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ミシャ監督 FC東京戦試合後会見

明治安田生命J1リーグ 2ndステージ第15節 vsFC東京 試合後のコメント

「おそらく、みなさんには想像がつかないと思いますが、これだけストレスのあるゲームの後に、試合についてコメントするのは難しいものです。

1試合に7ゴールが入った、非常にスペクタクルな、いいゲームだったと思います。見に来られた方は、非常に満足できるゲームだったと思いますし、特に勝った方を応援していたサポーターは、満足度が負けたチームよりも少し多い試合だったと思います。トータルしてみても、両チームにとって素晴らしいゲームだったのは間違いありません。

私が見た限りでは、75分まで、我々のチームは非常に運動量多くプレーできていました。相手は途中で何度かシステムを変えていましたが、それに対してもしっかり対応しながら、素晴らしい攻撃をして、試合をコントロールできていたと思います。

2失点目をしてからは、選手たちが若干怖がったのか、ボールをつながなくなってしまいました。運動量が落ちたことが最初の理由に挙げられると思いますが、その中で2失点目をして、選手たちが怖がってしまい、つながずに長いボールを蹴るような戦い方になってしまいました。そういう展開になり、相手の得意とするところである、長いボールを蹴り、そこから我々が押し込まれるという状況が続いてしまいました。

日本では、4-1とリードする展開になると、選手たちがさらに攻撃に行き、点を奪いにいく姿勢が、緩まってしまいます。なぜそうなってしまうのか、そこのところを、私も非常に考えていますし、そこに対する取り組みをしています。ドイツ人は、そういう状況の中でも、5点目、6点目を狙う、取れるなら10点でも取る、それくらい相手をとことんまで打ち負かすメンタリティーを持っています。私は自分たちの選手にも、そうしたメンタルを持ってほしいと思っています。

ボクシングの戦いの中で、ある選手が相手を殴り、パンチが効いたような状態になったら、そのボクサーは間違いなく、追い打ちをかけて相手を倒しにいくでしょう。私は、サッカーも同じだと思っています。4-1の後、相手をとことんまで打ちのめしにいく姿勢が、必要だと思います。

今日対戦した相手は、非常に素晴らしく、強いチームであるFC東京です。その相手から3ポイントを取れたことに関しては、満足しなければいけないでしょう。ただ、このゲームを持って、次のゲームに向け、我々は反省していかなければいけないのも確かです。次に対戦するのは、Jリーグでも最も攻撃力のある川崎です。その川崎に対して、我々がどういう戦いをしていくのか、この試合を反省して、生かしていかなければいけません。
私からのお願いは、この後、『なぜレッズが3失点したのか、FC東京は4失点したのか』という質問をしないでほしいということです。7点も入るようなゲームは稀だと思います。

両チームが全力を尽くした、素晴らしいゲームでした。それを、見ている方々は単純に楽しんでいたと思います。私は昨日の会見でもコメントしましたが、我々は年間で最も多く勝ち点を取ったとしても、チャンピオンではありません。だからこそ、「必要以上に力み、プレッシャーを感じてプレーするのは止めよう」と、選手たちに伝えました。我々は、チャンピオンシップに出場することは決まっている。だからこそ、思い切って自分たちのサッカーをしよう、と。それができたのが、今日のゲームです」

【質疑応答】
(後半、相手の中島選手のプレーがレッズの守備に多くの問題をもたらしていたが、彼をどう止めようと考えていたか?)
「中島選手は、河野選手と似ているタイプの選手だと思っていました。我々が河野選手を消せたのは、そのときの我々が運動量を保ちながら、球際で勝っていたことです。

中島選手は非常にテクニックがあります。そういう選手がフレッシュな状態で途中から入ってきて、我々がそれまでのゲームの中で疲れているような状況で対応することになれば、決して簡単なことにはなりません」

(27分の関根選手のゴールのあたりで、守備の選手を何人か呼んで、大きなジェスチャーで指示を出していたようだが?)
「後半の残り15分でも、私は選手に同じようなジェスチャーをしていましたが、それは見られていなかったのだと思います。私は得点してリードしても、選手たちにはパスをつなぎ、出して動くということを繰り返してやりなさい、ということを伝えました。私の日本語はまだまだなので、ジェスチャーでの指示にはなりましたが。点差が開いても、ボールをつながないで蹴るだけになってはいけないと思います。その中で、しっかりサッカーをするように伝えました」

(あの場面では、守備の選手にも攻撃の指示を出したということか?)
「我々のチームのサッカーは、後ろの選手の、攻撃の組み立てが非常に大事です。彼らがしっかりとボールをつなぎ、質の高いボールを前につける。あるいは後ろから、効果的な数的優位の形を作ることが大事です。守備の選手だからと言って、攻撃をしなくていいということではありません。我々のチームは、特に後ろの選手の、攻撃の組み立てが非常に大事です。だからこその指示です。

後ろからの組み立てが良かった間は、FC東京の守備組織を、充分に崩せていたと思います」

(監督の言うとおり、日本では大きなリードを奪うと足を止めてしまうことについては?)
「我々の守備の基本は、前の3人の選手がファーストディフェンダーであるということです。ボールを失った瞬間、彼らがまず、相手に対してプレッシャーをかけていくのが基本です。それが機能している間は押し上げやすいですし、後ろの選手も中盤の選手も、コースが限定されている中でしっかりと守備ができます。ただ、そこが緩くなってきたとき、例えば柏木選手が相手選手と競り合っている場面で、その近くで興梠選手がそれを見ていたとき、『なぜ見ているんだ』ということをベンチから言いました。前の選手であっても、ボールが自分より後ろにあるような状況であれば、しっかり下がって、味方の選手をカバーしにいかなければいけません。そして、相手がボールを下げるのであれば、そこに出て行く、そういうことを最後までやりきらなければいけません。もしかしたら、それは育成年代の中で、攻撃的な選手はそこまで守備をしなくていい、ということがあるのかもしれません。ただ、ああいう場面では、特に前の選手の守備が非常に大事になってきます。それによって後ろの選手も押し上げやすくなりますし、単純に相手をゴールから遠ざけることにもなります。

もちろん、日本のサッカーがこれまでそうだったのであれば、そのことを変えるのはなかなか簡単ではないのはわかります。

例えば、ヨーロッパと日本の違いとして、毎回、激しくトレーニングをするのがヨーロッパです。その中でお互いに削り合えば、感情的になり、殴り合いになりそうな場面もたくさんあります。日本は比較的、トレーニングの中でそういう部分はないことが多いです。それは文化の違いと言えば、そうなのかもしれませんが。

後は、日本の選手は年上の選手に対するリスペクトが大きいと思います。例えば、ウチに三浦選手(横浜FC・三浦知良選手)や、最近現役に復帰した中山選手(アスルクラロ沼津・中山雅史選手)がトレーニングをしに来れば、ウチの選手は誰も削らないでしょう。また、山田選手(浦和レッズOB・山田暢久氏)がウチでまだトレーニングをしていれば、誰も削ることはないでしょう。ただ、ヨーロッパでは若い選手が、自分のポジションを勝ち取るために、年齢に関わらずしっかりと戦います。それがサッカーです。

ヨーロッパの若い選手は、生き残るために戦います。ただ、日本は良くも悪くも、生活が非常に豊かです。生きるか死ぬか、生き残れるかどうかという追い込まれ方が違うと感じています。もっとその辺の厳しさを持って、若い選手には戦ってほしいです」

【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

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