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「プロセスを突き詰め、一戦一戦を次につなげる」曺 貴裁監督(定例会見11/6)

6日、曺 貴裁監督の記者会見がオンライン形式で実施され、8日(日)にMUFGスタジアムで行われる明治安田J1リーグ 第14節 ヴィッセル神戸戦に向けての意気込みなどを語った。

(次が神戸戦で上位を戦っているチームとの対戦になる。久々に1週間の準備期間があったゲームにもなるが、どのように臨みたいと考えているか?)
「ACL(AFCチャンピオンズリーグ)に出ているチームは少しスケジュールが違いますが、かなりタイトな日程の中で試合を行う日程であり、どのチームもその間のトレーニングで強度を上げることは難しい日程でした。当たり前ですが、少し休みを取って、この3日間は神戸戦に向けたこともありますが、前節の柏(レイソル)戦もしくは根本的に自分たちがまだ温度を上げられていない部分のトレーニングに取り組めていましたし、ミーティングの中でも確認し合えたこともありましたので、また一度フレッシュにリセットして、この神戸戦に臨めるというのは我々にとってはすごく望ましい形だと思っています。選手もそうだと思いますが、アウェイの国立というのも少し慣れない雰囲気もありますが、この前の柏戦の悔しさをしっかり晴らせるように準備していきたいと思います」

(柏と神戸は方向性が違うチームという印象もあるが、上位を争うという共通点とは別にして、神戸戦という点で働きかけてきたことや試合でポイントになるだろうと思うところはどうか?)
「個々のバトルのところや相手がやりたいことを出させてしまうような自分たちの距離感などは、神戸さんに対してはウィークになってしまうかもしれませんが、それを自分たちが出させているようでは、どの試合もそうですけど勝ち点3は得られないと思っています。そこは柏さんとは少し違うスタイルと見えるかもしれないですが、基本的にどんな形であれゴールに向かっていくスタイルだということは両チームとも変わらないと思っているので、そこを抑えるだけではなくて、それを凌駕してまた相手のゴールに進んでいくということを選手たちが共有して戦っていくことが大事だと思っています」

(先ほど笹 修大選手がロサンゼルスオリンピックを目指すU-21日本代表に選出されたという発表があった。改めて彼の良さや指導していて感じるパーソナリティー、あるいは今後どういうところが伸びていったらもっとすごくなるなど、総合的にどう感じているか?)
「開幕戦でもスタートで使いましたし、その後、試合に出場するときもしないときも非常に真面目に自分の能力を上げようということで日々、練習に取り組む姿は素晴らしいものがあります。(FC)今治さんでいろいろな経験をした中でJ1という舞台に来て、臆することなく自分の特長を磨きながら、J1の試合の強度ややっていいこと、いけないことの整理ができているところで言うと、U-21日本代表に選ばれたというのは彼自身、この期間でやってきたことが無駄ではなかったと感じることができるのではないかと思います。

もう1つは、半年前はそのメンバーのリストに上がっているか上がっていなかったか僕は分からないですが、リストの上位にいなかった選手かもしれないですし、積み重ねていくことで景色が変わるんだということを実際に証明してくれました。クラブにとっても喜ばしい出来事だと思います。

ただ、ここで選ばれて逆にリズムを崩したり、自分のやってきたことが少し上手くいかなかったりする例もたくさん見てきているので、これはこれとして、彼が自信にした中で次にどう進んでいくかというのがもっと大事だと思います」

(上位との差が少しずつ埋まってきている手応えを感じていると思うし、柏戦も失点するまではいい戦いができた手応えを感じたと思うが、また上位との差をどのように感じているのか?)
「僕もJ1で監督をしている年数がここ最近だと長い方だと思いますが、上位と下位の差とか中位というのはほとんどないのがJ1だと思っていましたし、今も思っています。下位のチームが上位と当たって全然勝てないとは思っていません。ただ、百年構想リーグで戦ってきチームもしくはそれ以前から継続してきたチームと、僕のように初めて今シーズンから指揮を執るチームの練度やチームとしてやりたいことの積み重ねのブロックの厚みみたいなものは正直戦っていて感じることが実際にはあります。ただ、上位と下位の差というよりも、そういうものを積み重ねてきたチームがいろいろな試行錯誤しながら今、上位にいるということだと思います。

自分たちが(サンフレッチェ)広島戦や(FC)町田(ゼルビア)戦で起きた現象、その次に(ファジアーノ)岡山さんとかFC東京さんに負けたときの感じと、この前の柏戦はニュアンスも意味合いも違っていて、僕が要求する言葉も要求する内容も、ある意味で一つ上、二つ上のことを彼らに話しています。点差だけ見ると大敗なので、そこは本当に反省して積み直さなければいけないですが、事実として良くなってきたこと、データを踏まえながら、そういったチームとの差、負けた差は何なのかということがそれほど大きなことではなくて、小さな細かい、それはサッカーで一番大事なところだということはこのタイミングで改めて選手に話せたので、負けたチームとまた次の試合があるときにしっかりお返ししたいなと思っていますし、その前にあさっては神戸さんとの試合なので、そこに対して自分たちの今までの悔しさをぶつけていくだけだと思っています」
(神戸戦の印象と勝利へのポイントは?)
「僕が京都(サンガF.C.)の監督のときは場所も近かったですし、練習試合もたくさんやりました。なので、選手のキャラクターも大体分かっているというのは失礼かもしれないですが、選手が勝つことに非常にこだわっていて、それを選手同士で解決する力も強いです。(ミヒャエル)スキッベ監督がドイツのフットボールの強度を落とし込みながらチームをまとめているという印象もあります。自分たちが小手先でやって怯むような相手では全くないので、球際や空中戦の争い、切り替えの速さなどで上回ってくるメンタリティーを持った選手がどちらにより濃く出るかということが勝負を分けると思いますし、お互いに球際で勝ったチームが攻勢に出てシュートまで行く、逆に負けたチームはそこでどれだけ体を張れるかという試合になることは容易に想像されます」

(26-27シーズンの3分の1を終え、浦和レッズは7勝6敗の引き分けなしということで、順位もちょうど中間にいるが、上位4チームに敗戦、下位4チームに勝利となかなかない結果になっているが、3分の1を終えた総括はどうか?)
「どこと当たっても勝つ保証はない、逆にどことやっても絶対に負けるというのがないリーグだという前提の中で言うと、下位のチームに勝って、上位のチームに勝てなくてうんぬんという話は僕の中ではあまりはまらなくて、たださっき言ったようなチーム作りの過程の中での練度の違いはあると思いますので、そこを踏まえた上で、自分たちが一戦一戦その試合に向かってやっていったことは事実としてあります。

その手応えもある中で、当たり前ですが、まだ目標とする、あるいは自分がこうなってもらいたいというところにはまだまだ到達してないところがありますので、そこに対してもっともっとスピードを上げて取り組んでいかなければいけません。勝ち点に関しては、この前の柏戦で勝てれば上の景色を直接見られるような位置に行けたので残念だったと思いますが、まだ3分の1で十分上のチームに近づけるだけの時間と勝ち点差だと思っていますので、そういうことを踏まえながら目の前のことを疎かにしないでやってかなければいけないという印象です」

(攻撃ではFC東京や柏に完封されるなど、上位にいるチームに思うようにゴールを奪えていないことについてどう考えているか?)
「ゴールを取れていない理由が単純にペナルティーエリアの中でシュートを打てなかったのか、たとえば、そもそもペナルティーエリアの外から素晴らしいシュートが2点入ったとしてそれは、2回しかチャンスがなくて決まった2点なのか、ということも見ていく必要があります。結果だけを見ると、そこにいたるプロセスも全て良かったと思われがちですが、実際はそうではないことが多いです。

柏戦に関してもゴール期待値は浦和レッズの方が高かったですし、それだけのチャンスっていうのはもちろんあったと思いますが、枠内シュートの数が歴然としているというように個別のところで選手たちに伝えたり共有していったりしていかないと、もちろん点を取れているのには理由があると思いますが、全てを同じにはできません。現状として上位のチームに得点を取れなかったのは事実ですが、下位のチームに3点ずつ取れたかと言ったらそんなこともありません。上位のチームが下位と当たったときに必ず4点、5点と差を開けるかと言ったら、そういうリーグではないですよね。

だから、その試合において一番いい対策とコンディションの選手を使ってどうなのかということをいつも1試合1試合積み重ねるしかチームの検証はできないと思います。もちろん(FC)バルセロナやPSG(パリ・サン=ジェルマン)などのレベルまで行くと、どの試合でも同じような数字が出がちですが、今の浦和レッズはそこまでどの試合でも盤石に強さを発揮できる状態であるのかというと、まだまだ足りないところもあると思っています。プロセスの段階でやれることを全部やった上で、1試合1試合を次につなげていくという形でしかないと思っているというのが現状での僕の気持ちです」

(シーズンが始まったころと比べて、最近は選手たちから「曺さんのサッカー」という言葉がよく聞かれるようになった。その中で、監督の理想と現実があると思うが、そのギャップを埋めていくのは時間なのか?選手なのか?それとも違う何かが必要なのか?)
「難しい質問だなと思って聞いていました。選手から『曺さんのサッカー』と言われることをポジティブに捉えなければいけないのでしょうけど、僕がオリジナルでやっているわけでも何でもないと思っていて、今自分がやっている戦術的な狙いとか、例えばヨーロッパではそれ以上、もしくはそこにこだわっているチームがたくさんあると思っています。ただ、Jリーグの中では確かに自分が考えていることと似たようなチームが少ないという印象はあります。

それは揶揄なのか評価なのか印象なのか分からないですが、僕は今回、笹がU-21日本代表に選ばれたことを含めて、監督である限り、選手がそのようなところに近づくようなやり方をチームとしても目指すべきだと思っています。それは、たとえJFLだろうがJ3だろうが、自分の好きなサッカー、自分が好むサッカーをただピッチで選手にやらせているだけの目標設定では、偉そうな言い方で申し訳ないですが、Jリーグ自体のレベルは上がっていかないでしょうし、Jリーグ自体がそういったところに向かっていくことの責任が監督にもあると思っているので。だから、別に僕はオリジナルのサッカーをやって、曺さんのサッカーをやって、それが日本代表やヨーロッパに行く選手の進路を狭めているということであれば考えなければいけないですし。もちろん、いろいろな意味でマイナーチェンジはしていかなければいけないですが、そこに対してはそのように感じてやっているつもりです」

(広島戦後に「相手が自分たちの矢印を折るようなことをしてきた」と言ったのが印象的だった。神戸と広島は別チームですけれども、そういう戦いを仕向けられたときに気をつけるべきことはあるのか?逆に浦和レッズが神戸の矢印を折るのが必要になるのか?)
「各チーム、ボールを持ったときの攻撃のルート、もしくはボールを持たれたときのルートが誰か任せではないと思っていますし、神戸さんの特徴をよく知る中で、相手のウィークポイントを突いたり、相手のストロングポイントを封鎖したりしなければいけないですが、広島戦の矢印の折られ方というのは、僕らがやろうとすることに対する広島さんの対処策が、その前のチームに似ていたこともあって、やることがスムーズだったという印象があったので、それを『矢印を折られた』という表現にしました。

あの広島戦で自分たちが受けたものから自分たちが進歩したとも言えますし、あの試合以来ああいう現象になったことはほぼないと思っています。だから、また違ったところの課題や、違ったところの自分たちの特長が出て、今の成績なんだと感じています。ただ、これがあと2、3勝多かったとしても僕の印象は同じです。なので、2、3勝多くて、勝ち点が27、28あっても100点の出来とは言いませんし、プラス2、3勝あったときの勝ち点で印象が変わっていることはほぼないと思います。それぐらい、まだまだ練度が高まってないと自分では思っていますし、本当はそれではいけないのですが、現状の素直な気持ちを言うと、伸び代でもあるし、それが浦和レッズとして向き合わなければいけない課題だと僕は思っています。そこに関しては目を背けず、やり続けるしかないと思っています」

【浦和レッズオフィシャルメディア】

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