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「良かったところは継続していく」ミシャ監督

ヤマザキナビスコカップ 予選リーグ 第4節 vs川崎フロンターレ後のコメント

「3-0で勝利した試合の後というのは話がしやすいですね。今日、我々は勝利に価するプレーができた、そういったゲームだったと思います。非常に危険な攻撃が随所に出せたゲームでした。今日のゲームは選手のポジショニングが非常にピッチの上でバランス良く取れていたと思いますし、後ろから攻撃を組み立てるに当たって、1トップ2シャドーのところ、あるいはサイドの選手に良いボールが供給できたと思います。過去の影響からなのか、まだ1点を取ってからのゲームの進め方というのがよくない、今日のゲームも1点をとってから何か恐れる気持ちがあったのか、ゲームをどう進めていくのか迷ったのか、分かりませんが、前半残りの10分くらいはあまり思ったようなプレーができていませんでした。
後半は、川崎の方が中村選手、矢島選手と危険な選手を入れてきました。相手はより、前に前にとプレッシャーをかけてきましたが、比較的、相手の攻撃というのを、ニュートラルにできたのではないかと思います。そういった中から前半と同じように、引き続き、危険な攻撃を仕掛けられたと思います。今日は非常に質の高い走りができたゲームだったと思います。しかしながら、うちの何人かの選手はもっと視野を広げなければいけないと思います。3人くらいの選手がフリーで走っているにもかかわらず、相手の選手がケアしている、一人の選手のところにパスを出して取られてしまうシーンがありました。そういったところは、もっと視野を広げるような、良い選択をするというところはもう少し改善しなければいけません。
今日、良かったところというのは、良いものとして継続するとともに、悪かった点は反省して次につなげなければいけません。まだまだ、やることはあります。中2日で土曜日の清水戦が待っています。こういったゲームの後というのは非常に危険です。選手たちは、我々はなんでもできると思いがちになりますけど、監督としてはしっかりと、選手に地に足をつけさせて、今日のようなゲームができるようにうながさなければいけないと思いますし、その中で、清水戦で今日のようなゲームができるかどうかは、土曜日、試合の後に分かると思います。
我々としてはこの中2日の中でいい準備をしていかなければいけないと思っています。今日のゲームは真ん中、あるいは外からと、バリエーションの多い攻撃が出せたと思います。しかし、我々のチームにはまだ足りない部分があります。それはゲームの中で、ときどき落ち着かなくなってしまうことです。もっとゲームというものを落ち着いて進めていかなければいけないし、まだばたばたしている時間というのが時折、見られます。そういった意味で、今日、あった良い部分というのをこれから継続して、ばたばたしていくようなところは、もっと落ち着いてゲームを進めていくように、改善していくことが、今後、さらに良いゲームができることにつながっていくと思います。ここまで約5ヵ月間くらいでしょうか、一緒にやってきた中で、今、こういう状態であるというのは、決して悪くないと思います。
ただ、私自身が目指すところ、私がイメージするところのチーム、ゲームというのはもっともっと良いものを目指していますし、そこに向かって、引き続き、努力していかなければいけません。非常にポジティブにとらえることができるのは、リーグ戦であれ、ナビスコカップであれ、チームがしっかりとまとまって勝利したいという気持ちを強く持って毎試合、毎試合、戦っているということです。そういった気持ちを常に持って、今後も戦っていきたいですし、ハードワークをしていきたいです。また今日も長く話してしまいました、すみません(笑)」

【質疑応答】
(1点を取った後、悪くなるというのが続いていて、これは心理的なものだと思いますが、今日の試合で、解決できるめどというのは立ったのでしょうか?)
「今日は1点を取った後も比較的、いつもよりは長く良いものが出た試合でしたが、前半の最後の方、7分、8分くらいでしょうか、そのくらいの時間帯でうまくいかなくなってしまいました。
そういったものは、過去の影響がまだあるのかなと思わなくはないです。1点を取ったらそれを守って、という心理が働いてしまうのかもしれません。そういった部分で、今後、改善していくためには、ゲームをコントロールできる選手、ゲームを作れる選手というのが責任を持ってそういった部分を改善していけるように、ピッチの中でプレーすることが一つの解決策になると私は思っています。
客観的に見ていると面白い現象だと思いますが、1点をとった後、特にゲームを作っていく選手がボールを受けたがらなかったり、横や後ろといった、非常に積極的でないパスの選択肢をとったりというのが顕著に見受けられます。そういったことは練習の中でも選手に働きかけていますし、ミーティングの中でも話していますが、まだ改善できていません。1点取った後、どういうふうにゲームを進めるのか、おそらく心理的な要素が大きいのだと思いますが、そういった部分は改善していくべきところがあると思います。
ピッチに立っている選手がボールをもらうのを怖がるようなことは決してあってはならない。全員がどの場面でもボールを受けられる準備をしていなければいけないし、ボールを受ける意志を示さなければいけません。
今日、非常にハッピーだったのは元気のプレーです。彼はボールを受けて、ドリブルだけではなくて、ディフェンスのところでも貢献していましたし、オフザボールの動きでも非常に良い動き出しができていたと思います。まだまだ、私が思うところの彼のプレーはもっとうえにあると思いますが、彼は今日のゲームの中で、一歩前進してくれたものを見せてくれた、そのことは非常にうれしく思います。
元気に関しては、非常にタレントのあるポテンシャルの高い選手だと私は評価しています。ただ、一流のサッカー選手というところまでは来ていないと思っています。プロのサッカーの世界で、彼が生き残っていくためには、もっともっとやらなければいけないこと、学ばなければいけないことはあります。
ただ、私自身、うれしいと今日思ったのは、彼がその方向性に向けて一歩前進してくれたことです。それを見れたゲームだったことはうれしく思います。また長くなってしまいました。サッカーの話だったら、私は永遠に続けられます(笑)」
(今まで勝てていなかった川崎フロンターレに勝ったことについては?それと風間監督になって、川崎に違いを感じたりということはありましたか?)
「おっしゃったとおり、私は長く、川崎に勝てていなかったですが、今日の勝利はうれしいことには変わりませんし、その気持ちはほかのゲームに勝ったときと同じだととらえています。
前監督の相馬さんはS級ライセンスの研修で広島のキャンプに来られてお会いしたということがありました。また新しく風間さんが川崎に来られて、2人とも私は素晴らしい指導者だと思っています。彼がどうチームを変えていっているのか、あるいはどうチームが変わっているのか、ということについては、違うチームの監督である私がコメントする立場にはありません。
私が話せるのは自分のチームのことだけです。就任してまだ日が浅いですし、2週間で何か大きく物事を変えることはサッカーの世界では難しいと思います。サッカーの指導者は決して魔法使いではありません。短期間で何かを変えるということは難しいことだと思います。メディアの方は1試合1試合で評価をされると思います。その1試合で書かなければいけない、それがジャーナリストの方の仕事だとも思います。ただ、監督という仕事は、ある程度、長期的なスパンで物事を考えて仕事をしています。
例えば、初戦の広島戦で大敗すれば、そう書かれるでしょうし、その後2勝すれば、監督は素晴らしい、と。その後で負けたら、どうしたんだと言われる。監督というのは例えば5試合負けたとしてもその後に何か良いものがくる、ということを考えながらチームを作っていくものです。指導者というのは3ヵ月、6ヵ月、1年、2年と長いスパンで物事を考えながらチームを作っていくものです。1人の指導者を評価するには、ある程度、長いスパンで見なければいけない。3年、4年といった期間をその国のトップリーグで率いた上で、その指導者がどうなのかということを評価するべきだと思います。それは私の意見ですが。短期間でどうだということを評価するべきではないと思います。
もちろん、皆さんは日々、何かを書かなければいけないと思いますから。明日、読者の方が読むものをほしがりますから、その場面で、評価をしなければいけないとは思いますが。1人の指導者が何を目指しているのか、どういうことをやろうとしているのか、そういうものをある程度、長い期間で評価できるようになれば、メディアの方々に私は称賛の言葉を述べたいと思います。5連敗してもこのチームは必ず良くなる、そういう見方ができる方がいたら、うれしく思います。5連敗目のときに、このチームは次の15試合必ず勝つ、それくらいの見方ができる方がいたら素晴らしいと私は思います。
それは我々指導者も同じです。3連敗をしたからといって、自分たちのやり方を曲げてしまってはいけません。ただ、私がそう思うだけで、それが正しいかどうか、というのはまた別の話です」
(最後の時間に脚がつっている選手が何人かいましたが、それはコンディションの問題なのか、ゲームの進め方なのか、あるいはよく走ったからと考えるべきなのか?)
「よく観察されていたと思います。ただ、私はそれほど走っていないと思います。我々の選手はこういったテンポの試合になれていないだけだと思います。以前は前の選手は前の選手、後ろの選手は後ろの選手、後ろから数的優位を作るために前に攻撃を仕掛けるようなことというのは、していなかったと思います。
今のサッカーというのは以前より走ることが求められる中で、私は慣れてないのだと思います。その辺がまだ我々の選手の問題点であると思います。高いテンポでのサッカーになれていない。今はどこのチームも1人、あるいは1人半くらいは、ディフェンスのところで、さぼっていていい、残りの選手はしっかりディフェンスをする、奪ったら攻撃に出ていかなければいけない、そして攻撃、守備、攻撃、守備と何回も往復しなければいけない。
そうしてより、多く走れたチームが優位に進められますし、それができる選手が生き残り、できない選手は試合に出ることができません。コンスタントに自分たちのゲームができないというのはそこも一つの理由に挙げられるでしょう。
そして中2日で迎える土曜日のゲームも今日のようなテンポの高いゲームができるかどうかは分かりません。今日出たメンバーの中にも土曜日に出る選手がいるでしょう。
峻希も非常に良いものを持っている選手ですが、良いチャンスに顔を出しながら、最後のクロスの精度が悪かったり、ゴールラインを割ってしまったりというシーンがありました。そういった部分というのは、走れる体力的な部分でもっと余裕があれば良い仕事というのができると思うのですが、体力的にきついところが、ああいった部分の精度を欠くところにつながってしまう。
宇賀神は、3点目のシュート、キーパーを非常に良く見て打ったと思います(笑)。ラッキーでしたね。それもサッカーに含まれるものです。もしかしたら、宇賀神はインタビューで、自分はしっかりキーパーを見て打った、というかもしれませんが(笑)。私は偶然と見ていますが、ああいうゴールがあるというのもサッカーですから。また今日も長く話してしまってすみません(笑)。ただ、この間の新潟戦のときも長く話しましたし、今日、長くなったのは決して、勝ったから、ではありませんよ。サッカーというのは人生そのもの、ですね」
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

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