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PICK UP PLAYER|笹 修大

ゴールが決まった直後も、勝利が決まった瞬間も、全身で喜びを表現した。

10月17日にアウェイで戦った明治安田J1第10節の水戸ホーリーホック戦。開始10分に1人退場して守備を固める相手に対して攻めあぐねる展開が続く中、チームとして26本目のシュートだった。

4分と提示されていた後半アディショナルタイムの90+4分、金子拓郎のクロスに合わせ、ヘディングシュートを叩き込んだのは、83分からピッチに入っていた笹 修大だった。

「『絶対に点を取ってやる』という気持ちで入りました」

強い気持ちを自身の記念すべきJ1リーグ初ゴールにつなげた。

あのヘディングシュートの際、ジャンプしながら体を捻り、力強くミートさせたその身体能力は、彼の真骨頂。

肩を上げているように見えるほど筋骨隆々とした体は、背後から見ればストロングスタイルのプロレスラーのようでもあり、正面から見ればマウスピースも相まってラガーマンのようにも見える。

体格は高卒からプロ2年目の20歳に見えないが、理路整然と話をする姿もまるで経験を重ねたベテラン選手のようだ。

母親や祖母から、生活面だけでなくサッカーに関しても厳しく指導された。北海道コンサドーレ札幌U-15のセレクションに落選するなど悔しい経験もした。その上で札幌大谷高校のキャプテンとして全国高校サッカー選手権に出場し、高校卒業とともに目標としていたプロサッカー選手になった笹は、20歳とは思えぬ人間力を身につけている。

「19歳に全く見えないですし、『若手を起用した』と言われると『そうなんだ』と改めて思ってしまいます」

そんな曺 貴裁監督の評価にうなずかされた。26/27シーズンのチーム始動直後、初めてインタビューした際に思わず「本当に19歳?」と聞いてしまったからだ。

曺監督はそれと同時に、開幕直前のJuiceスペシャルマッチ RB大宮アルディージャ戦から笹のスタメン起用を続けた理由をこう説明していた。

「年齢が若いから、可能性があるからという理由で使っているということは一切ありません。彼がトレーニングキャンプ、トレーニングから見せてきたもの、今年レッズとして自分たちが見せたいもの、プラスそれが勝つ確率を上げるものにフィットしたから先発で試合に出たという事実だけです」

それでもシーズンが進むにつれ、先発出場の機会よりも出場機会がない試合や途中出場のほうが多くなっていった。

当然、悔しかった。だが、メンタルの強さを長所の一つと自負する笹の気持ちは折れなかった。

「そこからいろいろな選手のプレーを見て、自分ならどうできるかというのを改善していきました」

その成果として、10月7日の天皇杯3回戦・RB大宮アルディージャ戦、ルヴァンカップ3回戦・横浜FC戦と2つのカップ戦で結果を出す。

RB大宮戦はチャンスを作りながらゴールを奪えない展開が続いた中、60分にCKからヘディングシュートを叩き込んだ。横浜FC戦ではこぼれ球に反応すると、まるでストライカーのような抑えの効いたシュートを決めてみせた。

そして、水戸戦での劇的な決勝ゴール――。自身が先発出場した3試合で続けて結果を残した要因は、日々の鍛錬と気持ちの強さに他ならないはずだが、『乗っている』とも『持っている』とも感じさせる。

10月第1週から続く8連戦は、まだ折り返したばかり。笹が結果を出していることは、連戦の残り4試合、さらに先を見据えても、チームにとって心強い。むしろ、さらなる活躍が期待される。

もちろん、笹自身も現状に満足はしない。

「J1リーグの舞台でまだまだやらなければいけないと思っています。天皇杯、ルヴァンカップと結果を残せている中で、リーグでもスタメンでもっと出場して活躍したいです。この連戦はチーム総力戦だと思っているので、次の試合に向けて、連勝できるようにやっていきたいと思います」

ファン・サポーターやチームメートと熱く喜びを共有したのち、報道陣の前に姿を見せた笹はもう冷静に、視線を先に向けていた。

(取材・文/菊地正典)

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