皇后杯初優勝、いかがでしたか?
「いろいろな方からすごくたくさんのお祝いメッセージをもらって、実感が湧きました。正直なところ、準決勝から決勝まで期間があったので、これまでの皇后杯とは違うような感覚もあったんです。でも、表彰式ぐらいから『優勝したんだな』という思いが出てきました」

2019年の皇后杯ごろからレギュラーに定着した塩越選手にとっても、喜びは大きかったのではないですか?
「自分も3年連続の決勝戦で『やっと勝てた』という思いでしたが、初優勝で、アベック優勝。自分たちが歴史に残ることをしたんだと思いましたし、優勝を決めた瞬間にピッチに立てていたこともうれしかったです。過去の決勝では自分のプレーがなかなか出せず、チームも悔しい気持ちを抱えていました。今回こそは『自分のプレーを出そう、自分がいつも通りのプレーをすればチームを勢いづかせられる』というような、いい意味で自信を持って試合に臨むことができました。特に後半は自分らしさも、チームらしさも出せた試合だったと思います。前半は硬さもあったので、プレーだけでは100点はつけられないですけど、チームとして優勝ができたので、その結果に100点をつけたいと思いますし、いろいろな人の思いの中で結果を残すことができました。それも、本当に良かったですし、何より、みんなの喜ぶ顔が、うれしかったです」

タイトル獲得への戦いでは重圧もあったと思います。決勝にはどのような気持ちで向かっていったのですか?
「男子が優勝してくれて、こんな機会は本当にないと思っていました。男子は出場チームも多いので優勝するのは、すごく難しい。その中で優勝していましたし、自分たちも期待に応えなきゃいけないという思いもすごくあったんですね。加えて、個人的にも、ウィンターブレイク中に活動していたなでしこジャパンに選出されず悔しい思いを抱えていました。そうした様々な感情を『皇后杯にぶつけよう』という気持ちを強く持って臨めたんです。また、対戦相手となったジェフユナイテッド市原・千葉レディース(以下、千葉L)にはリーグの前半戦で負けています。この試合に限っては自分自身もケガ明けで、思ったプレーがまったくできませんでした。ハーフタイムで交代したのですが、今シーズンで1位に挙げられるくらい悔しい試合でもあったんです。でも皇后杯決勝は自分の調子が上がってきているのを実感していましたし、あのときの自分とは違うところをファン・サポーターのみなさんにも、応援してくださる方々にも見せたいという思いがありました。それに、チームの強い気持ちもすごく感じていたので、みんなのためにも、とにかく走ろうという気持ちだったんです」

そうした強い気持ちが結果につながりましたが、タイトルを獲得できた一番の要因はどのようなところですか?
「今大会は初戦から決勝まで無失点でした。失点をしなければ試合には負けません。リーグ前半戦には早い時間に失点することが多かったこともあり、皇后杯に挑むにあたっては、みんなでもう一度、最後に体を張るところなどを『がんばろう』と話し合っていたんですね。守備は組織でやらないと守るのが難しいので、まずは『守備を意識しよう』と常々話していた中で、失点をせずに試合運びができました。その結果、ペースをつかめたことが優勝につながったと思います。攻撃面でも、自分たちのリズムでタイミングをうかがいながら決め切ることができました。チームの強さが発揮されていると感じましたし、一発勝負なので、どんな形でも得点して勝ち切れたことはチームの自信になります。振り返ると個人的には、2020年になでしこリーグで優勝したシーズンを少し思い出すような大会でもありました」

その自信と勢いを手に戦いの場がリーグ戦に戻ります。WEリーグの開幕とともに塩越選手を取り巻く環境も大きく変わっているシーズンの中で、試合に出続けることで心境に変化などはありますか?
「今まではスタメンのみんなについていくようなところがありましたが、今シーズンはスタートから出させてもらっていて、『自分がもっとやらないと』という気持ちが生まれました。それは、チームのために人よりたくさん走ることや最後まで自分がピッチにいることでプラスになることもあるという面で、『自分がやる』という強い気持ちを持てるようになったことは変化かなと思います。それから、自分のことを知ってくれる方々が増えていることは感じていて、一つひとつのメッセージがプラスになっているんです。決してメンタルが強いタイプではないのですが、チームで試合に出られるようになったことも代表選出も、みなさんの温かい応援も自信につながっています」

その思いを持って迎えるリーグ後半戦。スタートは千葉Lとの再戦になりますね
「相手は皇后杯の悔しい思いがあるので、リーグにかけてくると思います。少しやりにくい部分もあると思いますが、決勝を戦ったことで相手の嫌がることのイメージが浮かびつつあります。レッズレディースも、いい勢いを保って試合に臨めるので、自分たちのサッカーがしっかりと出せると思います」

どんなプレーをしたいですか?
「千葉L戦に関しては、周りを使いながら、もっとボールを動かして、チームに流れをもたらしたいですね。それと個で突破するシーンを増やしていけたらいいなと考えています。また、リーグを通してはチャンスをつくるシーンを増やしたい。後半戦は自分がチャンスメークをして得点シーンをつくり出すことを考えていますし、得点ももっと決めたいです。でも、レッズレディースの選手はみんな上手なので、自分がというよりは周りの選手とうまく連携を取りながら積極的にシュートを打つ、そういう役回りをできたらなと思いますし、何より、チームのために、もっと走れる選手になりたいです。それから、前半戦はケガでチームを離れる時期もあったので、ケガをせずに戦い抜けるようにしたいと思います」

上手な選手が揃うレッズレディースにあって、チーム内では塩越選手は上手いというお話もよく聞きます
「小学生のころから足元でプレーするのがすごく好きでしたし、ボールタッチは柔らかいなと思います。リフティングなども昔からすごく好きで、人一倍、練習をしてきたのですが、よく考えるとリフティングの技術は、トラップに生きています。それに例えば足技も、実際の試合では使えない面が多いのですが、ボールタッチの感覚などは研ぎ澄まされるんです。なので、試合前もリフティングをしたりして感覚をつかむことがありますよ」

余談になりますが、参考にしている選手はいますか?
「昔からイニエスタ選手(ヴィッセル神戸)が好きです。自分はダブルタッチが好きなんですけど、イニエスタ選手はめちゃくちゃ上手なんですね。ボールタッチの柔らかさ、足首の柔らかさ。そういう面も含めてすごく参考にしている選手なので、今でも試合前にプレーを見たりしていますよ」

そんな塩越選手のプレーにも注目したい後半戦。改めてチームとしては、どんなふうに戦っていきたいですか?
「首位と勝ち点差が開いているので、自分たちは勝ち続けるしかありません。目の前の相手から勝ち点3を絶対に取ること。そのためにもチームでプラスの声掛けをして、みんながのびのびプレーできる環境をつくりながら、高め合って励まし合って戦うことを大事にしたい、そして、皇后杯を取ったという自信と勢いを持って戦いたいです」

最後に、WEリーグの後半戦は熊谷開催で始まります。ファン・サポーターのみなさんにメッセージをお願いします
「レッズレデースは皇后杯に優勝して、すごく勢いに乗っています。その上で後半戦は勝ち点3をしっかりと取って、優勝に向かって一試合、一試合戦っていきたいです。熊谷でのホームゲーム開催ですが、多くの方にスタジアムやDAZN配信で応援していただければうれしいですし、ぜひ拍手で私たちのことを後押ししてほしいなと思います。応援、よろしくお願いします!」


みなさん、こんにちは。2021-22 Yogibo WEリーグはいよいよ後半戦が始まります。最初のホームゲームは熊谷スポーツ文化公園陸上競技場での開催。いつもとは違う雰囲気の中ですが、いつも温かく後押ししてくださるみなさんとともに新たなファン・サポーターが増えていくような、いいゲームを見せたいと思います。
 さて、チームはウィンターブレイク期間に行われた皇后杯 JFA 第43回全日本女子サッカー選手権大会で初優勝を遂げ、浦和レッズとしてアベック優勝を手にしました。過去、悔しい思いをしてきた森(栄次)総監督をはじめ、安藤(梢)ら選手たちも並々ならぬ気持ちがあった中で、今シーズンからチームを率いている私自身は、やや静観していた一方で、決勝で戦うジェフユナイテッド市原・千葉レディース(以下、千葉L)とはリーグ後半戦のスタートでも対戦が決まっていたため「ここで負けられない」という気持ちも強く持っていたものです。一発勝負のトーナメントで、決勝戦も何が起こるかわからない。ボールを動かしてジャブを打ち続けるような戦いになりましたが、大事な時間でエースの菅澤(優衣香)が決めてくれ、勝利を手繰り寄せることができました。
 ただ、今回の決勝戦でも顕著になりましたが、レッズレディースはとても研究されています。そこでポイントになるのはチーム力。そのベースの高さが重要です。選手たちの質を考えれば、女子サッカー界をリードしていけるだけのものがありますが、さらにもう一歩。未知数の新鮮力たちがレギュラー争いに絡むことで、チームにとっていい化学反応や予想外のものがプラスされてくる。今回の優勝では、新加入選手たちも含めて今回、決勝に出られなかった選手たちの「次は私が」というメラメラとした熱い感情がチームの新たな刺激となり、全体を突き上げてくれることを期待しています。
 そしてもう一つ、この優勝は応援してくださるみなさんの後押しのおかげでもあり、また、コロナ禍の厳しい状況にあっても沖縄キャンプを実施させてくれた多くのみなさまのおかげです。キャンプでは通常のトレーニングに加えてチームが一緒に過ごすことで生まれてくるものがあります。トレーニング内容を変えてはいないのですが、レッズレディースにとってもみんなで過ごして、サッカーに集中する時間は本当に大きなものになりました。代表に行っていた選手、新加入選手も融合し、全体をかみ合わせていく取り組みができたことは今後のチームにとっても追い風になるでしょう。
 こうした状況の中で迎えるリーグ後半戦。首位と勝ち点9差です。非常に厳しい戦いですが、誰一人初代女王の座を諦めていません。一つひとつ勝ち続けるしかないですが、そのためには緊張感を失わずにトレーニングをしていくこと、レッズレディースらしいサッカーを続けていくことは大切です。そして、上位陣にプレッシャーを与えていくためにも非常に重要な3月の4連戦です。そのすべてに勝利するためにも、スタートダッシュをかけられるようにリーグ再開戦を戦ってまいります。
 今節は再び千葉Lと対戦します、お互いにやりにくさはあります。でも逆にどのように攻略するか、注意すべき点もはっきりしてきた部分があります。皇后杯の勢いに乗って、レッズレディースのやり方で、自分たちのサッカーに集中することで、選手個々が機能し、いい成果が出る、「よし、やるぞ」という強い意気込みで挑みたいと思います。初代女王に挑む後半戦は、ひたひたと追いかけていく戦いです。応援をしてくださるみなさんの熱き力を糧に、しっかりと勝ち続け、再び、頂上を目指します。
 レッズレディースにぜひ、変わらぬ応援をよろしくお願いします。

2021-22 Yogibo WEリーグ第10節ハイライト


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