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ファン・サポーターのみなさまへ「2022シーズンおよび3年計画の振り返りと2023シーズンに向けて」

日ごろより浦和レッズへ熱い応援をいただき、誠にありがとうございます。

11月12日(土)には阿部勇樹引退試合を、11月16日(水)にはブンデスリーガジャパンツアー2022 powered by スカパーJSAT さいたまシティカップを残してはおりますが、先週末をもちまして2022シーズン公式戦を終了いたしました。
シーズン途中より声を出しての応援が一部制限付きで解禁されたものの、コロナ禍において通常通りには応援をいただけない中にもかかわらず、シーズンを通して浦和レッズにおもいを寄せてくださいまして本当にありがとうございました。

2022シーズンは、FUJIFILM SUPER CUP優勝やAFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)決勝進出を果たしたものの、明治安田生命J1リーグ(J1リーグ)、JリーグYBCルヴァンカップ(ルヴァンカップ)、天皇杯においては満足のいく結果を残すことができませんでした。
シーズンを通して実践できたこと、できなかったこと。
それらの事実と誠実に向き合い、「浦和レッズはこうなっていきたい、ならなければいけない」という主体的思考と、データ等の客観的視点の両方を用いて、今の浦和レッズとこれからの浦和レッズについての最大の理解者であっていただきたいファン・サポーターのみなさまへ、「2022シーズンおよび3年計画の振り返りと2023シーズンに向けて」をお伝えさせていただきます。

■2022シーズン振り返り
3年計画の3年目に当たる今シーズンは、「J1リーグ優勝」という大きな目標を達成するべく選手、スタッフ一丸となり取り組んでまいりました。しかしながら、ファン・サポーターのみなさまから多くのご声援、ご期待をいただいたにも関わらず、目標を達成することができませんでした。誠に申し訳ございませんでした。
戦績だけを見ますと、FUJIFILM SUPER CUP優勝、ACL決勝進出を果たしたものの、シーズンを通じて好不調の波があり、高いチームパフォーマンスを安定して発揮することはできなかったと感じております。J1リーグでは引き分けが15試合にのぼり、これらの試合で勝ちきれなかったことにより、計算上では勝点30を失ったことになります。実際には勝点を失った試合、拾えた試合などさまざまあり一様に「失った」と評することはできませんが、一つ一つのプレーに細かなこだわりを持ち、日々のトレーニングを積み重ねていくことを更に、より深く追求してまいります。
一方、2020シーズン開幕前に策定したコンセプトに沿って、クラブ主導でチームと選手の育成を進め、リカルド ロドリゲス監督の在任期間も含めたこの3年間で、チームと選手は更なる成長を遂げてくれました。この取り組みは、選手、監督、チームスタッフ等が今後変わっていくことがあったとしても、クラブとして歩みを止めることは絶対にありません。これからもクラブ主導で、コンセプトに沿った育成、強化を継続してまいります。
過去3年間の取り組みをベースとし、来シーズンは新監督を迎え更なる上積みを目指すためにも、3年計画のコンセプト『チーム、個、姿勢』に沿って以下に振り返りをさせていただきます。


【チーム】
コンセプト:攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレー

今シーズン、リカルド ロドリゲス監督の強みである、ピッチ上において選手の位置的な優位性を元にゲームを支配するサッカーと、ボールを保持したときにはまずゴールを目指す縦にスピード感のあるサッカーとの融合を目指してきました。また、ボールを失った時には即時奪回を目指し、そこから最短距離でゴールを目指す、リスクをかけて前から仕掛けることで、観ている人が試合中に何度も腰を浮かすような、そんなプレーをピッチ上で展開すべく、チームを成長させてきました。
しかしながら、今シーズンを振り返りますと、主要な課題が三つあったと考えております。
一つは、ディフェンスラインを含んだチームの平均的なプレーエリアが非常に低かったこと。そして次に、アクティブ(能動的)な守備を前線の高い位置から仕掛けることができていなかったこと。最後が、相手ゴール前でのプレーの質(決定力)です。

失点数を低く抑えることはできましたが、その守備の手法は、自陣ゴール前での人数が整った状態での守備の固さによるものであり、「受け身の守備」であったと言えます。結果として、低いプレーエリアで引いて守ることが多くなり、選手個々の能力もあり失点を少なくすることができましたが、攻撃への接続(ポジティブトランジション)という点に課題が残りました。
アクティブな前線からの守備については、一つ目のプレーエリアの課題と密接に関係しますが、相手に攻めこまれてもゴールを決めさせない「ゴールマウスを守る守備」ではなく、相手が体制を整える前にこちらから仕掛けて「ボールをアグレッシブに奪い返す守備」を多くすることで、ゲームの主導権を握り、より相手陣内でプレーする時間を増やすことができる。チームとしてはそのような主導権をもったアクティブな守備を志向しましたが、この点についても達成度は低いと評価をせざるを得ないパフォーマンスでした。
最後に、相手ゴール前でのプレーの質(決定力)です。この課題にはいくつかの原因がありますが、選手編成における課題、チームとしてのリスクのかけ方、個性の発揮の3つが課題としてあげられます。
まず、選手編成においては外国籍選手等、怪我によって今シーズンはほぼパフォーマンスできなかった選手もいるなど、質の優位性という点での編成上の課題を認識しております。また、チームとしても、プレーエリアが後方に偏ることは、リスクをかけてゴール前に人数をかけることと相反することから、【リスクを負って得点を取りにいくこと<自陣ゴール前に人数をかけてリスクを低減させること】という戦い方が多くなり、得点を量産することができませんでした。また、個性あふれる選手達が相手ゴール前で存分に、イキイキとパフォーマンスできるような、チャレンジしやすい、心身両面における環境設定にも課題がありました。

一方、ポジティブな点も勿論見出すことができます。
チーム全体での自陣ゴール前からの丁寧なビルドアップと崩し、位置的な優位性を持つためのポジショニング、相手の出方によって即時に対応する自律的なチームと選手、攻守におけるセットプレーの質の大幅な向上、GKグループの飛躍的な成長等、今シーズンを通じて多くの成長があったこともまた事実です。


【個】
コンセプト:個の能力の最大限発揮

個の能力を発揮させることと、チームが一つの組織(1チーム)として、意思統一された戦いを90分続けることを両立させることが、勝利するためには求められます。その点においても課題がありました。試合に出場できる選手は11名+交代要員のみであり、それ以外の選手のメンタルも含めたコンディションをどう高く保つかという課題には改善の余地があります。また、監督だけではなく、チームスタッフ、メディカル、フロントスタッフ含め、選手たちに対して個の高い能力を維持し、発揮し続けてもらうためのアプローチには数え切れないほど多くの方法がありますが、そういったマネジメント面において、まだまだ向上の余地があると考えております。
ポジティブな面としては、西川周作の更なる成長や、伊藤敦樹の心身両面のチームの柱となる成長、そして松尾佑介・大久保智明については、トップレベルで十分に活躍できることを自ら証明してくれました。宮本優太・安居海渡をはじめとした若手の選手については、プレー時間が十分ではありませんでしたが、可能性を垣間見せてくれたことは、来期以降へむけての期待材料であると感じております。


【姿勢】
コンセプト:前向き・攻撃的・情熱的なプレー

チームの姿勢については、チームの方向性(コンセプト)とチーム環境の影響を大きく受けるところですので、一概に評価することは難しいところです。チームとしては、ワンチームとなって同じイメージを共有してプレーすることではじめて、この姿勢をピッチ上で示すことができます。クラブは選手一人一人に対し、たとえ負けた試合でも、見ている方々の心を動かすようなプレーや試合をすることを求めています。その観点で言うと、大きく課題を残すシーズンとなりました。
個々の選手が、最後まで走り、闘い、貫けたか、という点について、まだまだやれること、やらなければならないことがあります。


■3年計画の振り返り

2020年より3年計画を打ち出し、成績という点では、天皇杯優勝、FUJIFILM SUPER CUP優勝、ACL決勝進出を果たしたものの、J1リーグ優勝という目標に近づくことができなかったことは猛省しなければなりません。
チームを毎年優勝争いできるようレベルアップすると同時に、継続性のある成長ができるように、コンセプトの策定とそれに基づいたチーム作り(開発)を継続してきました。

テーマ(考え方)は、方向性(コンセプト) × 継続性(積み重ね)です。

方向性とは、所謂チームコンセプトの事であり、ピッチ上で繰り広げるサッカーの言語化・数値化の表現となります。クラブが主体的に方向性(コンセプト)を定め、監督や選手に活躍してもらいながら、チームとして、クラブとして成長していく事。そのプロセスには着手できており、チームは確実に成長してきています。そして、そのプロセスのなかで、多くのデータを活用してコンセプトに沿ったさまざまな分析、評価を行うことができるようになっており、主観と客観を組み合わせながら意思決定しています。
できたこと、できなかったことについてそれぞれ真摯に振り返り、次に活かす糧としてクラブの経験として積み重ねてきています。そして、それを継続させていきます。
もっとも重要なチームの成績という点では、満足のいくものではありませんでしたが、成長のプロセスとしてはこの方向性をいかに継続(積み重ね)していけるかだと認識しています。プロセスにおいて、選手、監督、チームスタッフ等が変わっていくことは当然起こり得ますが、それによって継続が断たれることは決してありません。


■2023シーズンへむけて

チームが全ての大会で優勝を目指すことは前提としつつ、クラブとして2023シーズン以降は、毎シーズン常に、「J1リーグで優勝争いをすること」「ACLの出場権を獲得すること」を目標とします。
この目標を達成するために、以下のポイントに継続して注力していきます。

「戦力の継続的な、さらなる充実(2023以降継続)」
日本の、アジアのトップクラブであるために、能力・経験・野心すべてにおいてトップを自負することのできる選手、スタッフ集団を目指します。

「真のプロフェッショナルが結集した組織(2023以降継続)」
全ての選手やスタッフが浦和の先人たちが培ってきた歴史を感じ、浦和のプライドを持ち(浦和を背負う責任)、勝利への飢餓感を持つ、そんな個の集団となりたいと考えます。日々の凡事を徹底追求する選手・スタッフが、日々真剣に会話をしながらチームを進化・開発させていく。そうした真のプロフェッショナルな組織になります。

「コンセプトベースのクラブ主導のチーム作りを継続」
コンセプトの更なる開発と体現への飽くなき追求を継続します。言語化・数値化(データ化)とともに、常に現場で起こっていることとのフィードバックサイクルを回していくこと。2022シーズンまでの取り組みを通じて、そのサイクルを走らせることができるようになりました。この分野では、世界トップレベルのクラブと比肩することができつつあると自負しております。次の課題は、このサイクルの質を更に上げていくこととなります。


■最後に

8月10日(水)に行われました、ルヴァンカップ プライムステージ 準々決勝 第2戦で、約2年半ぶりに埼玉スタジアムにファン・サポーターのみなさまの声が響き渡りました。
コロナ禍発生以降にチームへ加わった選手たちにとって、浦和レッズの一員としてその空間に身を置くことは初めての経験であり、彼らの中には興奮しながらその感動を周囲に伝える選手もいれば、黙って目に涙を浮かべている選手もいました。そして言うまでもなくその声は、コロナ禍発生以前からチームに在籍している選手たちにとってもまた、本当に大きな感動と、闘争心を与えてくれました。
今シーズン行われたホームゲームには、451,823人のファン・サポーターのみなさまをお迎えしましたが、選手、チームスタッフ、クラブスタッフの全員が、ファン・サポーターのみなさまお一人お一人の声や手拍子に対して、「もっと多くの喜びや感動を提供したかった」という悔しい思いを抱いております。

来シーズンは、その悔しさも糧として、より多くの喜びや感動を提供できますよう、選手・スタッフ一同、勝利を愚直に追い求めてまいります。
そのための非常に重要な決断として、この3年で成長してきたチームに、さらに攻撃力、機動力、アグレッシブな守備力を上積みし、浦和レッズを毎シーズン、リーグ優勝争いをするチームとするために、新監督を招聘することとしました。素晴らしい過去の経歴(戦績)だけでなく、人間性や選手マネジメント能力に長け、監督としてチームを大きく成長させることが期待できる人材です。新監督と共に、クラブ一丸となり闘ってまいります。

今シーズンも最後まで熱いサポートをいただいた全てのファン・サポーターのみなさまに、あらためて心より感謝申しあげます。
本当にありがとうございました。
引き続き、2023シーズンもどうぞよろしくお願いいたします。

浦和レッズ

ファン・サポーターのみなさまへ「2022シーズンおよび3年計画の振り返りと2023シーズンに向けて」

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