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「チャンスに対するゴールの割合が足りない」ミシャ監督

Jリーグ第12節 vs清水エスパルス後のコメント

「非常に厳しいゲームでした。このところ、ホームゲームはF・マリノス戦に敗戦し、新潟戦では引き分けと、2試合、リーグ戦では勝てていない中でのゲームでした。選手たちはどうしてもサポーターの方々の前で勝利したいという気持ちで臨んでくれました。
清水は最近、非常に調子が良く、順位も2位と我々よりも上にいるチームで、非常に難しいゲームでした。我々は前半から、相手の攻撃をうまく抑えていたと思います。清水のストロングポイントは、両サイドからのサイド攻撃です。マークの受け渡しをしながら、相手の強さをうまく抑えることができました。相手のこれまでの得点パターンは、多くが外を崩してクロスを上げてからの得点、というのが多くのパターンでした。サイドをうまく消すことによって、良い形のクロスというのを上げさせなかった、そのことが相手に得点機会を与えなかったことにつながりました。
非常によくオーガナイズされたディフェンスからボールを奪って、危険なカウンター攻撃ができていたと思います。奪ってから切り替えが早く、危険なスペースへ走り出せたと思いますし、そういう中でチャンスがいくつも作れていたと思います。前半のうちに2点目、3点目を取れていなければいけなかったのではないかと思っています。
後半も引き続き、良い守備ができていたと思いますし、相手にほとんどチャンスを与えなかったと思います。ただ、相手が1人少なくなってからは少し、落ち着いてボールを動かしながら、攻撃が仕掛けられればと思っていましたが、奪ってからばたばたして、少し攻め急ぐような場面があったのではないかと思います。
もう少し、それぞれの選手がしっかりとポジションを取る中で、ボールを動かしながら相手陣内で攻撃を進められればと思っていましたが、そういったところでもう少し落ち着きは必要だったと思います。
ただ、チャンスは作っていたと思います。今日はチャンスに対するゴールの割合が足りなかったと思っています。相手が1人少なくなってからは、少し個人で何とかしようとする選手が多くなってしまいました。ボールを持って、出して、動く、スペースに飛び出していく、そういったものを我々は常にやらなければいけません。今、取り組んでいることを90分の中でしっかりとやることが大事です。出して、動いて、出して、動いて。それを全体で連動してやっていく。過去、やっていた、1人で何とかするというサッカーは、今、やっているサッカーではありません。そういったものはなくして、自分たちが今、やっていることを常にできるようにしていかなくれはいけません。
そして、今日も私は素晴らしいサポーターの皆さんに感謝したいと思います。毎回、ホームゲームではいつも選手たちを後押ししてくれて、最後の最後まで応援してくれる。本当に素晴らしい雰囲気をスタジアムで作り上げてくれているサポーターの方々に今日も感謝したいです。もっと良いサッカーをして、もっと良い結果を残していくのが、我々の義務です。もっとサポーターの皆さんに良いサッカーを見せて、さらに喜んでもらえるようなものをもっと見せなくてはいけません。日々、ハードに練習に取り組んでいますので、今後、そういったものがもっと出していけるのではないかと思っています。選手、チームとして、3万5千人の前でプレーできる、これほど素晴らしいことはないですし、これほど恵まれていることもないでしょう。だからこそ、この環境に甘んじるのではなく、もっと努力して、もっともっと良いものを見せていかなくてはいけないと思っています」

【質疑応答】
(相手が10人になってからもっと落ち着いてパスを回して、ということをおっしゃっていましたが、原口の投入によって、彼を生かそうという意識が芽生えて、チャンスもできたと思いますが、かえって雑になったところもあったと思います。その点については?)
「それだけではないと思います。一人一人の選手が、ボールを持ってから考えて出すまでの選択が長かった、もっとはやくそれぞれの選手がボールを持ってから動かす、出して動くということを早くスムーズにやっていかなければいけません。
後半のシチュエーションで、陽介から元気に出した瞬間がありました。元気がスペースに走り出さなかったので、通らなかったというシーンです。皆さん、思い出されるかどうか分かりませんが、ああいうシーンなどは、ボールがないところでいかに動くか、ということが大事になります。
サッカーは、ボールを出して走る、もらったらまだ出して走る、それがサッカーです。出して止まって、またボールを受けて出して止まって、というプレーだったら私でもできます。大切なことは出して動く、それをいかに繰り返してチーム全体として、連動してできるか、です。我々のチームがまだ抱えている問題の一つが、ボールポゼッションにあります。後ろから組み立てるときに、時間帯によってはすごくうまくボールを動かせているシーンもありますが、それができない時間もあります。
我々としては試合をとおして、しっかりと後ろからボールをつないで攻撃を組み立てなければいけません。質の高いボールが後ろから入ることは非常に大切なことです。ボールを受けたくない、ということを見て取れるシーンがあります。サッカーを長くやっているので、それは良く分かるのですが、ボールポゼッションがうまくいっていない時間に何人かの選手がボールを受けたがらないから、動かない、そういったものが見受けられるシーンがあります。そういったところは今後、トレーニングの中で改善していかなければいけません」
(相手の右サイドの攻撃について、前半30分過ぎくらいからボランチがカバーしたり、槙野、梅崎がうまく抑えていたと思いますが、それは選手の中での工夫なのか、それとも監督の指示なのか?)
「試合前に、こうなるからこうしようという話はしていました。サイドを変えられたときなどは、間に合わないシーンが出てくるので、そういうときはボランチの選手が出ていく、あるいは槙野が早く戻らないといけないという話をしていました。最初はそれがしっくりいっていなかったのかもしれませんが、試合の流れの中で、選手がうまく対応できるように工夫してくれました。
3バックで、相手の1トップに対して3対1というのは余りすぎています。特にボールサイドに出たときには早くスライドして、ストッパーの選手はサイドにずれていく。真ん中は永田と坪井、逆サイドは永田と槙野で見る。そういったことは約束事として試合前にある程度、話はしています。3バックももっとつなげたり、もっと前に運べるようであれば、攻撃の組み立てはもっと楽になると思います。まだまだそういったところは改善の余地があります」
(清水エスパルスの監督のコメントの中に、浦和は11人で守った、あれはフットボールではない、我々は攻めるサッカーをした、11人で守るサッカーをするのであれば、攻撃的なサッカーをして負けた方がいいというニュアンスがあった。それについては?)
「そういうふうにおっしゃられることについてはすごく悲しく思います。試合の後に、対戦した監督さんが自分の職業的な同僚である、相手の監督やチームを批判するというのはどうかな、と思います。
サッカーにはフェアプレーというのがあると思いますし、それは試合の前も、お互い、監督同士のフェアプレーというのもあるのではないでしょうか。今日の清水さんのサッカーは、ゴールが横にあるような、そういう感じも少ししました。私は清水は素晴らしいチームだと思いますし、ゴトビさんも素晴らしい監督だと思っています。ただ、今日はこうした敗戦の後で、少し感情的になられたのではないでしょうか。我々としては、清水さんがやりたいサッカーにはまりたくはありません。相手がやられたら嫌だということをするのが、対戦相手である、我々がすることでしょう。相手のやりたいサッカーにはまってしまえば、試合には負けるでしょう。負けてしまえば、何を言っても負けです。負けて相手が素晴らしいというのは変な話です」
(サイドチェンジのパス1本で崩したシーンが何度もあって、受ける方の選手は走り始めている。これはイメージをシンクロさせるようなトレーニングの成果だと思いますが?)
「思い出すのは、素晴らしいショートパスをしてコンビネーションをしていた、2006年のヴァンフォーレ甲府です。素晴らしいショートパスのコンビネーションでプレーをしていたんですが、私がよく思ったことは、甲府の選手は膝下しか見えていないのではないか、ということです。遠くがもっと見えていれば、空いているところはたくさんあるのに、と当時、思ったものです。
当時、甲府を率いていた素晴らしい監督が、今、京都を率いています。京都は、ショートパスを多用しながらも、遠いところも必ず使って、ショート、ショート、ロングというのをやっています。ショートパスで相手を引きつけて、あいたスペースを使っていくというのはすごく大事なことだと思います。そのためのショートパス、といってもいいでしょう。京都の大木監督がショートパスをつなぎながらも必ず、ロング、あるいは中距離のパスを出しながらスペースをうまく使っている、それを私はいつも素晴らしいなと思ってみています。当時の甲府と、今の京都、思い出していただければ、分かると思います」
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

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