NEWS
曺 貴裁監督 沖縄トレーニングキャンプ会見 「ファン・サポーターと一緒に闘える気持ちを共有する、そこには情熱と理論が共存しないといけない」
23日、曺 貴裁監督が現在沖縄県の金武町で実施されている「2026/27シーズン 夏季トレーニングキャンプ Supported by Juice」全体の振り返りや、開幕までの取り組みなどについて、メディアからの質問に答えた。
(FC琉球戦と藤枝MYFC戦の総括を)
「大学生との試合を挟んで、Jリーグチームとの初めての試合が琉球で、その後が藤枝でした。両チーム同じようなチームスタイルの中で、自分たちが、最初に戦術的な押さえをして選手が本当にやりたいエネルギーや躍動感に最初からふたをしてしまうのは少し違うと思っていたので、最初の1、2試合は戦術的な指示はある意味最小限にして、選手の組み合わせ等をいろいろ試しながらやりました。
自分たちが今取り組まなければいけないことについては、琉球との試合である程度焦点が絞られたところがあったので、その期間で修正して、藤枝戦はそこに対する手応えを持たせて次のステップにいかなければいけないと思っていました。
秋春制にいたるこのシーズンは、僕が監督になってから時間がないけれども、かといってプレシーズンの最初から戦術的なところを全部押さえてやっていくと、シーズンに入ったときの伸びしろがないと思っていたので、その意味では琉球との試合で取り組んでやれたことと、少しうまくいかなかったことを整理して入ったことで、藤枝との試合ではその部分に関しての改善は見えましたけど、まだ『自分たちがどう得点をするか』とか『どう相手に進入させないか』というところはやっていかなければいけないことがあります。これから、もう1試合練習試合を重ねて、(開幕)1週間前のプレシーズンマッチをRB大宮アルディージャさんとやる中で、今の浦和は沖縄より、さらに暑いと予想される中で、暑熱順化といえども、対戦相手ではないもうひとつの大きなライバルが自分たちにはいると思っています。
ただ、ここで積み重ねてきたインテンシティーのトレーニングは、開幕から夏場の大変な時期に3、4試合はそういった気候の中でやらなければいけないわけですけど、そこから秋、冬となったときの、自分たちの戦術の積み上げは他のチームよりできる状態でいたいと思いますし、スタートダッシュができるように準備をしながら、そのスタートダッシュを経てさらにチームが大きくなる、そういったアプローチができるように今は準備しているところです。
質問の答えになっているか分からないですけど、そういう取り組ませ方というか、試合における目的というのは、琉球さんと藤枝さんとの試合に関しては、多少の変化、ではないですけど、少し違って臨ませた感じはありました」
(RB大宮アルディージャとのプレシーズンマッチについては、Jリーグ開幕に向けての準備として織り込んでプランニングしていたのか?)
「もちろん公開の試合なので、ファン・サポーターのみなさんへのお披露目という意味と、対戦相手に対してむき出しになっていくというところもあるんですけど、僕は『自分たちがどうなんだ』ということをまず前提に、当たり前ですけど今シーズンを送っていきたいと思っています。相手の研究や何かによって概念とか自分たちのコンセプト自体を変えてしまうことが、このチームにとって必ずしもいいとは思いません。
1週間前にそういう試合があるということで、メリットとデメリットはありますけれども、やるメリットを最大限に生かせるように、いろいろなシミュレーションをしながら、開幕のガンバ大阪戦に向かっていけるようにやっていきたいです。
情報戦のところもありますけれども、それよりも自分たちがどうプレーできるか、埼玉スタジアムでそういうことがやれるのは、僕にとっても選手にとっても、ある意味で新しいことを要求されているということで、モチベーションが上がる舞台だと思いますし、僕の中ではポジティブに捉えています」
(序盤は暑い中で試合をしなければいけないという話があったが、曺監督のやり方については一貫したものがあるとは言え、暑さ対策や、やり方を変えるような考えはあるか?)
「ハイドレーションブレイクほどではないですけど飲水タイムがありますし、飲水タイムのことを考えると、夏場の試合は4クォーター制の試合になりがちです。それは京都サンガF.C.でも湘南ベルマーレでも経験しています。
まず、試合の入りをどう戦えるかが夏場では非常に大事かなと思います。お互いに45分から60分、もしくは60分から75分の時間帯というのは、データで見ても減速・加速の回数やスプリントの距離が落ちがちな時間です。でも、それは我々だけが落ちて相手が落ちないとか、その逆というのも基本的にはないことです。だからこそ、ゲームの入りで主導権をどう握れるかが夏場はすごく大事になります。そこで先手を取れれば、2点目、3点目を取りながらゲームをクローズしていくことを考えやすいですし、前半が全然ダメで後半から一気にインテンシティーをあげようという戦いには、夏場は特になりません。そのあたりのゲームマネジメントは選手に理解させて、もし1点を取られても、当たり前ですけれども、2点目、3点目を立て続けに取られないようにしていかなければいけません。それはFIFAワールドカップを見ても改めて思いました。
ただなんとなくスロースターターで、相手の様子を見ていくような戦いを夏場にやってしまうと、自分たちが目指すスタイルもそうですし、勝ち星を稼ぐというところで言うと、それは賢明ではないと思っています。
もちろんゲームへの臨み方で千差万別ありますけれども、夏場だからといって絶対に押し通すものと、そういうことを考えなければいけないところのハイブリッドでやっていきたいと思います」
(トレーニングキャンプの短い時間の中で、これまでの浦和レッズの悪い習慣、クセみたいなものが見られたと思うが、どのようなアプローチで、それをポジティブな方向に向けていこうとしているのか?)
「昨シーズンまでチームを率いたマチェイ(スコルジャ)前監督が、やろうとしていたことがそうなっていたことなので、悪い習慣がどうこうというのは、それは失礼にあたりますし、全くそうは思っていません。
ただ、今から始まるもので、どういうことをしたらゴールを取る確率が上がるのか、逆に失点の確率が減るのか、どちらかと言えば選手はやっぱりゴールを取る確率が増える話をしたほうが入りやすいですから、そのことは今日もデータを使って話をしましたし、自分たちがどうなんだ、どうすべきなんだ、ということは、今まではそれに関してOKだったことが、僕が提示することで『それよりもこっち』ということは当然あると思いますけど、どちらにしてもそれは、別にスタイルを作ろうと思っているわけではなく、浦和レッズとしてこの選手たちの特長に合わせた、またクラブと話し合った中で最善で、そして自分たちが俗に言う『ファン・サポーターと一緒に闘える気持ちを共有する』、そこには情熱と理論が共存しないといけないと思いますけど、そういうものを今は選手と一緒に作っているつもりです。悪い習慣があった、なかったというのは置いておいて、自分たちが進むべきものの中に、どう努力していくのか、努力する方向は間違えてはいけないな、とは思っています」
(ここまでのトレーニングキャンプの手応えは?)
「『スモールスカッドの中でスタートしている』と言われることもよくありますけれども、僕はドイツが長かったので、ヨーロッパで言うと、セカンドチームがあるという前提の中で言うと、だいたいフィールドの選手は22、23人ですし、その中で移籍を繰り返しながら選手が入れ替わりやっています。
U−23のチームがあるので日本と互換性があるとは言えないと思いますけど、今のプレーヤーたちの意気込みとか、『自分たちがこのチームを変えなければいけない』という思いが決して少ないわけではないと思いますし、こういう人数で始めたのも浦和レッズとして近年はそんなになかったことかなと想像もできます。今はいろいろなポジションで『競争』が生まれていて、それは試合に出るためだけの競争ではなく、試合に出てチームを勝たせる競争、そういうレベルの高い競争が今はできていると思います。自分のポジションで誰かが点を入れたら、自分のポジションで誰かが入ったときに活躍したら、当然今まで以上にビビッドな反応があります。それはチームにとって必要なことなので、僕は前日にも誰がメンバーなのかをはっきりと決めるつもりはないですし、開幕戦の3時間前にメンバーを発表するまで、それぐらい選手たちが今は集まって『やってやろう』という気持ちになっているのは、どの戦術を作るよりも大事なことだと思います。その機運とかは失わないようにやっていきたいと思います」
(トレーニングキャンプの入りの練習から見ていると、人数に対してグリッドが狭く、嫌でも球際の局面が発生する激しさで、見ている側としては怪我人が出るのではないかと心配していたが、ここまで大きな怪我人は出ていない。怪我人を出さないけれども球際やインテンシティーを上げていくところは狙い通りにできているのか?)
「当たり前に分かりやすいですけど、今は『レガースをしてくれ』と話をしています。それは、そういうものが無駄に起きないように、狭い中でぶつかり合いがあると当然打撲とかは起きかねないですし、そういうアクシデントの怪我で選手がいなくならないように、というのは、自分からもそういう説明をしましたし、配慮もしました。今日は対敵の練習ではないので、みんながレガースをあまり着けていないのは『いらないよ』と僕が先に言っているだけなので、そのTPOは選手に理解させながらやっているつもりです。
リヴァプールFCやAFCボーンマスのプレシーズンを見たら、みんなレガースをしていないですけど、そういうところだけをまねして自分たちに落とし込んで『いいんだ』となるのは、僕は違うと思います。やはり必要なことは必要なことで言っていかなければいけないですし、狭いコートでやるポゼッションで、自分たちが身につけるものと逆に失うものがあるので、どうスペースを広げるか、どんな練習をするかというのは、失うものの大きさと得るものの大きさのバランスで、得るものが100で失うものが0という練習はたぶんないと思うので、今はどのタイミングでどういう練習が必要か、休みが必要なのか、それとも今日みたいな練習なのか、ゲームが必要なのか、それは僕がその都度空気を感じて決めていかなければいけないことですし、それをやることが監督の仕事です。決められたことをそのままそのように遂行するのであれば、監督が僕になってやっていく中での進む方法とはちょっと違うなと思います。
次の試合に勝つということよりも、毎日の練習をどうしようかをギリギリまで悩んで作っているのが現状で、今日も朝早くからスタッフ間でミーティングをして、『どうする?』という言葉がミーティング中に200回ぐらい出るくらいです。
本当に優秀なスタッフもいるので、どこまでやってどうするかとか、今日で言うと最後のシュート練習は僕の即興で決めましたけど、そういうことも含めて、選手は生き物ですから、先週はこの練習で勝ったから今週この練習をやろう、というのはやりがちですけど、僕はそういうことは思わないので、その辺のギリギリなラインは選手と対話しながら、様子を見ながら決めていかなければいけないと思います」
(得るものと失うものという話の中で、最近の浦和レッズは、ここはやられていないとか、そういうところを少し気にしすぎた部分があるかもしれない。それよりも、まずは自分たちがどうしたいか、というところがあるのか?)
「百年構想リーグとか、過去1年間の全てのデータをそのように見た前提でいうと、浦和レッズとして自陣ではなく相手陣内や中盤に近いエリアでボールをゲインしている数は決してそんなに多くはないというデータが出ています。それも下から数えたらだいたい5番目ぐらいです。
でも、先ほど言ったように、チームとしてそれがいいと思っていればいい数字ですし、チームとしてそれがダメなんだと言うとダメですけど、僕は試合に勝つために、そのゲインの数を増やしたいです。なので、それが悪かったと言うわけではなく現状がそう、だけどこの数を増やしてシュート、ペナルティーエリアに入る回数はゲインした後のだいたい15パーセントぐらいの確立なんですけど、それが20パーセントに増えれば、ペナルティーエリアに入る回数はリーグのトップになるんですね。
それは5パーセントの努力、50パーセントの努力ではないので、方向性を全部変えるというよりは、意識とかちょっとしたフォローやサポートをサボらないことで十分そこに到達できます。だから、この時点で優勝とかACL(AFCチャンピオンズリーグ)とかを僕が言いたくないのは、その目標に近づくために目の前の現実を変える5パーセントにこだわり続けないと、そこには絶対に到達できません。浦和レッズはいつも絵に描いた餅のように『浦和の責任を果たして、浦和として優勝』ということを言うのであれば、まず現実の自分たちに向き合って、その現実を5パーセント変える努力をしていかないといけないと僕は思っています。それは別に大きく言うことではないですけど、そういうものはこのキャンプでも選手には折に触れて話しています」
(宮本優太選手が京都サンガF.C.時代の練習で、ハイプレス、ハイプレスでゲームをしていると、試合になると相手のプレスが遅く感じる、そのくらいやってきたという話をしていた。その言葉を聞いて、練習のリアリティーなんだと感じたが?)
「まあ、少し話を盛っているところはあると思いますけど(笑)。別にずっとハイプレスの練習ばかりしているわけではないですが、そういう自信ができてくるのは間違いないと思います。(宮本)優太も京都に来たときに1年間戦った中で持っている自信で、この前の藤枝さんとの試合のときも、いい意味ですごく余裕がありますし、当たり前ですけど『練習でやったことより試合のほうが楽だな』と選手が感じられたほうがいいです。
練習でやっていないことは出ないのではなく、練習で経験したことが試合の臨み方とか負荷を楽にするという言葉が正確だと思っているので、そこはまだ始動してから2週間ちょっとぐらいで全部は変わらないですけど、僕が来た最初の埼スタでの練習のときよりは、そういう言葉とか、何が大事かというのは、選手それぞれがこういう取材を受けたときに発せられる言葉に変わってきているのではないかと思います」
(水沼宏太選手の声掛けが序盤はかなり目立っていたが、選手が要求し合うところの水準については?)
「それは本当に難しいことで、じゃあロッカールームで全員がしゃべっていたらいいチームなのかといえば、そういうことではないです。ただ、昨年まで在籍していたコーチに聞くと、ハーフタイムとかであれだけ話し合うことは、昨年まではそこまで多くなかったとは聞きます。でも、別に話すからいいとも思っていないですし、それは状況によりますけど、だけど勝ちたければ話すのが必要だろうし、改善したければ要求することが必要です。ワーワー言っているのがいいチームとは思わない、究極は黙って、何も言わなくても後半に改善されるのが一番いいことです。相手にもバレないですし、監督の話を聞くまでに整理ができているし。だけどそれができないからということなので、その辺はただ『勢いが出ました』みたいな話では一概にはないのかなと思います」
(これまで指揮してきた京都や湘南とは、浦和レッズは歴史的な積み重ねや成り立ちが違うと思う。浦和レッズならではの難しさややりがいについては?)
「監督になって間もないですし、試合もしていないので、やりがいとか難しいこととかを全部僕が話したら、それはちゃんちゃらおかしくなるとは思いますけれども、僕もある時期でこのチームにいましたし、当時もたくさんのファン・サポーターがいらっしゃいましたけど、そこから埼スタができて、倍以上のお客さんがそこに詰めかけるようになるのは、他チームにいながらも『すごいことだな』と思っていました。
京都とか湘南よりも、ということもありますけど、そこで自分たちがいつも生活の対象というか、そういったものになっているなと、パイの数とか目は多く感じます。だからといって、自分がそこを意識して何か仕事を変えることはないですけど、そういう人たちの思いに心底応えるために、この前も選手に言ったんですけど、『俺たちのファン・サポーターが本当にアンフィールドのように試合が始まる前に歌を歌って、その歌が止まったときにキックオフのホイッスルが鳴って始まったら、相手はほとんど勝てる気がしない。それを作り出すために、俺らはプレーで見せるしかない』という話をしました。それは点を取るとか取られないだけではなくて、ワンプレーの重みとか最後まで走り切るとか、そういうものは必要不可欠です。
でも、そこに対して心底ファン・サポーターのみなさんに反応してもらえるチームになったら、間違いなく強くて戦いにくいチームとなると思いますし、そういう素材や可能性がたくさんあるチームだというのは、来て改めて思います。想像するもののレベルを上げて、ファン・サポーターのみなさんと一緒に闘うんだ、というチームを作り上げていきたいですし、それは京都と湘南と比較してどうこうではないですけど、その数というか分母はすごく大きいチームだな、というのは、この短い時間でもいい意味では感じています」
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】
(FC琉球戦と藤枝MYFC戦の総括を)
「大学生との試合を挟んで、Jリーグチームとの初めての試合が琉球で、その後が藤枝でした。両チーム同じようなチームスタイルの中で、自分たちが、最初に戦術的な押さえをして選手が本当にやりたいエネルギーや躍動感に最初からふたをしてしまうのは少し違うと思っていたので、最初の1、2試合は戦術的な指示はある意味最小限にして、選手の組み合わせ等をいろいろ試しながらやりました。
自分たちが今取り組まなければいけないことについては、琉球との試合である程度焦点が絞られたところがあったので、その期間で修正して、藤枝戦はそこに対する手応えを持たせて次のステップにいかなければいけないと思っていました。
秋春制にいたるこのシーズンは、僕が監督になってから時間がないけれども、かといってプレシーズンの最初から戦術的なところを全部押さえてやっていくと、シーズンに入ったときの伸びしろがないと思っていたので、その意味では琉球との試合で取り組んでやれたことと、少しうまくいかなかったことを整理して入ったことで、藤枝との試合ではその部分に関しての改善は見えましたけど、まだ『自分たちがどう得点をするか』とか『どう相手に進入させないか』というところはやっていかなければいけないことがあります。これから、もう1試合練習試合を重ねて、(開幕)1週間前のプレシーズンマッチをRB大宮アルディージャさんとやる中で、今の浦和は沖縄より、さらに暑いと予想される中で、暑熱順化といえども、対戦相手ではないもうひとつの大きなライバルが自分たちにはいると思っています。
ただ、ここで積み重ねてきたインテンシティーのトレーニングは、開幕から夏場の大変な時期に3、4試合はそういった気候の中でやらなければいけないわけですけど、そこから秋、冬となったときの、自分たちの戦術の積み上げは他のチームよりできる状態でいたいと思いますし、スタートダッシュができるように準備をしながら、そのスタートダッシュを経てさらにチームが大きくなる、そういったアプローチができるように今は準備しているところです。
質問の答えになっているか分からないですけど、そういう取り組ませ方というか、試合における目的というのは、琉球さんと藤枝さんとの試合に関しては、多少の変化、ではないですけど、少し違って臨ませた感じはありました」
(RB大宮アルディージャとのプレシーズンマッチについては、Jリーグ開幕に向けての準備として織り込んでプランニングしていたのか?)
「もちろん公開の試合なので、ファン・サポーターのみなさんへのお披露目という意味と、対戦相手に対してむき出しになっていくというところもあるんですけど、僕は『自分たちがどうなんだ』ということをまず前提に、当たり前ですけど今シーズンを送っていきたいと思っています。相手の研究や何かによって概念とか自分たちのコンセプト自体を変えてしまうことが、このチームにとって必ずしもいいとは思いません。
1週間前にそういう試合があるということで、メリットとデメリットはありますけれども、やるメリットを最大限に生かせるように、いろいろなシミュレーションをしながら、開幕のガンバ大阪戦に向かっていけるようにやっていきたいです。
情報戦のところもありますけれども、それよりも自分たちがどうプレーできるか、埼玉スタジアムでそういうことがやれるのは、僕にとっても選手にとっても、ある意味で新しいことを要求されているということで、モチベーションが上がる舞台だと思いますし、僕の中ではポジティブに捉えています」
(序盤は暑い中で試合をしなければいけないという話があったが、曺監督のやり方については一貫したものがあるとは言え、暑さ対策や、やり方を変えるような考えはあるか?)
「ハイドレーションブレイクほどではないですけど飲水タイムがありますし、飲水タイムのことを考えると、夏場の試合は4クォーター制の試合になりがちです。それは京都サンガF.C.でも湘南ベルマーレでも経験しています。
まず、試合の入りをどう戦えるかが夏場では非常に大事かなと思います。お互いに45分から60分、もしくは60分から75分の時間帯というのは、データで見ても減速・加速の回数やスプリントの距離が落ちがちな時間です。でも、それは我々だけが落ちて相手が落ちないとか、その逆というのも基本的にはないことです。だからこそ、ゲームの入りで主導権をどう握れるかが夏場はすごく大事になります。そこで先手を取れれば、2点目、3点目を取りながらゲームをクローズしていくことを考えやすいですし、前半が全然ダメで後半から一気にインテンシティーをあげようという戦いには、夏場は特になりません。そのあたりのゲームマネジメントは選手に理解させて、もし1点を取られても、当たり前ですけれども、2点目、3点目を立て続けに取られないようにしていかなければいけません。それはFIFAワールドカップを見ても改めて思いました。
ただなんとなくスロースターターで、相手の様子を見ていくような戦いを夏場にやってしまうと、自分たちが目指すスタイルもそうですし、勝ち星を稼ぐというところで言うと、それは賢明ではないと思っています。
もちろんゲームへの臨み方で千差万別ありますけれども、夏場だからといって絶対に押し通すものと、そういうことを考えなければいけないところのハイブリッドでやっていきたいと思います」
(トレーニングキャンプの短い時間の中で、これまでの浦和レッズの悪い習慣、クセみたいなものが見られたと思うが、どのようなアプローチで、それをポジティブな方向に向けていこうとしているのか?)
「昨シーズンまでチームを率いたマチェイ(スコルジャ)前監督が、やろうとしていたことがそうなっていたことなので、悪い習慣がどうこうというのは、それは失礼にあたりますし、全くそうは思っていません。
ただ、今から始まるもので、どういうことをしたらゴールを取る確率が上がるのか、逆に失点の確率が減るのか、どちらかと言えば選手はやっぱりゴールを取る確率が増える話をしたほうが入りやすいですから、そのことは今日もデータを使って話をしましたし、自分たちがどうなんだ、どうすべきなんだ、ということは、今まではそれに関してOKだったことが、僕が提示することで『それよりもこっち』ということは当然あると思いますけど、どちらにしてもそれは、別にスタイルを作ろうと思っているわけではなく、浦和レッズとしてこの選手たちの特長に合わせた、またクラブと話し合った中で最善で、そして自分たちが俗に言う『ファン・サポーターと一緒に闘える気持ちを共有する』、そこには情熱と理論が共存しないといけないと思いますけど、そういうものを今は選手と一緒に作っているつもりです。悪い習慣があった、なかったというのは置いておいて、自分たちが進むべきものの中に、どう努力していくのか、努力する方向は間違えてはいけないな、とは思っています」
(ここまでのトレーニングキャンプの手応えは?)
「『スモールスカッドの中でスタートしている』と言われることもよくありますけれども、僕はドイツが長かったので、ヨーロッパで言うと、セカンドチームがあるという前提の中で言うと、だいたいフィールドの選手は22、23人ですし、その中で移籍を繰り返しながら選手が入れ替わりやっています。
U−23のチームがあるので日本と互換性があるとは言えないと思いますけど、今のプレーヤーたちの意気込みとか、『自分たちがこのチームを変えなければいけない』という思いが決して少ないわけではないと思いますし、こういう人数で始めたのも浦和レッズとして近年はそんなになかったことかなと想像もできます。今はいろいろなポジションで『競争』が生まれていて、それは試合に出るためだけの競争ではなく、試合に出てチームを勝たせる競争、そういうレベルの高い競争が今はできていると思います。自分のポジションで誰かが点を入れたら、自分のポジションで誰かが入ったときに活躍したら、当然今まで以上にビビッドな反応があります。それはチームにとって必要なことなので、僕は前日にも誰がメンバーなのかをはっきりと決めるつもりはないですし、開幕戦の3時間前にメンバーを発表するまで、それぐらい選手たちが今は集まって『やってやろう』という気持ちになっているのは、どの戦術を作るよりも大事なことだと思います。その機運とかは失わないようにやっていきたいと思います」
(トレーニングキャンプの入りの練習から見ていると、人数に対してグリッドが狭く、嫌でも球際の局面が発生する激しさで、見ている側としては怪我人が出るのではないかと心配していたが、ここまで大きな怪我人は出ていない。怪我人を出さないけれども球際やインテンシティーを上げていくところは狙い通りにできているのか?)
「当たり前に分かりやすいですけど、今は『レガースをしてくれ』と話をしています。それは、そういうものが無駄に起きないように、狭い中でぶつかり合いがあると当然打撲とかは起きかねないですし、そういうアクシデントの怪我で選手がいなくならないように、というのは、自分からもそういう説明をしましたし、配慮もしました。今日は対敵の練習ではないので、みんながレガースをあまり着けていないのは『いらないよ』と僕が先に言っているだけなので、そのTPOは選手に理解させながらやっているつもりです。
リヴァプールFCやAFCボーンマスのプレシーズンを見たら、みんなレガースをしていないですけど、そういうところだけをまねして自分たちに落とし込んで『いいんだ』となるのは、僕は違うと思います。やはり必要なことは必要なことで言っていかなければいけないですし、狭いコートでやるポゼッションで、自分たちが身につけるものと逆に失うものがあるので、どうスペースを広げるか、どんな練習をするかというのは、失うものの大きさと得るものの大きさのバランスで、得るものが100で失うものが0という練習はたぶんないと思うので、今はどのタイミングでどういう練習が必要か、休みが必要なのか、それとも今日みたいな練習なのか、ゲームが必要なのか、それは僕がその都度空気を感じて決めていかなければいけないことですし、それをやることが監督の仕事です。決められたことをそのままそのように遂行するのであれば、監督が僕になってやっていく中での進む方法とはちょっと違うなと思います。
次の試合に勝つということよりも、毎日の練習をどうしようかをギリギリまで悩んで作っているのが現状で、今日も朝早くからスタッフ間でミーティングをして、『どうする?』という言葉がミーティング中に200回ぐらい出るくらいです。
本当に優秀なスタッフもいるので、どこまでやってどうするかとか、今日で言うと最後のシュート練習は僕の即興で決めましたけど、そういうことも含めて、選手は生き物ですから、先週はこの練習で勝ったから今週この練習をやろう、というのはやりがちですけど、僕はそういうことは思わないので、その辺のギリギリなラインは選手と対話しながら、様子を見ながら決めていかなければいけないと思います」
(得るものと失うものという話の中で、最近の浦和レッズは、ここはやられていないとか、そういうところを少し気にしすぎた部分があるかもしれない。それよりも、まずは自分たちがどうしたいか、というところがあるのか?)
「百年構想リーグとか、過去1年間の全てのデータをそのように見た前提でいうと、浦和レッズとして自陣ではなく相手陣内や中盤に近いエリアでボールをゲインしている数は決してそんなに多くはないというデータが出ています。それも下から数えたらだいたい5番目ぐらいです。
でも、先ほど言ったように、チームとしてそれがいいと思っていればいい数字ですし、チームとしてそれがダメなんだと言うとダメですけど、僕は試合に勝つために、そのゲインの数を増やしたいです。なので、それが悪かったと言うわけではなく現状がそう、だけどこの数を増やしてシュート、ペナルティーエリアに入る回数はゲインした後のだいたい15パーセントぐらいの確立なんですけど、それが20パーセントに増えれば、ペナルティーエリアに入る回数はリーグのトップになるんですね。
それは5パーセントの努力、50パーセントの努力ではないので、方向性を全部変えるというよりは、意識とかちょっとしたフォローやサポートをサボらないことで十分そこに到達できます。だから、この時点で優勝とかACL(AFCチャンピオンズリーグ)とかを僕が言いたくないのは、その目標に近づくために目の前の現実を変える5パーセントにこだわり続けないと、そこには絶対に到達できません。浦和レッズはいつも絵に描いた餅のように『浦和の責任を果たして、浦和として優勝』ということを言うのであれば、まず現実の自分たちに向き合って、その現実を5パーセント変える努力をしていかないといけないと僕は思っています。それは別に大きく言うことではないですけど、そういうものはこのキャンプでも選手には折に触れて話しています」
(宮本優太選手が京都サンガF.C.時代の練習で、ハイプレス、ハイプレスでゲームをしていると、試合になると相手のプレスが遅く感じる、そのくらいやってきたという話をしていた。その言葉を聞いて、練習のリアリティーなんだと感じたが?)
「まあ、少し話を盛っているところはあると思いますけど(笑)。別にずっとハイプレスの練習ばかりしているわけではないですが、そういう自信ができてくるのは間違いないと思います。(宮本)優太も京都に来たときに1年間戦った中で持っている自信で、この前の藤枝さんとの試合のときも、いい意味ですごく余裕がありますし、当たり前ですけど『練習でやったことより試合のほうが楽だな』と選手が感じられたほうがいいです。
練習でやっていないことは出ないのではなく、練習で経験したことが試合の臨み方とか負荷を楽にするという言葉が正確だと思っているので、そこはまだ始動してから2週間ちょっとぐらいで全部は変わらないですけど、僕が来た最初の埼スタでの練習のときよりは、そういう言葉とか、何が大事かというのは、選手それぞれがこういう取材を受けたときに発せられる言葉に変わってきているのではないかと思います」
(水沼宏太選手の声掛けが序盤はかなり目立っていたが、選手が要求し合うところの水準については?)
「それは本当に難しいことで、じゃあロッカールームで全員がしゃべっていたらいいチームなのかといえば、そういうことではないです。ただ、昨年まで在籍していたコーチに聞くと、ハーフタイムとかであれだけ話し合うことは、昨年まではそこまで多くなかったとは聞きます。でも、別に話すからいいとも思っていないですし、それは状況によりますけど、だけど勝ちたければ話すのが必要だろうし、改善したければ要求することが必要です。ワーワー言っているのがいいチームとは思わない、究極は黙って、何も言わなくても後半に改善されるのが一番いいことです。相手にもバレないですし、監督の話を聞くまでに整理ができているし。だけどそれができないからということなので、その辺はただ『勢いが出ました』みたいな話では一概にはないのかなと思います」
(これまで指揮してきた京都や湘南とは、浦和レッズは歴史的な積み重ねや成り立ちが違うと思う。浦和レッズならではの難しさややりがいについては?)
「監督になって間もないですし、試合もしていないので、やりがいとか難しいこととかを全部僕が話したら、それはちゃんちゃらおかしくなるとは思いますけれども、僕もある時期でこのチームにいましたし、当時もたくさんのファン・サポーターがいらっしゃいましたけど、そこから埼スタができて、倍以上のお客さんがそこに詰めかけるようになるのは、他チームにいながらも『すごいことだな』と思っていました。
京都とか湘南よりも、ということもありますけど、そこで自分たちがいつも生活の対象というか、そういったものになっているなと、パイの数とか目は多く感じます。だからといって、自分がそこを意識して何か仕事を変えることはないですけど、そういう人たちの思いに心底応えるために、この前も選手に言ったんですけど、『俺たちのファン・サポーターが本当にアンフィールドのように試合が始まる前に歌を歌って、その歌が止まったときにキックオフのホイッスルが鳴って始まったら、相手はほとんど勝てる気がしない。それを作り出すために、俺らはプレーで見せるしかない』という話をしました。それは点を取るとか取られないだけではなくて、ワンプレーの重みとか最後まで走り切るとか、そういうものは必要不可欠です。
でも、そこに対して心底ファン・サポーターのみなさんに反応してもらえるチームになったら、間違いなく強くて戦いにくいチームとなると思いますし、そういう素材や可能性がたくさんあるチームだというのは、来て改めて思います。想像するもののレベルを上げて、ファン・サポーターのみなさんと一緒に闘うんだ、というチームを作り上げていきたいですし、それは京都と湘南と比較してどうこうではないですけど、その数というか分母はすごく大きいチームだな、というのは、この短い時間でもいい意味では感じています」
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】
関連記事
-

- 曺 貴裁氏 監督就任のお知らせ
- このたび、2026/27シーズンより曺 貴裁氏がトップチーム監督に就任することが決まりましたので、お知らせいたします。
-

- 曺 貴裁監督就任会見
- 7月5日、埼玉スタジアムで行われた「REDS START DAY 2026/27」にて、曺 貴裁監督の就任会見が行われた。
-

- 曺 貴裁監督 沖縄トレーニングキャンプ囲み取材 「全ての状況でできるだけ主導権を握れるように、そして自分たちが自信を持って臨めるように、このキャンプで作っていく」
- 15日、曺 貴裁監督が現在沖縄県の金武町で実施されている「2026/27シーズン 夏季トレーニングキャンプ Supported by Juice」の現時点までの手応えなど …
-

- 堀内陽太選手 浦和レッズ復帰のお知らせ
- このたび、堀内陽太選手(21歳)が、FC琉球への育成型期限付き移籍から復帰することとなりましたので、お知らせいたします。
-

- 福井光輝選手 完全移籍加入のお知らせ
- このたび、福井光輝選手(30歳)が、セレッソ大阪より完全移籍で加入することで合意いたしましたので、お知らせいたします。
-

- 二田理央選手 横浜F・マリノスへ完全移籍のお知らせ
- このたび、二田理央選手(23歳)が横浜F・マリノスへ完全移籍をすることとなりましたので、お知らせいたします。
-

- 本間至恩選手 FC東京へ完全移籍のお知らせ
- このたび、本間至恩選手(25歳)がFC東京へ完全移籍をすることとなりましたので、お知らせいたします。
-

- 安部裕葵選手 契約満了に関するお知らせ
- 安部裕葵選手(27歳)が契約満了に伴い、今シーズン限りでチームを離れることとなりましたので、お知らせいたします。































