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「勝負所でしっかりとゴールに結びつけることが課題」ミシャ監督

Jリーグ第4節 vs清水エスパルス 試合後のコメント

「無観客試合ということで、誰も経験したことのない状況の中で、どういう風に試合が流れていくのか予想がつかない中での試合だったと思います。ホームゲームを戦うチームは不利になるだろうと感じていました。前半はボールを支配しながらテンポが上がらず、中盤でのアグレッシブさが若干欠けていたように感じました。そういったゲーム展開は、相手の方が都合がよかったのではないかと思います。相手はほぼチャンスらしいチャンスはなかった展開でしたが、再びコーナーキックから失点してしまいました。前半はサポーターがいないという影響があったのか、練習試合のような展開でした。あまりオフザボールの動きもなく、危険なところにボールが入りませんでした。
後半は、よりアグレッシブに、真ん中と外を使い分けながら危険な攻撃を仕掛けることができました。問題はチャンスの数に対して得点ができなかったところです。チャンスをゴールに結び付けていくところはチームとしてまだうまくいっていません。それは鳥栖戦や柏戦も同じです。勝負所でしっかりとゴールに結びつけることが課題です。今シーズン5試合を見ても分かりますが、相手の攻撃は抑えることができています。今日も後半の最後に危険なチャンスを作られましたが、それ以外は相手を押し込んで、守備も攻撃もうまくいっていたと思います。相手は苦し紛れに長いボールを蹴り出すことが精いっぱいでした。守備は今シーズンに入って安定してきています。そして攻撃も真ん中と外を使い分けながらスムーズな攻撃を仕掛けることができています。ただ、最後のフィニッシュのところでシュートの精度が欠けているので、そこは今後の戦いの中で改善していかなければいけません」

【質疑応答】
(原口や槙野など選手が冷静さを欠いていたように見えたが、選手たちの精神面に影響はあったのか?)
「ひとりの選手が長い時間ドリブルをして周りの選手が動けていない状況はあり得ると思います。ただ、後半は狙いをもって攻撃を仕掛けていました。元気や槙野はドリブルでマークをはがしていけることに長けた選手であり、2人ともいいシュートを持っている選手です。相手は8人で自陣で引いてブロックを作って守っていた状況の中で、槙野や元気、または関根が相手を抜き去って守備を崩そうとチャレンジしていたと思います」

(昨シーズンと違い失点した後のピンチを何とかしのいで失点を重ねなかったが?)
「バルセロナやレアルマドリードなどの世界のトップクラブは、相手にほとんどチャンスを与えないが、決定的なシーンはどの試合でも起こり得ます。そういう場面で相手の決定機をゴールキーパーが止めて、最後にチャンスを決めて勝利することはよくあることです。
みなさんもそれを見ていただければ分かると思います。そういう部分はキーパーのクオリティが重要なものとしてあると思います。トップクラブは、やる仕事は少ないが、大事な場面でしっかり仕事をする、それがトップクラブのレベルの高いキーパーだと思います。我々も今後そういったことが続いていけばと思います。
今日あった6、7回の決定機は、トップクラブの選手であれば3、4回は決めているでしょう。元気は広島戦で素晴らしいゴールを決めましたが、今日の試合では、それよりももっといいシチュエーションが3、4回あったと思います。ただ今日は残念ながら決めることができなかった。そこは改善するようにチャレンジしていきたいですし、ゴール前でもっと落ち着いてプレーする必要があると思います。

(関根選手はJリーグ初出場だったが、判断よくドリブル突破してチャンスを作っていたように見えたが?)
「関根は若いが、それだけでチャンスを得られたわけではありません。彼は今シーズンが始動してからキャンプや練習で素晴らしいプレーを続けていました。そういう中から得たチャンスでした。今日はいいプレーをしましたが、若い選手を評価するときは慎重にならなければいけません。戦術的な部分や、コンディション、フィジカルなど、まだまだ足りない部分はあります。ただ、浦和レッズとしては、関根という若いタレントの将来をしっかりと見越していける存在であると評価しています」

(無観客試合の感想と、サッカー界における差別の問題についてどう考えているか?)
「無観客試合は私にとっても初めての経験でした。6万人以上が入る大きなスタジアムでまったく観客がいない形で試合を行うということは、非常に何とも言えない感覚のゲームでした。やはり練習試合のような雰囲気が漂い、公式戦という感覚を得られないゲームでしたので、やはりホームチームは不利であると感じていました。
差別問題に関してですが、そのことを語れるのは、自分の経験を話せる私かもしれません。私は37年間、自分が生まれたところでない外国で生活をしています。私が生まれ育ったユーゴスラビアという国はもう存在しません。私はオーストリアの国籍を持っており、自分の人生の半分以上である30年間をオーストリア人として過ごしてきました。差別は残念ながらどこの国でもあります。私の名前は典型的なドイツ語圏の名前ではないミハイロ ペトロヴィッチです。私がスロベニアでプレーしていたときに、スロベニア出身の妻と知り合って結婚しました。スロベニアはユーゴの中でも言語が違います。スロベニアでプレーしていたときは、お前はスロベニアに何しに来たんだと言われたこともありました。素晴らしいセルビアに生まれましたが、違う国で生活していた時間が長い私は、セルビアに帰れば、周りの人たちは奥さんはスロベニア人だし国籍はオーストリアだし、お前はどこの国のやつだと。どこに行っても受け入れられないこともあります。
私はクロアチアのディナモザグレブでもプレーしましたが、セルビアとクロアチアは犬猿の仲といってもいいぐらい仲が悪い国同士です。そのとき、私は大きな差別を受けました。ただ、最終的には、私はどこの国に行ってもそういった差別に勝利することができました。私がどうやって差別と向き合ってきたか、打ち勝ってきたか、それは何かと言えば、それは差別を受けながらも、私は相手に対するリスペクトと愛情を忘れませんでした。我々は非常に厳しい状況に置かれていますが、今回の件を行った人間に対しても私は尊敬を持つ気持ちを忘れないようにしようと思っています。どんな状況であっても、私は人を愛しリスペクトしていくつもりです。私は8年間日本で生活していますが、中には差別的な考え方を持っている人もいるかもしれません。私に対しても外国人ということで差別的な思いを持っている人もいるかもしれません。そういう人に対しても自分の姿勢は変わらず、愛と大きなリスペクトを持って接していこうと思います。それが私の哲学であり考え方です。どこの国にもいい人もいればそうではない人もいます。その国から来たと言うだけで差別をすることは大きな間違いです。ただ、残念ながら世の中は間違った方向に向かっていると感じています。将来を担う若者たちが、いい方向に向かってほしいと心から願っています」

【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

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