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ペア マティアス ヘグモ監督「今いる選手、そして私の哲学、それらを融合したものをピッチで表現しないといけない」

5日、沖縄トレーニングキャンプ20日目のトレーニング終了後にマティアス ヘグモ監督が囲み取材に応じ、メディアからの質問に答えた。

(3週間のこのトレーニングキャンプはプラン通り進んできたか?)
「今日の練習が終わって、あと1日となりました。選手のことを知る、スタッフのことを知ることも一つの目的でした。クラブがこのチームに植えつけたいアイデンティティ、その手助けをするのが私の仕事です。高い強度の攻撃的なサッカーです。練習や練習試合の中でチャンスを作ってゴールを決めている場面が増えてきています。日々小さなステップを踏みながら前進している姿が見られます」

(実際に、浦和の選手たちを指導するようになって、当初考えていたプランと変えたことはあるか?)
「たとえば、この選手をどこで使うか、といったことですか?」

(そういうことと、指導方法も含めて)
「選手たちは私の指導していることに応えてくれています。最初に練習をしたときは、守備の局面でまず下がるという動きがあったんですけど、前に出ながら守ることができるようになってきたと思います。守備のときには、選手たちに常に距離感と強度のことを話しています。そしてゾーンディフェンスを中心とした守り方を行っています。そのためには選手たちの距離感が近くなければいけません。そしてブロックとして常に左右前後に動くことが必要です」

(BKヘッケンで素晴らしいサッカーをしていたが、浦和レッズではその100パーセントのコピーを作るわけではないが、まずはそれをペースに考えているのか、選手たちを見てアレンジメント、ローカライズしているのか?)
「大事な質問だと思います。浦和レッズにある文化も私は見ていかないといけません。今いる選手、そして私の哲学、それらを融合したものをピッチで表現しないといけないと思います。クラブは高い強度の攻撃的なサッカーを目指していますので、日々の練習でそこに向かっています。練習のどの部分でも強度を上げるように要求しています。攻撃のところでは裏に抜けることが大事になってきます。相手ディフェンスラインの背後もそうですし、ライン間のスペースを私たちはポケットと呼んでいますが、そのポケットに入っていく動きもそうです。名古屋グランパス戦でも見られましたが、伊藤敦樹が裏に抜けるシーンがあったり、そういう動きも出てきていると思います。また、1対1で仕掛けるというところも大事だと思います。1対1で成功すれば2対1を作ることができます。ゴールチャンスに繋がるアドバンテージを作ることができます。我々のアイデンティティをこのチームに導入するために、攻撃でも守備でも戦術的なことを行っています」

(練習試合と練習を拝見していると、開幕戦の選手たちはこの選手かなと予想できてくるが、メンバーに入らない選手に望むこと、期待することは?)
「まだ開幕のスタメンの話をするには早いと思いますが、どのポジションにもオプションがあると感じています。我々も日本に着いたばかりですので、まだあまり時間が経っていない状況です。今、重要なのはフィジカル的なプラットフォーム、ベースのところを作ることです。そして選手たち全員が私たちのやり方を理解することです。それぞれの強みを生かしながら、システムの中で良い関係性を作っていくことをやっていきたいと思っています」

(これまでのトレーニングマッチ3試合、さまざまなカテゴリーのクラブと試合をして、日本のチームのスタイルをどう感じているか?)
「今のところ見られたのは、いろんなスタイルがあるということです。名古屋はマンツーマン気味のマークをしていました。そしてプレスをかけて来ようとするチームでした。攻撃のときは2トップに対してダイレクトなプレーが多かったですね。明日の対戦相手である(サガン)鳥栖は、よりポゼッションをするチームです。だから、スタイルの幅があるリーグだなと思っています。1試合1試合が選手を見る機会だと思いますし、相手チームを知る機会でもあると思います。もちろんそこに対応していく必要があると思いますけど、一番重要なのは選手たちの強みを生かした自分たちのやり方だと思います。大きな道具箱を持っていれば相手にダメージを与えることもできると思います」

(中盤の3選手が攻守においてカギになると思うが、伊藤敦樹選手、小泉佳穂選手、サミュエル グスタフソン選手の連係や完成度をどう見ているか?)
「チームには8番、インサイドハーフができる選手が多いと見ています。ボールの扱いもうまいですし、高い強度を出すことができます。賢さもありますので、ランニングでスペースを見つけることができる選手たちがいます。日本に来る前に伊藤敦樹がトップレベルの選手だとすでに感じていました。彼は裏に抜ける能力も持っていますので、我々のシステムの中で生きる才能があると思います。名古屋戦でもそういった形から得点を奪いました。得点能力もありますし、アシストもできると思います。さらに守備のところで賢さと強度が上がってきていると思います。またほかの選手たちとのコンビネーションも大事だと思いますけど、時間の経過とともにそこは良くなっていき、プレースピードも上がっていくと思います。全員が同じサッカー感をもってできれば、そういうふうになっていくと思います」

(現状は、ビルドアップの形でアンカーが落ちないとか、インサイドハーフが落ちないとか、ある程度しっかり立ち位置を守ってプレーをさせているが、このままシーズンを通してそのクオリティーを上げていくのか、それともセカンドステップとして、自由度や応用度が増していく、形を変えたりすることもあるのか?)
「中盤の選手はできるだけ高い位置でプレーをしてもらいたいですけど、状況によっては間に落ちてくることもあると思います。そしてインサイドハーフが上がっていって、トップ下のようなポジションを取ることもあります。そのためには前の3人がしっかりと高い位置で張っていることが必要になります。そうすることによってスペースが生まれます。あとはサイドバックの位置も重要です。良い角度で、下がって受けるのか、上がっていくのか、そういった高さの調節も必要です。相手がプレスをかけてきたら、(西川)周作からの背後へのボールもあります。もちろん、中盤を経由しながら行くこともできますけれど、ダイレクトなプレーもできるようにしたいと思います。先ほども言いましたが、選手間の関係性を築く時間も重要だと思います。シーズン中もそれを続けて発展させていくところです。成長できるところはさせながら。このサッカーをプレーするためにはスキルが必要なんですけれど、それがここ浦和レッズにはあると思います」

(初めて日本の選手を指導することになったと思うが、日本の選手の生まれ育ちは、北欧の選手とは違う中で、一人で何かをするよりは集団性を好んだり、そういった社会性もあると思うが、そういうところでサッカーとの関係性を感じるか?)
「浦和のサッカーの文化はヨーロッパのクラブに近いものがあると思います。良いチームスピリットがあり、選手たちとのサッカーの議論もどんどん増えてきています。選手の知識が重要になると思います。私が言うだけではなく、このクラブの成長要因の一つに選手たちが関わらなければいけません。彼らで解決策を見つけ、試合の中で関係性を築いていき、さらにこのチームを次のレベルに押し上げることをやってもらいたいと思っています」

(トレーニングキャンプではすでにヨガを3回やっているが、いつごろからヨガを取り入れ、どういう効果があるのか?)
「メンタルトレーニングに対して私はかなり早い段階から興味を持ちました。私が選手だったころ、トロムソILで、トミー スヴェンソンという監督に出会いました。彼はスウェーデン代表監督にもなり、1994FIFAワールドカップ アメリカ大会で銅メダルを取った監督になりましたね。その監督の考え方もあってチームにはメンタルコーチがいて、私自身もサッカーでのメンタルトレーニングに関する本も書いたりしていたので影響を受けていました。
私はマインドフルネスからスタートして、それが12年前ですね。空軍のパイロットとのプロジェクトで、注意力や集中力を高めるためにもなりますし、自分をリラックスさせることも学べます。マインドフルネスやヨガはトータルパッケージだと思っています。集中力、注意力を学べますし、俯瞰して自分を見ることもできます。日本でやったらどうなるかと思っていましたけれど、みんな100パーセントの集中力でやってくれました。全体としてみればサッカー選手としても人間としても発展の小さな一部かもしれませんけれど、私は禅からもインスピレーションを得たりしました。インドから、日本から、仏教の哲学にも惹かれます。そういう価値観が好きです」

【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

ペア マティアス ヘグモ監督「今いる選手、そして私の哲学、それらを融合したものをピッチで表現しないといけない」

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