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PICK UP PLAYER|オナイウ阿道
オナイウ阿道はクールだ。ピッチ上ではゴールや勝利のあとは感情を爆発させるが、普段は淡々としている。
10月11日に行われたFC東京戦後も冷静だった。ただ、報道陣の質問に対していつも以上に丁寧に答える様子、その言葉の端々から、悔しさやそれを晴らそうとする熱意が感じられた。
FC東京戦の4日前、天皇杯3回戦のRB大宮アルディージャ戦で見せたゴールは鮮烈だった。公式戦で約9年ぶりとなったさいたまダービーに先発出場したオナイウは、前半から何度もチャンスを作り、2-1で迎えた79分にゴール。3-2での勝利に大きく貢献した。
「チャンスの数で言ったら、もしかしたら1人で3点、4点、5点と取れたのかもしれません」
得点が取れない時間が続いたが、まだチャンスはある。そう思えたのは、チームメートを信頼していたからに他ならない。
「ボールが来るだろうという自信もあったんです。みんながボールを運んでくれる。ここまでボールを出してくれる。だからまた来るだろう。そこで点が取れるだろう。そういう感覚がありました」
信じていたからこそ、相手GKが蹴った長いボールを見ながらゆったりとした動きから、渡邊凌磨がボールを止めた瞬間に急にターンして相手の背後に抜け出すことができた。あの瞬間的なスピードとアウトサイドのワンタッチでボールをゴールに流し込む技術は、オナイウの武器だ。
FC東京戦でも分かっていた。だが、思いどおりにはいかなかった。
「今回のような試合でも、例えプレーがうまくいっていなかったとしても、自分の目標やチームとしてやるべきことに対して、良いパワーと考えを持ってプレーできれば、一つのプレー、あるいは一瞬で変わることがサッカーにはたくさんあります」
それはトゥールーズFCやAJオセールといった海外での活躍といった輝かしい経験だけではなく、2017年に浦和レッズで活躍できなかったことやJ2での武者修行などを含めたキャリアで実感してきたことだ。
そして、その手応えも感じている。
「いまのサッカーで自分に足りなかったものや感覚について、新しく得られたものもあるので、それをピッチで表現できれば、チャンスやゴールを増やせるのではないかと思います。
FC東京戦でもボールを押し込めていた時間帯もあったと思うので、そういうときに点を取ること。それと、相手が思っているようなプレーをしてはいけないという感覚はありました。もちろん、僕も前線でターゲットになる選手として、そこで一人でどうにかボールを収められれば起点となり、そこから攻撃できると思います」
その責任を果たそうとする上で、チームメートにも要求する。
「ただ、一人にできることには限界はあります。チームとしても、攻撃が一辺倒になっていたら、守備の堅いチームにはうまく守られてしまうと思います。どうやって最後のファイナルサードまで持っていくか、そこまで持っていく形も、自分たちが試合をしながら感じなければいけないと思います。どれだけ勇気を持って、選手のタイプや意図を理解しながらボールを動かせるかも、大事なのではないかと思いました」
連戦の中で曺 貴裁監督が誰をどのように起用するかは分からない。オナイウ自身、カップ戦でスタメン、リーグで途中出場という流れが多かった中、さまざまな選手とプレーすることに期待感を抱いている。
「試合が多く、連戦になるので、いろいろな選手にチャンスが回ってくるかもしれません。トレーニングできる時間はなかなかないかもしれませんが、公式戦でいろんな選手とプレーできる回数は増えるかもしれません。今回の場面だったら、ここはこうできるよね、というところを次の試合でうまくやれるようにしたいです」
そして、オナイウが信じているのはチームメートだけではない。何より、自分を信じている。
「FC東京戦では力不足だと感じましたが、もっとできると思っています。100パーセントとの力を出せるように、できるだけチームの攻撃の基準になれるようにやっていきたいです」
まだまだ、もっともっと。浦和レッズのストライカーとして、オナイウはさらに上を目指しながら、次の試合のピッチへ向かう。
(取材・文/菊地正典)
































