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エメルソンの移籍について、森孝慈GMの談話

このたびエメルソン選手が、カタールの「アル・サド・スポーツクラブ」に移籍することが決定しました。
エメルソンについては、昨年から海外の複数のクラブが興味を示していました。
そんな中で、今回のアル・サドが唯一具体的な交渉に乗り出してきたクラブです。向こうのクラブのGMが日本に来て、私と6~7回話をしました。ただしエメルソンのような選手を移籍させるとしたら、それ相応の移籍金が必要です。そのやりとりをする中で、こちらの要求する移籍金をあちらが用意するという申し入れがありました。これが6月の初めです。
しかしレッズとしては、来季以降も彼と契約を結ぶ意志はありましたし、エメルソン自身もそういうことを理解していましたから、彼自身の意志も尊重しなければなりません。彼がレッズでプレーを続けたいというなら、その権利はあるのですから。したがって本人が同意するかどうか、アル・サドに本人と直接交渉する許可を出しました。これが6月の21日ごろでした。実際にその話が伝わったのはもう少し後だったと思います。
その後は、ご存知のように、彼の家族の事情で来日が遅れていましたが、これがアル・サドとの交渉のため、ということはないと思われます。レッズとしてはエメルソン自身の判断を待つということにした訳ですから、何も隠れて交渉する必要はないのですから。子どもが入院したのも事実です。実際に彼と連絡が取れたときに、アル・サドの件を聞きましたが、「いや、ぼくはレッズに戻る」とはっきり代理人に言っていたようです。移籍の話で彼が真剣に検討し出したのは、ここ4~5日だと思います。
7月10日にブラジルを発って、パリ経由で日本に来ることになっていたのですが、日本から行った代理人とパリで会って、一度現地を自分の目で見たほうがいい、ということになり、行き先をカタールに変更したようです。それに関してはレッズも了承しました。向こうに着いて、アル・サドのクラブと交渉になり、サインしたのでしょう。今朝(11日)の午前11時ごろに、代理人から私にその旨、電話がありました。
今回の移籍について、ルール上の問題は何もありません。移籍金の額は言えませんが、レッズが川崎フロンターレから彼を獲得したときに支払った額よりも多いということだけ申し上げておきます。
エメルソンを海外のクラブに移籍させてもよいとしたのは総合的な判断です。彼はレッズで丸4年プレーし、特に2003年のナビスコカップ優勝、2004年の2ndステージ優勝には大きな貢献をしてくれました。その業績は高く評価しています。
その活躍がこれからも数年続いていくことがはっきりしていれば別ですが、なかなかそうはいきません。他のチームもエメルソン対策をかなり強くしていますし、今季の成績についてはご存知の通りです。
また始動日に毎回遅れてくるという悪癖は治っていません。これが他の選手にいい影響を及ぼすはずはなく、みんな言葉には出さなくても、納得はしていないと思います。チームの和、という点ではマイナス面が大きいです。
選手のほとんどがいつかは移籍します。今回はシーズン途中ということでやや異例ですが、この機会を逃したら多額の移籍金やレッズより高い年俸を払ってもエメルソンを獲得したいというクラブが現われるかどうかわかりません。タイミングとしてはベストではないかもしれませんが、ベターな時期だと受け止めています。
本人はレッズに満足していましたし、移籍したいという積極的な気持ちはなかったはずです。具体的にはわかりませんが、アル・サドから好条件を提示され、またカタールでクラブやサポーターから大変な歓迎を受けたと聞きますが、それも心を動かす要因だったのかもしれません。またアル・サドはアジアチャンピオンズリーグに勝ち残っており、世界クラブ選手権出場の可能性もあるチームです。そういうチームでプレーしたいというのは、こちらとしては残念な気持ちもありますが、プロとしてはありうる話です。
あちらのホームページでレッズに在籍していた記述がないというのは単なるミスでしょう。エメルソンが日本で一番活躍したのはこの2年間だったのですから、その実績なしに彼に食指をのばすはずはありません。
ファン、サポーターのみなさんには唐突な話だったと思いますが、選手の移籍に関しては決定するまで外に出さないというのが原則です。その点に関してはご理解いただきたいと思います。エメルソンにとっても良い選択だったと思いますし、今後も彼がよりビッグなサッカー選手になるように祈っています。

移籍については問題ありませんが、集合予定日に無断で遅刻したということに対するペナルティは残っています。私自身はレッズに戻ってやると思っていましたから、そのときには3千万円くらいの額を申し渡そうと思っていました。Jリーグの規定では罰金は年俸の24分の1が上限となっていますが、罰金ではなく、試合に出なかったことに対する損害賠償のようなつもりでした。しかし移籍が決まった以上、そういう訳にもいきませんが、昨年の300万円くらいのレベルで済ませることはありません。
選手たちには11日の練習前、中村修三CMがこの話を伝えたところ、何も動揺はなかったということでした。選手たちも、うすうす感じていたのかもしれませんし、エメルソンがいなくても自分たちで勝っていけるという自信もあるのだと思います。
しかし新しいFWは獲得します。海外からです。具体的な選定はこれからですが、エメルソン移籍の報を聞いて今夜からでも各方面から売り込みがあるでしょう。すでに攻撃的MFについては契約の寸前まで進んでいますし、新しい2人の選手が、チームにまた高いレベルの競争をもたらしてくれるでしょう。新しい外国籍選手が公式戦に出場できるのは8月12日以降ですから、14日のナビスコカップ準々決勝第2戦からになります。
シーズン半ばに主力選手を入れ替えるというのはリスクもありますが、クラブは今季の優勝をあくまで狙っていますから、現実的な可能性としては、この選択の方が正しいと思っています。みなさんのいっそうのサポートをお願いします。
(ゼネラルマネジャー・ 森 孝慈)

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