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vs神戸 フィンケ監督 試合後会見(質疑更新)

フォルカー・フィンケ監督 Jリーグ第34節 ヴィッセル神戸戦後のコメント

「今日、ピッチで起きてしまったことを私は本当に悔やんでいます。さまざまな要素も重なって、今日は本当の意味で特別な試合でした。そして今日、濱田水輝をセンターバックで使ったわけですが、今日はまったくゲームについていくことができませんでした。ただしこのことに関して、私は選手を批判するつもりはありません。私が決めたわけですから、私が1人の監督として、今日起きてしまったこと、そして彼があのような形でいくつかのミスに絡んでしまったことについて、すべて責任を負います。
しかし、今日の敗戦は、1人の選手だけによって生まれてしまったものではありません。それ以外にもいくつかの要素がありました。特に前半、私たちはたくさんの得点チャンスを作っていましたが、相手のペナルティーエリアの中で決めることができませんでした。実際にシュートに持ち込むことができた選手もいましたし、1人の選手ではなく、多くの選手たちが、結果を残せなかったことによって、最終的にこういう結果になってしまったのだと思います。
そして、これは1つ、サッカーでよく見られる現象なんですが、多くの選手たちが、とても優れたプレーを見せたい、とても大きな成功を得たい、そして自分たちのプレーによって、多くの皆さんに喜びを与えたい、と思い込んだとき、多くの選手たちが硬くなってしまって、または、1つの不安が生まれてしまって、本来ならば持っている能力を発揮できない、もしくは本来の実力をそこでチームのためのパフォーマンスとして見せることができないということが起きます。そういうことが今日、実際に起きてしまいました。
しかし、確かにこのような、本当に悔やまれることが最後のリーグの試合で起きてしまったわけですが、私たち全員が再び立ち上がらなくてはなりません。そして天皇杯に向けて準備をしなくてはいけないのです。まだまだ、アウェイの大阪の地でとても厳しい戦いが待っているのです。
今最も大切なのは、できる限り早く、今日の試合の前の2つの試合、アウェイでの川崎戦と横浜戦のパフォーマンスを再現することです。それが私たちがやらなくてはいけないことです。これから天皇杯の試合に向けて、少し時間がありますが、私たちはすべてのことを投資して、この前の2試合で見せることができた質の高いプレーをアウェイのガンバ大阪との試合で見せたいと思っています。
そして、次の天皇杯の試合では、監督がこのクラブを去ることになるとか、ロブソン・ポンテがクラブを去ることになる、そういうことは一切関係なく、試合だけに集中しなくてはなりません。こういう形で人がいなくなるということはサッカーの一部であるわけですし、とにかく、すべての選手たちが、素早く切り替えて、試合に向けて準備をしていく必要があります。今日の試合では、確かに多くの選手たちがロビーのためにプレーしたいと思っていました。そして、監督のためにプレーしたいと思っている選手たちもいました。ただし、こういう思いがとても強くなってしまうと、多くの選手たちが硬くなってしまい、自分の本当の能力を発揮できなくなってしまいます。そして今日は比較的早い時間帯で守備のところで1つの大きな不安が生まれてしまい、センターバックにいくつかのミスがあったということもあって、チーム全体として、見せてはいけないようなプレーを見せてしまったのです。ですので、このようなことを二度と繰り返さないためにも、私たちは次の試合に向けて集中しなくてはいけません。
今日、見せてしまったプレーというのは今シーズンで最悪のプレーでした。これは事実として認めなくてはなりません。だからこそ、すべての人間が切り替えて、天皇杯に向けて準備をしなくてはならないのです。今、私が言える最後のこと、それは、泣くのをやめよう、そして集中して厳しい練習をして、できる限りのことをして、次の試合に向けて準備をしていこう、それだけです」

【質疑応答】
(監督さんがいなくなるということが分かっているのにこれだけチームがまとまっている。ここまでまとまっているというのは何か、今のチームには共通の敵がいるんじゃないかっていう気がするんですけど、今の段階だったらレッズは最後の最後まで天皇杯いくという感じに確信が持てる感じになっていると思うんですけど、それについてはいかがでしょうか?)
「今日の試合に関していえば、とにかく今年で最もひどいプレーをお見せしてしまいました。さまざまな要素が絡まって、多くの選手たちの頭の中でいろいろなことが起きてしまい、それによって、試合に十分集中することができなかったのかもしれません。ただし、今ここでこの1年を総括するということになるなら、今日の試合だけを見て決めてはいけません。やはり1年のすべての試合を見なくてはいけません。そして、はっきりといえるのは、ほぼすべての試合で私たちがとてもたくさんの得点チャンスを作り出すことができていたということ、そして失点の数も昨年に比べて減ってきたということです。私たちは確かに多くの得点チャンスを決めることができなかった、さらにとても無駄な形でロスタイムに失点をしてしまったことによって、自ら、得ることができていたはずの勝ち点を放棄してしまったのも事実です。
ただし、選手たちのプレーを見ていてはっきりと見えてくるのは、すべての選手たちが、このプレースタイルで成功したいんだという強い意志を持っていること、そしてすべての選手たちがこのようなプレースタイルを実践することに大きな喜びを感じている、ということです。そして、一丸となって戦うことができています。選手たちが同じ方向を向いて、一つの信念と哲学を持ってこのプレースタイルを成熟させていくという考えを持てていたのです。これだけの強い意志はすべての試合で感じ取ることができたのではないでしょうか。
今、私たちが行なわなければいけないことは、選手たちの緊張をほぐすことです。今日の試合を見てもよく分かるように、多くの選手たちが、今日はとてもとても優れたプレーを見せなくてはいけない、何か素晴らしいことをやらなければいけない、と思っていました。しかし、それによって、余計な緊張感が生まれてしまって、本来の実力を発揮できなくなってしまいました。オーバーモチベーションといいますか、そういう状態が起きてしまったのです。このようなことを繰り返さないためにも、今、私たちがやらなければいけないことは、まず選手たちの緊張をほぐすことです。
次の天皇杯の試合では再び山田暢久を使うことができるようになるでしょうし、スピラノビッチもケガから戻ってきて、ベンチに入ることができるようになりました。そして彼を天皇杯の試合で使うことができるかもしれません。今日の時点では、メディカルスタッフから、15分から20分ならば、スピラノビッチを使うことができるかもしれないと言われていたのですが、もうその時間帯ではゲームの結果がほぼ決まっていましたので、そこでリスクを冒すのは回避しました」

(前半の内容は悪くなかったと思いますが、わずか1点のビハインドで後半を迎えて、そこでチームを変えることもできたんじゃないかと思います。具体的には濱田が自信を失っていたようだったので、そこを変えるという方法もあったかと思いますが、そうしなかったその理由を教えてください)
「今日の試合では、いくつかの要素がありました。もともと、私はロビーとあることについて話し合っていたのです。それは、彼を今日、約88分使って、彼をピッチから下ろして全員で拍手で迎えようということでした。しかし、予定外のことが起きてしまいました。それは、細貝が前半でイエローカードをもらってしまったことによって、ハーフタイムの時点で私たちが彼のことも考慮して、いつ、どの時点で交代のカードを切るのかということを判断しなくてはいけなくない状況になったということです。そして、私たちのプランとしては、後半が始まってから15分、20分経った時点で、2人の選手を代えようと思っていたのです。それが濱田水輝と細貝です。細貝も、今日はとてもいい形でゲームに入ったという状況ではありませんでしたし、実際に一度、警告をもらっているということもあって、15分、20分経った時点でこの2人をピッチから下ろそうと考えていました。
そして、3枚目の交代カードはロビーに対して花道を飾ってあげるために残しておこうとずっと考えていたのです。確かにあのPKのシーンでは、本当にファウルだったのかということを、私がここで判断することはできません。遠いところから見ていたわけですから。濱田水輝が本当に接触していたのか、ファウルをしていたのか、今はまだ分かりません。ただし、一つの現実としては、あのような形でPKが生まれてしまったことによって、濱田水輝の不安がとても大きくなってしまいました。ですので、あの時点で素早く1枚目の交代カードを切ったのです。ただし、濱田水輝に関していえば、私がすべての責任を持ちます。この選手を批判することはしませんし、選手が、使われたことに関して責任を持つ必要はありません。私が責任を持ちます。実は濱田水輝は、オーストリアのトレーニングキャンプでとても素晴らしいプレーを見せていたのです。私たちは彼を、合計3回、45分ずつセンターバックとしてキャンプ中に起用しました。そのときに彼がとても優れたプレーを見せて、オーストリアのキャンプ中に、彼がピッチに立っていた時間帯では私たちのチームが失点することが一度もなかったのです。私は彼を信頼して使ったわけですが、今日に関しては彼のパフォーマンスは足りませんでした。でもこのことに関しては、私が責任を持ちます」

(オーバーモチベーションで本当のパフォーマンスを発揮できなかったというお話がありました。そうならないように選手を事前にコントロールすることはできなかったのかと感じます。今のお話の中では、88分、ポンテを引っ込めて拍手で迎えよう、と、オーバーモチベーションになるように拍車をかけてしまうような演出がありませんでしたか?)
「まず、そのようなプランを私が持っていたということは、(ロビー以外の)選手は誰も知りませんでした。もう一度、繰り返しますが、選手たちはそのようなプランのこと、88分頃にロブソン・ポンテが花道を飾るためにピッチから下ろす、ということは一切知りませんでした。ただし、このプロのサッカー界の常識をよくご存じの方ならよく分かると思いますが、引退する選手、もしくはとても長い間優れたプレーを見せて、大きな成功を得た選手がクラブを去るときに、その選手に対しての1つの礼儀として、このような形で花道を飾るということはよくあります。そして今日、私はロビーに対してそのようなことをしてあげようと考えていたわけです。選手たちは一切、知りませんでした。私だけの考えでしたから。
そして先ほどもお話ししましたように、今日、私たちはセンターバックのポジションで緊急の事態を抱えていました。今までずっと試合に出ていた1人の選手が出場停止で出ることができない、そして、もう1人の選手がケガでまだフルに使うことができない状態でした。ですので、私たちはとても若い選手にこのポジションでプレーする機会を与えたのです。ただし、先ほどお話ししましたようにこのことに関しては、私が責任を持ちます。そして、私が今日のこのようなことについて責任を持つ以上、今できることはあまり多くありません。
そして皆さん、ぜひ悪意を持った形での報道はしないでください。もし私たちのチームの成長について語るならば、長期間にわたっての彼らのプレーを見なくてはなりません。例えば、ここ2週間の選手たちのプレーを思い出してください。そして、今日の試合とこれまでの試合での選手たちのパフォーマンスを比較してみてください。そうすれば今日の試合で、私たちの選手たちがまったく実力を発揮できなかった、そして先週まで見せることができていた優れたプレーを再現することができなかった、ということが見えてくるでしょう。だからといって、彼らに能力がないとか実力がないわけでは一切、ありません。確かに今週は、普通の週ではありませんでした。いろいろなことが報道されていましたし、いろいろなテーマについて多くのことが語られていました。もちろん、選手たちもそのようなことを耳にします。そして、そのようなことについて考えたり悩んだりします。確かに今日の試合に関していえば、すべての選手たちが通常通りの100パーセントの集中力をもって試合に臨むことができるような状態ではなかったかもしれません。そのことに関しては、私が責任を負います。ただし責任を持つ以上に、今、何ができるのでしょうか。大切なのはこの教訓から学んで、次の試合に向けて最適な準備をしていくことです」

(事情はよく分かったんですけど、1つは、厳しい状況にあったのは浦和以上にヴィッセルの方が厳しかったんじゃないかと。プレッシャーとかそういうのはそれぞれのチームにあったと思います。もう1つは、守備よりも、攻撃も結構今日は問題だったように思うんですが、結局前半のいいリズムというのが途切れてその後戻らなくて、コレクティブなプレーができなかった。いろんなプレッシャーがあったのは分かるんですが、それはレッズというビッグクラブが持つプレッシャーがあるからなのか、あるいは選手のコレクティブな意識というのがまだかけているのか。その点については、今、ほかの言い方では説明がありましたが、いかがでしょうか?)
「おっしゃる通りです。ただし選手に対しての評価をするときには、たった一つの試合だけではなくて、その1つ前の試合、2つ前の試合のことも常に考えて評価をしなくてはなりません。なぜならば、その1つ前、2つ前の試合のプレー内容が影響して、私たちは、今日のような選択をしたのです。確かに、今日の試合はとても特別な状況で行なわれたものでした。なぜならば今日の試合は、『ラストゲーム』だったからです。とても人気のある選手の最後のゲームでもありましたし、監督にとってもこのホームでの最後の試合でした。そして、このような特別の状況の中で、私たちの台所事情がとてもいい状況とは言えないものでした。確かに私たちは後半に入ってすぐ、自分たちのプレーリズムを取り戻そうとしていました。自分たちの質の高いプレーを見せようと考えていたのです。ところがあの比較的早い時間帯でのPKによって、選手たちの不安が大きくなってしまいました。おっしゃる通りです。プレッシャーの中で、優れたプレーを見せることを学ばなくてはなりません。
ただし、神戸の状況に関して、私は違う意見を持っています。神戸に対してのプレッシャーは、そんなに大きなものではありませんでした。彼らには、失うものが何もなかったわけですから。彼らは、優れた結果を残したとしても、自ら残留を決定付けることは、今日の状況ではできませんでした。ということは、彼らが今日できたことは、とにかく勝利を収めるためにすべてのことを尽くすこと、そして同時にほかの試合会場で、自分たちにとって都合のいい結果が生まれることを願うことでした。プロのスポーツの世界でよくあることですが、失うものがなくなった時点で、気分がとても解放され、自分が持っていた真の実力を発揮することができるようになる。すべて自分で決定づけることができるという状況より、もう何も失うものはないという状況の方が優れたプレーを発揮しやすいときもあります」

(プレッシャーの中で優れたプレーをすることを学ばなければいけないとおっしゃいましたが、それはやはり選手の経験がまだ浅いからですか?)
「さまざまな要素が絡んでいて、これだけだと言うことはできません。今日のような状況ならば、1人の監督は試合前にこう考えます。第一に、どれくらい年上の選手がいるのか。そして、どれくらい年下の選手がいるのか。年齢的なバランスは正しいものなのか。今日の試合に関していえば、1人、経験の少ない選手がいた、ということがいえます。ただし、私は今ここで、その選手だけを批判しているのでは一切ありません。私が言いたいのは、この経験豊富な年上の選手と、経験がとても少なくてこれから成長していく年下の選手のバランスが今日の試合では正しくなかったということです」

(プロスポーツが結果で判断される部分は仕方ないのですが、結果的に10位という順位で、1シーズン制になってからはレッズでは最低のものでした。そのことについてはどうでしょうか?)
「あなたと同じように、私もものすごくがっかりしています」

【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

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