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PICK UP PLAYER|南野遥海

野心あふれる22歳は、ゴールの価値をよく知っている。プロの世界は結果がすべて――。たとえ、ポジションがウイングでも、インサイドハーフでも、信念が変わることはない。今夏、ガンバ大阪から完全移籍で加入した南野遥海は、きっぱり言う。

「僕がチームに一番貢献できるのは得点」

前線からプレス、おとりになる動き、サイドから得点機をつくる動きも求められている点も理解しているが、点取り屋の芯はブレない。

南野は得点を積み重ね、J3リーグからステップアップしてきたのだ。ガンバ大阪のアカデミーで育ち、高校3年生の秋に翌シーズン(2023シーズン)の新加入選手として仮契約を締結。2022年はトップチームで公式戦8試合に出場したが、そのままJ1の舞台に定着できたわけではない。期限付き移籍を繰り返し、長い下積みも経験した。

2023年には当時J3のテゲバジャーロ宮崎へ期限付き移籍。そのときから徹底してこだわっていたのは、どん欲にゴールを狙うこと。がむしゃらなだけではない。嗅覚は鋭い。こぼれ球を予測して流し込み、タイミングよくクロスに飛び込んで、ゴールネットを揺らした。19歳でリーグ戦10得点をマーク。そして、目を引いたのは、勝ち点をもたらす一発。南野が点を取った10試合の戦績は、負けなしの6勝4分け。翌年移籍したJ2の栃木SCでも泥臭いスタイルで7ゴールを記録し、多くの勝利を呼び込んでいる。南野が点を決めて、負けたのは6試合中2試合のみである。

「J2、J3時代から得点という結果は残してきました。チームのために懸命に走って、起点をつくらないといけませんが、レッズで求められるのは結果だと思っています。クラブの期待に応えられるようにしたい」

すでにJ1でも、アジアの舞台でも実力は証明済み。2026年前半のJ1百年構想リーグでは17試合で7ゴール。ここでも数字以上に光ったのは、勝負強さだった。5月24日の清水エスパルス戦では後半から途中出場して直後に同点弾を叩き込み、逆転ゴールまで奪ってみせた。

興味深いデータもある。プロキャリアを通してみると、南野がスコアラーに名を連ねたリーグ戦22試合で負けているのは3試合だけ。これは、ただの偶然とは言えないだろう。闘志をむき出しにしてゴールに向かう姿勢が、チームに火をつけるのかもしれない。

8月1日に行われた『Juiceスペシャルマッチ』のRB大宮アルディージャ戦でも1点を追う後半から右ウイングとしてピッチに入ると、レッズの勢いを加速させた。1-2で迎えた85分にはオナイウ阿道が同点ゴールを挙げ、引き分けに持ち込んだ。南野自身の働きぶりも目立った。積極的に裏へ飛び出し、ペナルティーエリア脇付近のポケットも取っていた。80分過ぎには右サイドから持ち込み、得意の左足で強烈なミドルシュート。得点には結びつかなかったものの、大きな可能性を感じさせた。

「あの位置からもゴールを狙えるのは、自分の持ち味。仕留め切るところは改善しないといけないですが、あそこで違いを見せれば、チームの勝利にもっと貢献できるはずです。シュートを打つポジションに入れていた点はポジティブに捉えたい。これを続けていけば、結果はついてくると思っているので、自分が焦らずにやれるかどうか」

言葉には自信がにじむ。G大阪時代はストライカーの印象が強かったものの、後半途中からは2シャドーの一角でもプレー。攻撃的なポジションを自在にこなしながら、意欲的にゴールに向かう姿勢は貫いていた。

「2年前(栃木SC)は、同じようなポジションでプレーしていましたから。ゴールにつながれば、一番良かったんですけど、良いイメージは持っています」

新シーズンのスタートを目前に控え、仕上がりは上々だ。移籍1年目の開幕戦は、ジュニア(小学生)時代から長年、在籍してきたG大阪。今季から敵地となったパナソニック スタジアム 吹田は慣れ親しんだ場所ではあるが、感傷に浸るつもりはない。

「シーズンの勢い、流れは開幕戦で決まるところもありますから。その相手が古巣となれば、モチベーションは高まりますが、一戦一戦という気持ちは変わらないです。対戦相手がどこでもやることは同じ」

気持ちよく、点を取って勝つのみだろう。目をぎらぎらさせた男のゴールが決まれば、勝運も引き寄せるはず。8月7日の金曜日から、レッズでも新たな『不敗神話』が始まるかもしれない。

(取材・文/杉園昌之)

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