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25.07.27

KICK OFF the PLAYERS/角田楓佳

2025/26 プレシーズンのアメリカツアーに取り組む選手たちの今季の意気込みを短く伝える「KICK OFF the PLAYERS」。
昨季、終盤はフル出場を重ね、ボールを奪いきる守備力と強いキックの展開力で大きなポテンシャルを示した角田楓佳。飛躍のシーズンになりそうな今季、彼女は何を見据えてシーズンに臨むのか。お伝えします。



◆良いキャンプを送れている実感がある◆

ここまでのアメリカツアーについて話を聞くと、彼女は次のように多くの言葉を紡ぎ、的確にこの遠征を振り返った。

「結構試合が続いて、練習の中ですり合わせるというよりは、日本じゃ味わえない相手のスピードとかの中で、自分たちがやりたいサッカーができるかというすり合わせを、試合の中でしている印象です。練習をたくさんするキャンプもありだと思うんですけど、試合の中ですり合わせる方が自分的にはチームとしての成長度を考えるといいのかなと思っていて」

「ふだんの日本ではできないような経験を個人がどう感じるか。それをどうチームに還元していくかとか、それをどうチームの中に落とし込んでいくかを自分的には考えています。試合後のコミュニケーションとか見ていても、みんなもそういう感じなのかなと思いますし、だから良いキャンプをいま送っているという感覚があります」

代表経験のある選手もいれば、そうでない選手もいる。多様なバックグラウンドを持つ選手たちが世界のレベルを肌で感じる。その中で互いに共通認識を作って、チームに相乗効果を生む。角田の言葉からは、その手応えが確かにあるのだろうと感じられた。

◆自分的な手応えは今のところ本当にない◆

だが、一方で、角田は自身のプレーには厳しい印象を抱いているという。

「自分的な手応えは、今のところ本当になくて。全然思い通りにやれていません。自分はボールを取り切るところを特長としているし、そうしたポジションなんですけど、やっぱり取り切るまではいけてないというか。周りのサポートがあって奪えている場面があって。だから次の試合は最後まで取り切ってというところで自信につなげて帰りたいなと考えています」

周囲から見れば、ボディコンタクトなどの力強さでチームに貢献しているように見える場面でも、本人が納得をするには至っていない。その基準は、力強いアメリカの選手と対峙することで、より明確になった。

「個人として、やっぱり規格外だと思ってしまう相手の力が対応範囲内に入るぐらいの感覚を掴んでいけたらいいと思っています。今は全然かなわないというか、本当に規格外だと思ってしまっているので。それが自分の対応できる枠に入ってくるぐらいになったらいいと考えています」

◆必要とされるところで必要なプレーをできるように◆

昨季、角田は着実に出場機会を増やし、その存在感を示したと言える。しかし迎える新シーズン、彼女が目指すのは、もう一歩進んだ存在になることだ。

「チームとしては優勝を開幕から変わらず狙っていきたいっていうところと、個人としては、やっぱり自分が出ていないときもチームのために頑張るのはそうなんですけど、自分ができる限り長い時間試合に出て、直接的にチームのために貢献したいと考えています」

「みんなに信頼してもらえるというか、必要とされるところで必要なプレーができたらいいと思っています」

開幕まで残り2週間ほどになっている。

最後にチームとして積み上げているものの手応えについて聞くと、謙虚さを交えながらも期待を口にした。

「昨シーズンから積み重ねてきたものがあって、今もまだすり合わせている段階ですが、でも徐々に試合の中でも狙っている形が出てきたりとかして、チームの形というのは、そういうことの繰り返しで作り上げていくものだと思います。まだこれがどうとかは言えないですけど、開幕の1発目でどう出せるかが大切ですし、でも出せていけるとは思っていて、だからそこは楽しみですね」

明日27日(現地時間)のアメリカツアー3戦目を戦った後、角田楓佳は何を獲得し、そして、それらの経験を得て、どのように今季を戦っていくのか。ぜひ、昇格4シーズン目を迎え、飛躍を期す背番号14のMFに期待してほしい。
(文・写真/URL:OMA)

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