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ミシャ監督 サガン鳥栖戦試合後会見

明治安田生命J1リーグ 2ndステージ第13節 vsサガン鳥栖 試合後のコメント

「鳥栖が今日のように、11人が自陣に引いて守りを固め、カウンターを狙うという戦い方をしてくることは、予想通りでした。これまでも、鳥栖とはそういう試合が多くありました。相手が割り切って守備を固めてくると、簡単には崩れないということは、よく分かっています。

今日、絶対に勝利するという強い気持ちを持って最後まで戦った選手たちを、批判することはできません。今日はラストパスやシュートの精度が足りませんでした。もう1つ、相手が守りを固めてくる中で、ドリブルで相手の守備を抜き去れば、ほころびができ、味方がフリーになれますが、そうした点も足りませんでした。

また、攻撃の組み立てで、後ろからドリブルで前に運び、相手を少し食いつかせてから展開していくプレーも足りなかったと感じています。止まったような状況で、後ろからパスを入れるだけでは、相手の守備は崩せません。ボールを後ろから運んで、局面で数的優位を作ることで、相手の守備のほころびを生み出していかなければいけません。

後半、相手に決定的なシーンがあったと思いますが、幸運なことに、1対1を西川周作が止めてくれました。あれを決められていれば、おそらく1-2で負けていたと考えられます。また、試合終了間際に我々のシュートがバーを叩いたシーンもありました。あれが決まっていれば、我々が勝利していたでしょう。

試合をトータルで考えれば、引き分けという結果は妥当だと感じています。サッカーは、思った通りにはいかないものです。引き分けという結果は非常に残念ですが、すべてのゲームで勝てるわけではありません。こういう試合があるのもサッカーです」

【質疑応答】
(試合中に宇賀神選手と接触したが、大丈夫か?)
「今のところは大丈夫です。明日の朝に起きたときにどうなのかは分かりませんが」

(前半と後半で、展開が変わってしまった理由は?)
「1-1に追いつかれてハーフタイムを迎え、後半に入って、少し攻め急いでしまったと感じています。もう少し、ボールを動かす中で仕掛けていけば、というシーンがあったと思います。攻め急ぐ中で少し精度を欠き、体力的にも徐々に落ちていった中で、ああいう展開になってしまいました」

(前半にできていた縦への揺さぶりが、後半はできていなかったように見えたが?)
「ウチのシャドーの選手と、ワイドの選手の関係の中で、相手の選手の守備の対応をしながらスペースを作り、攻撃を仕掛けていくことは、前半も後半もトライしていました。後半はもう少し、後ろからボールを運んでいく状況を作らないと、相手も出てきません。相手との距離が10m、20m空いていても、そこからパスを出すような展開では、相手はあまり動かなくても、パスに対してずれていって対応できます。

相手の守備者に対してボールを運ぶと、相手は守備にこなければいけません。それによって、我々の選手がオフの動きで作ったスペースが生まれます。そこを突いていければよいのですが、後ろからパスを出しただけでは、相手の守備組織はなかなか崩れません。そこが今日は足りませんでした。

そういったオフの連動性をもった動きで作ったスペースを突いていくためには、ボールを動かしていく中で前に運び、そこから展開していなければいけません。相手が11人で引いて、5-4-1のブロックを作って守る中では、それぞれの選手がいいポジションを取り、そこからボールを運んで数的優位を作っていかなければ、相手の守備ブロックは崩せません。今日の状況では、チャンスまでは行きますが、得点には結びつきませんでした」

(選手がそうしたプレーをできなかったのは、フィットネスが落ちているのが要因か?)
「私は、公式会見の場ではなるべく選手を褒めたいタイプの監督ですが、今日の試合では正直、4~5人くらい、ギアを上げられない選手がいました。ギアで言えば、2速くらいで走っている選手が多かったと感じています。

オンでもオフでも、瞬間的にスピードを上げる動きがなければ、相手を剥がしていけません。今日に関しては、何人かの選手が、動きのキレやテンポを変える部分で足りませんでした。長いシーズンでの疲れ、また今日は比較的気温が高い中でのゲームでしたが、そうした部分で、本来の体のキレがなかったかもしれません。いろんな要素がある中で、今日のようなゲームになりました。

今日の問題は、相手の守備ブロックをはがすための後ろからの運びにあったと思います。相手を剥がすためには、テンポを変えることが必要でした。相手がブロックを作って守る中で、相手を置いていくようなテンポを変える運びや動きが必要です。我々が常に、相手のブロックの前でボールを動かしていても、相手の組織は崩れません。テンポを変え、ゆっくりしたところから入っていくようなプレーがなかったのが、相手の守備を崩しきれなかった要因だと思います。相手が守備的に戦う中、勇気を持ち、チャレンジして崩していくのは簡単ではありません。今日に関しては、そうした部分が少なかったです」

(ロングボールをワンタッチで折り返したところから何回かチャンスを作っていたが、そこは狙いだったか?)
「我々はそういうプレーを狙いとしています。それは今日に始まったことではありません。昨シーズンの新潟とのアウェイゲームで(興梠)慎三が決めたゴールや、最近では清水戦で裏に出たボールを関根が折り返し、慎三が決めたシーンもあります。今日は長いボールが何回か宇賀神に通って、その折り返しからきわどいシーンを作れていました。

スペインではそういう形がよく見られますし、グアルディオラが率いるバイエルン・ミュンヘンや、最近ではボルシア・ドルトムントもそういう形を狙っていると思います。

我々が、相手の裏側にボールを出していくというのは、長くやってきています。もちろん、我々はバイエルン・ミュンヘンでもFCバルセロナでもないので、そういう風に思われることは少ないかもしれませんが、昨シーズンのはじめくらいから、そうした相手の裏をとっていく、相手の裏に長いボールを入れていくような攻撃は、狙いを持って長くやっています。

狙い通りにいく場面とそうでない場面があり、精度の部分はヨーロッパのトップチームと違いますが、我々が狙いを持ってやっているのは確かです。今週のトレーニングを通して、動きの狙いの部分は繰り返しやっていました。もしかしたら、少し選手に意識させすぎてしまったかもしれません。3、4人の選手が同時に動いてスペースを突く、あるいはその裏側を狙っていくのは、トレーニングでやってきたことであり、狙いを出せていた部分もあったと思います。

一昨シーズンの広島は63ポイントで、昨シーズンのガンバも63ポイントで優勝したと記憶しています。我々は今シーズン、既に65ポイントを取っていますが、優勝するためには、まだ先は長いです。私自身、なかなか優勝させてもらえないのは、私の監督としての宿命なのかと感じています。

おそらく10年以上前、ボルシア・ドルトムントをマティアス・ザマーが率いたときの話です。テレビのインタビューで、彼が現役時代にプレーしていたときの監督であるジョバンニ・トラパットーニに、『監督としてのザマーに期待することは何か』という質問がされました。トラパットーニは『ザマーは偉大な選手であり、監督としても間違いなく成功し、良いキャリアを積むだろう』とコメントしていました。そして最後に、『ザマーが監督として成功するためには、運も必要だ』と言っていました。

その話が、この3~4年くらいで、頭に響いてきます。2012年、札幌に1-2で敗れた試合を勝利していれば、優勝の可能性を残せていたかもしれません。昨シーズンは、アウェイの鳥栖戦で最後に追いつかれましたが、勝てていれば、我々は優勝できていたかもしれません。今日の93分、武藤の放ったシュートは、なぜバーに当たり、ゴールに入らなかったのでしょうか。

監督の中には、簡単にタイトルを手にできる方もいます。私のように、非常に厳しい茨の道を進みながら、それを手にする人もいるでしょう。我々のチームは素晴らしいチームですし、選手たちは今シーズン、私と共にタイトルを掴む日が来ると、私は思っています」

【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

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