リーグ後半戦も4試合を終えました。ここまでの戦いを振り返って感じていることを教えてください
「前半戦では連敗もしていますし、思ったように勝利を重ねられていない印象です。ただ、その中で、一勝一勝の重みをすごく感じるリーグ戦になっていますし、同時に、より強く、よりいいチームになるために、毎試合トライができているシーズンにもなっていると感じています」

手応えや課題として感じていることはありますか
「今、チームは課題の方があると思います。リードしている状態から追いつかれてしまう守備の面だったり、もっと得点が欲しいという攻撃の部分だったり…もちろんそれは個々の問題でもあると思うのですが、そうした課題面はすごく感じるんです。個人的には、コンディションが上がっているので手応えがあります」

清家選手は皇后杯からフル出場が続いています
「ケガから復帰した前半戦は、まだまだ探り探りな部分がありました。今の自分が出せる限界がどこにあるのか。試合を通して模索してきた感じだったんですけど、試合を重ねるごとに良くなっています。ここにたどり着くまでに、身体がうまく動かないから判断を早く、良くしようということも、トライしてきました。それに加えて、身体の状態がフィットしてきたんですよね。ターニングポイントになったのは、埼玉スタジアムでの第9節・マイナビ仙台レディース戦、動けるなと感じました。皇后杯に入ってからはサイドバックで入って、後半はフォワード(FW)という状態が続きましたけど、接戦でスコア的にも追い込まれている中で得点を取るためにやらなきゃいけない状況というのかな…うまく言葉にできないのですが、勝ちたいという一心でプレーをしていて『意外とできるじゃん、動けるじゃん』という手応えが自分の中であったんです」

サイドバッグとFWの両立も3シーズン目になりました。試合途中でのポジションチェンジは、すぐに切り替えられるものですか
「一気に入れますよ。FWでもサイドバッグでも、問題ないです。もともと2種登録時代はFWで、チャンスはラストの5〜10分ほど。短い時間で結果を残さないといけない状況でした。その中でずっとやってきたので、得意だと思います。だから、ポイントでパッと『前に行け』と言われるのも、実は好きなんですよね」

前節サンフレッチェ広島レジーナ戦の決勝ゴールを含め、ウインターブレイク後は特に多くの得点に絡む活躍です
「後半戦は特にFWでの時間が長くなっていて、よりゴールを意識します。やっぱりFWで出て、引き分けなどで終わると責任を感じますし、チームを勝たせたかったという思いがすごく広がるんですよね」

その思いがプレーに出ているように感じます
「時々FWをやらせてもらえることによって、ゴールへの意識が強くなります。点を取らないと勝てないですし、アシストすることも含めて得点することの大事さを思い出させてくれる時間になっているんですよね。それにFWの時間はやっぱり『やらないと』っていう気持ちが出ます」

『やらないと』という気持ちは、ゴールへの意欲から生まれてくるものですか
「いや、毎試合、ゴールに絡み続けたいという気持ちではないですよ。毎回必死で…それよりも、試合に勝たなきゃという気持ち、それが強いですよね。ずっと接戦ですし、本当に目の前の1試合、1試合を戦っています。まずは『チームとして勝つこと』、それが一番ですし、やっぱり自分はチームの中で生かされているんです。みんなが自分に合ったパスを出してくれるので突破もできると思いますし、結果が生まれるのかなって」

他の選手たちからも清家選手の動きを見ているという話も伺います
「逆サイドで引きつけてくれたり、絶妙なタイミングでパスを出してくれたり、自分を生かしてくれていることは感じます。そうしたみんなのプレーがあるからこそ、ラストパスやゴールができる。だから、みんなに『返さないと』って思っています」

その中でしっかりと結果を残しています。手応えも感じているのではないですか
「自分のやりたいプレーやイメージ、こういうプレーがしたい、ここにパス出したい、ここを突破したいというのは、自分の中でずっと昔からあるものでした。それが森総監督のもとで3シーズンを過ごしてきて、技術面やチーム戦術がフィットしてきて、ハマっている感じがあります。今までは、あの場所にパスを出したいと思っていても、そこにうまく蹴れない場面も多くて。それが変わったというか、自分の考えていることと技術、チームとしての意識が、これまで以上にうまく合わさってきていると、すごく感じています」

着実に選手としてのキャリアを積む中で、今シーズンからプロ生活がスタートしています。実感はありますか
「最近、特に感じるようになりました。レッズレディースは、ジュニアユースに入るとトップの選手たちの名前を全員、覚えるんですね。当時、トップチームに憧れの気持ちがありましたし、すごい人たちというイメージがありました。でも、トップに上がって、いざ自分がその立場になっても実感はなくて。どう見られているかなどは全く気にしてなかったんですけど、ホームゲームで運営をしてくれているアカデミーの選手に声を掛けると、みんなが喜んでくれるんです。クラブハウスで会うと挨拶をしてくれるときもそうなのですが、そういうみんなに接して、改めて、昔、憧れた存在に自分もなったんだなと感じるようになりました。でも本当に最近のことですよ」

見られる意識が変わってきましたか
「小学生や中学生のお手本にならないと、という意識はありますけど、プロ選手だからこうしようというのはないですね。それがいいのか、悪いのかはわからないですけど、選手としてのそういうスタンスは昔から変わっていないですし、変わらないのかなって思います。理想の選手像も考えたことがないですし、好きな選手もいなくて、こうなりたいというメージも、昔からないんですよね」

オリジナルで自然体。それも魅力だと思いますが、だからこそ、いつも笑顔なんですね
「基本的に、いつもこのままです。本当にポジティブな性格で、緊張もしないし、ストレスもほとんど感じないほど(笑)。ルーティンもなければ、試合前にこれをするというのもないんですよね。試合は特にいつも通りの心持ちでいたいので、自分の中で決め事をつくらない。練習もそうですが、自然体のままでやりたい気持ちがあって、それが表情にも出ているのかなと思います。でも、笑顔や自然体の話でいうと、自分もそうですけど、レッズレディースはみんなもそうなんですよね」

それは清家選手が感じるチームの魅力ですか
「はい。例えば、試合前、円陣のときはみんなで笑いながら話していて、試合が始まる前のある時点でスイッチが入る。それこそ、自然体でかしこまりすぎないし、力が入りすぎていない雰囲気がすごく好きですね」

そのチームでWEリーグ初代女王を目指すシーズンです。次節は久しぶりの浦和駒場スタジアムでのホームゲームを迎えます
「温かくなってきましたし、たくさんの人が見に来てくれたらうれしいです。選手の立場で見る浦和駒場の景色はすごくいいもので、スタジアムが埋まっているだけで気分も上がります。だからこそ、観に来てくれるファン・サポーターのみなさんを沸かせるプレーをしたい。選手として守備面など上げていくべきところはたくさんありますけど、もっと得点に絡みたいですし、それを自分の魅力にしていきたいと思います。コロナ禍で制限はありますが、思わず声が出てしまうようなプレーをしたいという思いが強いので、得点のみならず、そういうプレーを目指したいです」

さいたまダービーですし、気持ちも一層強くなると思います
「知っている選手も多い対戦相手なので楽しみです。その中で、みんなで試合をつくり上げていきたいという気持ちが強くありますし、その1ピースとして、サイドの仕掛けがある。勝利のために最善を尽くしたいと思います。その上で見ていて面白いプレー、また浦和駒場に行きたいと思ってもらえるプレーがしたいですよね。チームの良さである守備面での切り替えの速さやいろいろな攻撃ができるところ。そういうところをたくさん見てほしいですし、やっぱり…レッズレディースを好きになってもらえるようなプレーをしていきたいです」


みなさん、こんにちは。2021-22 Yogibo WEリーグは第16節を迎え、三菱重工浦和レッズレディースは大宮アルディージャVENTUSとのさいたまダービーを戦います。久しぶりの浦和駒場スタジアム。選手たちのエネルギーも必然と上がるでしょう。ダービーマッチだからこそ、自分たちの力を示し、内容も結果も見応えのある試合にしないといけません。そのためにも、心身のコンディションを高め、考えをクリアにした新鮮な状態で戦いに向かうこと。選手たちがいい状態で気持ち良くピッチに立つことは重要で、チーム一丸となって勝利をつかむために、みんなでしっかりと準備を進めてきました。
もちろん、今節も決して簡単な試合ではありません。大宮アルディージャVENTUSさんは1年目とは思えないほど、とても良いチームです。ですが、何より、我々レッズレディースには、長い時間で紡いできた歴史と伝統があります。力を示さないといけない使命があり、それがぶつかり合うからこそダービーマッチは面白いのです。初代女王の座を獲得するためにも決して負けられないリーグ戦ですが、改めてこの一戦に集中し、無失点に抑えて、複数得点で勝つ。それを目指して戦います。
ここまでの戦いを振り返れば、厳しく苦しい試合が続いていました。
チームの戦い方として不安定な部分が見え隠れしていることなど、気になる点もあります。加えて、どのチームもレッズレディースに対して自信と強い気持ちを持って試合に臨んできており、チームとしてのベクトルも合いやすい。それでも勝っていかなければいけないのです。厳しい言い方になりますが、王者とは勝利することが当たり前であり、みなさんの予想を上回る結果と内容を見せるからこそ、見ている人に喜んでもらえたり、いい驚きがあったりする。そうでなければ、王者ではないのです。贅沢な悩みかもしれませんが『浦和レッズ』は、それに値するクラブであり、苦難を乗り越えて連覇を重ねていくのが本物の王者で、強いチームです。今、レッズレディースには、そのチャンスがある。何かを待っていても結果は得られません。歴史に名を刻むチームになるためにも、今、がんばることは大切で、自分たちから勝ち点を奪いにいかないといけないのです。前回も触れましたが、そのためには基本に立ち返ること、出したら走る、ボールを迎えに行く、そうした一つひとつのことに対して初心に戻る作業を続けながら、チームとしてどのように戦っていくか。時間ごとのテーマを持って、意思統一をはっきりさせていきたいと考えています。もちろん、選手たちは決して油断をしたり、手を抜いたりするようなことはありません。懸命に戦ってくれているからこそ、前節のような得点も生まれてくるのです。チャンスは必ず来る、焦らずに、自分たちのサッカーを、自分たちを信じていけるかどうか、それが大きなポイントになるでしょう。
改めて、今節はさいたまダービーです。非常に重要な一戦であり、それぞれのチームを好きなファン・サポーターのみなさんも、浦和と大宮という街のことも意識する試合になるでしょう。その中で『浦和』を愛する気持ちや誇りが芽生える一戦でもあるので、いいゲームをして『浦和にいて良かった』、『浦和を応援して良かった』というきっかけをつくる仕事をしていきたい。そうした地域貢献にも携われるのは非常に幸せなことです。その思いを噛みしめながら、好結果を出し、みなさんに笑顔で1日を終えてもらえるように、がんばります。
今節も、ともに戦いましょう。レッズレディースに、熱き応援をお願いいたします。
2021-22 Yogibo WEリーグ第15節ハイライト




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