ONLINE MAGAZINE/REDS VOICE
2001.8.10 Vol.44

「浦和レッズシーズン2001 を語る会」ご報告

〜3月2日会合から〜

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第1部 Q&A
川繁・浦和レッドダイヤモンズ代表
横山謙三・浦和レッドダイヤモンズゼネラルマネージャー
進行 大野勢太郎・NACK5パーソナリティー
[大野勢太郎]
 みなさん、こんばんは。今回も進行をお手伝いさせていただくことになりました。昨年、J2からJ1に昇格を決めた後、私は「早くやろう、早くやろう」と、横山さんを始め、ホームタウン部の本間さん、あるいは新田次長に言っていたんですが、なかなか体制が固まらない、固まらないと。いつもそうなんですけど、固まった後にやりたいと。こういうことで延びてしまいました。開幕1週間前、いろんな意味でみなさんも、われわれ取材する方も、当然クラブもチームも選手もモチベーションが高いところ、ということで本日お忙しい中にお集まりをいただきました。
 私がいろいろと質問してまいりますが、たぶん足りないところも数多く出てきますので、みなさんからいただいたものは手元にあって、ある程度整理をいたしましたが、それでも聞く時間が今日は制限時間が55分くらいです、いただいた時間が。それでは足りないかと思いますので、後ほど例によって私が下にこのマイクを持って降りてまいりますので、みなさんから質問をしていただきたいと思います。
 まず中川代表から、もうマッチデー・プログラムでお話をしていると思いますが、あらためて去年の総括と今年にかける気持ち、展望、その辺りを簡単に、ごあいさつをかねてお話しいただき、続いて横山GMにも同じような形でごあいさつがわりにお話をしていただきます。 まず中川代表、お願いします。

[中川繁代表]
 みなさん、こんばんは。昨年に続きまして、このように大勢お越しいただきまして誠にありがとうございます。昨年の総括でありますけども、ご承知のようなことで、スタートは非常に良かったんですが、中盤からおかしくなってきた、と。それがなかなか立ち直させることができずに、とうとう最後になって横山GMが総監督という形で、やっと何とかしのぎ切ったと。本当に最後の最後までみなさんにはご心配をおかけしたことを申し訳なく思っております。そういう反省もありますが、今年にかける意気込みはそういうことで、ご承知のような補強をいたしました。今までにないというくらいお金もかけました。10人の選手が去り、9人の選手が新たに加入したということです。指導陣も、6人のブラジル人の指導者とスタッフ、選手も3人のブラジル人ということで、9人のブラジル人が来たということです。あとでチッタ監督のお話もあるかと思いますが、こういう体制を取りましたので、本当にできるかと言われるかもしれませんが、目標は高く掲げて優勝を狙いたいと思っております。今シーズンも熱い応援をお願いいたします。

[大野]
 中川代表でした。それでは横山GM、昨年の総括と今年の展望、期待、そのへんを含めながらお願いします。

[横山謙三ゼネラルマネージャー(GM)]
 みなさん、こんばんは。昨年は皆様方に大変ご心配をおかけして、なおかつ最後のみなさんのご声援のおかげでやっと1部に復帰することができて、本当に心からみなさんに感謝いたしております。1年、大きく言えば2年非常に悔しい思いをしてきた訳ですけども、去年1年を振り返れば、いま社長から話がありましたけれど、少し戦い方が攻撃的になりすぎて、どんどん攻撃的に戦ったらどんどん勝てるんじゃないか、ということがスタートであったということで、このままいけるんじゃないかな、と思ってたんですけれど、攻撃というのは水物で、ある程度防がれるとなかなかその先に行きにくい、ということがあって、そういうあとを突かれて失点して、チームが少しオタついたという時期があったと思います。
 これはマッチデー・プログラムにもお書きしましたけれど、J2の経験というものが、これはないのが一番いい訳ですけども、J2のレベルというのは、長丁場を戦う上では、やはりきっちりと守備を固めて、少ないチャンスでも点をもぎ取って、勝ち点を挙げるという戦い方を最初からした方が良かったんじゃないか、という気がいたしております。そういう面で、少しわれわれクラブ全体が、J2は簡単に勝てるんじゃないか、という甘さがあったんじゃないかと反省しております。 そういうことで非常に苦しい戦いだったわけですけども、先程も申しましたけど、本当に皆様方のおかげで、最後の方はどこへ行ってもホームでやっているような、そんな雰囲気で戦うことができて、みなさんの力をお借りして復帰したということだと思います。今年はそういうものを反省して、指導陣も一新いたしまして、やはり浦和レッズを大きく変えていくという面で、監督、コーチ、その他のスタッフも大がかりに変えました。そして選手の補強も、いま社長から話がありましたように9人入ってきた、ということで、特にブラジルの3選手というものがかなり大きな力になってくれるだろうと期待しています。まだ少し馴染みがないですけれど、10日までにはまだ時間がありますし、最初のゲームでいいスタートを切って、何とか波に乗りたいと思っています。そういう面で今年もぜひ皆様方の熱いご声援をお願いしたいと思います。

[大野]
 今まで行った「語る会」の中で、横山謙三さんからこれほど率直な意見は出たことがありません。去年、J2をクラブも現場もみんな甘く見ていた、反省しています、申し訳ない、と。ここから新たなスタートを切る訳ですが、今までいただいているもの、あるいはサポーターのみなさんから寄せられる意見を集約していると、最大のポイントは長期的ビジョン、先を見る力がないのではないか。物事が起こったときに、いつも場当たり的にクラブは対応しているのではないか。そういう意見がかなり多いんです。今回はブラジル体制になって、そのお話は後ほどうかがいたいと思いますが、今一番クローズアップされているのが、大原サッカー場の練習場の問題です。東松山市という、車で混んでいれば2時間、早くても1時間ぐらいかかるところまで移動して、そこで練習をする、テストマッチをする。極めてこれは異例なことではないかと思います。まず今日は、いただいているもので一番数の多い、大原サッカー場を含めたところでのハードの面のお話からうかがいたいと思います。 まず中川社長。大原サッカー場ですが、チッタ監督は毎日のように「こんなところはJ1がやる練習場じゃないんだ」と率直な意見を言っています。今までオジェックもケッペルも、あるいはデモスも、少々そういう話はしていたんですが、さほど毎日毎日言うことはなかったんですが、チッタ監督は日々言っている。そういうところを社長はどういうふうに受け止めていらっしゃるのでしょうか。

[中川]
 大原の状態は、出来てから7年ぐらいということで、年々悪くなって来ているということは一つ言えると思うんです。やはり土台から排水などの設備も含めてやり替 えないといけないのではないか、そういうところまで来ています。浦和市の方も十分認識していただいていますし、それに代わる場所がどこか、ということで市内でもいろい ろと探していましたけれど、大原より悪いところでは意味がありませんし、そういうことで先程の東松山で当面週に2回とか、それくらいは向こうを貸してもらうということ で、緊急避難的にやろうということであります。
 将来的には、私ども前から言っています、専用の設備をどこに求めるかというのが一番の問題なのですが、前にもお話ししたかと思いますが、ホームタウンの浦和市の中で グラウンドが作れるところは、もう見沼たんぼのエリアの中か河川敷か、ということになります。そうすると今度はクラブハウスが建てられない、というようなことで、じゃ あ市街地になれば宅地並みの値段になりますし、美園の新しいスタジアムの周辺はどうか、ということで、今も候補を一つ二つ当たって折衝しているところもございます。地 主さんとの関連などで、公表できる段階ではありませんけれど、そういうことで我々自身の一番緊急問題として今動いています。

[大野]
 ということは、それが決定しない限り、しばらく大原と東松山の併用状態が続いていくということになるんですかね。実際に大原を改修するとなると、1回ほじくり 返してですね、また石を敷きその上に土をかけ芝のタネを蒔き、ということで結構な時間がかかると思うんですが、その辺りの見通しというか、今年1年はまたこれで進んで 行くんでしょうか。

[中川]
 たとえば大原の1面を根本的にやり替える。1面は取り合えず応急対策で、今よりはいい状態にして、当面そこと他とを併用する。そういうことしかないか、と思い ます。東農大を借りたりしていますが、そういうことも含めてやり繰りをしなきゃならんと思っています。

[大野]
 あれは市の持ち物ですから、どうしても少年たちが使う場合が出てきますよね。レッズ専用という訳にはさすがにいかないと思うんですね。市の税が投入されてますから。そうすると、決して良くなる見通しというのはないんじゃないかな、と私は個人 的に思うんですが。

[中川]
 ですから、稼働率を市のほうがどう考えていただけるかということもあると思うんですね。ご承知のように駒場も非常に悪くなってきていますよね。あれも過稼働ということを聞いていますし、やはり芝の事を考えた稼働率ということをきちんと守っていただくことが重要じゃないかと思います。

[大野]
 クラブの中である程度そういうようなプロジェクトができて、浦和市内の中でどこか、総合的に考えて、将来何十年使ってもJ1のクラブとして、この練習場は日本のその他のクラブに誇れるぞ、というような青写真というのはできているんですか。

[中川]
 ですから、どこを選ぶかということになる訳ですが、今度の新市になった場合に、エリアは広がりますけれど、それでも適当な場所があるかということになりますよね。しかし、かと言ってアルディージャさんを飛び越えて北に行くというのがいいのかどうかということもありますし、今のところは今の浦和市の中で探した結果が先ほど言 ったようなことですね。

[大野]
 大宮アルディージャもですね、指扇の方に市から提供されて造成工事をやっていたんですが、うまい調査ができずに実際に出来上がったら、今度はそれが陥没したという状態で、また1〜2年は専用の練習場が持てないというような話を聞いたんですが。

[中川]
 私もそう聞いております。

[大野]
 それは、是非とも避けていただきたいし、プロとしてしっかりとした構想を持っていただきたい。

[中川]
 そうですね。ですから、そういうこともありますので、土地の値段を考えれば見沼とかそういうところになりますけど、それでは大原の繰り返しということになりか ねませんから、それでどうするかということで悩んでいる訳です。

[大野] 横山ゼネラルマネージャー。横山さんも実際に監督をおやりになったし、選手 の経験…と言っても昔はもっとひどかったと思うんですが、実際にいまプロのサッカー人として、あの大原のサッカー場については、チッタ監督の言っていることを含めてど ういうふうに率直に感じていらっしゃるんでしょうか。

[横山]
 そうですね。昨年の何ヵ月か、あそこで練習したんですが、かなり…かなりというか、もうできないくらいになっていることは事実ですね。ですからこれは早急に何 とかしなければいかんと思います。

[大野]
 今、芝の問題ばかりが言われておりますが、芝だけではなく、昔2年目、横山さんが監督をやっているおわりのころ、あのころは福田選手がトップになっていろいろ と発言をしていたんですが、ともかくクラブハウスと言えないようなこの建物、これが本当にプロとして我々がシャワーを浴びるところなんですか、という発言をして、その 後あれも全然変わっていないと考えると、中川社長、やはりこれはそういうところも含めて、大きい意味での投資というんでしょうか、それが21世紀のレッズに一番最初に 課せられた大きなお仕事なんじゃないでしょうか。

[中川]
 ですから、先ほど申し上げたように、グラウンドだけでクラブハウスが建てられないエリアが多い訳ですよね。クラブハウスも建てられてグラウンドもできる、と。 宅地の中でもそれに見合うようなところがあるかというと、今度は坪数の関係で、そんなに空いているところはありません、ということになります。ですから、ずいぶんいろ いろと見て回っているんですが。

[大野]
 見ていますか。その中で3つぐらいに絞られた。

[中川]
 絞ったと言えるかどうかですけどね。大原より駄目なところは最初から駄目ですから。クラブハウスも建てられませんから、見沼のエリアでは難しいかな、という感 じです。

[大野]
 見沼のエリアでは難しいとなると、これはそう簡単に決まりませんよね。地価がいくら下落しているとは言え、それなりの値段がしますからね。

[中川]
 ですから浦和市だけの問題ではなくて県の条例ですから、条例まで変えていただいて、スポーツ施設は建てても良いとか、スポーツ公園を作ってそこにはそういう施 設を建てても良いとか。そこまでやっていただけるかどうかということも含めて、これからの動きにかかってくると思います。

[大野]
 これは見沼三原則にかかってくる訳ですか。自然保護の。

[中川]
 そうです。今の大原のクラブハウスを作るにも、ああいう程度の物しか出来なかったと聞いております。

[大野]
 ただ、やはり環境保護などの問題はありますが、スポーツ文化ということを含めると、その条例の一部手直しなどをですね、県も市も浦和レッズに出資をしている訳 ですから、正直言ってそんなに売り物がある県ではない。それを考えると、当然ながらその辺りを変更しながら、トータルのスポーツパークのような形で作り上げていく形は できないんですかね。

[中川]
 それは県がどうお考えになるかということもあると思います。やはり、緑、自然を保護するという思想が貫かれているようですから。

[大野]
 一つ、うらやましい話が新聞に出ていて、まだまだ時間がかかると思うんですが、柏レイソルなんですが、日立と柏市が手を組んで総合スポーツ施設を作ると。そこ は当然、選手たちがトレーニングをやりながら、そこに市民たちが参加して、たぶんある程度の会員制度になりながら、ソシオの入口に立ったのかな、と私なんか思いますけ ど、こう言ったことも含めて考えますと、火急の要件ですね。

[中川]
 ですから、そういう形で県や市も動いていただければ、我々としては当然ありがたいですけどね。

[大野]
 社長、ある程度いつごろまでに答えを出したい、というのがありませんかね。

[中川]
 いつごろまでにというか、早ければ早いほどいいですがね。

[大野]
 何となくやっているという話を聞いてもですね、いつなんだろうなあ、と。今年もまた大原のあの凸凹が、という話ばかりが監督から続いているうちに1年が終わっ ちゃうような感じで。

[中川]
 まあ、今までのところは現実にそういうことですね。

[大野]
 なんかもう、ほとんど決まってるんではないですか?

[中川]
 いや、いや、そんなことはありません。

[大野]
 そうですか?

[中川]
 そんなうれしいニュースがあれば、発表しますけど。

[大野]
 じゃあ、今度は県営スタジアムなんですけど、あの辺りを含めたところで、私なんかはスポーツの大きな広がりができてくるといいな、と思うんですが、あそこもま た引っ掛かってくるんですか。

[中川]
 ですから、そういうところも今、視野にいれて調査もしています。たとえば美園駅からスタジアムに至るまでは商業化区域になるというんで、今いろいろデベロッパ ーが選ばれていて、まだどこになるかは決定していないようですが、そういう動きもあるようですから、そういう場所はクラブハウスなども建てられるであろう、と。しかし 宅地化してしまったら土地の値段はつり上がるかもしれないし、だけど可能性はどうかということで、最近そのニュースを得ましたので、いま動いて情報を当たりつつあります。

[大野]
 どのくらいの坪数が必要になりますかね。

[中川]
 まあ、最低でも1万坪ですかね。今の大原の面積ぐらいは最低でも必要でしょうし、それ以上になれば言うことないですけどね。

[大野]
 この間、Jヴィレッジの松本さん、芝博士がたまたま来ていて、お茶飲みながら話したんですが、プロの練習場で選手が気をつかわずにたっぷり練習できる芝の面数は、天然芝3面、人工芝1面。できるなら天然芝4面必要なんだ、と。

[中川]
 ですから理想を言えばきりがないんで、現実的な事を申し上げたんです、1万坪というのは。大原程度ということで。

[大野]
 どうでしょうか、もう少し、2万坪…。

[中川]
 いや、その…。

[大野]
 社長、私はわがままを言ってる訳じゃないんです。それをやって周辺をスポーツパークにしながら、みんなサポーターが願ってるソシオ制度、会員を募る。すると収 入が生まれる。一つのスポーツビジネスのスタートとなると思うんですね。選手たちもいま非常に不安に思ってるのは、現役を引退した後、自分は何やればいいんだろう、と 。すると、ある一部分ではそういうところに指導者で入れる。そこにまたビジネスが生まれる。長い目で見ると、三菱自動車の副社長までやった中川社長なんですから、おわ かりいただけるんじゃないかと思うんですが。

[中川]
 それはもちろん理想なんですが、クラブとして負担できる範囲がどこまでか、ということも当然ありますし。

[大野]
 でも今のうちにやっておいた方がいいんじゃないですか。

[中川]
 ですから我々は、たとえば自治体とかデベロッパーに作っていただいて、それをリースでお借りするというやり方もありますから。さっきお名前が出たような、よそ の大クラブもみんなだいたいは親企業の立派な設備を借りているんですが、かなりのリース料を払っているんです。ですから我々も他クラブ並みにリース料を払ってもいいん じゃないか、払わなきゃいけないんじゃないか、と。よそ並みに強くしようと思えば。そういうことを今言っているんです。大原を作るときには我々がお金を出したというこ ともありますから、安い使用料でやらせてもらっていますし、それ以外には独身寮がありますが、そう賃借料をたくさん払っている訳でもないんで、あと年間1億なら1億出 して、いい施設を使おうと、いうことを論議している訳です。



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