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PICK UP PLAYER|西川周作

ここまで積み重ねてきた数字は、「671」になった。
西川周作は、遠藤保仁が持つ「672試合」のJ1リーグ通算最多出場記録まで、あと1つに迫っている。

「僕としては目の前の1試合がホントにもう、常に一緒の1試合なので、(記録に)並んだとしても、更新したとしても、この先も変わらず1試合は1試合で、積み重ねていくだけだと思っています」

第11節のジェフユナイテッド市原・千葉戦は3-2で勝利するも、32分にコーナーキックから失点すると、90+1分にも失点し、1点差に詰め寄られた。
続く第12節のV・ファーレン長崎戦で、西川はまさにその積み重ねを示した。

65分、相手の右コーナーキックでは、ファーサイドに飛んできたクロスボールに対して、バックステップを踏んで倒れ込みながら手で弾き出す。続く左コーナーキックでは果敢に飛び出してクロスボールをキャッチすると、すかさずダニーロ ボザにつないでカウンターの起点となった。
遡れば、58分にはマテウス ジェズスの近距離からのボレーシュートを、正面でセーブして窮地を救った。試合終盤は、71分にマテウス サヴィオが決めた得点を守るべく時間を巧みに使い、ゴールを許さなかった。

「決定的なチャンスを相手に与えなかったと思います。そういった意味ではみんなが意思統一をして、最後の時間の使い方についてもみんなで話し合って決めたことだったので、しっかりとボールをキープする選手、クリアボールに対応する選手と、そこはみんなで一つになってできたと思います」

長崎戦の勝利は、随所で前節の教訓を生かしてつかんだ勝ち点3だった。

「積み重ねる」と表現したように、40歳になった今なお、継続するだけでなく、成長しようとする向上心——それこそが、「671」もの数字を刻んできた原動力でもある。
曺 貴裁監督が指揮する今シーズンは、彼自身も新たなサッカーに向き合っている。

「今、チームの土台作りをしていることは僕自身も理解しているので、リーグ開幕から3連敗して結果が出なかった時期もブレることはなかった。曺さんもブレないから、僕ら選手もブレずにトライし続けることができています。新しいことにチャレンジしているので、ある意味、自分のところにピンチがたくさん来るというのも覚悟しながら今はやっていて。ピンチがたくさんあるなら、そこで自分が止めればいいかなって。今はこのサッカーにも慣れてきたので、ここから次はゼロで抑える試合を増やしていくことができれば、それはシーズン序盤の経験が生きているということになるのではないかとも思っています」

ハイライン、ハイプレスによる攻撃的なサッカーを貫くうえでは、窮地に立たされることもある。そのスタイルに西川自身も適応しようとしている。

「ピンチがあるということは、自分の価値を見せるチャンスでもある。今までは人がいながら、相手に対して行く(対応する)ことができていなかったところがありましたけど、そこは試合を重ねてチームとして改善できてきた。ただ、人がいない状況でピンチになることもあるので、そのときは腹を括って自分の出番だと思うようにしています」

そして言う。

「リーグは1年を通して試合が続くものなので、シーズン序盤の経験をいかに後半戦に生かしていくかが大事。チームも生まれ変わろうとしているなかで、若い選手たちもがんばっているところ。そういった意味では、自分が失点数ばかりを気にするのではなく、正しい動作ができているか、今まで積み重ねてきたことができているか。たとえ失点したとしても、正しい動作で正しいコースの切り方ができていれば次につながる。だから、今は失点したからといってすべてがダメだとは考えていない」

GKとしてのプレースタイルも、GKとしての考え方も、チームが目指すサッカーに合わせて変化させていく。変わらないのは自分自身をアップデートし続けようとする信念そのものだ。
姿勢とともに、22シーズン目を迎えたキャリアのなかで、ずっと変わらないものがある。

「記録について一つ言えるのは、ここまで一人でやってきたわけじゃないということ。今までいろいろな監督、選手たちとプレーしてきたなかで、本当にたくさんの方が携わってくれて、自分を成長させてくれたので、その感謝の試合数だと思っています。これからも1試合1試合、そういう気持ちを持ちながらやっていきたいと思います」

試合前、円陣が解けてチームメートとハイタッチを交わした西川は、自分の守るゴール前に移動すると、両ゴールポストにタッチする。

「今日も頼むぜ」

心のなかで声を掛けると、自然と「よし行くぞ」と身体にスイッチが入る。
そうやっておそらく偉大な記録に並ぶであろう柏レイソル戦も、記録を更新することになる673試合目もいつもと変わらずゴール前に立つのだろう。さらにゴールの後ろにいる頼もしいファン・サポーターの声援に感謝しながら——。

(取材・文/原田大輔)

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