WEリーグが開幕しました。安藤選手にとってどのようなシーズンになっていますか?
「個人的には筑波大学の助教になって、二足のわらじを履くシーズンです。その上でプロリーグが開幕し、結果を出さなければいけないという思いがあります。結果を出さなければ、ここにいる意味がない。二つやっているからできてないと思われないように、しっかりプレーをして結果を残すという気持ちを持っているシーズンです」

プロチームとしても本格的にリーグ戦がスタートしましたが、チームメイトのプロ意識をどのように感じていますか?
「プロとして試合に出ることはどういうことか。結果を残さないとどうなるかは、これから、それぞれが味わっていきます。その上で、レッズレディースとしては環境が大きく変わって、選手たちがトレーニングに取り組む姿勢がすごく変わってきましたし、準備や集中力はプロになってグッと良くなった感じがあります。サッカー中心の生活を送ることで、ケアや自主練をしている選手も増えましたしね。プロとしてサッカーにより集中できるので、雰囲気もより良くなっていると思います。思い返すと、さいたまレイナス時代は土のグラウンドでトレーニングをしたり、木の陰に隠れて着替えたり……優勝しても自分たちで看板やTシャツを作ってお祝いをしていました。そこから環境がどんどん良くなって。トレーニングも当初は20時頃に開始していたんですよ。それが、19時、18時と早くなって、今は午前中。しかも毎日、天然芝でサッカーができるのは、“浦和レッズ”というクラブのすごいところだなって思います」

そのトレーニングの中では、年齢の垣根を超えて、みんなが安藤選手に話しかけていく姿が印象的です。女性の躍進を謳うWEリーグにおいても、すごく素敵な光景だと感じます
「私もそう思っています。本当に20歳くらい年下の選手もいて、(自分の)子どもでもおかしくないくらいの差(笑)。でもみんな元気でよく話しかけてくれますし、一緒にふざけあっていたり、他愛もない話ができたり……もちろん真剣なサッカーの話もしながら互いに高め合っていけるところは、すごく幸せなことですよね。若い選手たちから吸収できることもたくさんあるので、あらためてサッカーってすごいなと思います。それに、自分も先輩たちからいろいろなアドバイスをもらってきました。もし今、若い選手たちが、何かうまくいってないことに直面していたら、自分の経験を話すことで早く解決して、良くなってほしいという気持ちもあるんですよね。それに若い頃はすごくいいプレーをしていても、それに自分自身が気づいてない場合もある。だから『良かったよ』って伝えることもあります。あとは普通に『ちゃんと朝ご飯食べてきたの?』とか、いいトレーニングをしたら『帰ってしっかりご飯食べるんだよ』とか。お母さんみたいですけど(笑)」

そんなふうに気兼ねなく話ができる仲の良さはレッズレディースの魅力に感じますが、さいたまレイナス時代を知る安藤選手から見た、今のチームの魅力を教えてください
「若い選手も、年上の選手も壁がなく、みんなが意見をぶつけられたり、話し合えたりするチーム一丸さ。それにオンとオフの切り替えが上手。それから、自分を犠牲にしてでもチームのためっていうおもいをみんなが持っていることですね」

そのチームでWEリーグ開幕戦を迎え、いい形で勝利をつかみました
「率直に言うと、もう切り替えています。いい試合の後。次の試合はすごく大切なので、気を引き締めなきゃなという思いでいます。開幕戦も、リーグの中の1試合。チームにとって、すごく大きな勝利でいいスタートを切れたからこそ、それをいい方向につないでいくためには、次の一戦が大事になります。開幕戦以上に気を引き締めていかなきゃいけないですね」

その開幕戦のお話を聞かせてください。安藤選手はスタメン・フル出場でした
「開幕戦は、女子サッカーの中で歴史のある日テレ・東京ヴェルディベレーザ(以下ベレーザ)とレッズレディースが戦う試合でした。その場に自分が立てることにワクワクしましたし、うれしいというのかな。開幕戦で、みんなが注目してくれるカードに携われるのも幸せですし、楽しみだなっていう気持ちがすごくありましたね。試合を振り返ると、個人的な感覚ですが、立ち上がりの時間帯に攻防している感じでは『これは勝てる、いけるぞ』って思っていたんです。でも、前半で失点してしまって……やっぱり、ベレーザはやるなって思いました。でもまずは1点を返す。そしたら十分いけるっていう雰囲気でもあったんですよ。だから冷静でしたね。それにハーフタイムに入ったとき、選手同士でもっとこうしよう、ああしようって話していて。もちろんスタッフも指示をしてくれるんですけど、選手同士でそういう話ができていることは、すごく良いことだって感じたんです」

その良い雰囲気の中で、後半の逆転につながりました
「同点に追いついた場面は、自分がスペースに走り出したときに(菅澤)優衣香が見えました。速いボールを入れたら『絶対何とかしてくれる』と思ったので、とにかく速いボールを優衣香に当てるぐらいの気持ちで入れたんですけど、それをやっぱり決めてくれて“すごい”って思いましたね。優衣香は入り方がすごく上手。自分も吸い込まれるように出した感じなんですよ。ああいう場面での入り方は、私も学べるところですし、あのゴールはあうんの呼吸だったので、こういうプレーをもっともっとシーズン通して、たくさんやっていきたいと優衣香とも話しています」

同点の後は、まさに総力戦。安藤選手も複数のポジションを務めました
「ポジションに関しては、すぐに切り替えができました。森総監督がチームを率いるようになってからいろいろなポジションを行いますが、森総監督と楠瀬監督が信頼して任してくれているので、自信を持ってやるべきことをやろうという感じなんです。スタッフには、自分の新しい可能性を引き出してもらっていますし、普段からスムーズにできるように、トレーニングの中から作り上げてくれているんですよね」

本当に素晴らしい活躍でしたが、終盤には足をつってしまう場面もありました。ピッチを出ても戦況を見続けていたときは、どのような心境でしたか?
「交代枠がないことも聞いていたので『とにかく早く』って思っていたんです。あのとき、ベンチのみんなが駆け寄ってきて励ましてくれましたし、ピッチに戻ったあとも、自分はもうほとんど走れていない状態だったんですけど、周りの選手が『梢さんナイス』って声をかけてくれる。それで、最後までがんばれたのもあったんですよ。苦しい時間も、ベンチも含めてみんなが大声を出していて、本当にチーム一丸で戦っている。それが勝利に大きくつながりましたし、それこそレッズレディースの良さで、強さだと思いました。だから、最後はもう『勝ちたい』という一心。なんとしても勝ちたいっていう気持ちだけでした」

その気持ちが勝利を呼び込み、大きな1勝を得て、次に向かいます。いよいよホーム開幕戦ですね
「あの試合をしたからこそ、これを絶対無駄にしたくないですし、本当に気を引き締めて、ホーム開幕戦もチーム一丸となって戦いたい。レッズレディースらしいサッカーでしっかり勝ち点3を取りたいです。個人的には、ホーム開幕戦なので、たくさんのファン・サポーターのみなさんの前で、自分らしさを出せるようなプレーをしたいと思います」

最後に安藤選手の活躍を楽しみにしているファン・サポーターのみなさんにメッセージをお願いします!
「レッズレディースでサッカーをしていて、すごく幸せなのは、たくさんのファン・サポーターのみなさんがいてくれること。スタジアムにも多くのみなさんが応援に来てくれるのは、本当に幸せですし、誇りです。だからこそ、ファン・サポーターのみなさんと一緒に、初代女王を勝ち取りたいと強く思っています。そして、入場者数5,000人の目標を毎試合突破するチームになれるように魅力あるサッカーをしていきますので、これからも厳しい目と優しい心で応援してください!今シーズンも後押しを、よろしくお願いします」



 みなさん、こんにちは。2021-22 Yogibo WEリーグがスタートし、いよいよ浦和駒場スタジアムでのホーム開幕を迎えました。選手たちも含めて、みんながわかっていることですが、三菱重工浦和レッズレディースとして、本当の意味での“開幕戦”となります。その大事な試合。いつも熱い後押しをしてくださるファン・サポーターのみなさんに感謝のおもいを込めて、しっかりとプレーをして勝ち点3を取らないといけません。9月12日にいい形で勝利をしたからこそ、次の一戦はとても大切なのです。
 さて、その開幕戦を振り返ると、相手が日テレ・東京ヴェルディベレーザ(以下ベレーザ)で、敵地ということもあり、楽しみが大きいものでした。同時に、私にも森総監督にも、ベレーザには教え子がたくさんいます。燃えるものも当然ありました。
 その心境で迎えた試合は、満身創痍。紙一重の差で勝利をつかむことができましたが、本当に“選手たちのおかげ”。この一言につきます。プレスの甘さから何本もパスを通されてしまうシーンや体力面などの課題はありますが、先制を許しても慌てずに試合をしてくれましたし、何よりリーグ初戦で勝つことは、チームとしてもクラブとしても大きなものです。もちろん、私個人としても非常にうれしい1勝で、試合の翌々日も森総監督とハイタッチしたほどでした。
 また、この試合では選手のポジションを変えながら戦ったことに注目が集まりますが、トレーニングで積み重ねてきたことを、選手たちが出してくれました。これまで選手たちが培ってきた経験や教えの中で“こうしないといけない”と考えがちなものを取り払うこと。それを“フラットにする”という言葉を使いますが、その作業は選手にとっても本当に大変なものです。でもレッズレディースの選手たちは、そうしたこともうまく取り入れながらやってくれているので、どこのポジションをやっても高い順応性や適応力、自分らしさを発揮できます。現代サッカーは特に“XX論”、“OX論”というような戦術や型などの言葉が先行しており、選手が窮屈になってしまっている部分がありますが、一度、そうしたものを取り払ってみるというサッカーにおける価値観を選手たちが持っていてくれることは、とても心強いものです。
 先ほど“選手のおかげ”と言いましたが、そこには勝利という結果と、それに伴う行動をしてくれているからこそ、という意味を含んでいます。もちろんタイトルを目指す上でベレーザは好敵手。そのチームから勝利したことも加えれば、この勝ち点3はそれ以上の価値があり、レッズレディースがいいスタート切れたことも、今後のリーグ戦を戦う上でプラスになっていくでしょう。
 その大きな、大きな勝利を手に、ホーム開幕戦に挑みます。対するノジマステラ神奈川相模原は北野(誠)監督が就任後、真剣勝負になったら手こずる、いやらしいチームなってきた印象です。相手のデータが少ない分、レッズレディースとしてもう一度、いい緊張感を持って、試合に入ってくれるように背中を押していきたい。何より浦和駒場スタジアムでの試合です。みなさんとともに喜べるゲームができるように、ベストを尽くしますので、本日も一緒に戦いましょう。そして、初代女王を目指す三菱重工浦和レッズレディースへ、今シーズンも熱き応援をよろしくお願いします。

2021-22 Yogibo WEリーグ第1節ハイライト


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