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vs甲府「82分間の数的不利も、全員で戦い2-0で勝利」

23日、レッズはホーム埼玉スタジアムにヴァンフォーレ甲府を迎えた。今シーズンJ1に戻ってきたヴァンフォーレとは2007年8月以来となる対戦。なお、J2時代の4試合を含めた対戦成績はレッズが7勝1分0敗と圧倒している。しかし、ヴァンフォーレは前節でガンバ大阪を相手に撃ち合いの末4-3で逆転勝利を収めるなど攻撃の爆発力があり、勝ち点もレッズと1ポイント差の17と、叩いておかなければいけない相手だった。
選手がピッチに入場後、17日に逝去された森孝慈さんに黙祷を捧げ、サポーターの大きな『We are Reds』コールを経て、18時3分、試合はレッズボールでキックオフ。
レッズのシステムは4-2-3-1。デスポトビッチが移籍後初先発で1トップに入り、右にマルシオ、左には前節、右足首を負傷した原口が出場、トップ下にはセルヒオが入った。
短いパスを確実につないでボール支配率を高めゲームをコントロールしていたレッズだったが、11分、中盤の左サイドで、ヴァンフォーレに与えたFKのクイックリスタートから、高めのディフェンスライン裏にボールを出され、抜け出したパウリーニョがGK加藤と1対1に。エリアを飛び出した加藤がパウリ―ニョを引っかけてしまい、得点機会阻止のレッドカードで退場に。やむなくセルヒオをベンチへと下げて山岸がゴールマウスへ。パウリ―ニョが蹴ったヴァンフォーレのFKはバーの上を越え、救われる。
1人少なくなったレッズは4-4-1の形を取り、ゲームを再構築。19分には啓太と原口のコンビネーションでエリア左を攻略し、エリア左角から原口が右足でシュート。GKが弾いたところをデスポトビッチがつめてネットを揺らすが、惜しくもオフサイドの判定に。
ヴァンフォーレが攻めにかかってこなかったこともあり、人数の少なさを感じさせずにゲームは進行したが、27分にはエリア内にこぼれたボールをフィニッシュされてバーを直撃。40分を過ぎたあたりからは、逆サイドの選手をつかまえきれずにサイドを代えられた後、フリーでのクロスを許す場面が増える。44分には自陣左からのクロスをスピラノビッチとハーフナーが競り、こぼれ球をパウリ―ニョが左足でシュート。しかし、これもバーに救われ、前半は何とか0-0で折り返す。
後半、ヴァンフォーレは左利きのMF片桐を投入して右サイドに置き、彼を起点とした攻撃が増える。レッズは、後半から、相手のCB以外の選手をマンマークでつかまえる守備を敷いてゲームの立て直しを図る。そして52分、待望の先制ゴールが生まれる、左サイドでのパス交換から原口が中へと入り、一旦、右サイドの高橋までサイドチャンジ。そこからディフェンスラインへ戻し、更に左へ。再びパス交換で相手守備にスキを作ると、左サイドに張った柏木がそれを見逃さず、エリア左角へスルーパス。そこへサイドバックの平川がオーバーラップして走り込む。平川はシュートこそできなかったものの、DFのクリアに体を投げ出しながら左足を伸ばし、その足に当たったボールが放物線を描いてGKを超え、ファーポストのサイドネットを揺らした。平川自身、3年ぶりのゴールとなったが、チームが待ち望んだ勝ちある先制点に大きな歓喜の輪が出来た。
試合の均衡が崩れ、その後は、数的優位のヴァンフォーレが押し込み、レッズは耐えてカウンターという展開に。63分にはカウンターの好機に柏木がドリブルで2人をかわしてデスポトビッチへ。ペナルティーアーク脇でパスを受けたデスポトビッチが丁寧にゴール右上を狙ったがGKがセーブ、こぼれたところをマルシオが右足で合わせたが惜しくも枠を外れる。その後、疲れの見えるデスポトビッチに代わって高崎がピッチへ送り込まれる。
攻勢を強めるヴァンフォーレ。70分にはゴールエリア右からのシュートを許すが、至近距離からのシュートは山岸が冷静にコースを限定して体に当てる好守を見せる。さらにヴァンフォーレはFWダヴィを投入して、レッズゴールへの圧力を高めようとしてきた。その直後の73分、原口のパスを受けた柏木がエリア外、左寄りの位置からGKの位置を良く見て、約25メートルのループシュートを見事に決める。大きな追加点にペトロヴィッチ監督までもがピッチ内に入って選手たちと抱き合った。柏木の2試合連続となるゴールで2点をリードしたレッズは、その後も、パワーをかける甲府に押し込まれるものの、永田、スピラノビッチを中心に跳ね返して零封。2-0で勝利した。
試合後、今日の勝利を天国に届けるかのように、サポーターたちの熱い「森孝慈」コールが、埼玉スタジアムを包み込んだ。
7試合負けなしとなったレッズの次戦は、27日(水)、ヤマザキナビスコカップ1回戦第2戦、NDソフトスタジアムにてモンテディオ山形戦となる。

柱谷幸一GM
「絶対に勝たなければいけないというゲームで、10人になりながら勝ち点3という結果を持ってこられたのは、選手たちみんながチームのためにプレーするということを90分間、続けた結果ではないかと思います。勝利という結果を持ってこられて本当に良かったと思っています。
今日は森孝慈さんのためにも勝てて良かったと思います。ポストに当たった相手のシュートがゴールの中ではなく、外に行ったり、平川の先制点も彼の執念もありましたが、森さんが後押しして勝たせてくれた、ゲームだったのではないかと思っています」

平川忠亮
「ゴールは3年ぶりでした。大事なところで決めることができてうれしかったです。人数が一人足りない状況で無失点で勝てたことも良かったです。相手がクリアすると思って、つながれるのは嫌だったので、足だけ出そうと思いました。決まって良かったです。
(柏木とのワンツーだったが?)預けた瞬間、陽介からパスが出てくると思って、スペースもあったので走り込みました。1人少ないので、どこかで飛び差出さないとチャンスも作れませんし。(加藤)順大がペナの外まで出てきてくれたこと、あれがPKだったらまた違っていたと思います。感謝したいです。
森さんは、GMというと距離のあるイメージですが、気さくな方だったので、よく話もしてくれましたし、現場にも来てくれました。いつもそばにいて、笑ってくれていました。昔は厳しい方だったと聞きますが、いつも陽気に接してくれました。今日、結果を出せて良かったです。お通夜に行って、お別れしてきました。
(柏木が一喝されたと感謝していたが?)陽介の実力は分かっています。でも上から見ていても明らかに調子が良くなかった。監督が外したのは良い判断だったと思います。今、調子良い選手が出ればいいんです。(小島)秀仁も良いし、ヤマさんもいる、ホリもいる。うまくいかないときは他の選手が出ればいいんですから。腐っていたら出られないだけだよ、と言いました。陽介はスーパースターじゃない。でも実力はみんなが分かっています。
チームは今シーズン、後半になっても運動量が落ちません。前半、抑えているというわけではないです。確かに多少ディフェンシブかもしれないですが、良いトレーニングもできていますし、後半になると相手が落ちて来るのが分かります。それにうちは途中から出てくる選手が良いですからね。後半に強いのはいろいろな要素があると思います。次のゲームは水曜日にありますし、頑張ります」

柏木陽介
「良いプレーというより、チームが勝てるようにやろうと思っていました。その中で、ヒラさんがうまく決めてくれましたし、自分もシュートを決めることができました。自分のシュートは、前半からGKが前に出ているのが分かっていたので、思い切り打ったら入って良かったです。今までのシュートの中で一番良いシュートだったんじゃないかと思います。
自分の中では2試合連続ゴール取れるんじゃないかと思っていましたし、昨年も確か2試合連続が2回だったので、今日も決められそうだと思っていました。でもそれより、チームが勝てて本当に良かったです。
(一時期は先発から外れた時期もあったが?)そういう時期を与えてくれた監督に感謝しています。初心に返ることができました。感謝というのは、やはり、駄目なときには(試合に)出られないのが当たり前だということに気付かせてもらったからです。今までは駄目でも使ってくれる監督がいたりしましたが、今の監督は調子の良い選手を使うということ。それは当たり前のことです。ずっと出られない選手がいる中で、自分が出られないときに腐っていたら駄目。厳しく言ってくれるチームメートもいましたし、いろいろな人に支えられていることを感じました。言ってくれたチームメート?それはヒラさんです。ほんとに感謝しています」

デスポトビッチ
「今日は本当にうれしいです。自分が入っても周りがちゃんと動いてくれるのかという心配がありましたが、みんなちゃんと動いてくれて、良かったです。
前半のうちに1人少なくなってしまって、一人一人が自分の本来の仕事よりも倍ぐらい働かなければいけないという状況でしたが、90分間サポーターの後押しを受けたこともあって、今日の勝利を運んでくることができたと思っています。
(『ランコ』コールも起きていたが?)聞こえました!彼らの声はしっかり耳に届きました。本当に誇りと喜びを感じています。ありがとうございます、と言いたいです。今日の勝ち点3は彼らにあげたいと思います。また、監督が僕らにしてくれてる仕事はとても良いものだと思うし、それを表現することもできたと思います。コーチや監督、スタッフ全員が僕らを引っ張ってくれているおかげで、今日の結果を生むことができたと思っています。
(オフサイドの判定に消えたゴールもあったが?)本当にオフサイドでしたか(苦笑)。完全にゴールだと自分の中では信じていましたが、残念でした。仕方ないと、切り替えをしっかりして次を考えてプレーしましたが、本当に残念でした。ですが、その場面を振り返っても仕方ないですし、次のチャンスを絶対にモノにできるようにしたいです。それに一番大事なことは、95分間、ベンチの仲間を含めて全員が戦っているということ。その姿勢がとても素晴らしかったと思いますし、今日の試合は僕からもチームと、そしてサポーターに対して『おめでとう』と言いたい気持ちです」

【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

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