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天皇杯 決勝 vs 大分「劇的展開で4度目の天皇杯優勝!アジアへ!」

19日、浦和レッズは国立競技場で天皇杯 JFA 第101回全日本サッカー選手権大会 決勝 大分トリニータ戦に臨んだ。

レッズは、立ち上がりに江坂 任のゴールで先制すると、後半終了間際に同点に追いつかれたものの、アディショナルタイムに途中出場の槙野智章が劇的なゴールを決め、2-1で勝利。2018年大会以来4度目(三菱重工サッカー部時代を含むと通算8度目)の優勝を果たし、来季のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権を獲得した。

入場時、ゴール裏の大きなエンブレムを象ったビジュアルサポートに迎えられたレッズの選手たちは、立ち上がりからアグレッシブにプレーする。ボールを握りながら、素早い攻守の切り替えと前線からのプレスでボールを奪い返す。

そうして闘う姿勢を示すと、6分だった。関根貴大がドリブルを仕掛けて奪われれば、小泉佳穂が奪い返す。小泉がボールを失えばまた、関根が奪い返した。そしてペナルティーエリア内の右から関根がドリブルを仕掛け、相手を何人も引きつけてから斜め後方にグラウンダーのパスを送ると、スペースで待っていたのは江坂だった。右足ワンタッチで丁寧にシュートを放つと、ボールはゴールの中へ。レッズが立ち上がりに先制点を奪った。

先制後も選手たちは継続して闘う姿勢を出しながら、冷静に試合を進めていった。30分過ぎには大分にボールを持たれる時間帯もあったが、前線からしっかりとプレッシャーを掛けつつ、レッズのゴール付近に入ってくるボールをボランチやセンターバックを中心に跳ね返し、大分に有効的な攻撃を許さない。

そしてペースを握り返すと、前方に向かう攻撃を続けながら1-0で前半を終えた。

後半も集中を切らさないレッズの選手たち。立ち上がりにはレッズの左サイドからクロスを上げられ、ゴール前にフリーの選手が入るレッズの先制点に似たような形を作られたが、シュートを岩波拓也がブロックした。

60分には相手のCKが直接ゴールに向かってきたが、西川周作がパンチングでクリア。62分には相手がペナルティーエリア内の右に抜け出してきたが、西川が飛び出してボールを抑え、しっかりとゴールを守った。

65分を過ぎると、柴戸 海の鋭い縦パスからボールをつなぎ、リズムをつかみ直すレッズの選手たち。すると70分、西川の素早いスローイングから中央でボールを受けた関根がドリブルで相手を抜いてスルーパス。ペナルティーエリア内に抜け出した江坂がGKをかわしながらゴールを狙う絶好機を迎えたが、シュートはGKに触られて惜しくも追加点は奪えなかった。

そのプレーで得たCKでは、江坂が送ったボールをキャスパー ユンカーがワンタッチで合わせ、相手に当たったこぼれ球を岩波拓也が押し込んだが、オフサイドの判定となった。

終盤の72分には宇賀神友弥、83分には槙野が、浦和レッズの選手として最後となる試合のピッチへ。

その後の90分。レッズの右サイドから上げられたクロスをペレイラに頭で押し込まれ、土壇場で同点に追いつかれてしまった。アディショナルタイムは5分。延長も想定された。

しかし、劇的な展開が待っていた。

90+3分、槙野と共に交代でピッチに入っていた大久保智明のCKを相手GKがパンチングでクリアすると、こぼれ球を柴戸が左足ダイレクトでボレー。相手GKは柴戸のシュートに反応していたが、その手前で槙野がヘディングで方向を変える。すでに動いていたGKはどうすることもできず、ボールはゴールへ突き刺さった。

ゴール後の喜びに時間を要したためアディショナルタイムは少し長くなったが、レッズの選手たちはその後も危なげなく試合を進めて試合終了のホイッスル。

2018年大会以来4度目の天皇杯制覇を果たした浦和レッズ。2021シーズン、そして阿部勇樹、槙野智章、宇賀神友弥、トーマス デンら今季限りでチームを離れる選手たちの有終の美を飾った。

【関根貴大】
(本当に劇的な展開のゲームだったと思うが、実際それをピッチ上で体験してどのようなおもいだったか?)
「ピッチ内では、その場に居れなかったので、あとはみんなに託していました」

(ゴールが決まった瞬間の、特に槙野智章の選手へのおもいなど、あの瞬間の感情は?)
「正直びっくりしましたし、こういう舞台でしっかり結果を残す男だなと、あらためて感じました」

(阿部勇樹選手も含め、槙野選手、宇賀神友弥選手、トーマス デン選手もそうだが、チームを去る選手がいる中で、以前にちょっと不安な気持ちもあると話していたが、あらためてそういうものを見た後、次に向けてどう感じたか?)
「たくさんの選手が出ていくので、たぶん想像しているように来年はさらに厳しくなるなというのを感じていて、今まで浦和のために闘ってきた選手、浦和のために闘いたくて来た選手でもそんな簡単にいられるクラブではないので、これから僕たちもどうなるかわからないですし、浦和に居続けられるなら頑張りたいなと思います」

(大分のどういうところを今日は突いていこうという狙いがあって、先制点のところは関根選手はどういうところにつなげていったのか?)
「相手が4枚か5枚かで、自分のイメージしていたことが変わったんですけど、4枚だったのでよりサイドから攻められるなというのは最初から思っていて、『最初は取られてもいいから積極的にいこう』というのがうまくゴールにつながったかなと思います」

(どんな気持ちであそこは仕掛けていたのか?)
「最初のドリブルのタイミングでもうちょっと運べるかなとは思いましたけど、その後は切り替えて、また自分のところにボールがこぼれてきたので、そのままゴールに向かって、相手はいましたけど、そういうのは関係なく行けるというおもいで仕掛けていきました」

(あそこに江坂 任選手が居るのも見えていたのか?)
「はい、あそこは最後見えました。なので、いい判断ができたかなと思います」

(交代のときに宇賀神選手とやりとりをして涙も流しているように見えたが、そのときのおもいを聞かせてもらいたい)
「タイトルを獲れる、獲れるかもしれないからとかではなく、僕自身すごくお世話になっていた選手というのがたくさんいて、その選手とやるのが今日が本当に最後だったので、そういう意味でこらえきれなかった部分はありました」

(関根選手に託されたという意味合いもあるのかと思うが、そこへのおもいなどは?)
「僕たちがやるしかないですし、先輩たちがどれだけのことをやってきたかというのは僕は見てきたので、そこに負けないくらい自分たちも強いチームを作っていきたいなと思います」

(「決勝でゴールを決めたらそれこそ10点分ぐらいの価値あるんじゃないか」というようなこと言っていたと思うが、アシストはどのぐらいの価値があるのか?)
「あのまま勝ってたら5点分くらいあったんですけどね、そのまま勝てなかったので1点分にしかならなかったです」

(先ほども浦和の中でという話もあったが、こういうタイトル、関根選手はもちろん育成から上がってきてというところ、長くプレーしているというところもあっていろいろ知っている部分もあると思うが、こういうタイトルがレッズにとってどういう意味を持つのかというところはどう考えているか?)
「終わりでもあり始まりでもあるのかなという。僕たちの世代がこれから積み上げていく一歩にもなるだろうし、今まで浦和のために戦ってくれた人たちの最後のタイトルでもあったと思うので、すごく色々な意味があるものになったのかなと思います」

(始まりという意味を持つというところでも、もちろんアジアにつながるというところでもある。来年ACLにまた出て行くというところに向けての意気込みは?)
「本当に槙野君が残してくれたものなので、無駄にせずに自分たちも挑戦し続けていかないといけないと思うので、失うものはないので、しっかりまたアジアで戦いたいと思います」

【槙野智章】
(こういう大きな舞台で決勝ゴールとなると、「持っているよね」と言われがちだと思うが、日々徳を積んでいるのではないか?プロとして大事にしてきたことや、これから残り時間がそう長くない現役生活で大事にしていきたいことは?)
「僕の携帯電話も鳴りやまないですし、全員が『持ってるな』という話をします。確かに運やそういうものを引き寄せる力はもしかしたら人よりあるのかもしれないと思いますが、今シーズンを含めて日ごろから、特に契約満了と言われてからは、自分がこのチームで最後にやらなければならないことをしっかりと整理して、日々のトレーニングを行ってきました。チームの雰囲気をつくったり、終盤に守備固めで投入されることも数多くありましたし、中には前線にポジションを変えて点を取りにいくスタイルも今シーズンはやってきました。

その中で何をやっていたかと言いますと、毎日のトレーニングを100パーセントでやること、チームの雰囲気をしっかりとつくり出すこと、トレーニングが終わった後に誰よりもシュート練習をして、子供のころからずっと思い続けていたゴールを取りたいというおもいをこの年になっても持ち続けるということをひたすらやってきました。その成果だと思います。

来年は35歳になります。来シーズンは違うチームに行きますが、どのチームに行っても、どのカテゴリーに行っても、ピッチで輝く姿、最後の最後まで泥臭い姿をファン・サポーターのみなさんに見せることが僕の使命だと思っています。そのゴールが日本サッカーを盛り上げることにつながると思いますが、ピッチで走り回る姿を来シーズンも見せたいです」

(初年度に名古屋グランパス戦の直接FKでAFCチャンピオンズリーグの出場権をチームにもたらし、今日もACLの切符を置き土産にする形になったが、この10年の締めくくりのゴールを決めたときや、ゴール後にみんなで走り回った瞬間の気持ちは?)
「時間が限られていましたし、自分がこのチームに残さなければいけないという最後の宿題を達成できたと思っています。浦和レッズにやってきた初年度、最終節に自分のゴールでACL出場権を獲得しました。そしてチームを離れる前の最後の大会の決勝でゴール、そして勝利を置き土産にできたことは、いいストーリーにできたと思います」

(このチームに残さなければいけないと思ったのは勝利なのか?準決勝で宇賀神友弥選手がゴールを決めたことで、「俺も」という高ぶるおもいはあったのか?)
「残さなければいけないと思ったものは、タイトルとアジアへの切符でした。契約満了と言われ、J1リーグでACL出場権を獲得することが難しくなってきたときから、天皇杯のタイトルを最大限の目標にしていました。日ごろから宇賀神選手が努力する姿を見ていましたので、努力は報われると思いながら準決勝のプレーとゴールを見ていました。ただ、心のどこかで『俺が最後に持っていく』というおもいは少なからず持っていましたし、今日の試合に入る前も、残り10分を槙野劇場にしたいということはふつふつと思っていました。有言実行を含めて、自分がそういう形を取ることができて、満足しています」

(契約満了になって記者会見した際には涙を流していたが、それからも複雑な気持ちがあったと思う。宇賀神選手は準決勝後に「契約満了にした人たちを後悔させてやると思った」というようなコメントをしていたが、槙野選手のこの1ヵ月くらいの気持ちはどうだったのか?)
「満了と言われてから3週間くらいですかね?全然整理がつかないし、本当にほぼ毎日、泣いていました。でも、泣いていても進めません。物事をしっかりと整理しなければいけませんでしたし、一日一日を無駄にはしたくはありませんでした。何よりもシーズンが終盤に差し掛かり、天皇杯が残っていましたので、チームメートにそういう顔を見せられませんし、雰囲気づくりを大切にしていますので、僕がふさぎ込んでしまうとチームにも悪い空気が流れてしまうという不安がありましたので、とにかくチームメートには見せないように、チームメートには迷惑を掛けないように、ということを心掛けていました。自分がやるべきこと、トレーニング場に行って、20年間変わりませんが最後までトレーニング場にいる、トレーニングが終わってもボールを蹴っている姿をチームメートに見せるということを心掛けていました。なので、今日のゴールや勝利は、日ごろから自分がやってきたご褒美が待っていたと思っています」

(それが若い選手にどう伝わり、どうなってくれたらいいと考えているか?)
「若い選手、経験のない選手はたくさんいますが、ベテランや中堅で僕たちの空気を感じ取って、それを伝えてくれる選手もたくさんいると思います。ACLの切符を手にしましたし、来シーズンは3年計画でJ1リーグ優勝を目指すチームをつくる集大成になります。間違いなく厳しい戦い、厳しいスケジュールが待っていると思いますので、誰かが率先して空気づくりをしたり、先頭に立って走っていく姿を見せなければいけないと思っています」

(ゴールシーンで柴戸 海選手はミドルシュートを打ったと思うが、どのように感じてヘディングで合わせたのか?)
「全体トレーニングの後の居残りトレーニングは柴戸選手も一緒にやっていた仲間です。柴戸選手の癖、言い方は悪いですが、入らないと思ってしっかりとポジションを取っていました。彼はシュート能力がありますが、彼の癖やボールが浮いているタイミングなどを見ると、枠には飛ばないと思いました。そこで相手のDFよりもしっかりとポジションを取ることを意識していました」

(合わせた瞬間に決まった手応えはあったか?)
「しっかりとポジションを取れましたし、GKの動きも見ることができましたので、強く当てるよりコースを変えることを意識しました。とにかくボールがゴールに吸い込まれているところが見えました。あとはどうやったらこのスタジアムの空気を感じられるかということを考えて、コースを考えながら走っていました」

(ゴール裏に向かって走っていったときはどんな気持ちだったのか?)
「ファン・サポーターのみなさんには今日も素晴らしい雰囲気をつくっていただきましたし、あのゴールも僕のゴールというより、来てくださった方たちが念じたものが僕に乗り移ったと言っても過言ではないと思います。この10年プレーしたこと、今後も『レッズの5番、槙野』を忘れてほしくないという一心でゴール裏に走りました」

(ヘディングする瞬間にオフサイドかどうか確認していたようだが?)
「体を開いて、向きをつくっていましたので、オフサイドではないとすぐに分かりました」

(ゴール裏に走っていく途中にユニフォームを脱いだが、イエローカードをもらっても構わないと思ったのか?)
「(YBC)ルヴァンカップ準々決勝の川崎(フロンターレ)戦でゴールを決めたときに脱げませんでしたので、今回はちゃんと脱げてよかったと思います。イエローカードはよろしくないと思いますが、先ほども言いましたように、僕のユニフォームと背番号を忘れてほしくなかったので、脱いでファン・サポーターの方々に向けて掲げさせていただきました。自分でも興奮状態ではありましたので、イエローカードは覚悟でやりました」

(その横に宇賀神選手がいたのは偶然か?)
「ゴールを決めて宇賀神選手が飛びつきにくるのは本当に稀です。彼もものすごく興奮していたと思いますし、喜んでくれたと思います。だからこそあのポジションに来てくれた、一緒にユニフォームを上げてくれたのだと思います」​

【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

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