲームだったと思います。内容もひどく負けに等しかったというゲームは、それほどなかったと思います。そうなると、最後の決定力のなさが大きく影響していると思います。ただ、これは要因の一つであり、原因はこれだけではありません。このような状況から早く脱するために、様々な角度からチームを分析し、今、何をしなければならないか、何が出来るのかを、監督はじめ、コーチングスタッフともしっかり話し合っています。
まだ、リーグ戦の試合は半分以上残っていますので、上を目指してやっていくことに変わりありません。順位表で自分たちの位置を見れば、当然、危機感は出てきます。その危機感をゲームへのパワーに変えていかないといけない。その危機感が恐怖心になって、プレーが消極的になってしまってはいけません。シーズンの3分の2を過ぎたら、危機感が恐怖心へと変わってしまう危険性もあるので、それまでには何としても中位以上に順位を上げて、さらに上を目指していく状況にしないといけないと思っています」

清水エスパルスに敗れた翌日、選手だけのミーティングが1時間45分ほど行なわれたが、そのミーティングによってチームは変わったと思われますか?
「あのミーティング以降、どの試合でも、60分を過ぎても運動量が落ちず、交代で入ってくる選手のクオリティも高く、残り30分からは相手を押し込めるという状況になっています。そういう部分は、ミーティングによってもたらされた変化だったと思っています。選手たちのクオリティが高いことも、改めて確認できましたし、これからも、選手たちを信じてやっていきます。
また、選手は、監督の目指す戦術でプレーするということもありますが、ピッチに立てば、ボールを持っている選手もボールを持っていない選手も、自分たちの判断でプレーしなければなりません。それがサッカーの本質です。チームには、自分たちで話し合って、自分たちで解決できる部分が多くあります。それを解決していくという点で、良いミーティングだったと思っています。監督やコーチが何かを教えてくれるのを待っているという受け身の感覚ではなく、自分たちで解決につなげていくということが大切だと思います。選手、コーチングスタッフ、クラブスタッフがそれぞれの立場でポジティブに解決に向かって取り組んでいます」

選手のミーティングを実施して以降、アビスパ福岡に勝利し、名古屋グランパス、ガンバ大阪には先制されながらも追いつきました。しかし、昨日(6日)のモンテディオ山形戦は残念ながらスコアレスドローに終わってしまっています。
「山形には、なんとしても勝って勝ち点3を取る、という意気込みで乗りこんだので、正直引き分けは痛いです。撃ち合いになればスリリングなゲーム展開になるけれど、相手が退いてがっちり守りを固めると、どうしても難しいゲームになってしまう。退いた相手にどう対処するかということで言えば、まずは守備から攻撃の切り替えを早くして退かれる前に攻撃するということと、退かれた後にどう攻略するかという部分に分かれると思います。
ただ、それは言葉で言うほど簡単ではありません。たとえば、現在開催されているコパ・アメリカのブラジル対ベネズエラ戦。あのブラジルでさえベネズエラから点を取れずに終わってしまった。ブラジルとベネズエラでは南米の中でもレベルが違うチームですが、それでもあのような結果になってしまう。退いた相手を崩すことは難しいですが、何としてもこの壁を乗り越えないといけないと思っています」

退いた相手を崩すという点でも、ストライカーの仕事が重要になってきますが?
「ここまでのチームの戦いを見ていて、エジミウソンのパフォーマンスに関しては決して満足していませんでした。そこで、この夏の移籍ウインドーで新たに選手を獲得する必要性を感じましたが、経営的な状況と外国人枠もすべて埋まっていた状況の中で、エジミウソンの移籍を成立させることで得た違約金と空いた外国籍選手枠で新たな選手を獲得するという方法を採りました。次は、ランコがフィニッシャーとしてゴールを量産してくれるということが、チームにとって重要なポイントですし、そういったことができて初めて、この移籍が成功だったと言えると思います。今日(7日)の筑波大学とのトレーニングマッチで、ランコは45分間プレーしましたが、柏木の裏へのスルーパスに飛び出したシーン、中盤に降りてシンプルにさばいてから、必ずゴール前へ出ていくといったプレーから、点を取るという強い姿勢を感じました。そこに周りがしっかり合わせてチャンスを多く作ることが出来れば、点が取れると思います。ランコは、左右両足で強烈なシュートが打てますし、ヘディングにも強さがあります」

日本人選手の補強の予定はありますか?
「現状、国内の日本人選手で7月に契約が切れる選手はほとんどいません。今シーズン末まで契約が残っている選手ばかりですから、当然、相手チームが『出さない』と言えば、獲得することは出来ません。
それだけに、現実的には、非常に難しい状況です。そうなると、獲得可能な選手というのは、そのチームでゲームに出ていない選手で、チームが出していいと言う選手、ということになります。そのような選手が、現在のレッズにいる選手たちよりも優れているのかというと、それは絶対的に、今レッズにいる選手たちの方が優れていると思います。
僕自身は、レッズには、クオリティの高い選手が揃っていると自信を持っていますし、日本人選手に関しては、基本的には現在いる選手でやっていきたいと思っています」

開幕前は優勝を目標に掲げていましたが?
「数字的にはまだ優勝の可能性があるとはいえ、今現在、それは現実的な考えではないと思います。だからといって、今この順位だから優勝は目指さないで違う目標に変えるとか、そういうことでもないと思います。今やらなければいけないことは、目の前のゲームに勝利するために、最大限、集中することだと思います」

対処方法としては、何かを抜本的に変えるのではないということですね?
「例えば、今のチームの状況は、ゲーム内容がどうにもならない、勝てる要素が見えない、選手のコンディションがひどすぎる、といったことではないわけです。監督と選手の関係が悪いということもない。何かを変えるか変えないかの判断というのは、ただ結果だけを見るのではなく、そういったいろいろな要素をすべて総合して判断していくことだと思います。そして、今言ったような状況で何かを変えるということには、大きなリスクも伴います。ただ、その中にあって、今、足りないことというのは『点を取る』という部分だと思います。なんとかして点を取れるチーム状況にしていきたいということで、ランコを獲得したのです。監督も、今いる選手でシステムを変えたり、選手を代えたり、いろいろと手を尽くしてきて、そこにランコが入ることでチームが良い方向に向かえば、連勝することも決して難しくない状況だと思っています」

柱谷GMが今、ファン・サポーターに伝えたいことは?
「今、浦和レッズが厳しい状況に置かれているというのは間違いない事実ですし、レッズに関わるすべての人が苦しんでいると思います。そういう事態になったのには、当然、我々にも大きな原因があると思っています。ですが、ここを乗り越えるために、みんながひとつにならなければいけないし、ひとつにならないと乗り越えられないと思っています。バラバラにならず、ひとつになって、ここを乗り越えていければ、さらにひとつ上へとステップアップできると思います。
この厳しい状況を乗り越えられるように、我々にできることは、精一杯やっていきますし、是非みなさんにも支えていただきたいと思っています」

【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

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