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25.07.21

KICK OFF the PLAYERS/池田咲紀子

2025/26 プレシーズンのアメリカツアーをスタートした選手たちの今季の意気込みを短く伝える「KICK OFF the PLAYERS」。

トップチーム登録をされて19シーズン目を迎える池田咲紀子の今シーズンの意気込みをお伝えします。



「コンディションは割と上がってきてるって感じです」

長距離移動や時差はアスリートにとって負担となるが、池田咲紀子は落ち着いた様子で自身の状態を語る。

「時差ボケは全然してないです。膝の調子とかは少し影響あったんですけど、体調面とかは全然大丈夫です」

コンディションについて懸念はない。むしろ、日本とは異なる環境でのトレーニングが、心身に良い刺激を与えているようだ。

「こちらに来てから、実戦というかチームでいろいろと確認しながらシュートとかも結構受けているので、コンディションは割と上がってきてるって感じです」

「新しい選手たちが積極的にコミュニケーションを取ってくれる」

今シーズン、メンバーも入れ替わり、新たな顔ぶれも加わっている。在籍期間も長く、最後方からチームを見る彼女はどんなふうに変化を感じ取っているのだろう。

「新しい選手も入って、その選手たちが結構コミュニケーションを積極的に取ってくれるし、『今のどうですか』とかそういう話がいっぱい来ます。新加入選手との差というか、そういうものはなくやれてます」

経験豊富な池田に対し、若手が臆することなく意見を求める。その活発なコミュニケーションが、チームの融合を加速させている。それは、昨シーズンから継続する戦術のさらなる深化にも繋がっているという。

「去年やっていた部分の細かいところの積み上げから入れていると思うので、その面はすごくポジティブにやれていると思います」

「海外でも日本のサッカーを好きになってもらえるようなきっかけに」

そんな中、池田はこのアメリカツアーでどんなものを獲得しようとしているのだろうか。

「一番は、SOMPO WEリーグの開幕に向けて、しっかりレベルの高い相手とやる中で、コンディションを上げて整えていくというところが一番です。その中で予想ですけど、たくさんの人が見に来てくれると思います。アメリカの女子サッカーはすごく強くて、多くの人が観に来てくれると思うので」

女子サッカー先進国であるアメリカのファンに、自分たちのサッカーを見てもらえるまたとない機会。そこで何を見せられるか。池田は、自身のプレーを通して、日本のサッカーの魅力を伝えたいと考えている。

「自分らしさを出して、いい選手がいることを伝えたいですし、アメリカの人たちに日本のサッカーを好きになってもらえるようなきっかけにもできるチャンスだと思うので、自分自身はそういうところも狙っていきたいです。アピールの一つだと思うので、個人のアピールっていうところもしっかりやりたいです」

「何もできなかったで終わるのではなく、しっかりチャレンジしたい」

ツアー中に行われる強豪との対戦を前に、チームはスカウティング映像で相手を分析し、守備の確認も行った。対戦相手のSeattle Reign FCについて、池田は冷静に印象を語る。

「中盤にはやっぱりうまい選手がいて、サイドだったり前には本当に速く、多分決定力もある選手がたくさんいると思うので、そこはGKなので印象に残っています」

相手の強さを認識しつつ、一方で実際に対戦してみないとわからない部分もある。だからこそ、チームとして、個人としてどう戦うかが問われると考えている。

「まずは、どういう形になるか分からない部分もあるので、みんなで浮き足立たないでやりたいです。まずは自分たちができることにしっかり集中して、その中でやりたいことをやれる時間もあると思うし、やれない時間がもしかしたら多くなるかもしれないですけど、それでもお互いコミュニケーションを取って受け身になりすぎたりとか、何もできなかったで終わるんじゃなくて、しっかりチャレンジして、何か積み重ねができるような試合にしたいです」

そして、その挑戦するチームを、最後方から力強く支えるつもりだ。

「自分自身もそれを最初のところから90分通してしっかり後ろから支えられたらなって思ってます」

「これまでと同じく昨季の自分より成長する」

長いキャリアを誇る池田だが、その向上心が尽きることはない。毎シーズン、彼女は自身に一つの変わらぬ目標を課している。

「毎年変わらずあるのは、昨シーズンの自分より成長するということです。毎シーズン、自分の中で掲げています。どんなシーズンになっても、自分としてはこの部分が昨シーズンより成長できたなとか、そういう部分を変わらず追求しています」

この向上心こそが、彼女をトップレベルの選手であり続けさせる原動力だ。そして近年、その視点は自身のプレーだけに留まらない。チームにおける自身の立場を理解し、その役割を果たそうという意志を持つ。

「自分自身もチームの中でベテランになり自分のプレーだけじゃなくて、チームのためだったり、周りの若い選手の助けになるような存在になりたいというのを、ここ何年かは思ってやってきています」

特に、同じポジションを争う後輩たちへは、自身の持つ全てを伝えたいと考えている。それは、チームの未来を見据えての、経験豊富な選手としての責任感だ。

「特にキーパーの2人というか、後輩たちには自分ができること、自分が培ってるものをたくさん伝えて、キーパーチームの底上げに貢献したいと考えています。そこは自分自身もチャレンジしながらやりたいと思っています」

自身の成長とチームの成長。その両輪を追求し、池田咲紀子の新シーズンが始まる。

(文・写真:URL:OMA)
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