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ミシャ監督 名古屋グランパス戦試合後会見

明治安田生命J1リーグ 1stステージ第9節 vs名古屋グランパス 試合後のコメント

「今日のゲームは、強風の影響で難しいゲームになりました。サイドチェンジやビルドアップから相手のDFラインの裏へ長いボールを入れるような攻撃を狙いとしていましたが、強風の影響を受けてそれらの精度を欠いてしまいました。風は常に吹いているわけではありませんし、上空と地上で風の強さも違いますから、選手たちもやりずらさはあったと思います。そういう状況でしたが、選手たちは立ち上がりから非常にいいゲームの入りをしてくれました。特に遠藤から武藤への長いボールが一発で入った場面が2回ありましたが、その時点で我々がリードしてもおかしくありませんでした。ただ、その後もそのようなチャンスをいかしてチャンスを作れていたことはよかったです。

1-0でリードしたあと、100パーセント決定的なシーンがありましたが、それを決め切れない間に、若干緩みが出た時間帯が、前半の終わりにありました。そんな中、相手の一発で1-1に追いつかれてしまう良くない展開になってしまいました。リードした後、2点目を取るチャンスがありながら決められず、相手の一発のシュートで得点されてしまうことは、サッカーの世界ではよくあることです。

ハーフタイムでは、後半はより圧力をかけて、得点する強い気持ちを持って取り組むようにと、選手たちに伝えました。名古屋は、極端に守備を固めてくるような相手ではありませんでしたし、時として前からプレッシャーをかけてくるチームでしたので、そういったプレッシャーに怖がることなく、しっかりとボールをつないで、相手のスペースをついていこうと話しをしました。後半は狙い通りの戦いができたと思います。

今日のゲームは我々にとって非常に危険なゲームでした。前節の川崎戦はいい結果で終えることができましたが、そのことでチームは多くの賞賛を得ました。しかし、賞賛を受けたことで選手たちの気持ちに緩みが生まれてはいけません。選手たちはこの試合で、非常に高い集中力と緊張感を持ち、相手を絶対に打ち負かすという強い気持ちを持って試合に臨んでくれました。厳しい連戦でいい結果が出た後に、選手たちの気持ちが緩んでしまい、負けてしまうことはよくあることです。しかし、選手たちは気を緩めることなく、今日の試合も結果を出してくれたので、そこは評価したい思います。

ただ、サッカーは過去の結果では生きられません。もう名古屋戦は終わっています。我々は次のゲームに向かっていかなければいけません」

【質疑応答】
(ここ最近はコーナーキックから点が取れておらず、シュートにもいけていないが?)
「それは私のせいかもしれません。なぜなら、コーナーキックのトレーニングをしていませんから。もちろん、多くのチームがコーナーキックなどセットプレーを得点源にして、しっかりとトレーニングをしていることは知っています。ただ、私は、コーナーキックはキッカーの蹴る精度と、ゴール前に入ってくるタイミングなどが、点と線でつながれば得点が生まれると思っています。ただ、なかなか合わないことも確かです。トレーニングというよりは、試合の中での集中力や偶然性も重なりながら起こるものだと思っています。

私の仕事は、ゲームの中でいかにクリエイトするかです。そこを選手たちにしっかりとコンセプトとして植え付けていくことが、私の監督としての主な仕事です。コーナーキックは、キッカーとボールに競りに行く選手が責任を持ってやるべきです。多くの時間を戦術的なトレーニングに割いていく中で、選手たちは自分たちの話し合いの中でセットプレーから得点に結びつけてほしいと思っています。

私がユーゴスラビアで監督をしていたときに、チームには高さがあってセットプレーで得点する選手がいました。監督が変わって、新しい監督さんは、そのセットプレーで得点力のある選手に、常にニアポストに走れと指示を出しました。そこから彼は、1試合も得点することができませんでした。しかし、その選手はその後、自分の狙いはここだという意識を持ってゴール前に入ったところ、得点をすることができました。監督が指示を出して、良くなる部分とそうでない部分があります。セットプレーに関して、選手に委ねることが多いのは、私のやり方です。決まり切った戦術の中で得点できればそれに越したことはないですが、相手あっての攻撃ですので、状況の中で瞬間的に感覚で動くことももちろん大事だと思います。いまセットプレーから得点できていない状況であるのなら、それは私のせいにしてもらって構いません」

(途中から駒井を右、関根を左に入れたが、手応えは?)
「昔で言えば、ヨハン・クライフ監督は、ラウドルップとストイチコフを右と左で入れ替えることをよくやりました。前半、関根は右サイドからドリブルでよく仕掛けていましたが、相手を抜いて決定的な仕事をするまでには至りませんでした。その中で、途中からドリブルを得意とする駒井を右に入れて、関根を左にポジションチェンジさせましたが、関根は右も左も遜色なくできる選手ですし、両足でしっかり蹴れる選手です。そういった変化を与えてみて、どうなるかを見てみました。今日はそれがうまくいきましたが、今後もうまくいくとは限りません。

昔のサッカーの戦い方の中に、クライフのような戦い方をする監督と、サッキのような戦い方をする監督がいます。クライフはACミラン時代のサッキに負けましたが、私はクライフのようなサッカーを目指した指導者です。サッキさんの守備の戦術は、ロープで選手をつないで右に左にと距離感を保つようなトレーニングをする人でした。私はそういうトレーニングはしない部類の監督です。選手は考える力があります。それならば無理矢理に鎖でつながなくてもしっかり理解してくれると思います。あまりこういう話しを長く続けるのは良くないので終わりにしましょう」

(伊藤は日本を代表する選手になると期待できるか?)
「私も同じ意見です。ただ、日本の若い選手によくある傾向があります。以前は(柏木)陽介や(原口)元気もそうでしたが、非常に技術があって、高い攻撃能力を持っているのですが、守備に関しては、監督である私が走らなければいけないと思うほどでした。

伊藤は才能のある選手だと評価しています。私は、スロベニア、オーストリア、そして日本でも多くの若い選手を育ててきました。ただ、彼が日本を代表する選手になるには、攻撃と守備、特に守備をしっかりやらなければいけないという意識を持ってトレーニングできるかどうかです。

今年のトレーニングキャンプでは、阿部とボランチを組ませて、練習試合などをやってきました。伊藤が阿部の姿を見て、守備の部分を学び、成長したいと思うかどうかです。今のチームの中で、若干守備の仕事を少なくできるポジションは一人か二人です。今のサッカーは、全員が攻撃と守備でハードワークを求められます。伊藤が成長していくためには、自身の課題としてしっかり取り組むことが大切です。それができれば、近い将来に日の丸を背負える選手になれるでしょう」

【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

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