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江坂 任 加入会見、西野 努テクニカルダイレクター コメント

「みなさん、こんにちは。テクニカルダイレクターの西野 努です。本日、江坂 任選手を浦和レッズに迎え、報告できることを非常にうれしく思っております。

攻撃的なMFということで、得点力を上げるために、そして今いるFWの攻撃的な選手たちにもっと得点を取ってもらうために必要な選手であり、チームの機能としてこの上なく他にない選択肢の選手を獲得することができたと思っております。本日もよろしくお願いします」

[質疑応答]
(リカルド ロドリゲス監督とも話し合っていると思うが、いろいろなポジションでいろいろな役割をこなすことができる江坂選手にどんなプレーを期待しているのか?)
「主にトップ下が1枚なのか2枚なのか、シャドーという言い方もするかもしれませんし、前線に張っているFWの少し後ろで中盤のラインよりも少し前、ライン間という言い方もしますが、そういったポジションでボールや相手を引き出して、ボックス内に自ら侵入したり、ボックス内の選手にアシストしたり、江坂選手は自ら得点もできる能力の高い選手ですので、自ら得点をしたり、攻撃面でのクオリティーの高いプレーを求めています。リカルド監督ともそういった視点で合意して江坂選手の獲得に至りました」

(最近、SNSなどでレッズのファン・サポーターから西野TDの名前が挙がることも多いが、そのことについてどう受け止めているのか?)
「今回の獲得についても、日常的にスカウトのスタッフが情報集めをしている中で、出てきた状況、そしてまだ出回っていない情報を素早くキャッチし、それに対して素早い判断、もちろん議論も必要でした。元々リカルド監督が来たときから『こんな選手をとれたらいいね』というリストがありまして、非現実的な選手が多いですが、リカルド監督はこんな選手を欲しているんだということを共有するためのリストがあります。

実はその中にも江坂選手の名前はありました。ただ、とれるはずがない環境でしたので、そこにとどまっていましたが、とれるはずがない選手でも日常的な情報収集はスカウティングスタッフを中心にしてくれています。その中で突然、獲得できるかもしれないという環境になったときに、できるだけ早く決断してアクションを起こそうということを今回も行いました。

そういう意味では、個人の力量ではなく、就任したときから思っていた強いフットボール本部、強いフロント、日本一を目指すなら日本一のフロントであるべきですし、アジア一を目指すのであればアジア一の株式会社にならなければいけません。そういった視点で、選手だけではなく監督、コーチ、メディカルスタッフを含めたチームスタッフ、そしてフロントを強化することは継続してきましたので、手前味噌になりますが、そういったところがうまく機能しはじめているのではないかということは今回も改めて感じています。

ですので、誰々がどうこうというのは分かりやすい伝わり方ではありますが、僕は組織としてのパフォーマンスの結果、こうした獲得につながったと思っていますし、それはすごくうれしいことだと思っています」

(具体的にどのくらいのタイミングで獲得できると思って動いたのか?中断期間もあるので江坂選手もフィットしやすいと思うが、どう考えて獲得したのか?)
「いつごろというと今月に入ってからだと思います。そして、そもそもとれる環境になかった選手がとれることになったということで、合流時期に関係なく、まずは権利を確保することを第一に考えました。そもそもそれができない環境であればチャンレジしても無駄ですが、そういう環境があるということでしたので、まずは契約をするということで急ぎました。それが実現しました。

合流時期に関しても、もちろん早く試合に出ていただくことが一番いいですが、登録期間がありますので、試合に出るタイミングは少し先になりますが、リカルド監督のサッカーを理解するため、そしてそれをパフォーマンスするためには、どんなに優秀な選手でもある程度の時間が必要だと思っていますので、早く合流してもらえるのであれば、ということで本日から合流してもらったということになります」

(ここまでシーズン途中に4選手と順調に補強していると思うが、シーズン残り半分のフットボール本部としてのビジョン、ターゲットがあれば教えてほしい)
「キーコンセプト、チームコンセプトを掲げていまして、チームコンセプトの3つのうちの1つが『個』ということで、『個々の選手の潜在能力を最大限発揮する』ということがあります。ですので、今いる選手たちがもっともっとレベルアップすることも補強のうちだと考えています。

そういった視点で、これから暑い夏が来たり、過密日程が来たり、新しい選手が来れば新しい環境ということにもなりますので、選手たちには思い切り自分の能力を発揮するために日々努力してもらい、チームとクラブはその環境作りのために努力して、というふうに考えています」

(今季のJ1リーグが半分終わったが、西野TDはどう評価しているのか?)
「一つひとつの試合を振り返ると、もう少しできたかなという試合はたくさんあります。
今の順位や勝ち点を見ると、最終的には今ではなくてシーズンが終わったときに目標を達成できているかどうかという話ですので、YBCルヴァンカップと天皇杯で次のステージに進めていますし、J1リーグに関しても目標である3位以内、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)出場権獲得ということが十分手に届く範囲にありますので、満足しているのではなく、『よし、よし』というところには来ていると思います」

(新たな選手が来る中で、この夏に出場機会を求めて他のチームに移籍する選手もいるのか?)
「この夏や次の冬などの時期に関わらず、その機会は常にあると思っています。選手にとっては自分のプロサッカー選手としてのキャリアを求めるための機会ですし、クラブにとっては新しい戦力を獲得して、もしこのチームで戦力になる可能性が低かったり、十分に戦力になれていないのであれば、他のチームでプロサッカー選手としてパフォーマンスしてもらうということは十分にあると思っています。

そして、今まで試合に出ていた選手が試合に出られなくなることは今も起こっていますし、これからも起こり得ると思っています。一方で本当に能力がある優秀な選手ばかりですので、他のチームが欲しいと手を挙げてくれることも、もうすでにありますし、これからもたくさんあると思います。

考え方としては、チームとしては自分たちの成長と目標を達成するため、一方で選手たちはプロサッカー選手としての自身のキャリアを追い求めるということがあると思いますので、それが一致しているときには一緒に歩んでいけますし、それがもし違う方向を見るのであれば、お互いに決断することになると思っています」

(今年のシーズンが始まる前に獲得した選手は、J1リーグでの実績がなく、年齢も若い選手が多かった。シーズンが始まってから獲得した4選手は20代後半から30代前半でキャリアの一番いい時期にある選手たちだと思う。それは狙いがあったのか?)
「いや、そういう視点というよりは、移籍の期間の特性と言いますか、夏は外国籍選手が動きやすいウインドーですし、冬は日本人選手が動きやすいウインドーですので、意図的にそうしているというよりは、結果的にそうなっているということだと思います。

選手が動きやすいときの方が契約する側も選択肢がたくさんありますよね。一方で、選択肢があるということは競合もたくさんいるということですが、そういった夏と冬の違い、日本とヨーロッパの契約期間の違いが生じているということが主な違いだと思います」

(酒井宏樹選手を獲得した際には、「このチームのこのパーツが必要という考え方ではなく、3年計画プラスその先を見据えたときにレッズがアジアの舞台でトップレベルを維持するようになるためには、という考えで、いてほしい」という話をしていたが、江坂選手にも同じような考えがあるのか?)
「全くなくはないですが、去年の年末から補強ポイントをしっかりと精査し、新しい戦力が必要なポジションは常にここだよねという議論は年がら年中しています。特に柏木(陽介)選手が抜けてから、ゲームを作る選手、前線にパスを供給してFWの選手にたくさん点を取らせる選手、機能が欠けているという認識はしていましたし、そこが補強の重要なポイントでもありました。そこは継続して探していました。

もちろん江坂選手くらいであればいつでも欲しい選手だと思っていますが、加えてレッズとしての補強ポイントでしたし、今思うとそういった選手がたまたまとれる環境にいた、突然現れたといった巡り合わせかなと思います」

(シーズン途中に4選手が加わって選手の人数もだいぶ増えてきたと思うが、西野TDとしては全体の人数はこれくらいがやりやすいのではないかというスケール感についてはどう思っているか?)
「ざっくりとしていますが、そもそも今シーズンに入るときには30人未満という人数を考えていました。今ちょうどそれくらいの人数になっています。ですので、決して多すぎるとは思わないですし、少ないとも思っていません」

(2チームで戦えるほどの戦力、総動力がついてきたという印象だが、西野TDはどう感じているか?)
「選手の育成、成長と結果は時に両方取りはできない、どちらかを取るかという議論がされがちですが、リカルド監督がうまくチームと選手をマネジメントしながら、過密日程をどう乗り切るかというところでうまく選手に休みを与えながら、チームの勝ち点や結果とチームと選手の成長をしっかりと右肩上がりにしてくれていると思っています。

2チームできるというと言い過ぎだとは思いますが、誰が出ても、どのポジションでどのメンバーが出ても、そんなに大きな戦力ダウンはないチームのベースができ上がってきていると実感しています」

(さらに補強は考えているのか?)
「補強は年がら年中、情報取集をしていますし、終わることはないです。外国籍選手もそうですし、国内の選手もそうですし、国外にいる日本人選手もそうです。先ほど言いましたように、そういったことを日常的に行っているからこそチャンスが来たときに動けるということがありますので、時期に関わらず継続してやっていきます。

次はチームが輝いて選手が輝くと他のチームに欲しがられ、そういうチャンスがレッズの選手にも訪れるということが自然に起こってくると思います。そこはもちろんクラブとしてはプロテクトする努力はしますし、やむを得ないとき、そういうことが起こったときにもすぐに動けるような準備をするだけの話だと思っています。

浦和レッズには20代前後の若くて優秀な選手もたくさんいますが、そういった選手がこれからどんどん成長して強くなっていく、浦和レッズのトップチームでの出場機会よりも、たとえば期限付き移籍での可能性があるならば、選手の成長とチームの成長を図りながら決断していかなければいけないと思っています」

(江坂選手を獲得するチャンスが急に訪れたという話だが、レッズは意思決定のプロセスに時間がかかるイメージがある。今回はスピーディーに進めることができたのか?)
「そう思います。ある程度、信頼して任せていただいているということも大きいと思いますし、(立花洋一)代表をはじめクラブがスピーディーな決断を一緒にしてくれているということが大きいと今回も思いました」

(酒井選手に続く大型補強だと思うが、酒井選手はじっくり時間をかけて進めていったことで成功した一方で、今回は急に獲得のチャンスが出てきた選手をしっかり獲得できた。その両面で成功体験を得たことはクラブとしても大きいのではないか?)
「選手の市場は水物とは言い過ぎですが、今回成功したから次も同じ方法で成功するかというと絶対にそんなことはありません。獲得のプロセスや背景は本当に様々ですので、今回うまくいったからどうこうということは全く考えていません。

ただ、一つ言えることで、1年前や1年半前と少し違うことは、選手側が浦和レッズというチームを選んでくれる確率が増えていると言いますか、選手がレッズでプレーすることに対してポジティブなイメージを持ってくれているということはすごく感じています。それは去年と今年の違いとして感じていますし、チームの魅力であったり、監督がやっているサッカーの魅力であったり、スタジアムやクラブ自体の魅力が上がっているのではないかと勝手に感じています」

(江坂選手を獲得できるという話をリカルド監督にした際の反応はどうだったのか?)
「彼が就任するときからそんな会話は時折していますし、いまだに『この選手はとれないのか?』というありえない選手の名前が出てきたりします。そうした会話の中で時々名前が出てきた選手でした。ですので、リカルド監督に話したときには、よく知らない選手でしたら『ちょっとビデオを見てみる』、『ちょっと調べてみる』、『コーチングスタッフと話してみる』ということがありますが、今回はそのプロセスはありませんでした。『行ってくれ』ということでしたので、シンプルでした」

(江坂選手を獲得できた大きな要因の一つとして、組織としてのパフォーマンス力が上がったという話があったが、具体的にどういうことなのか?先日出た決算で赤字だった中、酒井選手に続いて大物を獲得できた背景にはどういったことがあったのか?)
「お金の話をすると今年度の予算内ですので、基本的にはフットボール本部で進めていくという形になっています。何か飛び道具があったかというと、そうではないと思います。一方で、今の環境下で今シーズンのクラブの経営状況、そして来シーズンが見えない中で、他のクラブも同じだとは思いますが、各部署で予算を削減する方向が普通の中で、チームの編成と強化に対しては予算をできるだけ確保するという経営判断をクラブがしてくれています。そこは非常に大きいと思っています。

組織としてのところは、前回も少し言いましたが、国内専任のスカウトスタッフを1人増員したり、何度か申し上げましたが、データを裏付けとして客観的な数値も見て、しっかりとリスクも見ながらやっています。そういった人とプロセスで複眼的な検証、精査を日々、粛々とやっていることも大きいと思っています」

(チームの編成に関してクラブが認めてくれるということは、TDとしてありがたい環境ということか?)
「僕が見えないところでお金を出してくれているパートナー企業のみなさん、お金を出してチケットを買ってくれているファン・サポーターのみなさん、そうした方々の理解も目に見えない遠いところであると思っています。そうした理解があってのクラブの経営判断だとも思っています。

一方で、今年の下半期や来年の経済的な環境が見えない中、ある意味で現状維持であっても投資になるとしたら、その投資に対してしっかりとリターンを得るためのチームのパフォーマンスであったり、結果、見に行って良かったと思ってもらえる試合をどれだけたくさん作れるかという、我々の活躍次第だと思っていますので、そうしたところに感謝しながら、必死で結果を求めてチームと一緒にやっていくということだと思います」

(レッズは質が高くなっている中で即時奪回力がもっと上がっていくとさらに強くなってくると思う。江坂選手は守備のスイッチャーとしての能力も高いが、そういう役割も今回の獲得に影響したのか?)
「即時奪回というキーワードは重要なチームのコンセプトの一つでもあります。そして即時奪回してゴールに直結する、最短距離でゴールを目指すという言葉も使っております。一方で、今年のサッカーはポゼッションも上がっていますが、即時奪回してゴールに直結するプレーが少ないところがチームとしての課題だと思っていますし、リカルド監督ともそういう話をしています。

そういった意味でも、攻撃的なMFに関しては、もちろん守備力も必要ですし、自らボールを奪回してそのままダイレクトにゴールにつながるようなプレーをしてくれるという意味では、江坂選手にはそうした能力が十分にありますので、期待もしています」

(江坂選手はタイトルやアジアを目指していく上でもいい補強だと思うが、レッズでさらに力を見せていけば日本代表にも割って入っていける選手だと思う。そういう点での期待についてはどう考えているか?)
「もちろん選手が大活躍して代表、世界に羽ばたくということは素晴らしいと思いますし、そうなってほしいと思う一方で、クラブの立場としては代表で活躍してヨーロッパに行ってしまうのは諸手を上げて喜べないところもあります。建前で言うと『ぜひ、ヨーロッパで活躍してくれ、代表で活躍してくれ』と思いますが、本音で言えば『代表で活躍しながらレッズにいてね』ということになります」

(レッズにいる前提で聞いたが)
「であれば、もうどんどん活躍して、レッズでも活躍してもらいたいと思います」

(先ほどの話にもあったように、今はSNSでフットボール本部への評価はポジティブだが、今後は批判もあるかもしれないが、レッズや西野TDが情報を開示してくれることによっていろいろな議論が起きるのはすごく大事なことだと思う。西野TDは情報開示に対するポリシーや姿勢についてどう考えているのか?)
「僕もこの仕事に就いてからSNSを結構見るようになりましたが、すごく思うことは、どういう立場の人が書いているかは分からないにしても、議論の質が高いと言うと偉そうですみませんが、目線が合ってきていると言いますか、『そうだよね』と思うものがたくさんあります。戦術的なことにしても、編成にしてもそうです。

ですので、オープンにするリスクもありますが、オープンにするからこそそれに対する率直な意見がもらえます。実はそういう中からたくさんの学びもありますので、メリットがすごくあると思っています。特に浦和レッズのファン・サポーターはクラブのことが大好きな方がたくさんいますので、大好きだからこそ、いいときにはすごく褒めてもらえますし、ダメなときは心の底から言ってもらえます。

そういうこともしっかりと受け止めながら、ダメなところはダメですよね、としっかり開示していくと、どんどん意見をもらえますし、どんどん意見をもらえると意見をしてくれるみなさんを力にして、クラブが成長できると思っています。

ですので、何が何でもではないですが、ある程度はオープンに情報を公開して、晒して、褒めてもらって、非難してもらって、それをどう僕らが受け止めて次につなげていくかということだけだと思います。オープンな姿勢と言うと簡単だとは思いますが、晒せる部分はどんどん晒して、今まで通り議論してもらい、僕らはそれを真摯に受け止めて成長の糧にしていくという効果、価値があると思っています」

(ポジティブにそういう姿勢を評価しているし、今後は厳しく見ることもあるかもしれないが、引き続きよろしくお願いします)
「3月中にはたくさんの厳しい批判をいただいていました。ありがとうございます」

「最後に、江坂選手の獲得に関する報告の記者会見ということで、本日もたくさんのファン・サポーターのみなさん、メディアのみなさんに注目していただき、本当にありがとうございます。先ほどの話でもありましたが、編成のところでフロントが少し褒めてもらったりしてはいますが、僕らは編成選手権をやっているわけではなく、チームが結果を残すというところがゴールです。

まだ何も成し遂げていません。まだ何もやっていませんので、最後の最後まで結果にこだわり、展開する試合内容、チームのパフォーマンスに関しても、見ている人が食いついて見てくれるような、必死で食らいついて見てくれるような試合を展開し、結果を残すことを今シーズンの末、そして来シーズンの末に果たしたいと思っています。

先日も申し上げましたが、愛のある厳しい目で、愛のある厳しいコメントを浦和レッズにいただきたいです。そして、今はまだ人数制限がありますが、今後は緩和されていく方向だろうという希望も持っていますので、またたくさんの方にスタジアムに来ていただいて、レッズのサッカーを楽しんでもらい、今シーズンの終わり、そして来シーズンの終わりを迎えられたらいいなと思っていますので、引き続き注目していただければと思います。本日はありがとうございました」

【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

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https://engate.jp/communities/urawa-reds/



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