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コラム「18年前の今日(5月29日)」
1993年5月29日(土)。浦和レッズはJリーグ開幕後、初白星を挙げた。
日本のプロサッカーリーグがスタートした歴史的なシーズン。レッズは5月16日(日)の開幕戦でガンバ大阪に敗れて以来、勝ち星がなかった。ホーム開幕となった19日(水)の名古屋グランパスエイト(当時)戦でも0-3の完敗。第3節の横浜フリューゲルス戦では望月聡がチーム初ゴールを挙げたものの試合には敗れた。国立競技場でのアウェイ戦となったジェフ市原(当時)も0-1で惜敗した。
前年のJリーグ前哨戦、ヤマザキナビスコカップで準々決勝進出へあと一歩の予選リーグ5位と健闘し、天皇杯では準決勝でヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)と120分の死闘を演じPK負けと、翌年に期待が持てる結果を残していただけに、Jリーグ開幕4連敗は思いもよらない苦戦だった。
MDPに「どうした、レッズ!」の文字が躍った。
満員の駒場スタジアムに迎えた第5節の相手は、前年のナビスコカップ優勝、天皇杯準優勝のV川崎。プロになってからの対戦では、2戦2敗している相手だ。
森孝慈監督は、この試合メンバーを入れ替えた。開幕以来先発させてきたアルゼンチン人FWフェレイラを外し、前節Jリーグデビューした河野真一を起用したのだ。また、第2節から途中出場していた攻撃的MF池田伸康を初めて先発に据えた。DF陣では、前節から先発させている西野努を引き続き3バックの右で起用。ピッチには3人のルーキーが並んだ。
試合は、前半8分に柱谷哲二のゴールでV川崎が先制。5戦連続前半のうちに失点する嫌な流れで始まった。しかし元気者の池田が動き回りV川崎にリズムを渡さない。何とか0-1のまま後半を迎え、そのときが来た。
後半4分、池田が遠めからシュート。名取篤に当たったボールを河野が蹴り込み、同点とした。初先発の2人の活躍で追いついたレッズは息を吹き返し、逆転を目指すが、V川崎やや優勢で試合は続く。武田修宏にゴールネットを揺らされるが、トラップ時にハンドがあったとして、取り消される一幕もあった。
延長の30分も両者得点がなく、完全決着ルールの当時はPK戦に持ち込まれた。半年前、天皇杯で同じ相手にPK負けしたことを誰もが頭に描いた。先蹴りはレッズ。まずトリビソンノが決めると、相手は先制ゴールの柱谷が外した。沸くスタンド。2人目の広瀬治、三浦知良、3人目の福田正博、北澤豪がいずれも成功し、レッズの4人目、堀孝史もしっかり沈めた。そしてV川崎はフリーキックの名手としても知られるDFペレイラ。レッズサポーターの祈りがボールに伝わったのか弾道は伸び、バーを越えた。4対2。5人目を待たずにレッズの勝利が決まる。
赤いフラッグが所狭しと振られ、紙吹雪が舞う。選手たちも優勝したかのような喜びよう。その日、浦和の街はひと足早い夏休みを迎えたように、遅くまで眠らず熱くなった。
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】
日本のプロサッカーリーグがスタートした歴史的なシーズン。レッズは5月16日(日)の開幕戦でガンバ大阪に敗れて以来、勝ち星がなかった。ホーム開幕となった19日(水)の名古屋グランパスエイト(当時)戦でも0-3の完敗。第3節の横浜フリューゲルス戦では望月聡がチーム初ゴールを挙げたものの試合には敗れた。国立競技場でのアウェイ戦となったジェフ市原(当時)も0-1で惜敗した。
前年のJリーグ前哨戦、ヤマザキナビスコカップで準々決勝進出へあと一歩の予選リーグ5位と健闘し、天皇杯では準決勝でヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)と120分の死闘を演じPK負けと、翌年に期待が持てる結果を残していただけに、Jリーグ開幕4連敗は思いもよらない苦戦だった。
MDPに「どうした、レッズ!」の文字が躍った。
満員の駒場スタジアムに迎えた第5節の相手は、前年のナビスコカップ優勝、天皇杯準優勝のV川崎。プロになってからの対戦では、2戦2敗している相手だ。
森孝慈監督は、この試合メンバーを入れ替えた。開幕以来先発させてきたアルゼンチン人FWフェレイラを外し、前節Jリーグデビューした河野真一を起用したのだ。また、第2節から途中出場していた攻撃的MF池田伸康を初めて先発に据えた。DF陣では、前節から先発させている西野努を引き続き3バックの右で起用。ピッチには3人のルーキーが並んだ。
試合は、前半8分に柱谷哲二のゴールでV川崎が先制。5戦連続前半のうちに失点する嫌な流れで始まった。しかし元気者の池田が動き回りV川崎にリズムを渡さない。何とか0-1のまま後半を迎え、そのときが来た。
後半4分、池田が遠めからシュート。名取篤に当たったボールを河野が蹴り込み、同点とした。初先発の2人の活躍で追いついたレッズは息を吹き返し、逆転を目指すが、V川崎やや優勢で試合は続く。武田修宏にゴールネットを揺らされるが、トラップ時にハンドがあったとして、取り消される一幕もあった。
延長の30分も両者得点がなく、完全決着ルールの当時はPK戦に持ち込まれた。半年前、天皇杯で同じ相手にPK負けしたことを誰もが頭に描いた。先蹴りはレッズ。まずトリビソンノが決めると、相手は先制ゴールの柱谷が外した。沸くスタンド。2人目の広瀬治、三浦知良、3人目の福田正博、北澤豪がいずれも成功し、レッズの4人目、堀孝史もしっかり沈めた。そしてV川崎はフリーキックの名手としても知られるDFペレイラ。レッズサポーターの祈りがボールに伝わったのか弾道は伸び、バーを越えた。4対2。5人目を待たずにレッズの勝利が決まる。
赤いフラッグが所狭しと振られ、紙吹雪が舞う。選手たちも優勝したかのような喜びよう。その日、浦和の街はひと足早い夏休みを迎えたように、遅くまで眠らず熱くなった。
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】