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「この8連戦で最も大事な試合になるだろう」曺 貴裁監督(定例会見10/23)
23日、曺 貴裁監督の記者会見がオンライン形式で実施され、25日(日)に埼玉スタジアムで行われる明治安田J1リーグ 第12節 V・ファーレン長崎戦【MATCH PARTNER エコ計画】に向けての意気込みなどを語った。
(長崎について、会見のときに「サンフレッチェ広島に4-0で勝った」と結果に触れていたが、あらためて次の対戦相手として感じることや試合に向けた意気込みはどうか?)
「長崎さんは、僕が京都(サンガF.C.)時代に百年構想リーグでホームとアウェイで試合をしていますし、監督の高木琢也さんとは切磋琢磨してきたというか、1つ上の先輩ですが、いろいろな話をさせてもらう仲なので、彼らがフットボールに対してどのように向かっていくかということを他のチームよりも認識している状況ではあります。選手も少し替わって、結果が出ないこともありましたが、開幕から非常にアグレッシブなサッカーを見せていたので、広島戦の4-0という結果は、もちろん相手に退場者が出たなどいろいろありますが、決してフロックではないと思っています。何より自分たちは(第2節で)広島さんに何もできずに終わったような試合になったので、そういう意味では僕自身もそうですし、選手、スタッフがしっかりとモチベートしてやらなければいけない試合の一つであることは間違いありません。
今日、選手たちにも、『FC東京に負けた後、一戦一戦自分たちが抱えている課題を解決してきたけども、ここまでのシーズンの中でこの試合が一番大事だと思っている』と話をしたので、フレッシュに臨めるメンバー、もしくは今まで戦ってきたメンバー、いろいろな意味でチョイスは難しいですけども、今日と明日でメンバーを選んでしっかりと臨んでいきたいと思います」
(ジェフユナイテッド市原・千葉戦も3-2で勝利したが、巡り合わせはあると思いながらも、3-2の試合が多い。失点の多さがフォーカスされるところがあるとはいえ、試合を一つひとつ見ていくと、失点が多いことで勝ち点を落とすことにつながったのかというと、そこまでどうなのかなと見えるところもあるし、そこの捉え方は難しいと思う。どんなチームもたくさん点を取ってなるべく点を取られないのが目標だとは思うが、そこの現状についてどのように見ているのか?)
「得点、失点という単純な数より、最終的にはプラスマイナスがどれくらいあるかというのが勝ち点にも及んでいくので。我々より上の順位のチームはおそらく全て得失点差がプラスのチームなので、そういう状況に早く持っていかなければいけないというのは事実としてあります。おっしゃるように得点を多く取って、失点を少なくすればそこに近づくというのは間違いありません。
ただ、開幕3試合で取られたような失点のケースと、横浜FC戦、水戸(ホーリーホック)戦、千葉戦の3試合のうちの2つはクリーンシートでしたが、失点の取られ方の範囲が狭まっているという言い方が正しいか分からないですが、自分たちがすぐに解決できうるものだったと思っています。総合的にFC東京戦の後に、自分たちが見せた3試合の失点を少なくする作業については選手たちも理解してやっていたと思います。この前の千葉戦に関しては止まったボールで点が入って、点を取られてという展開でした。もちろんそれをゼロにしなければいけないんですが、プロセスやこれから積み上げていくものに関しては、開幕当初に取られていた失点の仕方とは少し色合いが違うと思っています。ただし、それが良かったというわけではなくて、それも含めて総合的に解決していかなければいけないと思っています」
(1試合ずつというのはどの監督も考えることではあるが、長崎戦からの3試合を見たときに中2日、中2日で間に遠征も入るという意味では大変な日程だという感覚もある。ここから柏レイソルまでのブロックを乗り越えていくためにチームとしてどのようなことが大切になるのか?)
「冒頭でも言いましたけども、僕はこの長崎戦がここまでのシーズンで一番大事な試合になると思っています。それはリーグで言えば3連勝がかかっているということもそうですし、この後、中2日の試合が続く、そして(Jリーグ ヤマザキビスケット)ルヴァンカップを勝ち抜けば、浦和レッズとして11月も厳しい日程が続きます。、この試合を勝っていくことしか次のルヴァンカップの名古屋(グランパス)戦や柏戦につながらないと思っていますし、この試合に全力を尽くしてメンバーを選ぶ。その中で、出てきた現象に対して最善を尽くして、名古屋戦と柏戦に臨むという形がいいと思っています。11月に関してはルヴァンカップで敗退したチームは少し日程が緩やかで、いろいろなものを調整しやすい日程になりますが、我々は目の前にある大会全てで一番上を目指していくスタンスは変わりません。ただ、この8連戦の中でこの長崎戦が一番大事だと僕自身は思っていたので、そこを何とか勝っていけるような準備を今からでもしていきたいと思います」
(今シーズン一番大事な試合と位置づけられた長崎戦だが、勝利のキーポイントをどのように感じているか?)
「長崎さんは映像を見てもらっても分かると思いますが、個の強さというか、特に前線2人で持っていける選手の起点からゴールに向かうところの精度があるチームだと思っています。そこに対して11対11が11対11にしか見えないような戦い方をすると相手に分があるというのも分かっているので、自分たちが1人、2人多いと感じるような試合に持っていかなければいけません。ただし、それは自分たちが今までやってきたことの全く真逆をやるというよりは、積み重ねたものの精度を高めて、より練度を出していくことが大事だということで、僕は大事な試合だという話をしているつもりです。チームとしてどう戦うかというところの一番いいものを見せていかなければいけないという気持ちでいます。
(水戸戦も千葉戦も3-4-3の形で入った。4-1-4-1というシステムもだいぶ構築してきた中で3-4-3に移行していった。これは相手チームによっていろいろ考えているのか?それぞれのメリットがあると思う。言える範囲でその点はどうか?)
「思い付きです(笑)。いや、詳しいことは言えないですが、浦和レッズとして僕が監督になってこういうスタイル、形を構築するというのは、みなさんもそうですけど、周りのチームにも開幕のときよりは浸透してきているのは当たり前です。そのことに対してどんな準備を相手がされているかは分からないですが、自分たちの戦い方のベースの幅は広げていかないといけないとは常に思っていたので、相手にとって難しくさせるというよりも、自分たちがその形でやるとき、もしくはこれからいろいろなバリエーションを使って戦う可能性も高いですが、どうしてそうするのかということを選手たちが理解し、かつエネルギーを失わないようにするという観点で言うと、たまたまその2試合がそうなったという理解をしてもらえればいいと思っています。それは経験を高めるというより、そのゲームで勝ち点3を取るために選んだつもりです。もちろん結果が全く逆になったこともあるかもしれないですが、勝利に対するためのものだと選手が理解すれば、そんなに難しいことではありません。
僕は今季からレッズの監督になったので、レッズの今までの歴史やどうやってきたかを肌で感じてきている人間ではありません。そういったものが選手のフレッシュ度や、やろうとするエネルギーを高めるのであればトライすべきだと監督として思います」
(攻撃面でもオーガナイズされてきて、千葉戦でもいいリズムで崩せる形ができていたように感じたが、その辺りの手応えはどうか?)
「結果として、あの日は風が強かったので、お互いにペナルティーエリアの中に入ってプレーしたのが5〜7回くらいと少なく、中盤のボールの拾い合いが目立った試合でした。全てワンタッチでつながるのがいいとは思わないですし、そこにはドリブルや相手の背後に抜けるということも含めてですが、ボールを持ったときにどのプレーを選択すればゴールを生む確率が高いのかということを僕はずっと言い続けています。パスがつながることがそれを生むわけではないし、ロングボールを1本入れることがそれを生むわけではなくて、ボールを持ったときの選手の配置が全てを決めていくと思います。その配置が単純にどの場所にどの選手がいた方がゴールに迫れるか、ということを選手が頭の中だけじゃなくて、ピッチの中で見える景色を理解したときに、ワンタッチや早い判断のプレーが生まれると思うので、そういったプレーでチャンスを作れるようになってきたというのはおっしゃるように事実だと思います」
(開幕3連敗はあったが、3連敗目のFC町田ゼルビア戦では内容で手応えを感じられる試合でもあり、その後は公式戦12試合で10勝2敗と大きく勝ち越している。そういう成績の中で、選手たちがピッチで表現しているものにどのような手応えを感じているのか?) 「自分が考えるチームの歩み方や戦い方というのは、毎年、毎月、毎週、監督という職業はアップデートしていかなければいけないですし、先週やっていたトレーニングを今週も同じようにやって勝てるのであれば、世の中の監督は全てそうするので、そうはできないというのが監督の難しさですが、根本的にあるのは、監督それぞれで変わらないもの、変えるべきではないものだと思っています。その根本的にあるものを選手が理解しないうちに次に進むのは、所詮パッチワークみたいなもので、良くなったり悪くなったりしますけど、僕としては先を急がずという言い方はおかしいかもしれませんが、まず土台のものを選手が理解するには少し時間はかかると思っていましたし、今もまだ全然完璧ではないです。
ただ、その中でFC東京戦に負けたり、(ファジアーノ)岡山戦に負けたりした後のリアクションは、その前に見た自分たちの景色と違ったものが見られるようになったと思いますし、選手たちがどんなシチュエーションでも自分たちの形を出すために、という理解度が頭で分かっているだけではなくて、ピッチの中で表現するものの質自体が上がってきていると思います。先ほども言いましたが、僕が目指すサッカーを相手チームの分析もそれをやらせないようにということになる中で、自分たちが発揮できるもののバリエーションを増やしていかなければいけないでしょうし、そういったいい意味のバランスというのは開幕や最初の5試合くらいよりは取れてきたという印象はあります。ただ、まだ全然、自分が目指すマックスには届いてないので、そこに対してやっていくだけだと思っています」
(その土台作りはずっとやり続けながら、その試合ごとの対策をしていくという流れなのか?)
「世界中どのチームもそうやって勝ちを目指していくと思いますが、僕は海外の試合とか代表の試合とかを見て、自分がやっていることの答え合わせとして、このままでいい部分ともう少しこうやらなければいけないというのがあるんじゃないかということを自分の中で問いかけながらやっています。この前の試合の前にも、そういった映像を見せながら選手の理解度というか、選手が『本当にそうなんだ』という気持ちにしたいと思って使ったりもしました。
ただ、いつも言いますが、忘れてはいけないのはドメスティックに浦和レッズだけが頑張っているわけではなくて、他のJリーグのチームとか世界的にどのチームもそれを目指してやっていく中で、いろいろな意味で、一つの敗戦、一つのミスでその歩みを止めてしまうと、その時点で遅れを取りますから、目の前の勝ちを目指す中でも、チームが右肩上がりになっていくようなマネジメントはしていかなければなりません。それは強く自分の中で思うことなので、失敗というか、うまくいかないときもあると思いますが、このチームがいつもエネルギッシュに戦えるような、それを自発的に出していけるようなチームにするには、気持ちだけではダメですし、逆に戦術のひけらかしだけではうまくいかないです。その辺のバランスは自分としても取っていきたいと思っています」
(失点の話なのでネガティブかもしれないが、最も多いのはボールロストした後の対応みたいなもので、ボールを取れなかったときにどうしようとか、ボールがうまくつながらなかったときに失点してしまう。千葉戦でも実際にあって、西川周作選手のキックがずれてしまい、そこからカウンターを食らってしまった。この辺も少しずつ改善は見えるようになると思うが、監督としてはどのように考えているのか?)
「得点と失点は、特に攻守の切り替えが要求されるサッカーの中では、取った瞬間、取られた瞬間にどう振る舞うかで得点の確率を上げたり、失点をしてしまったりすることが多いと思っています。ボールをどこで失うか、自分たちのディフェンシブサードで失えばその確率は高くなると思います。
実際にこの前の千葉戦のような失点の仕方もありますし、もっと言うと中央のミドルサードから相手陣内に入ったときに奪われてカウンターを受けて失点というのは世界的にも多く見られます。ただ、自分たちのコートで失点しないようにするということは、全部セーフティーファーストのプレー、要はロングボールを相手の背中に送って、そのセカンドを取りましょうというやり方で言うと、その確率は減りますが、それと同時に得点やチームの推進力を失う可能性もあります。冒頭からずっと話してきましたが、結局チームはその最適のバランスを探すために試合をしているところがありますし、先日のパリ・サンジェルマンとFCバルセロナの試合も失点をする、もしくは相手に決定的なシュートを打たれている場面のほとんどがそういう場面です。GKからパスを30本以上つながれてシュートを打たれる場面は、レベルが高くなるとほとんどありません。
だからこそ、それをしないために、後ろからセーフティなプレーばかり選択していくことがチームの上積みではないですし、そこにはジャッジの機敏さと、全体がそうなったときにどう対処するか。この前で言うと、取られたあとのボールがすぐシュートに行ったわけではないので、その後に振る舞った行動でもう少し何とかできた場面は僕の中ではあったと思います。それを一つひとつ選手たちに伝えて、チームの理解度を深めていくことが今後大事です。ただ、この3試合に関しては、一時よりそういった場面は明らかに少なくなっていると思いますので、今の時期の僕の気持ちとしては、ネガティブに捉えているわけではありません」
(前節の試合後に千葉の小林慶行監督にも同じことを聞いたが、イエローカードの多い試合は見ている人、ファン・サポーターの人たちからあまり面白いものではないし、激しい試合はウェルカムだが、あまりカードが出てしまうとストレスばかりが溜まってしまう。曺監督はその辺りをどのように考えているのか?)
「千葉戦はそういうものの影響や風の影響、VAR(ビデオ アシスタント レフェリー)が入った影響も含めて、ストレスの溜まるような場面は多く、APT(アクチュアル プレーイング タイム)も今季最も短いのではないかという試合でした。中盤の攻防があの試合の主なポイントだったので、監督としてはそういうことが増えると予想していましたが、おっしゃるようにカードがたくさん出てしまうと試合が止まりますし、不安も出ますから、見ている人にとって決して心地いいものではないというのは理解しています。
ただ、ジェフさんが中盤でカードをもらった場面もそんなに不必要ではないという言い方が正しいか分からないですけど、球際の部分の一瞬のところで少し入れ違いみたいなところがあって、フェアにプレーしようとしたところが、という部分もあったと思います。そういう現象は見ている人にとっては心地悪いかもしれないですが、言い方が難しいですね。時間稼ぎをしたとか、レフェリーに不満を言ったとか、違うことで試合が止まったというよりも、球際のところのイエローカードが多かったので、そういうプレーがない方がいいという言い方も正しくないですし、正当なボールの奪い方を我々は指導していかなければいけないですが、全てそうできれば全てのチームが苦労しませんし、この前のイエローカードはそういったイエローカードがほとんどだったように感じています」
(曺監督は激しいサッカーをする、だからカードも多い、というイメージが強いと思うし、2025年の京都が受けたイエローカードが63枚というのは、横浜F・マリノスの70枚に次いで2番目に多かった。ところが今年の浦和レッズを見ると、ここまでのイエローカードは16枚で決して多くはないし、ここ5試合、第7節から第11節までの間にはカードを2枚しかもらってない。浦和の守備はカードの枚数からも改善傾向にあると思っているが、その考えは合っているか?)
「京都時代のことと浦和の今を比較するのはフェアじゃないと思いますが、あくまで僕の監督としての印象ですが、ボールを奪うという作業は懐まで行くときに、シーズン序盤で慣れるまでに選手としても感覚的に行ってしまったことでカードをもらうというのは許容範囲というか、感覚が慣れるまでは多少あると思っています。僕の記憶が正しければ、イエローカードだけじゃなくてファウルの数も浦和レッズはそんなに多くないはずです。リーグの中で中盤かそれよりも少ないくらいだと思います。ですが、ファウルして止めるというのは、トラップミスと同じで技術がないということなので、基本的にはサッカー選手として正すべきです。
ただ、それに至るプロセスの中で相手に脅威を与えないところで止まっていたらファウルにもイエローカードにもならないし、結局、試合には負けてしまうということになり兼ねない、その辺りのプロセスにイエローカードやファウルが途中経過としてあるのであれば、それをうまく選手たちと話しながら改善に持っていくしかない。一歩寄せる、靴一足分寄せるというのは絶対に大事なことですから、そういったところはどんな戦術を作るにも必須条件なので、その中で去年の京都が多かったというのは、そういう部分を僕が強調しすぎたことでそうなってしまった部分もあると思いますが、決してファウルで止めろという指導をしているわけではなく、むしろその逆だということを理解してもらえれば、僕としてはうれしく思います。今はカードが少なくなったから全部がいい守備だとも思っていませんが、あるべき姿はそういうものだと感じています」
(監督の仕事について聞かせていただきたいが、サッカーの監督はとても割に合わない仕事なような気がする。自分がこうやりたいと思うことに対して反応がいい選手もいれば、悪い選手もいる。勝てば選手のおかげ、負けるとどうしても監督が非難されてしまう。それでも「これがあるからサッカーの監督をやめられない」と思うことはあるか?)
「何なんでしょう。でも、割に合わないとは全然思わないですね。人として生きてれば、そういう局面というのはどの世界にもあることだと思いますし、自分が何の努力もしないで発した言葉に対して、他の10人、100人、1000人の人が全部『うん』と言うのであれば何の向上もしないので、どのように理解させるか、どのようにお互いが認識するかというのは努力でしかないですから。僕はその努力の歩みを止める仕事のやり方にやりがいは全然感じないですし、僕はたまたま監督ですけど、ここにいる広報の方とかチームのマネージャーの人も同じだと思います。
割に合わない仕事という見方をしたら、選手もそうですし、全てのものが割に合わないと思いますし、苦労賃としてたくさんのお金をもらわないとできない仕事とも思いません。それを言うならば土日にボランティアに近い形で、少年サッカーを教えている人の方が割に合わないという気もしますし、そういう見方をしたら割に合う仕事はほぼ存在しないのではないかと思います。
他の人は分からないですが、勝ったときの喜びが人一倍だから続けられると僕は思わないです。そんなものではないです。監督は自分をどう磨いていくかとか、自分がどのようになりたいかが常に試される職業なので、その緊張感の中に自分がいるということで、自分が成長できていることを実感できるだけで、『勝ったときにそれまで感じたことのない喜びが』という人はいるかもしれませんが、僕はそういうものではないと思います」
【浦和レッズオフィシャルメディア】

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