Match Day Information

26.10.27

MDI 2026/27 WEリーグ 第5節 vs サンフレッチェ広島レジーナ

INTERVIEW
三菱重工浦和レッズレディース
MF 26 丹野 凜々香

 

「もっと自分の良さを出して、結果を残したい」。
浦和で育ったサイドアタッカーの成長と決意

 

育成組織時代から浦和のエンブレムを胸にプレーし、トップチームへと歩みを進めてきた丹野凜々香。持ち前のスピードと鋭い仕掛けでサイドから攻撃を活性化させ、昨季は得点という結果でも存在感を示してWEリーグ優秀選手にも選ばれた。一方で、今季は先発機会を巡る競争の中にいる。同期の活躍に刺激を受けながら、目指すのは、レッズレディースでのタイトル獲得、そしてなでしこジャパン。マイペースな性格の裏にある変化や、長く過ごしてきたクラブへの思い、そしてサンフレッチェ広島レジーナ戦への決意を聞いた。
(取材・構成/田中直希)


「背後への動き出しを、自分の武器にしたい」



――現在の自分自身のプレーをどのように捉えていますか。


「リーグ戦では開幕戦と前節の2試合しか先発できていないので、もっと長い時間、最初から試合に出たいという思いはあります。もちろん競争がある中でメンバーが決まると思いますし、途中から出場するときも、時間帯やスコアによって求められる役割は変わります。

このチームの良いところは、先発した選手も途中から出た選手も、それぞれがしっかり役割を果たせているところだと思います。それによって結果が出ている試合もあるので、そこまで一喜一憂することはありません。

ただ、個人としてはもっと出場時間を増やしたいですし、その中でしっかり結果を出したいです。練習から自分の良さを出して、先発できるように取り組んでいきたいと思っています」

 

――現在のチームでは、サイドの選手が相手の背後へ抜け出す動きも重要になっています。その部分については、どのようなことを意識していますか。


「堀監督のサッカーでは、自分のポジションの役割の一つとして、相手の背後へ出ていくことがあります。その動きは自分でも強みにしていきたいと思っています。

チームメイトから本当に良いボールがたくさん出てきますし、自分がボールを受けるときには、ほかのポジションの選手が動いてくれることで、すでに自分が優位な状況になっていることも多いです。

だからこそ、その先で自分がしっかり仕事をしなければいけません。練習で出た課題を一つひとつクリアしていく毎日ですね」

 

――練習後にもクロスのトレーニングをしています。特に力を入れている部分なのでしょうか。


「昨シーズンの終わりに、ラストパスの質や本数を課題として挙げていました。自分のところからもっと得点につなげたいという思いがありますし、いろいろな状況で、いろいろな種類のボールを蹴れるようになりたいと思っています。

クロス一つを取っても、一度も同じ状況はありません。いろいろな選択肢を持てるように、武器を増やすという意味で練習しています」

 

――サイドの選手にも、攻守両面で多くの役割が求められています。


「攻撃では外に張ったり、中に入ったりしながらボールを引き出しますけど、守備でもすごく走らなければいけません。例えば、相手が逆サイドでボールを持っていたら、ピッチの半分よりも反対側まで絞らなければいけないこともあります。だから、今のポジションでは本当に走力が必要だと感じています。

ただ、チームには走れる選手がたくさんいるので、その中で自分の違いを出していかなければいけません。サイドの選手が突破やクロス、シュートで違いを作れれば、もっとチームの得点は増えると思います。それくらい重要なポジションだと感じながらプレーしています」

 

――堀監督のサッカーについては、どんなところに魅力を感じていますか。


「昨シーズンから感じていることですけど、再現性があるところがすごく楽しいです。例えば、ある選手がここに動いたら、次の選手がこう動いて、ボールをスルーして、その先でもう一度受けるとか。そういう形を繰り返し練習しています。それが実際の試合で出ると、『あっ、これ練習でやっていた形だ』と思うんです。

自分がプレーしているときはもちろんですけど、ベンチから見ているときや、逆サイドでボールに関わっていないときにも、そういう場面が分かります。『この選手、練習でやっていたプレーを出しているな』と感じることがあるので、それはすごく楽しいですね」

 

 

 

「思い切り打つだけでは入らない」。得点を生む工夫
 

 


――昨季は得点でも結果を残しました。


「いや、シュートは本当に苦手なんです(笑)。一昨季くらいまでは、思い切り打ってもなかなか入らないことが多くて、昨シーズンはしっかりコースを狙って打つようにしました。
ストライカーの川船選手は、特にコースを狙わなくても思い切り打って入るような感覚があるらしいんですけど、私はそれで入ったことがあまりないので(苦笑)。

もちろん、思い切り打って決めたい気持ちはあります。でも、それではなかなか入らないということが分かったので、今はコースを狙うことを大切にしています。あとは、シュートを打つ前の体の向きだったり、フェイントだったり。そういうところで自分の苦手な部分をカバーしている感じですね」

 

――昨季はリーグ戦で6得点を記録しましたが、そうした工夫が結果につながったのでしょうか。


「そうですね。昨シーズンに決めたゴールも、思い切り打ったシュートはなかったと思います。ただ強く打つだけでは、自分の技術ではなかなか決まらないということが分かっています。だからこそ、どうすれば決められるかを考えてプレーしています」

 

 

 

ケガを乗り越えて感じた、体の成長

 

 

――これまでのサッカー人生では、大きなケガも経験していますね。


「高校1年生の終わり頃に、一度、前十字靱帯をケガしました。ただ、ちょうど新型コロナウイルスの影響で活動が制限されていた時期と重なったんです。みんなもサッカーができない時期だったので、自分だけがグラウンドの端で練習を見ているような時間は、普通に同じケガをした選手よりも少なかったと思います。

家にいなければいけない時間もあったので、リハビリに取り組むこともできました。もちろん、ケガ自体は大変でした。高校生でしたし、学校も遠かったので、通学などで苦労したこともありました」

 

――現在は当時と比べて、体の状態も変わってきましたか。


「トップチームに昇格したばかりの頃は、あまり試合に出ていない中で、練習試合に90分出ただけでも痛みが出ることがありました。でも、今はその頃と比べると体も強くなったと思います」

 

――同じようにケガを経験している後輩に対して、声を掛けることもありますか。


「そうですね。ただ、自分がケガをしたのはもう7年くらい前なので、今とはリハビリのやり方なども違うかもしれません。それでも、同じケガを経験しているので、リハビリの大変さや、復帰するときの怖さは分かります。だから、気になることがあれば声を掛けるようにはしています」

 

 

 

 

「同期の活躍は誇らしい」。その先にある代表への思い

 

――育成年代から一緒にプレーしてきた同期の選手たちも、さまざまな舞台で活躍しています。どのように感じていますか。


「同期の選手が活躍しているのは、単純にうれしいですし、誇らしいです。石川瑠音選手は海外でプレーしていて、なでしこジャパンにも継続して選ばれていますし、西尾葉音選手も代表に選ばれました。西村紀音選手も移籍先(愛媛FCレディース)でキャプテンを務めています。そういう同期の活躍を見ると、すごいなと思いますね」

 

――もう一度、同期の選手たちと同じチームでプレーしたいという気持ちもありますか。


「もちろんあります。今はそれぞれ違うチームでプレーしているので、もう一度一緒にプレーするなら、代表が一番の近道なのかなと思います。だから、石川選手には代表にずっといてもらって(笑)、自分もそこに入れるように頑張りたいです」

 

――なでしこジャパン入りも、今後の目標の一つでしょうか。


「はい。そのためには、安定したパフォーマンスを出して、継続して結果を残せるようにならなければいけないと思っています。一度良いプレーをしただけでは、代表の目にも留まらないと思うので、安定して結果を出すことが大切です。今シーズンはそういうところも意識して取り組みたいと思っています」

 

――代表活動を経験したチームメイトから、刺激を受けることもありますか。


「もちろんあります。ただ、ジュニアユースやユース時代の監督からは、『刺激を受けただけではダメだ』とよく言われていました。代表活動から帰ってきて『刺激を受けました』と言うだけではなくて、そこで得たものをチームに還元しなければいけないということです。
今のチームにも、はなさん(高橋はな)のように代表でプレーする選手がいます。そういう選手たちが経験したことをチームに還元してくれるのは、レッズの良いところだと思います」

 

 

 

 

「ずっとこのエンブレムをつけてきた」。レッズへの思い

 

 

――育成年代から長くレッズレディースでプレーしています。丹野選手にとって、このクラブはどんな存在ですか。


「ジュニアユースからこのクラブでプレーして、このエンブレムをつけてきました。今は移籍や引退などでクラブを離れた先輩方もいますけど、そういう方々がつないできたものがあると思っています。自分も育成出身の選手として、もっとできることがあるはずですし、そういうものを受け継いでいかなければいけないと思っています。

何より、私はこのクラブの人たちが本当に大好きなんです。選手はもちろん、コーチングスタッフやクラブスタッフの方々も含めて、本当にみんなが好きです。

だからこそ、チームメイトのためにも頑張りたいという気持ちがあります。それはピッチの中でも外でも同じです。長く在籍すればするほど、そういう思いは強くなっていますね」

 

――チームメイトからは、丹野選手について「マイペース」という声も聞きます。ご自身ではどう思っていますか。


「言われてみると、『やっぱりそうなのかな』と思う部分もありますけど、自分ではよく分からないです(笑)。でも、周りからそう見えているんだなとは思います」

 

――以前と比べて、性格や考え方に変化はありましたか。


「トップチームに昇格したばかりの頃は、ピッチの中でも外でも、先輩方から怒られることが多かったんです。でも、年齢を重ねるにつれて後輩が増えてきましたし、自分を怒ってくれていた先輩方も、移籍などでチームを離れていきました。そう考えたときに、さすがに自分もずっと同じままではダメだなと気づきました。

同期もみんな本当に愉快な仲間たちだったんですけど(笑)、今はそれぞれ違うところでプレーしています。そうやって同期がいなくなったこともあって、以前よりは後輩のことを見られるようになったと思います」

 

――後輩にとっては、気軽に話し掛けられる先輩でもあると思います。


「そうだとうれしいですね。若い選手たちが成長して、チーム全体のレベルが上がることは本当に大切だと思っています。若い選手には若い選手なりの悩みもあると思うので、そういう話も聞きながら一緒にやっていけたらいいなと思っています」

 

――周りの選手の様子を見て、自分から声を掛けることもありますか。


「いや、そこはあまり得意ではないんです(笑)。例えばミキさん(伊藤美紀)は、誰かの表情が暗かったら気づいて話し掛けられると思うんですけど、私はそういう変化に気づけないことが多いんです。本人が言ってくれれば話は聞けます。アドバイスができるかどうかは分かりませんけど、話を聞くことはできます。

でも、そもそも困っていることに気づけないことがあるんですよね。後輩から『えっ、知らなかったんですか?』と言われることもありますし、『あのとき困っていたのに』と言われて、『ごめん、気づかなかった』となることもあります(笑)」

 

――それでも、後輩のことを気に掛けようという思いは強くなっているんですね。


「そうですね。例えば堀監督は、周りの選手のことを本当によく見ていると思います。何も知らなさそうに見えて、実はいろいろな話を聞いていたり、選手のちょっとした変化に気づいていたりするんです。以前、元気がなさそうな後輩がいたときに、堀さんから『ちょっと話を聞いてみて』と言われたことがありました。私は、その選手が練習後すぐに帰っているな、くらいにしか思っていなかったんですけど、堀さんはちゃんと気づいていたんですよね。そういうところは本当にすごいなと思いますし、自分も見習いたいです」

 

 

 

 

「華絵さんが言うなら」。先輩の言葉が持つ大きな意味

 


――柴田華絵選手からは、丹野選手についていろいろなお話を伺いました。髪形についてもアドバイスをもらったそうですね。


「そうなんです(笑)。以前は髪を伸ばしていた時期もあったんですけど、華絵さんから『短いほうがいいよ』と言われたことがあって。
そのときは、もう一生短い髪でいこうかなと思ったくらいです(笑)。ほかの人からも短いほうがいいと言われることはあるんですけど、華絵さんから言われると、また違うんですよね。『華絵さんが言うなら、やっぱりそうなのかな』と思ってしまいます」

 

――それほど、華絵選手の言葉には説得力があるんですね。


「そうですね(笑)。ただ、短い髪は夏だと涼しくていいんですけど、髪を切りに行く回数が増えるんですよね。長ければ、そのまま伸ばしておくこともできますけど。
そこはちょっと大変です(笑)」

 


 

 

「もっとレベルアップして、チームの力に」

 

 

――これから、どのような選手になっていきたいと考えていますか。


「まずは、このクラブのために、レッズのために、自分ができることをやっていきたいです。もっとレベルアップして、チームの力になれる選手になりたいと思っています」

 

――プレー面以外でも、目標にしていることはありますか。


「先輩方のピッチ内外での振る舞いは、本当にお手本になることが多いです。特定の誰かというわけではないんですけど、いろいろな先輩方を見ていて、『こういうところがいいな』『自分もこうなりたいな』と思うことがあります。

それは選手だけではなくて、スタッフの方々も同じです。コーチングスタッフの皆さんも含めて、本当に尊敬できる人が多いんです。だから、年齢を重ねていく中で、自分が良いなと思った部分を少しずつ身につけて、そういう人たちに近づいていきたいです。サッカー選手としてだけではなく、一人の大人としても成長していきたいと思っています」

 

――普段の丹野選手からは、先輩への尊敬の気持ちがそこまで表に出ていないかもしれませんね(笑)。


「そうなんですよ(笑)。たぶん、私が直接『尊敬しています』と言っても、『うそでしょ?』と言われると思います。でも、本当に思っているんです(笑)。先輩方のことは、すごく尊敬しています」

 

 

 

 

「昨季より積み上げている」。タイトル奪還への思い

 

 

――今季はタイトル奪還を目指すシーズンです。チームとして、どのような思いで戦っていますか。


「昨シーズンはタイトルを一つも獲ることができませんでした。レッズレディースは、これまでたくさんのタイトルを獲ってきた歴史があるクラブなので、そういうシーズンになってしまったことは、やっぱり悔しいです。

ただ、昨シーズンから今シーズンにかけて、チームとして積み上げているものはあると思っています。そこを全員が同じ方向を向いて、トレーニングから取り組み、試合でしっかり表現することができれば、自分たちは結果を出せると思っています。もちろん、タイトル獲得に向けて頑張りたいです」

 

――クラシエカップを経てリーグ戦が再開しました。現在のチームの状態については、どのように感じていますか。


「負けた試合もありますけど、相手にものすごくやられたという感覚はありません。最後に決め切るところだったり、引いて守る相手をどう崩すかだったり、そういう最後の部分に差があると思っています。

負けた試合で出た課題に対して、みんなが同じ方向を向いて練習に取り組めていると感じますし、そこを改善していきたいです」

 

 

 

 

 

「まずは目の前の一戦」。広島戦に向けて

 


――リーグ戦では上位との対戦が続いています。現在の連戦をどのように捉えていますか。


「チームの総力が大切になると思います。連戦だからといって手を抜くことはできませんし、自分たちは『一戦必勝』と言っています。試合が続きますけど、まずは目の前の一試合が大事だということは、みんな分かっていると思います。

だから、先のことを考えすぎず、一試合一試合を大切にしていきたいです」

 

――次はサンフレッチェ広島レジーナとの対戦です。相手にはどのような印象がありますか。


「最近の代表活動にも多くの選手が選ばれていますし、本当に隙がないチームという印象があります。強度も高いと思いますし、今シーズンはまだ対戦していないので分からない部分もありますけど、簡単には勝てない相手だと感じています」

 

――その相手に対して、丹野選手自身はどのようなプレーを見せたいですか。


「今のサッカーでは、ワイドの選手が突破やクロス、シュートで違いを作ることができれば、もっとチームの得点が増えると思っています。自分自身も、背後への動き出しやクロスなど、取り組んできたことをしっかり出したいです。

今は先発で出るための競争もありますし、どのような形で試合に関わるかは分かりませんけど、自分の良さを出して、結果につなげていきたいです。チームとしても、昨シーズンから積み上げてきたものを試合で表現して、勝利につなげたいと思っています」
 

 

MatchPreview

チームメイトが語る丹野凜々香 〜Who is TANNO Ririka

 


FW 25 前原 嘉乃 MF 34 平川 陽菜
 


「普段は芸人さんみたい。でも、ピッチでは頼りになる先輩です」

 


前原「凜々香さんは、普段からずっとボケているような人です(笑)。お笑いがすごく好きらしいんですが、ちょっと芸人さんが入っているんじゃないかなと思うくらいです。何かボケたときに周りがツッコまないと、『ツッコんでよ!』という感じで求めてくるんです。誰もツッコまなかったら、自分でボケて、自分でツッコんでいることもあります(笑)。


この前はおすすめのチョコアイスを教えてくれました」


平川「お笑いのライブにもよく行っているみたいですし、本当にお笑いが好きなんだなと思います。以前好きだった芸人さんが解散してしまったという話も聞きました」


前原「そうそう、解散しちゃった、というのを本人が教えてくれました(笑)」


平川「普段はすごく面白くて、話しやすい先輩です。おすすめのアイスを教えてくれたり、何気ない話もしますし、ケガをしているときには膝の具合を気にして聞いてくれることもあります。そういう優しいところもありますね」


前原「足が速くて、それにクロスも速くて正確です。得点も決められますし、本当にすごい選手だと思います。的確なアドバイスもしてくれるんです。オフの感じとは違って…(笑)、ギャップです。後輩はみんな好きだと思います!」


平川「パスを出せば何かをしてくれるという、安心感もあります。最後までプレーをやり切ってくれるので、育成出身の先輩として、頼りになる存在です。あと、意外と美容への意識が高いところもあります(笑)」


前原「髪形なども結構気にしていて、最近も髪色を変えたことについて話していました。以前は髪を長く伸ばしていましたけど、今は短くしています。周りからどう見られるかということも気にしているみたいですし、自分でも今の髪形や髪色を気に入っているようです(笑)。自己評価、高めでした」
平川「その色にすると点が決められるんだ、って教えてくれました!」


前原「普段は一緒にふざけたり、笑ったりできる存在ですけど、ピッチではしっかりプレーで見せてくれますし、後輩への気遣いもできる。そういうところが、凜々香さんの魅力だと思います。一言で表すなら、やっぱり『芸人さんみたいな先輩』ですね(笑)」


平川「お笑い意識、高めです(笑)」

 

 


DF 13 長嶋 玲奈


「縦の関係でプレーしていて、すごくやりやすい。頼りになる存在です」


「凜々香は、本当にハードワークできる選手です。一緒にサイドで縦の関係を組むことが多いんですけど、攻撃ではドリブルで深い位置までえぐってくれますし、守備でも上下動を何度も繰り返してくれるので、すごく助かっています。


特にありがたいのは、パスを出すタイミングに合わせて、しっかり予備動作をしてくれるところです。こちらが蹴れるタイミングで動き出してくれますし、すぐに蹴れないときには手で合図をして、『このスペースに出してほしい』と伝えてくれます。だから、縦の関係でプレーしていて、すごくやりやすいですね。凜々香自身がどう思っているかは分からないですけど(笑)。


練習で対峙すると、スピードに乗ってグイグイ仕掛けてくるドリブルは、相手として本当にイヤです。あのスピードと突破力は大きな武器なので、これからも試合でどんどん仕掛けてほしいと思っています。


今の[4-1-4-1]のシステムでは、サイドで仕掛けられる選手の存在がすごく重要です。凜々香のように突破できる選手は、今のチームのサッカーでもカギを握っていると思いますし、ゴールだけではなく、アシストという部分でもチームに貢献してくれています。


普段の凜々香は、めちゃくちゃマイペースですね(笑)。


あまり人に干渉しないというか、周りで起きていることを知らなくて、『えっ、そうなんですか?』と言うことが結構あります。同い年のまどか(櫻井まどか)とよく一緒にいるんですけど、『そんなこともお互いに知らないんだ』と思うことがあるくらいです(笑)。


でも、そうやってお互いに干渉しすぎないところが、二人の仲の良さにつながっているのかもしれませんね。お互いに自分のペースがあるんだと思います。


私とご飯に行くときも、凜々香のほうから『ご飯に行きましょう』と誘ってくれるんですけど、いざ行こうとすると、全然来ないんですよ(笑)。自分の準備をしていて、普通に待たされることがあります。


でも、そうやって自分から誘ってくれるところは、かわいい後輩だなと思います。気軽に話しかけてくれますし、私としても接しやすいですね。


あと、一つ聞いてみたいことがあります。


凜々香とは、同じくらいの時期に一人暮らしを始めたんですけど、凜々香はあまり白いご飯が好きではなくて、うどんが好きなんです。以前は『ほとんどお米を炊かない』と言っていたので、最近はちゃんとお米を炊いて自炊しているのかなって(笑)。


そこは、ちょっと聞いてみたいですね」

 

 


MF 18 柴田 華絵
 


「自分のプレーだけでなく、チームを動かせる選手になってほしい」


「凜々香は、独特なドリブルをするサイドアタッカーです。左利きということもあると思いますけど、ドリブルのテンポやリズムが独特なんですよね。そこから突破してチャンスを作ってくれますし、特に突破からのクロスは、すごく良さが出ていると思います。


シュートというよりは、クロスを上げているイメージのほうが強いですね。サイドから仕掛けて、チャンスを演出してくれるので、チームとしても助かっています。


普段の凜々香は、明るくて、あまり深く考えていなさそうに見えるんですけど……意外と考えているときもあるんだなって思います(笑)。『何も考えていないのかな』と思うこともあったんですけど、プレーのことをしっかり考えて取り組んでいる姿を見ると、『ちょっと頑張っているな』と感じることもあります。ちょっと(笑)。


トップチームに昇格してから時間も経ちましたし、試合に絡む機会も増えてきました。同い年の選手たちが活躍している姿を見て、本人も悔しい思いをしているところはあると思います。だからこそ、練習後にクロスのトレーニングをするなど、自分のプレーを磨こうとしているんじゃないかなと思います。


以前と比べると、周りの選手を使えるようになってきたというか、プレーに余裕が出てきたようにも感じます。昔は自分のプレーに集中していた部分が大きかったと思いますけど、少しずつ周りも見られるようになってきたんじゃないでしょうか。


これからは、もっとチームを動かせる選手になってほしいですね。今はサイドのポジション的に、周りの選手に動かしてもらうことが多いと思いますけど、そこから一歩進んで、自分が周りを動かせるようになると、もっとチームも強くなると思います。


もちろん、これは凜々香に限った話ではなくて、みんなに言えることなんですけどね(笑)。
あと、髪形については、私は今の短い髪がすごく似合っていると思います。以前、凜々香に『短いのが好き』『その長さ、似合っとるよ』と伝えたことがあるんですけど、すごく喜んでくれました。私自身、今の凜々香の髪の長さは本当に好きですし、似合っていると思います。


これからチームの中でも中堅の立場になっていくと思うので、自分の良さをさらに伸ばしながら、周りの選手にも良い影響を与えられる存在になってほしいですね」

(取材・構成/田中直希)

試合情報

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