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24.05.09

【両チーム 前日公式会見 】「AFC Women’s Club Championship 2023 – Invitational Tournament(AWCCIT) Final」

9日、レッズランドクラブハウスにて「AFC Women's Club Championship 2023 – Invitational Tournament(AWCCIT) Final」の前日公式会見が行われました。

三菱重工浦和レッズレディースからは楠瀬直木監督と柴田華絵キャプテンが、仁川現代製鉄レッドエンジェルズからはキム ウンスク監督と田中陽子選手が出席し、試合への意気込みや大会へのおもいなどを語りました。

【楠瀬直木監督】
「はじめに、日本サッカー協会をはじめWEリーグの方々、三菱重工浦和レッズレディース、仁川現代製鉄レッドエンジェルズ、いろいろな方の尽力によってこの大会の決勝をできることを本当に感謝いたします。

まさか日本で女子のクラブ単位での、アジアの大会の決勝ができるとは思っていませんでした。歴史的な一戦に関われることを本当に誇らしく、また感謝しています。また、仁川という歴史のある、韓国で本当に強いチームと戦えることをうれしく思っています。

これがアジアの女子サッカーの発展、そしてヨーロッパに負けないようなところにつながるきっかけになればと思います。明日はいいサッカーが展開されて、みなさんが喜ばれるような試合にできたらと思います。頑張りますので、よろしくお願いいたします」


【柴田華絵】
「今回、このように日本でAWCCITの決勝を開催していただけることに感謝しています。本当にありがとうございます。私たちは日本の代表として、明日は試合ができます。私たちのいいところ、いいプレーが出せるようにしたいですし、明日はたくさんの方が応援にきてくださると思いますので、みなさんに『来て良かった』と思っていただけるような試合をできたらいいなと思っています。韓国からわざわざ来ていただいているので、この試合にふさわしいように戦えればと思っています」


【キム ウンスク監督】
「まずはこのような場を設けていただいて、大変感謝しております。チームは創設31年目となりますが、このような大きな国際大会を迎えるのは初めてです。その中で緊張もしていますが、全力で準備をしました。明日は韓国らしい、いいサッカーができるように努めてまいります。応援のほどをよろしくお願いします」


【田中陽子選手】
「このように、私が日本人として韓国のチームでAWCCITという大きな大会でプレーできることをうれしく思います。この大会に出るまでに、私たちはウズベキスタンで3試合をして、そこで1位通過することができて、三菱重工浦和レッズレディースと試合ができる機会をいただきました。これだけ大きな大会はクラブでも初めてだと監督もおっしゃっていましたが、韓国のチームとしてプライドと責任を持って、明日は絶対に勝てるように頑張りたいと思います」


[質疑応答]
(両チームの監督にお伺いします。お互いのチームの印象についてお聞かせください)
楠瀬直木監督
「仁川現代製鉄レッドエンジェルズは韓国らしいスピードとパワーのあるチームだと思っていますし、そこに日本でも活躍した田中選手がいるということで、厄介な相手だと思っています。そういう相手とできることをうれしく思いますので、頑張っていきたいです」

キム ウンスク監督
「楠瀬監督は物腰柔らかな優しい方だという印象ですが、ピッチに入ったらすごく激しいオーラがあるなと思いました(笑)。チームとしては、近年のリーグで成績を残していて、今もリーグ1位にいることは知っています。韓国ではそれがレッドエンジェルスなのですが、日本では三菱重工浦和レッズレディースということで、似たようなチームの印象を持っています。明日の試合がすごく期待されます」

(両チームの監督にお伺いします。今大会がチームや日韓両国、アジアの女子サッカーにもたらす意義について、どのようにお考えでしょうか)
楠瀬直木監督
「当初はこの決勝戦が中止になるということで、正直に言うと、女子サッカーはまだアジアの中でもそういう扱いなんだな、と感じていました。しかしいろいろな方の力によって、この決勝戦ができるようになりました。我々はこれをチャンスとして、お互いにいいサッカーをして、アジアの女子サッカーもこんなに楽しいんだ、強いんだ、いいんだぞということを証明して、次への扉が開くきっかけになればという意義を持って、戦っていきたいと思います」

キム ウンスク監督
「この大会の開催にあたり二転三転して、開催できるかという不安もありました。リーグの最中で怪我人も何人かいる中でいろいろな心配がありますが、それでもこの試合ができることを期待していました。日本は近くて遠い国だという認識もありますし、今は日本が韓国よりも女子サッカーが盛り上がって、水準が高いのも認識しています。田中選手のように韓国でプレーしている日本人選手が多いことも、それを証明しています。その中でも、明日の試合のためにしっかりと分析も準備もしてきました。今は期待のほうが大きいです」

(両監督にお伺いします。試合のキーポイントはどのようにお考えですか)
キム ウンスク監督
「三菱重工浦和レッズレディースさんの試合を分析して、とても上手だという印象を持ちました。また、日本のサッカーとヨーロッパのスタイルを融合したような形と見ています。ただ、自分たちには韓国代表の正GKもいますし、韓国代表のキャプテンも守備陣にいます。強固な守備をベースに戦えればと思っています」

楠瀬直木監督
「相当分析をされていてほぼ丸裸になっているようなのですが、そこでビビらず、相手の速い攻撃をしっかりと食い止められれば我々にも勝機があるかなと思っています」

(両選手に伺います。U-20の日本代表でチームメートだったと思いますが、お互いの印象や強みはいかがでしょうか)
柴田華絵
「(田中)陽子は技術に優れていて、特にキックが両足で蹴れて、U-20では両足で得点するくらい上手な選手です。久しぶりに会ったのですが、久しぶりに会った感じがしないくらい若い頃から一緒にやっていた選手なので、明日はとても楽しみだと思っています。試合中のお互いの駆け引きを見ていただきたいですし、ポジション的にもマッチアップする場面が多いと思いますので、そういうところを見ていただきたいです」

田中陽子選手
「ハナ(柴田華絵)とは15歳くらいから一緒にプレーしていて、こうやってAWCCITの決勝でまた一緒にプレーできることに期待もありますし、心からうれしいです。ハナは昔からすばしっこくて体力もあって、相手にいたら厄介な選手です。うまい選手なので捕まえるのが難しいですけど、明日一緒にプレーできたら、お互いに駆け引きをしながら楽しみたいと思います」

(田中選手に伺います。日本、スペイン、韓国でプレーしてきましたが、韓国のサッカーをどのように感じていますか)
田中陽子選手
「私は今まで3カ国でプレーしてきましたが、韓国は日本と似たようなサッカーかと思いきや、フィジカルやスピードがあって、速いサッカーをするイメージがあります。今回は外国籍の選手は怪我の影響で試合に出られないのですが、外国籍、アフリカの選手もいて、特長のある選手も多くいます。サッカーとしてはサイド攻撃も速く、高さもあって、日本とは違う感じで迫力があります」

(田中選手に伺います。1回中止になったのは、チーム内ではどういう受け止め方だったのでしょうか。また、今の日本サッカーやWEリーグをどのように見ていますか)
田中陽子選手
「中止が決まったときは理由も何も分からなかったので、私たちもそれを聞いたときは驚きました。そして、協議してまた開催が決定したことも驚きました。こうしてさまざまな方のご尽力によって大きな大会が日本で開かれることを、光栄に思います」

WEリーグはなでしこリーグから変わってプロリーグになって、私がいた約5年前と比べてメンバーも変わって若い選手も多いのですが、以前よりパワーもアップしていてスピードもあって、昔の日本のサッカーとヨーロッパの力強いサッカーが融合している印象を受けます。12チームあっていろいろなチームが戦う中で、いろいろなサッカーが見られてすごく楽しいですし、選手のレベルもすごく高いと感じます」

(両監督に伺います。チームの強さの秘訣はどのようなところにあるのでしょうか)
楠瀬直木監督
「強みとしては監督の手腕と言いたいところですが(笑)、我々ではなくどこのチームがAWCCITに出ても、おそらくこの場に居られたと思います。それは日本サッカー協会をはじめ、トレセン活動や大会の整備、普及活動などが身を結んできたからです。今はアンダー世代の予選をやっていますが、そういうところでの力も着実についてきています。そこをなでしこリーグからWEリーグに変えて整備をしたところが、結果に表れているのかなと思っています」

キム ウンスク監督
「20年前にWKリーグができて、仁川現代製鉄レッドエンジェルズは11連覇していて、今年は12連覇に挑戦中です。30年前、現代製鉄の会社で大きな夢を持ってクラブを立ち上げ、今もいろいろな支援をいただいていて、韓国国内では『現代製鉄』という一つの大きなブランドができあがっています。誰もが来たいけれども簡単には入れないチームだという自尊心を持ってやっているところが強みです。その中で田中選手のように海外の選手も多く在籍しています。昨シーズンは連敗からのスタートで苦しいシーズンでしたが、最後は優勝しました。そうした自尊心を持ってリーグにも挑んでいます。韓国では『やっぱり優勝は現代』というたとえ言葉があるくらい、自分たちは確立されているチームですので、そこが一つの強みになっていると思います」

(柴田選手に伺います。男子トップチームは3度のACL(AFCチャンピオンズリーグ)優勝経験がありますが、浦和という看板を背負ってアジアの舞台に立つことへの決意をお聞かせください)
柴田華絵
「私も男子がアジアで優勝した姿を見ていますし、ファン・サポーターの方々の熱い声援の力が大きいと感じています。そういった方々のためにも、ではないですが、優勝しないといけないチームだと思いますので、『するんだ』ということではなく『優勝します』という意気込みで臨みたいです」

(田中選手に伺います。浦和のサポーターはすごく熱狂的なイメージを感じていたと思います。明日は完全アウェイになるという予想がありますが、その点についてはいかがでしょうか)
「浦和のサポーターは日本で一番有名なくらい、応援がとても多いです。韓国の選手は驚くと思いますが、そこは私が先に話をして、アウェイの感じを受けず、言葉も分からないと思うので、逆にその応援を自分たちの力にしたいです。そういうスタジアムでプレーできることは選手にとって光栄なことなので、そこに負けないよう、自分たちのペースでプレーできるように頑張ります」

(楠瀬監督・柴田選手にお伺いします。明日の試合は、これまで女子サッカーを見てこなかった人たちからも注目される試合だと思います。明日の試合を観戦する方や、まだチケット購入を迷っている方へのメッセージをいただけますか)
楠瀬直木監督
「この2人(柴田華絵・田中陽子選手)が数年越しに巡り会うことなどは、本当にスポーツをやっていて良かったところだと思いますし、そういうところもメディアのみなさんにはドラマチックに書いていただいて盛り上げて頂ければと思います(笑)。どちらが勝つにせよ、非常にいいサッカーができると思いますので、ぜひ見に来ていただければと思っています」

柴田華絵
「女子サッカーで韓国を代表するチームと日本を代表するチームが試合をすることは、なかなかないことだと思います。その意味でも貴重な機会だと思いますし、それが日本で開催されるので、この機会にぜひ足を運んでいただきたいです。見に来てくださった方々に『来て良かった』と思ってもらえるようなサッカーをしますので、ぜひみなさん見に来てください」



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