【チャンスを決めきらないといけない】
■今シーズン、ここまでの状況についてはいかがですか。
「始動してからは大きなケガもなく、今シーズンの目標にしている『ケガをしない』というところは達成中です。コンディションも試合ごとによくなっていると思いますし、コンビネーションに関しても、試合を重ねるごとによくなっています。うまくいかないところもポジティブな課題として捉えて、練習でも修正できてきているので、1試合1試合、すごく手応えがあります。課題は、得点というところになるのですが、そこは突き詰めていかないといけないと思っています」

■先日のマイナビ戦のように、難しい展開の中でFWにワンチャンスを決めることが求められる試合も、これから出てくると思います。
「マイナビ戦でも、シュートを1本は打てています。チャンスは少ないなりにも1本はある、というのは毎試合感じていますし、そこを決めきらないといけません。また、シュートを打てなくても、自分が味方のために動くとか、チャンスをつくるなど、そういうところを献身的にやりたいと思います」

【ケガをして、いろいろな発見があった】
■昨シーズンはケガもあり、長い間、試合に出られない時期がありました。
「昨シーズン、チームは残留争いをしていました。私も、最初は試合に出ていた中でなかなか勝てず、ケガをして途中で抜けてしまったので、チームにはとても申し訳ない気持ちがありました。

ケガをしてからは、すごくもどかしかったですけど、他の選手の話を聞くとか、自分がチームのためにやれることを見つけて、それに徹していました。自分は何もできず、みんなを頼りにすることしかできませんでしたが、1部に残留できたのは本当によかったです」

■そうした行動は、レッズレディースでのキャリアの長さも影響しているのでしょうか。
「チームもすごく若くなっているので、上の立場としてということもあります。ただ、一番は、途中で抜けてしまったという責任感が大きかったです。サッカーができているときでもチームのために何かできることはあったと思いますけど、ケガで離脱したときも、できないなりにポジティブになることができて、その中でいろいろな発見がありました」

■その経験を経ての今シーズンには、期するものがありそうです。
「ケガをしたらピッチで何もできません。そこは一番に、今年の目標に考えました。合わせて、食事や栄養管理のこと、走り方などを勉強する機会があったので、そうしたものは取り入れています。今シーズンは、今までと違う形で、シーズンを送れていると思います」

【もっとシュート数を増やしていく】
■今シーズンは実績のある菅澤選手をはじめ、いろいろなタイプのFWがそろった印象があります。
「みんなタイプが違うので、自分は自分でやろう、というのは一番にあります。誰かが入るから自分が変えるということもなく、誰と組んでも、変わらずにコンビネーションができて、同じサッカーができるという実感があります」

■吉良選手は以前から、『1試合1点』を目標に掲げられていました。
「そこは変わらないです。ただ、そのためにはもっとシュート数を増やさないといけないと考えています。まずはシュートを打てるところにいないといけないですし、打てるエリアも広げないといけないと考えると、もう少しわがままに打ってもいいのかな、とは感じています。それは石原監督からも言われていることではあるので、思い切ってやっていこうと思っています」

【勝ってみなさんと喜び合いたい】
■ちふれとは、今シーズンは既に1度対戦しています。
「この試合は埼玉ダービーということで、ファン・サポーターのみなさんは、埼玉の違うチームには絶対に負けたくないと思っているでしょうし、その気持ちは私たち選手も同じです。

前の対戦では途中から出たんですけど、少ないチャンスの中でも点を取ってくるチームという印象はあります。こちらが主導権を握って動かせる時間も多くあったので、どんどんボールを動かして、圧倒したいと思います。個のところで、球際とか、走るところで負けなければ、日テレ戦のように、ボールを動かしながら前に行けると思います。あとはフィニッシュ、そこにつきます」

■今シーズン、浦和駒場スタジアムのピッチに立ってみて、改めて感じたのはどんなことでしょうか。
「ホーム開幕戦では途中出場で、久しぶりにピッチに立てました。わずかな時間で、個人的には物足りなさもありましたけど、それでも『見られてよかった』と言ってくださる方が多く、そうやって喜んでいただけるのはすごくうれしかったです。もっと試合に出て、喜んでもらいたいと思いますし、そのために一番必要なのは、得点です。そこをみなさんも期待されていると思うので、早くホームで点を取りたいです。

ホームでプレーできることは、ピッチに立っている選手にとっては幸せなことだと思います。応援の声も聞こえていますし、本当に期待に応えたいです。試合に勝ってみなさんと一緒に喜び合い、笑顔でスタジアムから帰ってもらえたら、というのが一番の思いなので、そのためにがんばります」