前節はWEリーグ初の国立競技場開催。レッズレディースらしいサッカーで1-0と勝利した好ゲームでした
「スタジアムの空気感も含めて、モチベーションがすごく上がるゲームでした。アウェイでしたけど、ホームのような感覚もあって、すごくいろいろなことを感じる試合だったんです。特に、たくさん応援してくれている方たちがいて、言葉にできない素晴らしい雰囲気の中で、しっかりとレッズレディースのサッカーができました。それがすごくうれしかったんです。みんなと『この環境で常に試合ができたらいいな』と話していたので、あの試合を普通にできるようなリーグにしていかないといけないですし、WEリーグは絶対にそれができる。これからのリーグに活きる試合だなと感じました」

そんな可能性を感じさせるWEリーグもシーズン最終戦です。南選手にとっては、どんなシーズンになっていますか
「昨シーズンのなでしこリーグ優勝を経ての今シーズン。『勝ち続けることの難しさ』の部分でチームが苦しんだという思いがあります。加えてプロリーグになったからこそ、勝利に対するプレッシャーも変わりました。特に負けた試合の次は『勝たないと』という気持ちが一層強くなって空回りしてしまったところがあったと、今は思います。昨シーズンの結果とプロ化に伴う変化が交わる中で、特に前半戦は苦しい時期もありましたが、それをみんなで乗り越えてきました。うまくいってないことをしっかりと自覚しながらも、自分たちのサッカーを信じて、チームメートを信じてやり続けたことが大きかったからこそ、後半戦の戦いにつなげられたと感じています。チームとして、もがきながら成長できたシーズンです」



もがきながらのシーズンで、個人としてチームとしての成長や変化をどのように感じますか
「レッズレディースのサッカーはアグレッシブで、90分間それを続けるのは体力的にも大変な部分があるんです。でもそれを全員が表現しようとして、個々が身体つくりに励んでいます。プロになって自分と向き合う時間が増えた中で、改めてチームの結束力を感じました。同時に、プロとして、より選手間の競争も厳しくなっていますが、チーム全員がその競争に加わりながらトレーニングができているので、お互いに高め合う相乗効果が生まれていると感じています。個人としては、声掛けの部分、私たちはメンバーをバラバラにして練習をするので、一緒に組む選手や若い選手たちに声を掛けることは増えました。チームの中でそういうことをしなければいけない立場にあることは、自分でも自覚をしていましたし、自分も若いころは年上の選手たちにいろいろ教えてもらって、成長することができたんです。だからこそ、若い選手たちの助けになればと思っています。でもそれは、私だけがしていることではなく、チームのみんなが同じ気持ちでしていること、チームのいい部分だなとすごく感じています」

立場というお話があるように、今シーズンの南選手は特に強い責任感を持ってプレーや行動をされているように感じます
「まだ若い方だと思い続けていたら、チーム内では真ん中ぐらいなんですよね。それもありますし、やっぱり先輩たちに助けてもらってきたからこそ、今度は自分が助ける立場、その自覚は昨シーズンくらいから出てきていて、そろそろ自分のことだけじゃなく、もっと周りの選手を見て、気づいてあげられるような視野の広さを持ちながら練習も試合もしていきたいなと思っています。そこに加えて自分のプレーの質を落とさないことは意識をしています。DFとしては信頼される選手になりたいですし、一人のプロ選手としては、誰からも接しやすい人でありたいなと思っています」

チームを取り巻く環境や立場も変わっていく中で、南選手もレッズレディース一筋です。チームに対する思いの変化や、改めて感じる魅力を教えてください
「今のチームは、本当にチームワークがいいんです。試合をしていても、普段の練習でも、ピッチ外の部分でも、それを感じます。その理由は、年上の選手たちの存在、(安藤)梢さんたちはチームのつくり方をわかっているんだと思います。どうしたらチームがいい方向に進んでいくのか、どういうチームが強いのかということを、きっとわかっているんだと思います。その上で、無意識にチームワークが良くなるような振る舞いになっていると思うので、自分もいつか、そういう先輩たちみたいになれたらいいなと思います。やっぱり、そういう雰囲気を出してくれるとプレーをしやすいですし、一緒に優勝したいって自然と思うようになるんです。本当にいろいろな選手の力があってですけど、ずば抜けてチームワークがいいのが、今のレッズレディースの良さだと思います」



南選手は会見などで「みんなのおかげ」とよく発言されています。それはチームワークがいいからこそ感じることでもありますか
「もともと自分は特別にうまいわけでもなく、なんでもできる選手でもありません。周りの選手たちに助けてもらうことの方が断然多くて、ピッチに立ったとして、周りに10人助けてくれる選手がいるからプレーができているんです。だからもう、感謝しかありません。逆に、味方がミスをしたら助けるのは当たり前です。普段、助けてもらっているので助けないと、という気持ちもありますし、チームとして戦うという意味でも大事なことですよね。レッズレディースでも代表でもそうですが、自分が一番下手なんだという思いの上で、みんなのいいところを見ながら、みんなに助けてもらいながらプレーができているんです。だから本当に感謝しかないですし、みんなのことは本当にリスペクトしています」

その思いはチームメートだけではなくファン・サポーターのみなさん、レッズレディースに関わるたくさんの人たちに対しても同じように見えます。とても大事にされているものではないですか
「自分が若いときにやってもらっていたことがすべてなんです。本当にいろんなことを教えてもらって育ってきましたから。例えば、試合の運営もアカデミー時代に経験しているので、大変さもわかります。逆にトップの選手に声を掛けてもらうと、とてもうれしかったです。だからそれを今している感じなんですよ。そういう体験をして、レッズレディースの選手になりたい、サッカーをもっとがんばろうと思うきっかけになってくれたらいいなって、なので、みなさんにも感謝を伝えつつ、ちょっとしたことでもレッズレディースが好きだな、また試合を見に来たいなというきっかけになればいいなって思います」

次戦は、そんな“みんな"と戦う今シーズンのラストマッチ、相手は日テレ・東京ヴェルディベレーザです
「日テレ・東京ヴェルディベレーザは個々の力がすごくあって、技術が高い選手も多いです。全員が戦わないと勝てる相手ではないですし、アカデミー時代から『いつも決勝戦だと思え』と言われるくらいの好敵手です。リーグの最終戦で、そういう相手と対戦できることはうれしいことですし、前節以上のレッズレディースらしいサッカーで勝利できるようにがんばります」

勝利のためには先制点に加えて守備の面もポイントになりそうですが、無失点に抑えるために大事なことを教えてください
「どのポジションでも一対一で負ければ絶対にやられることはないと思います。レッズレディースには一対一が強い選手が集まっているので、まずは一人ひとりが責任を持って守備から入ること、そして何が何でもゴールを割らせないという強い気持ちを持って、最終ラインの私たちも必死に守りたいなと思います」



では最後に、ファン・サポーターのみなさんにメッセージをお願いします
「今シーズンは移行期間やプレシーズンから始まる長いシーズンでしたが、どんな状況でも、サポートしてくれたみなさんがいて、私たちもここまでプレーすることができました。みなさんのおかげです。そして、いよいよ最終節を迎えました。浦和駒場スタジアムに来てくれたみなさん、配信をご覧になるみなさんとともに、笑顔で気持ちよくシーズンを終えられるように、全力でプレーします。今節も一緒に戦いましょう!」



みなさん、こんにちは。2021-22 Yogibo WEリーグも最終節を迎えました。当初は、移行期間もあり長いシーズンだと感じていましたが、改めて振り返るとあっという間にここまで来た印象です。
改めてレッズレディースはリーグ戦を2位で終える形になりました。悔しさもあります。同時に手応えも残っています。例えば、精度、様々なことがあったシーズンの中でチームとしても選手個々も精度がどんどん上がってきています。止める、蹴るという技術は開幕前から地道に取り組んできましたが、それはレッズレディースのサッカーを構築する上で“確かなベース"になっていくものです。前節のゴールシーンを振り返っても、安藤梢は素晴らしい選手で、もともと持っている力もありますが、あの場面で決め切る技術を見せてくれました。そうした面に、個人の成長とチームの成長を感じています。そして、これから大事なのは、それを続けていくことです。技術は一気にうまくなるものでもなく、やらないとどんどん錆びていってしまうものでもあります。だからこそ、しっかりと継続していくこと、それが重要なのです。もちろん、チームとしても課題や宿題は残っています。チームの底上げや守備の面、点を取るという最後のところに関しては引き続き強化をしていきたい部分ですが、やはり「見ていてもプレーをしても楽しい」レッズレディースのサッカーを追求していくことを大切に、他のチームがマネできない長所をもっともっと伸ばしていきながら、エレガントや美しいという形容詞がつくような姿を見せていきたいと考えています。その片鱗を今シーズンはしっかりと見せてくれてました。これからもっとチームの魅力も出てくるでしょう。
日本初の女子プロサッカーリーグが発足して1シーズン、集客面などの課題に直面しながらも、ピッチ上では各チームが力をつけ、非常に厳しい戦いが続くリーグになりました。各クラブも選手たちも「スタジアムに来てくれる人を増やそう」という強い気持ちで「勝利」を目指しています。そうした意識の変化を肌で感じますし、女子サッカー界にとって良い変化になっています。WEリーグを争う各チームは、もっともっと強く良くなっていくでしょう。大きな可能性も秘めています。だからこそ、レッズレディースもそれを上回る力をつけていくことは必須で、すべてにおいてリーグを引っ張っていく存在でいなければなりません。そのためにも技術やチーム力向上を抱きながら、美しく奏でる「レッズレディースのサッカーは面白いよ」と言ってもらえるような試合を目指していきます。今シーズンは皇后杯優勝、リーグ戦2位と結果だけを見れば満足する面もありますが、その一方で、レッズレディースはもっとできる、もっとやれるのです。だからこそ、それを感じさせるホーム最終戦にしたいと考えています。
改めて、最終節の相手は日テレ・東京ヴェルディベレーザです。攻撃的な相手に対し、無失点に抑えて勝利をしたいです。内容も結果も勝ってファン・サポーターのみなさんに恩返しをしないといけないゲームです。レッズレディースは、ファン・サポーターのみなさんの力が当てこそ成立します。1人でも多ければ多いほど、その力も増えていきます。それくらい大きなものですし、選手たちも最終節に向けて闘志を燃やしていますので、浦和駒場スタジアムで、DAZNの配信で、選手たちの後押しをよろしくお願いします。今シーズン、一緒に戦ってきたチームのラストマッチ。我々はピッチで、勝つレッズレディースのサッカーをお見せできるように、しっかりと戦います。そして、今後、みなさんの熱く温かい声援が戻ってくることを心待ちにしながら最終戦に挑みますので、今節も、応援をよろしくお願いいたします。
2021-22 Yogibo WEリーグ第21節ハイライト




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