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ONLINE MAGAZINE/REDS VOICE
2004.3.2 Vol.54
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浦和レッズシーズン2004を語る会

大野氏:チケットの問題は話すと大変長くなりますので、時間が限られているので次にいきたいと思います。マッチデープログロムの増刊号や日刊スポーツですでに報道されていますが、「レッズランド」という新しい構想が出てきました。この「レッズランド」とはどういうものか、簡単に説明していただけますか。
犬飼代表:実は、荒川の河川敷に東京農大が4万5千坪近い大きなグラウンドを持っているのですが、大学としては違った展開をしたいということで、もう使わない方向で考えているということなのです。それで次の使い手をいろいろあたっているという話をチラリと聞いて、その4万5千坪を借りて運動場を大きく展開するのは、これはレッズだろうなと直感的に思いました。ぜひうちが借り替えをして、そこに大きなスポーツランドをつくりたいと。サッカーだけではなく、テニスとか、野球とか、ラグビーとか、いろいろなことがあそこでは行われているのですが、そういったスポーツクラブをさいたまの人たちが楽しめるような…そういう構想をスタートさせて計画をたてている最中です。
大野氏:しかし、4万5千坪というと――昔、深川では5万坪が埋め立てられて1つの町ができあがりましたが――その大きさが我々はつかみきれないですね。サッカーだけでなくそのほかのスポーツもというのがミソになるのでしょうか。
犬飼代表:そうですね。テニスコート20面とか…。サッカーも7面ぐらい、天然芝でつくるとか。野球場もある、ソフトボールもできる。そのほか、河川敷なので、きっちりとした建物が建てられないのですが、動かせる建物なら建てていいということなので、そういうクラブハウスを考えるとか。利用できる土地が4万5千坪あるというのは、相当夢がありますね。ぜひやりたいと思っています。
大野氏:これは地権者のからみとか…大変なのではないかと思いますが、どうですか。
犬飼代表:そうですね。でも、そういった形で大きなスポーツクラブをもってきて、子どもから老人までがスポーツを楽しめる――そこにはちゃんとしたコーチがいて、ちゃんとした医療設備があって、ちゃんとシャワールームがあって、クラブハウスがあってという構想を話したところ、非常に前向きに考えてくれているということですので、今年はクラブの大きなターゲットとして、少しずつ実現したい。サッカー場もみんなと一生懸命草むしりをして、1面ずつつくり上げていくということも考えています。
大野氏:レッズランドということですが――当然、レッズのユースやレッズユースが使う可能性もありますが――どちらかというと地域密着で開放という形になりますか?
犬飼代表:そうですね。レッズのクラブに登録してもらって、野球だとか、ラグビーだとかテニスだとかを楽しめるような…。そして、ちゃんとしたコーチがいて…。
大野氏:それ、総合スポーツクラブじゃないですか。
犬飼代表:そう、総合スポーツクラブですね。
大野氏:つまり、Jリーグの百年構想の1つですよね。
犬飼代表:そうです。4万何千坪という土地は、降ってわいてくるようなものではない。100年待っても出てこないし、1年で出てくる場合もあるわけですね。「時」というのが、いま、あるなと。ですから一気呵成に進めて、さいたまの人たちがスポーツ文化に接して、ほんとうに楽しくやれるような環境をつくるのはレッズの使命だろうと思っています。
大野氏:ピラミッドで考えると、いちばんてっぺんを駒場や埼玉スタジアムで行われるトップチームのJリーグの公式戦と考える。これはエンターテイメントで、我々取材するほうも、見るほうも、それによってワクワクドキドキしながら90分間を堪能する。その後ろにユースやジュニアユースの育成がある。あるいは、最近始めた「ハートフルサッカー」で子どもたちに夢を与える。なおかつ今度は老若男女――運動神経のいい人も悪い人も――年齢に関係なく、生涯スポーツで何かが楽しめると…そういう形の構想でしょうか?
犬飼代表:そうです。そういうクラブで、その頂点に浦和レッズのトップチームがある。自分たちの所属しているクラブには、プロのチームがあって、それが浦和レッズで、いままた優勝争いしているよ、という形にしたいと思っています。
大野氏:ただ、あの河川敷はなかなか行きづらいので、駐車場の整備とか…やる部分がたくさんあるのではないでしょうか?
犬飼代表:そうですね。そういうことも全部含めて、いま絵をかいています。
大野氏:なるほど。これはもうターゲットですから、明日あさってということではないですが、組織の中ではどのあたりの方々が積極的にやってらっしゃるのでしょうか?
犬飼代表:横山常務が中心になって、進めてくれています。
大野氏:(図を示し)こちらのほうですね。…こちらはあまり目立ちませんが、土台作りということになりましょうか。
犬飼代表:そうですね。
大野氏:機能していますね。
犬飼代表:やっています。
PHOTO大野氏:与野八王子、大原クラブハウスいう、どちらかというと現実的なサッカーを中心にしたところから、そのほかのスポーツも取り込んだレッズランド構想というのが明らかになりました。ハートフルクラブには杉山弘一、土橋正樹が加わりました。ハートフルクラブですが、いままで浦和レッズで活躍した選手たちがコーチとして普及グループに入ってくるという可能性はこれからも広まっていくのでしょうか?
犬飼代表:これは…去年は1組、1班でやっていました。今年は2班になります。いいコーチが獲得できたら、3班、4班と広げていきたいと思います。
大野氏:1班では並び待ちで大変だったようですものね。
犬飼代表:そうですね。1班で1年間に1万人の子どもたちと接することができました。今年は2班になっていますので、2万人の子どもたちとできる。これが、3班、4班になればそれだけ増えていくわけですね。今年は倍になったので、サッカースクールにもすごくたくさんのお申し込みをいただいています。少しずつ、全速度に向かって上がってきていると思います。しかし、コーチも、ただ選手だったからやれるわけではありません。ハートの良い、きちっとした考え方をもった良いコーチでないと何にもなりませんので…。
大野氏:我々が記憶しているのは――池田伸康、渡辺隆正、土橋正樹、杉山弘一と入りましたが――これから、我々が応援した選手たちもいつかは引退しなくてはならない。現役生活を去らなくてはいけない。そのときには入ってくる可能性があると。
犬飼代表:あります。
大野氏:あの人も、この人も…。
犬飼代表:いいのがいますよ…。まだ言えないですけど。
大野氏:本人の立場もありますからね。まだやりたいんですから。いきなり、「どうだ」とは言えないですからね。本人は「まだやりたい」と言っているわけですからね。ほんとうに早く来ればいいのにと思っておりますが…。さて、きょうは時間がすごく短いですから、刻一刻と過ぎていきますが…。ちょっと新聞に出ましたが、マンチェスターユナイテッドのホームのオールドトラフォードで、8月の上旬に、世界のビッククラブと対戦をすると。真実はどうなんですか。
犬飼代表:真実はですね――きょうまでのところは――マンチェスターが、3カ国の国のチャンピオンを呼んで、マンチェスターを入れて4チームでトーナメント戦をすると。
大野氏:4カ国の、チャンピオン…。
犬飼代表:チャンピオン。ヨーロッパ3カ国に日本。で…うちは幸運なことに、チャンピオンになっているんですね。去年。
大野氏:よかったですね(場内大拍手)。こういうことが振ってわいてくるとは思いませんでしたね。11月3日ですね。
犬飼代表:11月3日にチャンピオンになったものですから…。マンチェスターのほうからインビテーション・レターが来まして、オールドトラフォードでそういう大会をやるが来る意志はあるかと。
大野氏:ないなんてことはないですよね。
犬飼代表:もう、即答しましたね(場内笑いと大拍手)。
大野氏:私は、あれを新聞で見たときに、すぐに確認したら「どうも色濃い情報らしい」と聞いて、アテネに行くのを即やめましたね。もう、夏休みはその時期にとりましたもの。オールドトラフォードのピッチにJリーグのクラブのチームが立つのは初めてなんですよね。
犬飼代表:初めてですね。監督のギドも、現役のとき1度しかやっていないと言っていました。そういった経験を、いまのレッズの現役の選手ができることは、何にもましていい経験だと思うので、ぜひ行きたいと思っています。
大野氏:なんで――横浜とか磐田とか…いろいろチヤンピオンいるのに――レッズになったのでしょうか。
犬飼代表:やっぱり…観客動員数じゃないですかね(場内拍手)。
大野氏:きょういらしている方はみなさん行かないとね。あのスタジアムは、私はのぞいたことはないんですが、大変にすばらしいスタジアムらしいですね。スタジアムそのものに価値があると聞いていますが…。代表もいらっしゃったことは?
犬飼代表:ないです。テレビで見ているだけですね。
大野氏:ほとんど初めての体験と。問題は、ですよ…。ここで質問です。オリンピックで4人ですね――このまま順調にいけば。それから代表も、あの時期にはアジアカップか何かがあるのではなかったですかね。
犬飼代表:入っております。
大野氏:そのからみでいうと、8人が抜けて、「私たちは日本のチャンピオンですよ」と言って行くと、これはうそつきになるんじゃないですか。
犬飼代表:8人全部抜けると、ちょっと厳しいかなと思いますけど…。きょう正式に細かい条件を打ち合わせしたいという意向が向こうから森GMに来ていますので、正式に契約をしたところで協会と話をして、たとえばオリンピックでアテネに行っているなら、ロンドンまでちょっと飛んできて、試合をやってもらえばいいですし…(場内笑い)。そういったことを協会と話したいと思っています。
大野氏:そうですか。でも、アジアカップはそういうわけにはいかないですね。
犬飼代表:しかし、アジアでやるより、あそこでやるほうが選手のためにはなると思いますけどね(場内拍手)。
大野氏:これが、キャバクラに行っている、出ない人ならいいですけど、レッズは出ていますからね。みんなね。ジーコジャパンで。みんなレギュラーでしょ。ジーコもあの時期には切羽詰まっている状態かもしれませんし。「うん」と言うかどかもね。でも、一生に一度のチャンスだから…。
犬飼代表:それは、一生に一度か…、来年もまた呼んでくれるかかもしれないし…。
大野氏:私はその代表のその性格についていけないのですが…。まあ、そういう計画も現実に進んでいるということですね。そうなると――今年がピークではなくて、今年はあくまでも改革の1年目として先々をずっと考えていくと、今年は土台作りという形になりましょうか。クラブの理想的な道に向かっての…。
犬飼代表:土台作りとか、そういうことは考えていません。プロのチームとしてやるべきことを毎年やっていくことだと思っています。
大野氏:はい。コミットメントとターゲットに分けながら、という形になりますかね。さて、きょうは私の手元にはそのメールは来てないんですが、あるサポーターから、「三菱自動車大丈夫なんでしょうか」と言ってきているそうなので、最後におうかがいしたいのですが…。
犬飼代表:三菱自動車がどうかというのは、私ももうよくわからないのですが、三菱自動車がどうあれ、浦和レッズは大丈夫です。
大野氏:でも、Jリーグができてここまで――批判もいろいろありましたが――各クラブとも親会社の支援を受けながら進めてきたという歴史を考えると、このサポーターが心配するのもわかるような気がするのですが…。
PHOTO犬飼代表:そうですね。いまでも三菱自動車が大きな支援をしてくれていますし、それをベースにしていろいろな事業を拡大していけているのです。しかし、私の立場では、そのあたりのリスク管理もやっていかなくてはならない。どうなっても――たとえば、鹿島でも大変な問題になりましてね。神戸でも大変な問題になりました。そういうことになったときにどうしなくてはならないかは、経営者としては考えているということです。三菱からは大きな支援をいただいていますし、来年もサポートすると言っていただいていますので、大きな心配はしていませんが、いざというときにどうすべきかについては、レッズとしては考えています。
大野氏:きょうのお話を聞いて、ひとつ背骨が見えてまいりました。レッズランド構想を含め、目の前にあること一つひとつクリアーしながら、先を見ながら、いわゆる総合型のスポーツクラブを運営する浦和レッドダイヤモンズであるという、ひとつの打ち出しですね。そのなかで、三菱自動車はスポンサー――パートナーとしてバックアップをする大きな企業であるのだということ。それ以外にもバックアップする企業が、地元のスポンサー、あるいは日本全国、外国も含めたところで数々あるということですね。
犬飼代表:三菱自動車はベースとしてあるのですが、先ほどのレッズランド構想が新聞にちょっと出ただけで、ほんとうに浦和レッズがそんなに良いことを考えているのならスポンサーになるよと言ってくれる地元の企業が数社出てきています。非常にうれしいことですね。そういうことにお金を出しましょうという地元の企業が出てきているというのは。この埼玉という土地がいいのか…。非常に恵まれています。
大野氏:地域に還元する、社会に還元するという企業の意識が高まってきたと。そんなに目立つことではないですものね…レッズランドの支援をしても。何かに取り上げられて、自分の会社のものが売れるとかいうことではないですよね。ただ、使命として、真剣に地元の企業が考え始めたという…。これはきっかけになりそうですね。
犬飼代表:そういう時代に――社会になってきたかなという思いがひしひしとしますね。
大野氏:そうなりますと、ピラミッドのいちばんてっぺんのトップチームにぜひとも牽引役となって引っ張っていってもらいたいですね。
犬飼代表:そうですね。ほんとうに今年はワクワクしています。
大野氏:どういうサッカーになりますかね。
犬飼代表:とにかく速いサッカー。オーストラリアの練習試合を2試合見ましたが、速いですよ。選手も速いのですが、ボールがゴール前に行くのが速い。アレックスにレッズの印象はどうだときいたら「速いっス」と言っていましたから。
大野氏:彼も速いですよね。
犬飼代表:あの速い彼が「速いっス」と言いましたからね。速さに慣れるのにちょっと時間がかかるかなという感じで。「すぐ追いつきます」と言っていましたけど…。
大野氏:あと、エメルソンも気がはいっていますね。
犬飼代表:今年は、すごいですね。
大野氏:それぞれの選手たちの――モチベーションという言葉がありますが――モチベーションという言葉を吹っ飛ばすような――プレッシャーをいい形で変えているというか――優勝するんだっていう自然な意識…、そういうものが備わっているんですかね。
犬飼代表:大原のクラブハウスができて、選手たちも居心地が良くなって、サポーターの方がほんとうに身近に練習を見てくれている。そういうことでのモチベーションといいますかね…それは近来になく選手のなかで上がっているなという感じがします。
大野氏:これは続きますね、しばらく、そういう感じが。選手の年齢見ますとね。ますますチケットがとりにくくなりますね。最初の話に戻りますと、ますます、駒場3万から4万にしてほしいって気持ちになってきますよね。
犬飼代表:そうですね。市長に言っておきます。
大野氏:はい。では、時間どうりに終わらせていただきます。ありがとうございました。

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