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西川「自分たちの今の力を示し、しっかりと勝つ姿を見せたい」

25日、トレーニング後にキャプテンの西川周作がオンラインでメディアの質問に答えた。

【西川周作】
(前節の北海道コンサドーレ札幌戦から時間が空き、次の横浜F・マリノス戦は、相手にとって優勝が懸かっている試合になるが、チームで準備してきて感じることや横浜FM戦へのおもいはどうか?)
「僕たちは相手がどうこうというよりは、改善しなければいけないところをこの期間でトレーニングできたと感じていますし、今週もいいトレーニングをしたいと思っています。選手として目の前で優勝を決められたくないというおもいが強いですし、失点数を比べると横浜FMとほぼ同じくらいです。攻撃力も守備力も素晴らしいチームとシーズンの終盤に戦えるということで、自分たちの今の力を示さなければいけません。ファン・サポーターの方々が勝利を目標にしていることも伝わってきますし、僕たちだけではなく、ファン・サポーターの方々と一緒にアウェイに乗り込み、しっかりと勝つ姿を見せたいと思っています」

(今季はJ1リーグ優勝を最優先の目標に掲げてスタートしたが、現在の成績は成績として、J1リーグで優勝を目指すということはJ1リーグの中で最も強いチームになるという意味でもあると思うが、現在の首位との対戦はポテンシャルを示す意味でも大事になると思う。今のチームが自信を持って優勝争いできるという感覚はあったのか?)
「シーズンを戦っている上で難しい時期がありました。なかなか勝ちきれない、点が入らないない、引き分けが多かった印象があります。その中でも全員で守る意識は素晴らしいと後ろでゴールを守りながら感じていて、助けられたことも多々ありました。その分、攻撃に行くパワーがなくなってしまった試合もありましたので、その使い分けをうまくできれば、どんな相手に対しても戦えると思っています。前からプレッシングに来るチーム、引いてくるチーム、いろいろなチームがありますが、試合の中での使い分けが自分たちでうまくできれば、もっといい結果を出せたと思います。点を取らなければ勝つことは難しいですし、その意識は残り2試合でも示していかなければいけないと思います。守る意識も大切ですが、ゴールに向かっていく姿勢、前に前に行くという姿をみんなで表現したいです」

(J2リーグが終了し、日本代表で一緒にプレーした中村俊輔選手が今季限りで引退することになったが、彼とはどんな思い出があったの?)
「中村選手は代表で一緒にやらせてもらってから、FK練習も数多く相手させてもらいました。試合ですごいFKを決められたこともあります。今まで戦ってきた選手の中でもFKで立たれたときのオーラ、絶対に枠に来るんだろうという雰囲気は最もすごかった選手だったと思います。ペナルティーエリア付近でファウルがあると、中村選手が立つだけでかなりのプレッシャーを受けたことを覚えています」

(蹴る方向やボールの軌道も読みづらいという話もしていたと思うが、他の選手にはないものだったのか?)
「左右に蹴り分けるときのフォームが全く分からない感じでした。左でも右でも枠に来ますし、落とすことも無回転のボールを蹴ることもできます。いろいろな技を持っているということで、受ける身としては考えさせられることが多かったです。考えてしまっている時点で負けていたのかなと思います」

(前節の札幌戦以降、オフが4日間あったが、どのようにリフレッシュしたのか?)
「4日間は特にどこにも行くことなく、自宅で断捨離しました。奥さんと一緒にいらないものをとことん捨ててスッキリしました」

(今季は後ろからのビルドアップが難しい試合も多かったと思うが、最後方でどのように感じていたか?)
「前線にいる選手の特長を見ながら、自分たちの戦い方を変えなければいけない試合もありました。前に速い選手がいるときに自分たちにとってどういうサッカーがベストなのか、中で判断を変えてプレーすることができればよかったと思います。リカルド(ロドリゲス)監督から戦い方の提示もあった中で、たとえば(サンフレッチェ)広島戦は自分たちのスタイルを貫こうとし過ぎた中での敗戦でしたし、自分たちの良さが全く出ない試合になってしまいました。ああいう試合のときに後ろから『今は苦しいから前に行こう。背後を狙っていこう』という発信、後ろの選手から前を動かすようなアクションがあってもよかったと思うことが反省点です。その反省を生かすことができたのが広島戦の次の(サガン)鳥栖戦でした。今年取り組んできたことを来年に生かさなければいけませんので、絶対に忘れてはいけませんし、次に同じような状況になれば、みんなで共有していきたいです」

(ボールポゼッションにこだわりすぎるのではなく、シンプルに蹴る方がいいというところの判断なのか?)
「しっかりと判断しなければ相手の勢いを受けることになりますし、前半にうまく自分たちのサッカーができなかったとしても、後半のための前半と思いながら割りきることも大事だと思っています。あとは自分の武器をもっと生かしていきたいと思います。それはチームのためにもなると思いますし、前に前に行くという姿勢を出すことにもつながると思います。横浜FMもおそらくかなり強いプレッシャーに来ると思いますので、広島戦の経験を生かしながら戦わなければいけないと思います」

(西川選手がスキルアップできたと感じていることや課題だと感じていることは?)
「今シーズンはジョアン(ミレッ)GKコーチに出会えたことが自分のためにもなっていますし、僕だけではなくGKチームが一つになってここまで戦ってこられました。今までやってきたことを一度リセットしながら、ジョアンコーチの考えをプレーに出せていると思います。最初は頭で考えながらプレーすることが多かったですが、今は自然とできるようになったこともたくさんあります。相手が打つ前にいかに空間を守るかということに今年はトライしながら、クロスボールに対してたくさん出ることができましたし、今まではゴールにへばりついていることもありましたが、ジョアンコーチの教えに素直に取り組むことで、できるだけ広い範囲でクロスボールに対して守ることができるようになったと思いますし、ミスが起こってもその後の対処、起き上がり方や守り方も教えてもらいました。疑問があれば常に答えを示してくれますし、プレーだけではなく講義のような形で話すことも大事にしてくれるコーチですので、頭で理解した上でプレーできていると思います。ジョアンコーチから教わることはたくさんあると聞いていますし、まだまだ終わりがない作業だと思っていますので、無心でできるようになるまでにはまだまだトレーニングが必要だと思っています。それができるようになるまで頑張りたいと思っています」

(GKにとってスーパーセーブは褒め言葉のようでそうではない場合もあるかもしれないが、今季で何本かあったスーパーセーブはしっかりと意識した上でセーブしている印象があった。それもジョアンGKコーチの教えの成果なのか?)
「おっしゃるとおりで、今までスーパーセーブと言われていたプレーが僕たちからすると全くスーパーセーブではない場合があります。自分の中でも『どうしてあのポジションを取ったんだ?もっと簡単に取れただろう』という考えに変わってきています。スーパーセーブも大事ですが、いかに相手にシュートを打たせないかということに今は重点を置いてトレーニングしています。その考え方は、今季変わったと思うところです。自分が止めたとしても、その止め方やポジショニングにこだわり続けていますので、止めても悔しいですし、決められたらなおさら『あの止め方があった』という悔しさが今までから倍増しています。ジョアンコーチからも、『私の指導を受けている時期はゴールを決められると夜も眠れなくなるぞ』と言われていましたが、その気持ちがよく分かります。解決方法があるということで、失点がさらに悔しくなりました」

(大分トリニータがJ1参入プレーオフ進出を決めたが、大分がJ1リーグに昇格するとして、アウェイでの大分戦は楽しみか?)
「楽しみであることは間違いありません。今は金崎(夢生)選手が大分に帰ったり、梅崎(司)選手が先発出場していたりいますが、大分のことは常に気にしています。前半戦は10位で折り返し、最後は5位でフィニッシュしましたが、次は(ロアッソ)熊本戦で九州ダービーということで、勝たなければいけない状況です。失うものはないと思いますし、ぜひ昇格してもらって、また来年、大分と戦えることを楽しみにしています」

(「自分の武器を生かしたい」と話していたが、ロングキックの使い方もすごく考えていると思う。今の前線にはスピードがある松尾佑介選手やキャスパー ユンカー選手、長身ではないがヘディングが強いブライアン リンセン選手など、いろいろなタイプがいるが、相手や狙いによってどのように使い分けているのか?)
「キャスパー選手の場合はスピードが相手にとっての脅威ですので、スペースに流して出してあげるように狙っています。リンセン選手からは『俺は小さいけどかなり競ることができる』と言われていますし、しっかりと要求されています。高く上がったボールに関しては、競り勝たなくても相手DFに競らせないという技を持っていますので、そのうまさは利用したいと思っています。サイドに松尾選手や大久保(智明)選手がいる場合も、競るというよりはスペースに流し込んであげたいという気持ちがあります。そうなると後ろのラインコンロールでもすぐに上げなければいけません。江坂(任)選手はキープできるうまさもありますし、彼のことを信頼していますので、彼の胸に蹴ることができれば必ずコントロールしてくれます。彼のいいところはバックパスするより前に良いパスを狙おうとしてくれていますので、相手のDFからすると怖いでしょうし、チームのためになってくれていると思います」

(酒井宏樹選手がターゲットになることもあると思うが、橋岡大樹選手といい、伝統的にレッズのサイドバックには空中戦で頼りになる選手も多いのではないか?)
「ありますね。懐かしい感じがしましたね。酒井選手が加入して、彼にボールを当てたときに『前にもやっていたな』と思いました。よく橋岡選手が競り勝ってくれていましたが、酒井選手も強いですし、ほぼ競り勝ってくれますので、蹴りやすさは間違いなくあります」

(ショートパスをつなぐ場合にも昨季までより攻めるパス、横だけではなく縦の岩尾 憲選手や相手の選手の後ろを狙っていると思うが、それはジョアンGKコーチの教えもあるのか?それともリカルド監督のスタイルでプレーしてきて成長したことなのか?)
「昨季1年やってきた積み上げが今年出ていると感じています。昨季はリカルド監督のサッカーを考えながらプレーしている分、攻撃面で近くしか見えていませんでした。そこを要求されていたこともありますが、そこしか見られていませんでしたし、チームに合わせようとしていたところもありました。今季はまず守り方を教えてもらい、守備でしっかりと守れることで、攻撃に関しては自然と自信が付くようになりました。ミスしても守れるというマインドになっていますので、攻撃も際どいところを攻めたり、リスクを負ったりすることにつながっているのだと思います。あとは自分の長所はなんだろうともう一度考えたときに、ショートパスばかりをつなぐのではなく、遠くを見て相手にとって一番怖いところに配給することが自分の良さだと思いますので、まずはそこを出していきたいということで今シーズンに入りました」

(ジョアンGKコーチから教わることはまだたくさんあるということだったが、メニューとしては反復要素も多くなってきていると思う。半年以上取り組んできて、まだ発見があるものか?)
「まだジョアンコーチの中でも『これは来年やるけど』と言いながら教えていることがあります。教えるスピードとしては、いつもより早い、前に指導していたFC東京と比べてもスピードが違う、順調に来ているという話もしてくれていますが、まだまだ教えることはあるということも言われています。僕自身も毎日いい刺激、発見があり、学ぶ姿勢は大事だと思いながら、GK陣3人、GKチームみんなでやっていますが、札幌戦後のオフが明けてからの時間は、今までやってきたことの手直し、意識はいいけどできていない動作に時間を割いているところです。今日もいい手直しをしてもらったという印象です」

(GKチームにとって、ジョアンGKコーチの通訳を務めている在原正明さんの存在はどうなのか?)
「在原さんはたくさんの経験してきた方ですし、コーチとしても素晴らしい仕事をされてきましたので、人として面白いというか、引き出しが多い方だと感じています。塩田(仁史)GKアシスタントコーチと在原さんのいいコンビでトレーニングできていると思います。今のGKチームの雰囲気は在原さんがつくり出してくれているところもありますし、いい関係だと思います」

(先日、言葉にならないニュースとなった工藤壮人選手についてだが、工藤選手が日本代表で得点した試合は2試合とも西川選手が出場していた。彼に対してのおもいはどうか?あらためて人生について考えたことはあったか?)
「工藤との一番の思い出は、(EAFF)東アジアカップ(2013)で一緒に戦ったことです。全員が国内組でしたが、モチベーション高く、一体感があって、優勝できたことが一番の思い出です。その活動期間も『周君、周君』と言って人懐っこくて、よく話をしてくれました。それから試合で会ったときも話し掛けてくれました。僕から行くより、工藤から話し掛けてくれること多かったですし、人懐っこくていい人間だと思いながら、一緒に戦わせてもらいました。工藤が亡くなってしまい、僕自身も信じられない気持ちが大きかったですが、SNSを見ていても、彼のことを好きな選手がたくさんいて、たくさんのコメントがありました。本当に愛されていた選手だったとあらためて感じることができました。こんなに身近な人が亡くなるということは人生の中でなかなか経験がありませんでしたし、本当にショックでしたし、自分がサッカーができなくなると考えただけでも不安になりました。自分がプレーできている状況、応援してもらっている状況をいかに幸せに感じてプレーするかというということを考えていかなければいけないと思いました。工藤は家族もいて、子供がいて、自分も子供がいますが、父親としてのことも考えると、残された家族の気持ちも分かりますし、僕自身、健康でいなければ悲しむ人がいるということを考えさせられた時間でもありました」

【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

西川「自分たちの今の力を示し、しっかりと勝つ姿を見せたい」

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