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「僕の責任は100パーセントの準備をして鹿島戦に向かうこと」(大槻 毅監督(定例会見 11/27)

11月27日にWEB会議システムを使って行われた会見でのコメント

【質疑応答】
(ショックなニュースが伝わってきたが、シーズンはまだ残り4試合ある。十分に上位に食い込むチャンスもあると思うし、4試合はとても大事だと思う。その1試合目として29日の鹿島アントラーズ戦があり、少し空いて3連戦になるが、残り4試合に向けての準備についてどう考えているか?)
「まず大事なことは、この4試合で我々がしっかり試合に向かって勝利するという意欲に満ち溢れた集団であることを全ての方々に見てもらうような形を取らなければいけないと思っています。4試合ありますが、おっしゃったように1試合戦って少し空くので、まずは鹿島戦に全てをかけて、その状況から少しの間で3試合に向けて準備をして最後に向かっていきたいと思っています。まずは一番近くの試合が一番大事だといつも言ってきましたので、そこに向けて100パーセントの力を出せるように、ということは考えています。

環境の要因でいろいろな影響が出ることはあると思うので、そういったことを踏まえて、この数日間、選手たちをよく見てきたつもりです。しっかりと戦ってくれるところを見せてくれていると思いますし、そういったところを表現させてあげたいと思っています」

(一番近くの試合が一番大事だという話だったが、今回の鹿島戦の重要性についてはどう捉えているのか?)
「これまでの対戦成績全てを見ても、鹿島が上回っているところが大きいですし、節目節目で悔しい思いをさせられてきたチームでもあると思っています。Jリーグの中で一番タイトルを獲っているチームでもあり、今年は川崎(フロンターレ)が頭抜けた形でしたが、歴史の中で高い位置を占めてきたクラブだと思っています。

それに対して我々もしっかりと上回るところ、J1リーグでは年に2回しか対戦がありませんが、一試合一試合を積み重ねていって上回るところを、毎年少しずつのチャレンジ、一試合一試合の大きさを噛み締めてチャレンジしなければいけない相手だと思っています。ファン・サポーターも十分に意識していて、毎試合、鹿島との試合は熱い戦いが繰り広げられていると思います。コンタクトの多い、変な言い方をするとサッカーから少し離れたところでの戦いも繰り広げられるようなところもあると思っているので、厳しい戦いにみんなでしっかり向かって上回りたいと思っています」

(どの試合も大事だと思うが、選手たちからいつも以上の気合いのようなものは感じるか?)
「どうでしょう。すべての試合に100パーセントで向かうように要求していますし、そういったところに関してはこれまでどおり積み重ねていきながら向かいたいと思います。それはピッチで表現されるものを見ていただいて、みなさんにジャッジしていただきたいと思いますし、そのジャッジに応えられるようなところを目指して向かっていきたいと思います」

(契約満了の発表の前後で大槻監督の心境に変化はあったのか?)
「僕自身もそういうものはあるのかなと思いましたが、思いのほかないですね。というのは、しっかりとやってきたつもりがありますし、この仕事に対して誇りを持って、責任を持ってやってきたつもりがあるからです。結果として数字のところは僕自身もふがいないと思っていますが、この仕事に100パーセントかけてきたことに関しては揺るぎのない自信があります。今週も変わりなく、選手と共に『いい仕事をしよう』という話をしてきました。僕自身に関しては、そういうことはあまりなかったですね。僕自身もそれに驚いています(笑)」

(退任が決まって実際に退任するまでの気持ちの整理が難しいのではないかと思ったが、精神的に落ちることもなくやれているということか?)
「僕はこのクラブで契約満了になったのが2回目ということもあるかもしれません(笑)。僕は思いのほか大丈夫でした。むしろ周りが腫れものに触るような感じになってしまって、今日もそうかもしれませんが、あまりそういうことは気を使わないでいただいて大丈夫です。次の試合に向かって100パーセントやるだけです」

(今年はトレーニングキャンプからチームを作ってきた中で積み上げてきたものがあると思うが、退任が決まって残り4試合はその延長線上での最高到達点を目指していくのか、それとも違うチャレンジもしてみようと思っているのか?)
「いろいろな考え方がありますが、この年末、たとえば僕の去就は決まっていますし、そういうことを含めていろいろなことを積み上げてやってきたつもりですが、選手は機械ではありません。いろいろな感情や思いを持ってピッチに立つものだと思っています。

僕のことだけではなくて、この時期は自分の将来、契約のことも含めて頭によぎる難しい時期だと思います。そういった中で『プロフェッショナルとして当然だろ』という言葉を簡単に言って選手を踊らせようとすることもできるのかもしれませんが、これまで積み上げてきたものが僕らのグループとしてのベースなので、そのベースを大きく変えることはできないと思っていますし、それをやるために僕自身も選手と仕事を積み上げてきたと思っています。1つはその考え方です。

もう1つは、その中で先ほども言ったように気持ちだけで片付けてはいけませんが、トレーニングの中でこれまで全員が集中してやってきてくれていると思っています。特に今週は一週間空いたので、良かった選手を見て、そういう選手をしっかりメンバーに入れるということをしたいと思っています。あとはこれまで通りですね。毎日100パーセントでトレーニングをする。それだけです」

(目の前の試合を100パーセントで戦うことはあると思うが、大槻監督が3年計画の1年目で何を構築したのかと自負しているのか?)
「監督が変わったりすることもありますが、チームを作ることは家にたとえると増改築のようなものだと思っています。選手は何人かずつ変わっていきますが、25人がらっと変わるわけでもないですし、クラブの歴史がありますし、人の流れもあると思っています。

それが続いている中で、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)があった際にはACLに合わせたような編成をしなければならなかったり、ここ数年、僕も含めてですが、ミシャさん(ミハイロ ペトロヴィッチ監督)の後に監督が変わることが多かった。そのたびにクラブがオーダーを聞いて選手を補強したりすることがあった中で、編成も含めて少しバランスが悪いところが出てきたと思っています。

都度、やるサッカーが変わっていますから、そのたびにとってくる選手の質が変わってくるようなことがありましたので、3年計画の最初のところでベースに戻すというか、針をしっかりとゼロに近づける作業は必要だったと思っています。その中でサッカーのベースとなる強度や走ることだけではなく、しっかり判断するということをベースの部分で共有するという作業が、今年は特に初期で必要だったと思います。そういったところで一度、選手の目線を揃えてサッカーをするというところ、特に一定のスタイルで長くやってきた選手はそれに近いものを表現する形が多かったところを少しそろえるようなことは必要だったと思います。

その中でクラブが提示したスタイルや目標設定のようなものがありますから、そこは話をしてきました。サッカーのスタイルの目標設定とそれ以外に数字的な定量化された目標が設定されています。その両方を求めるのは難しいところがあると思っていましたが、クラブと話をしながら進めてきましたし、1年目でACL出場はまだ可能性がゼロになったわけではありません。そういったことも含めての目標に向かって注力してきました。

3年計画の1年目を任されたということなので、今言ったところ、ベースを作れればと思っていましたが、それだけではだめですし、しっかりと勝たなければいけないクラブなので、そういった1年目だったと思っています」

(判断の基準を作っていくことが大事なことだろうと思って見ていたが、外からはカウンターと言われてなかなか伝わらなかったと思う。見ている人に伝わりやすいように整理して伝えてほしい)
「ゴールからの逆算でシンプルな方がいいということが1つです。シンプルな方がいいと言うと、後ろからなのか一番前でボールを取るのかということくらいの話で、『主体的に』という言葉を使っていましたが、ゴールへの逆算の判断からすると、守備を主体的にやるということが高い位置でできればいいのかなということでやってきました。ただ、カウンターは有効な攻撃の手段の1つですが、それが全てだとは思っていません」

(「勝利するという意欲に満ち溢れた集団であることを示さないといけない」という話があり、鹿島との関係については「いい試合を積み重ねていくことで力関係を変えていく」というようなことだと思ったが、退任する監督のお話とは思えない。まるで来季も指揮を執られるようなニュアンスで伝わったが、レッズの来季以降も考えているということなのか?)
「長くここにいますし、常にこのクラブの未来について考えているつもりです。将来は一つひとつを積み上げていくことでしかつながらないと思っていますし、その大きな試合がまた週末にあるということだと思います。そこに対しての僕の責任は、100パーセントの準備をして向かうこと。それだけです。たとえば僕が退任するからと言ってそれが変わるわけでもありませんし、僕自身の姿勢が変わるわけでもありません。選手もそうだと思います。浦和レッズとして鹿島と戦うんです。僕が戦うわけではない。だから、浦和レッズとしては当然のことだと思います」

(監督と選手とスタッフとファン・サポーターで作り上げる試合が1つの作品だとすれば、作品の受け取り方は人それぞれで、『今年のレッズは去年と比べてこういうことができるようになったよね』と気付く人もいれば、『レッズ何やってんだよ。大槻監督何やってんだよ』という人もいるかもしれない。監督や選手にとっては今のチームはとても愛着のあるものだと思うが、残り4試合でこういうところを見てほしい、こういうことが伝わればいいなと思うことはあるか?)
「先ほど言ったようなことも含めて、シーズンの最後に向けて順位的なところで周りの期待に添えるものではないことは十二分に理解しています。その中でも、浦和レッズとして戦うということに対して、選手が全てを出し切るということや、どんな状況、どんな環境要因があろうともそういった姿勢を見せ続けることがここにいる責任なんだ、ということは要求していきたいと思っていますし、常に要求してきました。それを表現することが大事なことだと思っています。

そこに対して彼らがどういうものを感じられるかと言えば、これまでここに在籍していること、今年1年間積み上げてきたことをいかに理解したり感じたりしたか。僕自身も楽しみにしています。この4試合でどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。そして『一緒にそのパフォーマンスを見せつけてやろうぜ』という気持ちもありますし、選手と共に、僕自身もそういう楽しみを持っています」

(ご自身の進退のことはトレーニングの際などに選手にも伝えたと思うが、どのタイミングで伝えて、監督の言葉としてはどういう言葉で伝えたのか?また選手の反応で感じたことはあるか?)
「タイミングは先日のメディア公開日、新聞各社に退任と出た日(25日)です。新聞の方が先だったので少し残念でしたが、自分の口から『こういう形になりました』ということを選手に伝えさせてもらいました。

選手の反応は、トレーニングに関しては非常に集中してやってくれていると思っています。そこに関してはありがたいなという思いがあります。あとは僕個人のことがどうこうということはあまり、僕自身はそんなことより浦和レッズのためにしっかりとやるというところを見たいと思っていますし、そのことのほうがよほど重要です。伝えた日のトレーニング、その次の日のトレーニング、そして今日とトレーニングをどのように行ってくれたかという方がよほど重要です。いろいろな感情の起伏のようなものよりも見せてくれるパフォーマンスの方が重要なので、そのあたりに関しては選手にいつも感謝しています。いい仕事をしてもらっています」

(シーズンが終わっていないので聞くのは早いかもしれないが、「ゼロに近づける」という表現をしていて、土台を作るというよりもならすという年だったと思う。ベースに戻していく中で一番難しかったことはどんなことか?)
「日程です。スケジュールは難しかったですね。本当にどのチームもそうだったと思います。今シーズンに関しては浦和レッズだけではなくてサッカー界全体、世界のスポーツ全てにとって難しかったと思います。このことは事実だと思いますし、この社会情勢の中でJリーグは大会を成立させましたが、Jリーグが大会を成立させたということ自体がものすごいことだと思っています。今はまた社会の中で難しい状況を迎えつつありますが、Jリーグは向き合って素晴らしい大会を成立させたということはあります。ただ、日程自体は難しかったですね。

あとは浦和レッズ自体が大きな目標を掲げて向かっていきましたが、思うような成果が出なかったところは本当に責任を感じています。選手が一生懸命やってくれた分だけ、そこに関しては僕自身が責任を感じています。難しいところと言うと、むしろ選手がよくやってくれていい状況を作ってくれたにもかかわらず、という思いの方が強いでしょうか」

「最後に、週末、日曜日にアウェイに乗り込んで全員で戦ってきたいと思います。それが終わればまたホームでやれますので、残り4試合と言いますが、まずは日曜日のゲームに向かいたいと思います。いつも金曜日にこういう時間を取っていただいてありがとうございます。残り何週間かになりますが、ご一緒に仕事させてください。よろしくお願いします」

【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

「僕の責任は100パーセントの準備をして鹿島戦に向かうこと」(大槻 毅監督(定例会見 11/27)

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