MENU

NEWS

vs名古屋グランパス「2012リーグ最終節、ホームで完勝、ACL出場を決める」

12月1日、リーグ最終節。レッズは埼玉スタジアムに名古屋グランパスを迎えた。選手入場前からサポーターの「ウォーリアー」が朗々と鳴り響き、スタジアムは一気に高テンションへ。そのボルテージが下がらぬまま、15時33分、怒濤の「We are REDS!」コールの中、レッズのキックオフで試合は始まった。
前半は序盤からスリリングな展開。レッズはサイドチェンジからスピードのあるクロスを入れ、名古屋はFW闘莉王がエリア内で高さを活かして味方に好機を作る。11分にはグランパス・玉田がエリア角からカットインして左足でシュート、13分には平川が同じ形からフィニッシュと両者譲らずに試合は進行した。
グランパスの攻撃は闘莉王の高さ、永井のスピード、玉田のテクニックと迫力があったものの、レッズ守備陣も高い集中力とハードマークで対応。ボールを奪ってからは、グランパスの攻から守への遅さをついてカウンター。特に啓太が効果的なボールを前線へと配給、チャンスを演出していた。
均衡が崩れるのは23分。相手CKからのヘディングシュートが枠を外れて得たゴールキックのリスタートから。ボールをもらいに最終ラインまで下がった阿部から、梅崎へと縦パス。センターサークルを越えた付近でターンした梅崎はすぐさま右サイドへと展開。平川があげたクロスに、この日ワントップに入ったマルシオが待ち構える。しかしシュートを放ったのは柏木。マルシオの前に飛び込んできた柏木に相手DFも対処できず、柏木がフリーでヘディングシュート。ゴール右下に飛んだボールがバウンドしたところを名手・楢崎が後逸し、レッズが先制する。
リードされた名古屋が攻勢に出たところを、レッズはカウンター。38分には柏木、40分には梅崎がそれぞれエリア内からシュートを放つ。しかし、楢崎に阻まれてネットを揺らすことはできない。好機に決めきれずにツキを失ったのか、44分には自陣エリア内で山田暢が足を伸ばしてカットしたボールが相手選手へ。加藤が飛び出し、パスでかわされてシュートを許す。ボールは枠内右下に向かったが、槙野が体を投げ出してブロック。胸に当てて同点弾を阻んだ。
1点リードのまま迎えた後半、開始から梅崎に代えて原口を投入。原口の1トップに柏木・マルシオの2シャドーという形を敷き、前半の終盤同様、カウンター主体でチャンスを作っていく。56分には右CK。マルシオが上げたボールを阿部がニアポストで飛んでコースを変え、ゴール前で原口が右太ももシュート。しかし、惜しくもGKの正面で阻止される。
追加点は59分。カウンターで原口がドリブルで運び、FKを獲得。中央よりもわずかに右、まだ距離のある位置にボールがセットされ、マルシオと柏木、槙野が立つ。マルシオ、柏木の順にボールにアプローチしてからスルーした後、槙野が渾身の力をこめた右足でミート。高速で飛翔したボールはゴール左のポスト内側を叩き、跳ね返って逆サイドのネットに突き刺さった。「スーパーゴール」と評して過言ではない一撃に、スタジアムは驚きと歓喜に沸いた。
その後、3点目を取るチャンスもありながら決めきれず。名古屋の高さを活かした攻撃に苦しんだものの、体を張った守備でゴールは割らせず。74分には柏木に代わって矢島、88分には啓太に代えて濱田がピッチへ。アディショナルタイム4分もしのぎきり、今シーズン最多の5万1,879人の観衆が見守る中、2-0で試合を締めくくった。
ホーム最終戦を勝利で終えたのは、ガンバ大阪を破ってリーグ優勝を決めた2006年以来。その勝利から数分後、他会場の結果が出そろい、レッズの3位が決定。来シーズンのACL出場権を獲得したことがアナウンスされると、スタジアムはさらに大きな歓喜に包まれた。
その後は、セレモニーへ。場内一周に際し、選手たちは『11』と『16』の背番号がプリントされた特注Tシャツを着用。今シーズン限りでの契約満了が発表されていた達也とポポへの親愛の情を示した。これに対し、ホーム側ゴール裏はコレオグラフィで惜別の念を示す。赤地に白で描き出されたのは、2003年ヤマザキナビスコカップ決勝での達也の雄姿。3-0とするゴールを決めた直後、歓喜の疾走から両膝を折ってコーナー付近へと滑りこんでいった瞬間の達也を切り取った画だった。その画を前に、ポポと達也はそれぞれが抱く万感の思いを自身の言葉で伝えた。
その後は選手・スタッフが全員ピッチ内で肩を組んで『We are Diamonds』を熱唱。横一列に並んだ彼らの前には、パイプ椅子に腰掛けたミシャ監督がご機嫌な笑顔を見せていた。
セレモニーの締めは胴上げ。センターサークル内でまずは達也が11回、続いてポポが16回、自分の背番号の分だけ宙を舞った。
明日2日(日)からチームは4日間のオフ。次のゲームは天皇杯4回戦。15日(土)に16時から熊谷スポーツ文化公園陸上競技場にて横浜F・マリノスと対戦する。

槙野智章
(ヒーローインタビューでは来季も浦和でプレーするという言葉があったが?)
「シーズンを通してプレーする中で、来季のことだとか、モヤモヤした気持ちでプレーすることは中途半端なプレーにつながると思いましたので、広島戦の前ぐらいからしっかりと決意を自分の中で抱いて試合に臨んでいました。
今日に関しては、来季をしっかり見据えてプレーしました」
(FKからの得点については?)
「大原に来てる方は分かると思いますが、ほぼ毎日のように居残ってシュート練習をした結果ですよね。あとは、マルシオと陽介が譲ってくれたこと。さらに、GKの集中を切らすかのようにコースに入っていくような動きをしてくれて、みんなが絡んだ中でのゴールでした。ヒーローインタビューでは、『世界のDFの中でも3本の指に入るぐらいシュート練習をしている』ということを言わせてもらいましたが、守るってことよりもゴールしたい気持ちは強いです。
現代のサッカーでは、守りだけじゃDFも評価されないですし、守備だけではなく攻撃でも存在感を出せればと思っています。そのためにも、この浦和というチームへドイツから帰ってくることを決めてから、ゴールが勝利につながったのが2試合目だったので、良かったです」
(守備面では闘莉王への対応がひとつのポイントだったのでは?)
「3バックとGK含めて、ロングボールに対して誰が行くのか、セカンドボールを誰が拾いにいくのかのコミュニケ―ションは常にできてましたし、あとは、闘莉王さんをイライラさせるという部分では僕が仕事できてましたので。ガチャガチャ行ってたので、前半2分からずっと文句言われてました(笑)。
でもそういう部分が、闘莉王さんの普段の力を抑えることにつながったかなと思います」
(前半終了間際、ゴールカバーで失点を防いだが?)
「自分たちのミスでもありましたし、でも、最後の最後で体を張ってみんなで守れたというのは、勝ちたいって気持ちが前面に出た場面だったと思います」
(当たった場所は?)
「腹筋の右の部分ですね。痛くはなかったです。ゴールもそうですが、ああいう守備のところで存在感を出せたのは良かったかなと思います。鳥栖戦でも前半終了間際でやられていましたから、あそこがゼロで抑えられたのは良かったです」
(前線のスタートメンバーが今日は違っていたが?)
「マルシオと陽介、梅ちゃんというのは流動的に動くことができますし、なおかつ前線からの守備、チェイシングが後ろのDFにとっても分かりやすい守備をしてくれます。
それと、一番良かったのはボールのないところでの動き出しが非常に多かったところです。パスの出しどころ、受け手の部分で相手を混乱させることができたと思いますし、2シャドーが前を向いてプレーすることが自分たちにとってはプラスかなと思ってます」
(3位という結果については?優勝できたのではという思いは?)
「たらればですが、自分たちが勝ち点を逃した試合が何試合もあったので、それは今年しっかり勉強代を払っての来季につなげる課題のひとつだと思います。
それと、夏以降、相手に研究されてからどう崩していくかというのも、今シーズン出た課題のひとつだと思うので、来シーズン改善していかないといけないところだと思います」
(開幕戦で広島に敗れたときには、3位という順位になるという未来は?)
「それは見えてなかったですね。試合を重ねる中で自分たちの良いところ・悪いところが見えていって、そういう試合の中でも勝ち点を積み重ねていったというのは、非常にチームとしてポジティブなことだったと思います。
中でも、シーズンを戦っていく中で長期離脱する選手があまり出なかったというのは、良かったと思います」
(今季、期限付き移籍をしてきて、意識してやってきたことは?)
「グラウンドだけがチームじゃない。浦和レッズファミリーとして選手、サポーター、フロントがひとつになることがテーマでもありましたので、例えば選手の誕生日会もそうですし、それ以外でもみんなで食事に行くとか、まずはチームがひとつになることが最初のテーマでした。携帯で流行ってる『LINE』サービスを使って選手全員をひとつのグループにして、プライベートもさらけだす、オープンにするというところもはじめました。
オフの日でも、離れたところでも、みんながひとつの意見に対して共有できるというのが、今季の浦和の団結の一例かなと思います。マルシオにもポポにもダウンロードさせましたし、スタッフにも。例えば負けたときに、誰かがひと言書けば、みんなが『頑張ろう』とか『これで終わりじゃないぞ』とか、勝ったときは『ナイス』とか、みんなでひとつの負け、ひとつの勝ちに対して言い合えるというのは、口ではなかなか言いづらくてもそういうメッセージを伝えることで改善できるところはあったと思います」
(そういうまとまりがあったことが、来季も浦和でという決断につながった?)
「まずは、今の自分にとって何が必要かをしっかり考えました。代表なのか、それとも自分のストロングポイント、武器がしっかり生かせる、そしてチームに必要とされる場所を選ぶのかってところを、いろいろ天秤にかけながら考えました」
(ザッケローニ監督の最近の選考を見ると、国内の選手では難しい部分もあるのでは?)
「そうですね。自分の目標である2014年のブラジルワールドカップは、今でも諦めてないですし、ひとつの目標でもあります。ただ、ひとりの選手として、代表だけがすべてじゃないと僕自身思ってますし、代表というものはクラブがあっての代表ですから、しっかりクラブで結果を残したい、クラブに必要とされる選手になりたいっていうのが今の思いです。
あとはやっぱり、長く一緒に仕事をしてきた監督の下で輝ければいいなと」
(完全移籍ということ?)
「え~、そこら辺は後日発表になりますので」
(得点後に見せたTシャツに書いてあった、Jリーグを盛り上げたいというのも理由のひとつ?)
「そうですね。海外組が注目されてる中で、若い選手がどんどん海外に行くことは僕自身も非常に良いことだと思いますが、やっぱりベースとなる部分はJリーグだと思いますし、まずはしっかりと日本サッカーを盛り上げる、そこから選手を育てるってのが、ひとつの思いではあります。
フットサルもなでしこも盛り上がっていますが、もう少し男子サッカーも見てもらいたいって思いはあります。今日5万人の方たちがスタジアムに来てくれましたが、ああいう雰囲気の中でやるのは、やっぱり選手にとっては嬉しいことです。レッズだけじゃなくて、いろいろなチームのスタジアムでこういうことが見られればというメッセージを込めました」
(ACL出場権獲得については?)
「一度広島時代に経験させてもらいましたが、アウェイの難しさ、レフェリーの難しさ、Jリーグと並行しながら戦うことの難しさ。肉体的にも精神的にも非常に難しいなかでやる大会だと思いますが、間違いなく今の浦和レッズというチームは、リーグもそうですしACLもタイトルを狙えるサッカーができると思いますし、選手層の厚さがあると思います。選手としてはやっぱり経験しておきたい大会です」
(他会場の途中経過などは把握していた?)
「ハーフタイムに僕は教えてもらって、後半が始まる直前の円陣の中で、僕から選手全員に、鳥栖とレイソルの途中経過を知ることが、自分たちにとって良いことなのか悪いことなのかを問いただしました。僕は自分が知りたいから聞いておきましたが、選手によってはそれを知ったことで逆に安心感を得てしまったりもするかもしれないので、だからみんなに『知りたいか』ということを聞きました。
その結果、全選手が聞きたいと言ったので、前半の結果を伝えました。みんな『やってやるぞ』という雰囲気でしたね。その時点ではうちの方が上でしたし、それを知ることでACLに行きたいとか勝ちたいとか、そういう気持ちがよりみんなに湧き上がって、そういうところが後半は見れたんじゃないかと思います。
しっかり追加点を得て、最後の最後まで無失点でできたのはよかったと思います。最終的には、試合が終わったときにベンチを見たら『○』のサインが出ていて、出場権を得たんだとそれで分かりました」

田中達也
「ACLの出場権を取れて、ここ最近ない最終戦勝利だったので、みんな喜んでいます。埼スタでの最後の試合だったので、チームメート、サポーターの皆さんに応援されて、声援ももらえたので、次のサッカー人生も頑張りたいです。
最後の挨拶は、思っていることを話しました。自分では何を言っているか分かりませんでしたし、何を言ったか覚えていないほどです。準備もしていなくて…。でも、ただ、ありがとうございますということだけは言いたかったので、みんなの愛情をもらえましたし、良かったです。
ビジュアルを見たときは、最初は気付かなかったのですが、他の選手から教えてもらいました。嬉しかったです。あのポーズは、(2003年ヤマザキナビスコカップ決勝鹿島アントラーズ戦でチーム3点目を決めたときのポーズ)夢中で出たものでした。
今後もプレーで見せていきたいという気持ちです。1月1日までやることが目標。まずは少し間が空くので、少し休んで、気持ちを切り替えて、また練習が始まったら、そこから天皇杯へ向けて頑張りたいです」
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

vs名古屋グランパス「2012リーグ最終節、ホームで完勝、ACL出場を決める」 vs名古屋グランパス「2012リーグ最終節、ホームで完勝、ACL出場を決める」

PARTNERパートナー

  • ポラスグループ
  • Nike
  • 三菱重工
  • 三菱自動車
  • エネクル
  • DHL
  • ミンカブ・ジ・インフォノイド
  • チケットぴあ