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曺 貴裁監督就任会見

7月5日、埼玉スタジアムで行われた「REDS START DAY 2026/27」にて、曺 貴裁監督の就任会見が行われた。

会見には曺監督と堀之内 聖スポーツダイレクター(SD)が出席し、メディアからの質問に答えた。

【堀之内 聖SD】

「みなさん、こんにちは。本日は新監督就任会見にお集まりいただき、まことにありがとうございます。今シーズンもトップチームの責任者を務めさせていただきます、スポーツダイレクターの堀之内です、よろしくお願いいたします。

まず私から、曺 貴裁監督を選定した理由についてお伝えさせていただきます。曺 貴裁監督を選んだ最大の理由としましては、彼の熱さ、熱量、そういったものが今の浦和レッズには必要だと強く感じたからです。そしてフットボールの面においては、縦への速さ、推進力、特にボールを奪った後の速さ、そしてインテンシティーの高さ、攻守においてアグレッシブに90分間戦う姿勢、そういったところを高く評価させていただき、曺 貴裁監督を選ばせていただきました」

【曺 貴裁監督】

「みなさん、こんにちは。はじめましての方もたくさんいらっしゃると思いますが、今シーズンから監督を務めさせてもらいます、曺です。

僕は選手としても、もう31年前になりますか、この浦和レッズでプレーをさせてもらって、そのときはまだ埼玉スタジアムはできていなかったのですが、当時から本当にたくさんのファン・サポーターに支えられているチームだったことは間違いないので、今、堀之内SDから話がありましたけれども、自分の全力を尽くすことはもちろん、ファン・サポーターの方がこのサッカーを応援したい、抽象的な言い方になりますが、一緒になって闘えるにふさわしいチームを作りたいと思いますし、今いるスタッフ、選手と信頼関係を作って、必ず自分たちが前に向くような結果を出していきたいと思います」

[質疑応答]
(堀之内SDに伺います。5月の半ばに報道があってから曺 貴裁監督就任までの間、選定理由について発信できなかった理由については?)
堀之内SD
「契約的なところもありましたので、みなさまにお伝えするタイミングはクラブ内でしっかりと協議して行ってきたというところです」

(曺監督に質問です。堀之内SDがあげた選定理由の中に、推進力やボールを奪った後の速さなど、さまざまなものが挙げられていたが、一方でファウルや警告数、アクチュアルプレーイングタイムの短さは京都サンガF.C.時代から気になっていた。監督としては、それらは必要なファウルであったのか、またシチュエーションや場所など、監督はファウルをどのように考察していたか?)
曺監督
「その数字に関しては自分も把握していましたし、サッカーをやる以上、フェアプレーでやることは当たり前なので、そのこと自体が決していいことだとは思わないです。ただ、激しいフェアプレーというか、そういうことは今やっているワールドカップを見ていても当たり前にあることなので、その境界線を選手に理解させて取り組ませることが大事だと思っています。

決して、ファウルを少なくする、アクチュアルプレーイングタイムを長くすることが勝利についての絶対条件ではないので、そのあたりの自分たちのバランスというのは、今の選手たちの特長を見ながら適宜伝えていきたいです。

相手を傷つけることはもちろん、やみくもに時間を稼ぐというのは、今のルール上できなくなっているところもありますから、そのあたりは新ルールに備えて自分たちが準備していかなければいけないひとつの条件かな、と思っています」

(曺監督に伺います。今季のチームのどのような強みを生かして、どのようなチームを作っていきたいか?)
曺監督
「7月3日から練習を始めて今日が3日目ですけれども、当たり前ですが、選手たちはフットボールというものが好きでこの仕事をやっているというのは、改めて自分が指導する中で感じるところがあります。好きだからこそこのチームにいる、好きだからこそ勝ちたいと思う、その前提の部分はやはりリスペクトしなければいけないと思います。

今、自分が考えているサッカーの思考や考え方が独自性のみであると、やはり試合には勝っていけないですし、選手の成長を促せないと思います。堀之内SDから話があったような要素は絶対に勝つために持っていなければいけない要素だと僕自身は確信しているので、そこからどう色付けしていくか、選手によってどう変わっていくかは、今後キャンプを通じてコンビネーションを作っていきたいと思います。

ただ、選手は非常にいい顔をしてプレーしてくれているという印象がありますので、それを自分がどう次につなげていくかだと思います」

(堀之内SDに伺います。先月に田口 誠 前代表が曺監督就任にあたってリリースを出していた。大きく分けてみれば、曺監督の過去のこともあるが、いかに曺監督になっても心配はないということを説明するところにかなり多くの文章が割かれていたと思う。一方で、なぜ曺監督でなければいけないのかという説明は、バランスとしては軽いように感じられた。もう少し踏み込んだところで、曺監督が浦和レッズにとって余人を持って代えがたい人物だというご説明を聞かせてほしい)
堀之内SD
「もともと浦和レッズでプレーしてくれていた方でもありますし、この浦和レッズというチームだけでなく、浦和という街自体も熱狂させたい、我々のフットボールで熱や熱さといったものを伝えて、浦和の街自体を赤く染めたい、曺 貴裁監督とはそういった会話をここに至るまでに繰り返してきました。そういった思いの強さ、熱さみたいなものが、今の浦和レッズにはより必要だと思いました。

フットボールの面で言うと、浦和レッズがここまで積み上げてきたものにさらに積み上げる、進化させるという点においては、やはり前への推進力や縦への速さという部分がまだまだ足りないと、私自身も感じていました。そういったものを積み上げる上で、より最適な人物は誰かというときに、もちろん複数の候補の監督がいらっしゃる中で、曺 貴裁監督が最適だ、一番良いと、私の中で強い確信を持ちました」

(曺監督に伺います。基本的には速さを強調されているのが今までの話にあって、今日の練習でも『バックパスは1回まで』という話もあったが、そういうスピード感を持ってやる部分と、今いる選手の持ち味もあると思うが、やりたいことを選手に順応してもらってやっていくのか、それとも選手の持ち味とのバランスを見ながら、湘南ベルマーレや京都サンガF.C.とやっていたことと違うものが浦和レッズで生まれてもいいのか、どちらが優先順位として高いのか?)
曺監督
「優先順位の話で言うと、まだそんなに日が経っていないのでなかなか難しいですけれども、パッと思いついたのは、ユルゲン クロップ氏も最初は1.FSVマインツ05で監督を始めてボルシア・ドルトムントに行き、リヴァプールFCで監督業を終えられたが、その都度、いる選手に合わせて結果を出されてきた監督だと思います。当然、マインツ、ドルトムント、リヴァプールでは僕の知っている限り、かなり色合いが変わってきているので、それは当然、いる選手で変わっていかなければいけないことでもありますけれども、根本的な『フットボールというのはこういうものだ』というのはどのチームにおいても見せておられたのは僕自身が感じています。

根本で変えてはいけないところと、いる選手や相手の布陣によって変えていかなければいけないところが混在している、というのが今の質問の答えになると思います。当然、ハイブリッド型でいかないと今のサッカーや試合に勝ち切るのは難しいと思っているので、攻撃はこういう形だけ、守備は何もしなくていい、もダメですし、その逆ももちろんダメなので、それは自分なりにスタッフと相談して、選手と会話をしながら積み上げていかなければいけないことだと思っています。

なので、今の時点で選手の特長で変えるのか、変えなければいけないのかは、自分が日々接する中で変えていくべきこと、もしくは変えなくていいことをちゃんと整理しなければいけないなと。変えなくていいというか、選手が持っているアイデアをスポイルしないようにしていかなければいけないな、とは感じています」

(曺監督に伺います。外から見て客観的に、浦和レッズのいいところや伸びしろ、改善しないといけないと感じていた点については?)
曺監督
「すごく鋭く難しい質問だと思います。僕は最後は京都にいましたけど、相手チームを見て変えなければいけないと想像しても、それは絶対に正解ではないので、それを言うのはフェアではないかなと思います。

今の浦和レッズに所属している選手、これからどういうことが起こるかは誰にも想像できないですけど、僕がこの3日間を見る限り、彼らが持っているフィジカル、メンタリティー、戦術眼、技術は間違いなく伸びしろがあると思います。少し抽象的な言い方ですけど、伸びしろを全部発揮したら応援する人に同じ気持ちになって応援してもらえるという確信はあります。昨季と比べて何が変わったかを評価するのは僕の仕事ではなく、見ている人がそう思うことで全てですから、僕は、今いる選手が、成長に対してもしストッパーがかかっているものがあるなら、それを取り除いてあげることによってもっと良さが出るのではないか、と思っています。

たとえば、ディフェンスラインの高さがもし今35mなら、それを30m、25mにする努力は、選手がやりたくないことではないと思います。そういうことを引き出してあげて、さらにそれに対して、やったことによる自分たちの自信とか成功体験を増やしてあげることによって、また彼らに新しい色がつくと思っています。堀之内SDから情熱とか言ってもらうのはありがたいのですが、決して情熱だけでチームが良くなるかというと、それは全く正解ではありません。いろいろな意味で選手が理解を深めて、そのことを出すのをはばからない、『これを思いきり出していいんだ』というようなチーム作りを僕のほうでしていきたいと思っています」

(曺監督がサッカーにおいて大切にしているフィロソフィーは?)
曺監督
「僕はサッカーというか、フットボールという言い方をすることが多いのですが、フットボールをすることで人がそれを愛し、また愛されるものだと思います。今、社会の中でフットボールだけが別世界にいるわけではなく、こういう社会になる中のフットボールは同時進行で進んでいくものですから、僕たちのフットボールを見たいと思う人が増えなければいけないですし、そのためにはやはり選手同士、選手とスタッフが信頼関係を作っていかなければいけません。そういうひとつのストーリー、映画を作れるようなチームでありたいし、それが僕の目指すチーム作りであることは間違いありません。

やるサッカーは当然ありますけれども、そういう根本的な考え方は、自分の中では大事にしてきたつもりです」

(曺監督にお尋ねします。過去の問題とは言えパワハラ問題があり、浦和レッズのサポーターからも今回の就任に対して反発の声があるように聞いている。現状認識についてどのように受け止めているか? また、自分が変わった部分を今後どういったところで見せていきたいか?)
曺監督
「どういう反応があるとかは、僕が直接的に何かを言われている場面が少ないので、どう返していいか、というところがあります。

自分が今認識しているのは、僕はそのことを含めて、たくさんの間違いや失敗を起こしてきたと思っていますし、その都度人を傷つけたり、その都度反省をしなければいけない局面があったりしたことは事実だと思います。

ただ、そのことをどう改善してどういうふうにして、自分はこう変わったというのも、それをこの場で発言するのは僕の中では違うと思います。それから時間は少し経っていますが、これから浦和レッズを率いる自分の姿や選手の様子を見て、みなさんがどう感じられるかは、僕自身がコントロールできることではありません。それをどう感じてもらうかは、イコール今いる選手や自分たちが目指すサッカーを本当に魅力あるものにしていく努力をすることなので、その一点に集中していきたいですし、自分がどうやってきたか、どうありたいかは、その後にみなさんがお感じになることだと思います。今おっしゃっていただいた質問に関しては、そういう認識でいます」

(浦和レッズはリーグ優勝・アジア制覇と掲げている目標は高いものの、実際の成績は低迷している。高みに行くためにはどういうプロセスを歩んでいけば頂きに立てると考えているか?)
曺監督
「どのチームも、という言い方が正しいかは分からないですが、シーズンがスタートするときに高い目標を立てる、J2のチームだったらJ1昇格、J1のチームであれば優勝、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)圏内という、もちろんそういうことを話して全員でやっていこうということは、普通と言うか、そんなに変わったことではないと思います。

僕が選手に伝えたのは、優勝とかタイトルを取るという言葉が一人歩きしてはいけないということです。そのために毎日をどう過ごすか、自分たちの中で充実した日々をどう送るかという積み重ねでしかありません。今はJ1リーグが20チームある中で、優勝すると決めたチームが初戦で勝って勝ち点6をもらえるわけではない、勝ち点は3しか増えないというところで言うと、目の前の試合を充実したものにして勝ち切っていく、それの38試合だと思いますし、その後にそういうものが見えてくると、自分の中では想像していくしかないです。

ただ、浦和レッズというチームはそういうものをみなさんが期待しているし、みなさんが望んでいます。そういうものは、本来言葉だけで済まされてはいけないものだと思っているので、そこに近づく努力はしていきたいと思います」

(堀之内SDに伺います。『熱さとか熱量が今のチームには必要だと強く感じている』と言っていたが、試合でファイトする力とか、そういうものが足りなかったということなのか?)
堀之内SD
「『足りなかった』というよりは、やはり今の成績も踏まえると『より積み上げなければいけない必要な部分』という意味でお答えさせていただきました」

(曺監督を次期監督にリストアップしたのはいつ頃で、候補者は他に何人いたのか?)
堀之内SD
「選手同様、監督の候補者についても常に作成しているものがあります。そういった意味で言うと、曺 貴裁監督は常に我々のリストにはいました。具体的にその人数が何人かに関して言えば、ラージリストで言うと本当にかなりの人数がいます。そこから選手同様、ラージリストからミドル、ショートというふうに絞りこんでいく作業がございます。

当然、選手と同様ですが、そのときの状況や契約的なものもありますし、タイミングなどもありますので、そういったものを総合的に考えて、監督のリストアップも常に行っております」

(曺監督にもお伺いします。Jリーガーとしてのキャリアをスタートした古巣の浦和レッズに戻ってきた率直な感想については?)
曺監督
「自分がやっていた頃は本当にとても悪い成績で、厳しい言葉をもらった記憶もあります。また、ファーストステージで勝って『浦和レッズはどうしたんだ?』って言われるような成績のときもありました。そういう『昔がどうだ、こうだ』というよりも、自分が今浦和レッズの監督でいることが事実です。

でも、やっぱり心のどこかに、自分が所属したこのチームをみなさんに喜んでもらえるような状態にしたいという気持ちは強いですし、その気持ちは最初に選手たちにも話をしました。自分と一緒に仕事をしてきた選手もいますけど、自分が直接指導に携わらせてもらった選手はそんなにいないので、あくまでもゼロからのスタートというか、ゼロからの気持ちでお互いやっていかなければいけないところです。さっき自分が言ったようなことが言葉の一人歩きをしないように、ちゃんとチームを作っていかなければいけないと思っています」

(曺監督が浦和レッズの選手だった頃は、優勝争いなど目標になく、最下位脱出が目標だったと思う。今はクラブやチームを取り巻く環境が一変しているが、チームを作るのと並行して優勝を目指す、そのチームで指揮を執る覚悟は?)
曺監督
「今まで仕事をしてきたチーム、京都では2025年に3位になったときもそういう思いでいましたが、目の前の試合に全力として勝つことでしかそういうことは見えてこないですし、今おっしゃったような状態に浦和レッズがあることは重々理解しています。

だからこそ、目の前の試合でいい加減な試合をしながらそこに到達するのは絶対にあり得ません。今はイングランドのプレミアリーグでもブンデスリーガでも、特に昨季はスパーズ(トッテナム・ホットスパー)が降格しそうになった、そういった一昔前では考えられないような順位の変動が1年ごとにあるのが現代サッカーの怖いところで、かつ面白いところだと思います。

そういう中で浦和レッズが、今シーズンにはいろいろなことがあると思いますけど、全員でそのハードルを乗り越えて高みに向かっていきたいというのは自分が強く思っていることなので、ぜひそれを実現させたいと思います」

(曺監督にお聞きします。チームを作り上げていく上で、今までのメンバーの功績や成績を考慮した上で開幕戦に向かうのか、それともいったんフラットにして選手たちに競争をさせて、いい選手が試合に出られるという考え方なのか?)
曺監督
「当然、キャリアがある選手と今年Jリーグでデビューしたような選手では、出発の立ち位置は違うと思います。でも、僕の仕事は掛け値なく自分がメンバーを選んで次に臨むときに、それは私の心ではなくて監督として一切の邪心を取り払ってメンバーを選ぶ、そして自信を持って送り出す、そのサイクルが監督としての仕事だと思います。

『この選手はいい選手、この選手は悪い選手』というレッテル付けをするのであれば、別に監督はいらないと思います。そういうもののフラットな競争は、間違いなく今の浦和レッズに必要だと思いますし、選手もおそらくそう感じてやってくれていると思います。それをいい意味で継続させながら、開幕に向かって準備していきたいと思います」

【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

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