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PICK UP PLAYER|ダニーロ ボザ

ブラジルのサントスFC時代を彷彿とさせる。4バックの中央を守ったかと思えば、3バックの一角を務めて右スペースを広範囲にカバー。チーム状況に応じて、右サイドバックとしてもタッチライン沿いを勢いよく駆け上がる。J1百年構想リーグでもこなしたポジションではあるが、攻撃に絡む回数は増えている。「リスクを冒さないと、チームに貢献できない」と意欲的。複数ポジションへの適応にも、それほど苦労していない。もともとはサイドバックでプロキャリアをスタートしている。母国でも最高時速36キロのスピードを買われて、右サイドでアップダウンを繰り返していた。何も驚くことはない。パンクロッカーを思わせる本気のモヒカンヘアも、実は当時の再現だという。

「ヘアサロンに昔の写真を持って行き、『こんな感じにしてほしい』と頼んだんですよ。いきなり髪型を変えるのは、よくやることです」

大柄な体格も相まって迫力満点。かなりの強面ぶりである。近くでじろっとにらまれれば、思わずたじろぐ。本人に「相手FWも嫌がるかも」と伝えると、いたずらっぽく笑う。

「それが狙いですから」

ユーモアある受け答えには心の余裕がにじむ。ブラジル時代の愛称は“スマイル”。明るく笑っているときは、調子の良い証拠。公開練習のあとも丁寧にファンサービスに応じ、ファン・サポーターとの交流を楽しんでいた。

「普段、応援してもらっている人たちと交流を持つのは、非常に大事なことだと思っています。いつもスタジアムで、ほかのチームとの違いをつくってくれていますからね」

来日2年目。すっかりレッズに馴染み、クラブの歴史も深く理解してきた。10月28日のYBCルヴァンカップ4回戦では初めてキャプテンマークを託され、腕章の重みもひしひしと感じた。誇らしげな顔で名古屋グランパス戦を振り返る。

「たとえ1試合でも、浦和のようなビッグクラブのキャプテンマークを巻けたことは誇りに思う。すごく良い経験でした。“カピトン”(キャプテン)はみんなお手本にならないといけません。そうしたところも評価してもらえたのかなって」

ピッチに立てば、懸命に体を張って守った。ペナルティーエリア内で倒れ込みながら、顔面でシュートブロックを試みたシーンはまさに執念だった。気合が入っているのは、試合だけではない。トレーニングから100%の力で臨み、本気でゴールを阻止する気持ちで取り組んでいる。

「普段の練習こそが成長できる場所。それが試合でのパフォーマンスにもつながると思っています」

11月8日のヴィッセル神戸戦に向けて、大原練習場では工藤孝太、根本健太との連係を入念に確認していた。センターバックの主軸として、最終ラインを統率してきた主将の宮本優太は出場停止。リーダーシップを持つ28歳に懸かる期待は大きい。相手は前線には大迫勇也、エリキ、武藤嘉紀と個の能力が高い選手がズラリと並ぶ。すでにイメージはできている。

「フィジカルが強い選手もそろっていますから、しっかり戦える準備をしていきたい」

ボザにとっては、思い出深い対戦相手である。2025年2月15日、J1リーグにデビューしたのが神戸戦。いまでも当時の記憶は残っている。結果はアウェイでスコアレスドロー。来日直後で持ち味を存分に発揮できなかった。心がけたのは、リスクを冒さずにシンプルにプレーすること。無失点に抑えたものの、自身のパフォーマンスにはもどかしさも覚えた。「もっとできた」と反省し、次の対戦を心待ちにしてきた。同年の第2戦は出場機会がなく、ようやくそのときがきたのだ。

「国立競技場(MUFGスタジアム)では、浦和のファン・サポーターがいつも存在感を示してくれるので、きっといい雰囲気になるはずです。一人ひとりが100%の力を出せば、チーム戦術も良くなっていきます」

ボザは快足を生かしたインターセプト、パワフルなハードタックルでマーカーを封殺する。

(取材・文/杉園昌之)

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