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橋本代表就任記者会見

24日18時、埼玉スタジアムボールルームにて、弊クラブの橋本光夫代表の就任記者会見が行なわれました。記者会見では橋本代表による就任の挨拶、そして、質疑応答が行なわれました。

橋本光夫代表
「本日の定時株主総会後の臨時取締役会で選任され、浦和レッズの代表取締役社長に就任いたしました。
責任の重さを痛感していますが、今後浦和レッズのファン・サポーター、パートナー、ホームタウンの皆様の期待や声援を糧にしながら浦和レッズのさらなる発展に微力ながら取り組んでいく所存ですので、皆様におかれましても、ご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
浦和レッズは1993年のJリーグ発足以来、ホームタウンの旧浦和市を拠点に、プロサッカーチームの運営や、青少年の育成、レディース、ハートフルクラブなどの活動を通じて、素晴らしいファン・サポーターに支えられて、ホームタウンの皆様に夢や感動を与えてまいりました。
特に、藤口光紀前社長以下の経営陣においては、2007年度に策定した中期経営計画(AAAプラン)の趣旨に沿って、ハートフル活動の展開や、レッズランドの分社化などのクラブ運営、合わせて、将来を見据えたチーム強化の施策も実行されてきたことにあらためて敬意を表します。
今後も、Jリーグ発足時の基本理念やこれまでの経営方針を踏襲し、浦和レッズのさらなる発展を目指します。
全クラブスタッフが、一丸となってトップチームの現体制での活動を支援し、クラブとして長期的に追及する戦い方『レッズスタイル』の構築を目指すことが、浦和レッズのさらなる発展に不可欠であると考えております。
このことは、4月3日の取締役会で、新体制が内定した直後に、私から直接スタッフに伝えると同時に、信藤チームダイレクターにも伝えてあります。また、4月16日にはフィンケ監督に対しても全面的にサポートを行なうことを直接伝えることができました。
本日も臨時取締役会終了後、大原サッカー場に出向き、チームの皆さんへの挨拶を終えたところです。
『人もボールも動き、夢のあるフットボール』の実現に向け、チームは新たな船出をしたところです。すでに、これまでのリーグ戦を通じて、昨年とは異なる浦和レッズをファン・サポーターの皆様にもご認識していただいているものと確信しております。ただし、新たなチーム作りの夢は、一朝一夕に果たせるものではなく、若手選手の育成や、チームコンセプトの浸透など、時間をかけた取り組みが必要だと認識しており、『継続』が新しいチーム作りの重要なキーワードと考えております。
今はゲームでの勝敗にとらわれ、今日の結果を求めることよりも、『レッズスタイル』の構築を目指した基本技術の習得や、個人の技術力のレベルアップ、チーム戦略の徹底などといった、『明日に向けた成長の過程』を重視すべき時期と判断しております。
チーム運営の実務的な部分においては、信藤健仁チームダイレクター、フォルカー・フィンケ監督に委ね、両者とのコミュニケーションを大切にし、全面的なバックアップを行なっていく所存でございます。
昨年末には、藤口前代表がチームとクラブが一体となったクラブマネジメントの構築に向けて、体制見直しも実施しておりますので、チームもクラブも一体として目標に向かって、共同作業を行なっていくよう、私自身もマネジメントをするつもりです。
さて、話は変わりますが、米国での住宅金融不安に端を発した、百年に一度と言われている世界規模での経済危機の影響は、国内経済にも景気低迷を招き、社会的な雇用問題まで発生しているのが実情です。私がこれまで携わっていた自動車業界でも、モータースポーツ活動からの撤退や、世界各地で開催されるモーターショーへの参加見送りと言ったようなことが行なわれており、多くの企業も厳しい経営環境に直面しております。こうした環境変化の影響は、スポーツ界も例外とは言えず、安定的な会社経営と、クラブ運営のためにも、従来の慣習や、これまでの経緯だけにとらわれず、思い切った変革を推進する必要があると考えます。今回の役員交代は、当クラブの経営を新しい視点で、原点に立ち返って見直し、将来のさらなる発展に向けた基盤づくりに取り組む改革につなげることが目的と認識しております。
具体的には、まず第一に、企業の存続と、永続的な発展に不可欠なコンプライアンス第一を基本とした危機管理機能の強化と、業務運営体制を確立することです。業務遂行に関しては、これまでの業務のルール化と、ガバナンスの構築や、業務プロセスの改善を進め、効率化を推進していますが、これらをさらに加速させて定着させる必要があると考えております。
第二は、地域社会、ファン・サポーターとの連携のさらなる強化です。ホームタウンエリアである埼玉県や、さいたま市をはじめ、我々の活動を支援いただいている多くのパートナーとも連携をより強固なものにしていく必要があります。
ファン・サポーター、ホームタウンのすべての皆様とともに成長していくことが、レッズのさらなる発展につながることを再認識し、浦和レッズを支えてくれるすべての人々の声に耳を傾け、活動を行っていく所存です。
第三は、経営基盤の強化に向け、業務の選択と集中を推し進めることです。安定した収益構造の確立はクラブの命題でもあり、クラブの活動理念である『青少年の健全な育成』、『地域社会へのレクリエーションの場の提供』、『世界に向けて開かれたクラブ作り』を目指した取り組みに対しても、全社的な視点から施策の優先順位付けなどを行ない、スピード感を持って推進することが重要と考えております。
いずれにしても、目標達成にはチームとクラブの十分なコミュニケーションと理解が必要です。先ほど全スタッフに対して、業務遂行に際しては『相手の立場、理解をよく理解した上で、相手への感謝、気配り、思いやりを大切にし、何事も相手の責任とせずに、自分の責任として日常業務の課題に対処する姿勢を貫いてほしい』と伝えたところです。
私自身は、高校、社会人でラグビーをやってきましたが、素晴らしい指導者、先輩、同僚、後輩に恵まれたと今でも感謝しております。仕事ではエンジン設計等の開発業務、品質保証の業務、国内営業の業務等を経験してきましたが、すべてがチームプレーであることを学んだつもりです。その意味では浦和レッズのクラブの運営も同じととらえてます。
一人一人が自らの責任を自覚し、自己研鑽に励むと同時に、お互いにカバーし合って目標達成を目指す姿勢を、ラグビーでは『One for All, All for One』という言葉で表現いたしますが、スポーツと仕事を通じて、チームプレーの重要性を体現できたことは、何事にも替え難い私自身の大きな財産と考えております。2004年からの4年間は、三菱自動車の品質関連業務に携わり、過去のリコール問題の事実調査や、品質関連問題のプロセスの改革を改善して来ました。この問題では、お客様や社会の皆様に多大のご心配とご迷惑をおかけしましたが、過去の品質問題の事実調査では、延べ4,000人もの社員に協力を要請して、徹底した調査を実施して、1年以内に調査を完了させることができたことは、私自身の貴重な経験となり、多くのことを学ばせてもらった出来事でもあります。
最初に申し上げた通り、浦和レッズはこれまでの関係者のご努力で、多くのファン・サポーターの声援や、パートナー企業のご支援、そして地元行政並びに後援会のご協力を受けてまいりましたが、より連携を密にとりながら、皆さんと力を合わせて私自身が最前線に立ってクラブ運営に取り組む所存でありますので、ご協力、ご指導のほどを重ねてよろしくお願い申し上げます。
繰り返しになりますが、浦和レッズの発展にとって、チームの活躍は重要な要素になります。
信藤チームダイレクター、フィンケ監督以下チームスタッフと選手は新しい浦和レッズのサッカーを目指して、日々トレーニングを続けています。この成果が、ピッチ上で表現され、勝利をつかむことができたときに、チームメンバーだけではなく、浦和レッズの全スタッフも感動を味わえるものと確信をしております。
また、多くのファン・サポーター、パートナー、地元の皆さんにも大きな感動、感激を与えることができると考えております。全スタッフがチームの強化のために何ができるかを考え、総力を結集して、『レッズスタイル』の構築を目指しますので、皆様のご指導につき、よろしくお願い申し上げます」


【質疑応答】
(大原サッカー場では選手にどのような声を?)
「選手の皆さんには、トレーニング開始前にフィンケ監督、信藤チームダイレクターも加わっていただいて、私の方から簡単なご挨拶をさせていただきました。ゲーム前でもございますし、内容は極めて簡単にさせていただきましたが、先ほどもお話しした通り、まず現在のチームの指導体制、あるいはチームの方針といったものに対して、全面的にクラブとしてバックアップ、支援を行なっていきたいということを伝えました。
ゲーム等に関しては、先ほども言いましたように監督、チームダイレクターの方でいろいろな戦略を練っていただいております。明日のゲームに出場するメンバー以外にも、若干のメンバーがおりましたので、彼らとも簡単な会話を交わしました。チームを支えるスタッフもおりましたので、チームの活動のためには、皆さんの支援が非常に重要だと考えているというような話もさせていただきました。最後には、できるだけ今後も時間を取って、私自身が大原に足を運べるようにしたいというようなことも伝えさせていただきました」
(レッズのファン・サポーターの印象は? そしてメッセージを)
「私自身は昨年からレッズの非常勤の取締役を務めさせていただいておりましたので、実は埼玉スタジアム、駒場スタジアムの方には昨年から何回か足を運ばせていただいております。
まず埼玉スタジアムに入りまして、レッズのファン・サポーターの皆さんの非常に統一された熱烈な声援というものに私自身が感銘を受けた部分がありました。
そういったことで、レッズのファン・サポーターの皆さんの熱い声援というのは、レッズというチームにとって、非常に大きな力になっていると考えております。ですから、今後ともファン・サポーターの皆様には、力強い声援をお願いしたいと思います。ただ、先ほどの挨拶の中でも述べさせていただきましたが、チームは今新しい方向へ向かって動き始めたところです。ですから、ぜひ長い目で、暖かく選手の成長の過程を見守って、応援を続けてほしいというのが私からのお願いです」
(本日開示された経営情報の中で、営業収入が下がった原因は?)
「私の理解している部分でお答えしますと、昨年に比べて確かに営業収入が減少していることは事実です。残念ながら、2007年度に比べて、2008年度でチームの戦績そのものが芳しくなかったというのも、この営業収入の部分で、大きく影響していると理解しております。
例えば、優勝等に伴って記念グッズの販売を行ないますが、昨年はそのような機会もなかったというようなことが影響していると思います。一方、営業費用という部分で見ますと、営業収入に見合ったような形で、費用の削減も考慮して、クラブとしてなんとか黒字を確保できる経営状態が取られていたというところは評価すべき部分ではないかと考えております」
(藤口前代表の路線を踏襲するということだが、橋本代表の色を出すとすれば?)
「先ほどの挨拶のところでも述べさせていただいたつもりですが、クラブのスタッフとチームの連携強化というような部分で、今まで私が行なってきた三菱での業務経験が生かせればと考えております。これは私の自分自身に対する期待でもありますし、意志表示にもなると思いますが、全スタッフ、全メンバーが一致団結して事にあたるという部分の前線に立って私がリードしていきたい、というように考えています。細かい部分に関しては、これからスタッフ全員とコミュニケーションを取りながら、それぞれのスタッフが抱えている悩みとか、問題とされている課題というようなことを顕在化した上で、どういった取り組みをしていくかをクラブとして決定して、改善を図っていきたいということになると思います」
(地元のパートナーや、行政や後援会などとの関係を密にしていく、ということだが具体的には?)
「実は今日までに、クラブの後援会のメンバー方々とも、非公式にお話をお聞かせいただくような機会を設けてきました。『AAAプラン』の中でも、アジアナンバーワンといったようなことで、チームを強化して、日本にとらわれない、アジア、世界を目指すチームを作るんだというようなことを、一つの大きな目標に掲げさせていただいているのは事実でございます。ですが、私としてはJリーグの中の、浦和レッズというクラブは、この『浦和』という言葉の占める重さをもう一度認識する必要があるのではないかと思っております。
具体的には、この『浦和』の地元の皆さん、市民の皆さんに、本当の意味で愛され、応援をいただけるようなクラブとしての経営、運営を行なっていかなければ、仮にチームが強くなっても、きっと『あるべき』レッズの姿と異なる方向に向かってしまうのではないかと思っております。
ですから、もう一度、地元に軸足を置いた活動が、今時点でできているのかを新しい視点で見てみたいと思いますし、そういった意味でいろいろな方々のご意見をお聞かせいただきながら、もう一度一緒になって取り組んでいくようなスタンスも必要ではないかなと思っております」
(業務の選択と集中を行なっていくということだが、具体的にどんな業務を強化する?)
「結論から申し上げますと、今日時点では具体的にこの業務と言えるようなものはございません。先ほども言いましたが、明日以降、担当部署のスタッフとも話をさせていただいて、その中で課題を顕在化するというような行為を通じて、優先順位的にどこを優先的に取り組んでいくかということを判断していきたいと思っております。ですから、今日時点では具体的なお話をちょっと控えさせていただければと思います」
(かつて『第三者割当増資』という話もあったが、現在三菱自動車が51パーセントの比率の株主であることについてはどう考えるか?)
「お話は二点あるのではないかと理解させていただきたいと思います。一つは、『増資』に関する話、もう一つは『持ち株比率』に関する話です。例えば、増資をしなくても持ち株比率を変えるというような手法もあるのではないかなという意味で、私自身はこの話は二つに整理した方がいいのではないかなと思っております。
まず一つは、『増資』というからには、新たに取り組みたいプロジェクトか、新たに大幅に費用が発生するような計画があるかないかということと、現在いただいている銀行からの融資についても考慮しながら決定すべきことではないのかなと思っております。
一方の『持ち株比率』につきましては、ご指摘いただいたように、以前からそういう話があったということを私自身もうかがっています。この『持ち株比率』を三菱自動車の比率を下げるために増資をしたらどうかという話で報告が来ているケースもあります。ですからあえて二つに切り離して考えるべきではないですかというお話を今させていただいたつもりでおります。
三菱自動車として、現時点でどう思っているかという点に関しては、現時点で、具体的にこうするといったものはございません。
ただし、あくまでも浦和レッズにとってベストな方法を選択すべきだと私自身は思っております。ですから、三菱自動車が50パーセントを超えることが、浦和レッズにとっていいことなのか、三菱自動車単独での比率が下がることが、浦和レッズにとっていいことなのかということに関しては、慎重に今後検討して、議論していけばいいのではないかなと考えております。
この話と直接関係はございませんが、実はこの会見の前に、私自身はレッズの全スタッフを集めて、お話をさせていただきました。その話の最後に、実は昨日、三菱自動車を本日付けで離れて、浦和レッズに来るということで、三菱自動車の益子 修社長と1対1で話をさせてもらったと、クラブの全スタッフに伝えました。その話の内容は、益子社長の方から『レッズに移って、レッズのベストの施策を展開すべし』という意見をいただいたというものです。私もあくまでも浦和レッズの立場で、浦和レッズの人間として、ベストな方策を立案した上で、株主の皆さん等に提案を投げかけたいと思っております。
ですからクラブのスタッフに、私自身と益子社長は、2004年のリコール問題のときに、2人で最後の会見に臨んだ、ある意味『戦友』であると私自身は思っておりますし、益子社長からもそういう言葉を送ってもらって、今日この場に来させてもらっている、『株主としての三菱自動車のプレッシャーを受けることはないはずだ』という話をしました。ですから、あくまで浦和レッズにとってベストな方法が何かということを考えるのが『増資』、あるいは『持ち株比率』に対する答えではないかなと認識しております」

橋本代表就任記者会見

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