Match Day Information
MDI 2026/27 WEリーグ クラシエカップ リーグステージ 第3節 vs AC長野パルセイロ・レディース

INTERVIEW
三菱重工浦和レッズレディース
DF 2 エスタ マイ キス
カナダで生まれ、アメリカの大学を経て、フランス、スウェーデン、イングランドでプレー。そして、新たな挑戦の場として選んだのが日本だった。
ヨーロッパで過ごした最後のシーズン、一度は失いかけていたというサッカーへの情熱。日本で新しい文化に触れ、新しい仲間と出会うことで、エスタ マイ キスはもう一度、サッカーを楽しむ気持ちを取り戻していった。
昨季はケガに苦しみながらも、夏にはカメルーン女子代表としてアフリカの頂点へ。多彩な経験を積んできたDFが語る、自身の歩みと浦和での日々、カメルーン代表への思い、そしてピッチを離れた意外な素顔とは。
(取材・構成/田中直希)
医学か、サッカーか。世界を渡り歩いて日本へ

――まず、これまでのキャリアについて聞かせてください。カナダで生まれ、アメリカの大学へ進み、その後はヨーロッパのさまざまな国でプレーしてきました。
「サッカーを始めたのは7歳くらいです。13歳の頃にナショナルトレーニングセンターのメンバーに選ばれて、13、14歳くらいで家を離れてモントリオールの高校へ行きました。学校に通いながらナショナルトレーニングセンターでサッカーをする生活を3年間続けました。
その後、半年ほど地元で過ごしてから、1月にアメリカへ渡ってウェストバージニア大学に進み、4年間プレーしました。
大学を卒業するときには、大きな決断がありました。夢の一つであった医学の道に進むのか、それともサッカーを続けるのか。当時、フランスのモンペリエでプレーする契約の話があったので、私はサッカーを選びました。
そこからフランスやスウェーデンでプレーしました。私はずっとイングランドのWSL(イングランド・ウィメンズ・スーパーリーグ)でプレーしたいと思っていたので、そのチャンスが来たときにイングランドへ移り、1年半プレーしました。ただ、所属していたチームが女子チームを運営するための十分な資金を確保できず、チームがなくなってしまったんです。それで、もう一度フランスへ戻りました。
そのフランスでの1年は、チームが1部残留を争っていたこともあり、とても難しいシーズンでした。そこで私は、それまでとはまったく違う経験をしてみたいと思うようになりました。もともと日本の文化が好きだったこともあって、『人生で一度は日本で暮らしてみたい』と思い、日本に来ることを決めました」
――大学卒業時には医学の道も考えていたとのことですが、もともと興味があったのですか。
「人間の体について学ぶことがすごく好きだったんです。子どもの頃は、新しいことを学ぶのが大好きで、ちょっと“ギーク”(特定の分野に熱中している人)なところもありました(笑)。
両親が医療関係者だったわけではなく、純粋に自分自身の興味です。もしその道へ進むなら、整形外科医になりたいと思っていました。膝や足首などを治す、スポーツにもつながる分野ですね。
でも、最近はずっとサッカーに集中していて、本もあまり読んでいないので……昔ほど頭がいいかどうかは分かりません(笑)」
失いかけたサッカーへの情熱を、もう一度

――ヨーロッパでプレーを続ける選択肢もあったと思います。その中で、日本からのオファーを受けた一番の理由は何だったのでしょうか。
「新しい経験が欲しかったからです。
ヨーロッパで最後に所属していたチームでは、サッカーに対する情熱を少し失っていました。だから、新しい環境、新しい文化の中に身を置くことで、もう一度サッカーを好きになる気持ちを取り戻したいと思ったんです」
――差し支えない範囲で、その頃にサッカーへの情熱を失いかけていた理由を教えてください。
「当時はチームの環境があまり良くありませんでした。チームメートとの関係も難しいところがありましたし、コーチングスタッフとの関係でも精神的に苦しい部分がありました。
試合には出場していましたけど、メンタルの部分では決して良い状態ではありませんでした。だからこそ、環境を大きく変えることが必要だと思いました」
――実際に三菱重工浦和レッズレディースへ加入して、環境はどう変わりましたか。
「最初はすごく驚きました。日本人は静かで、あまり自分から話さないというイメージを持っていたからです。
でも、チームに合流して間もない頃のアメリカ遠征では、みんながすごく温かく迎えてくれました。たくさん話し掛けてくれましたし、そのエネルギーがすごくうれしかったです。
トレーニングでもみんながすごくポジティブですし、本当に優しい選手ばかりです。私にとって、とてもプレーしやすい環境だと感じています」
――チームに溶け込むうえで、助けになった選手はいましたか。
「たくさんいます。ピッチ上でも、必要なときには周りの選手が助けてくれました。
玲奈(長嶋玲奈)とは、車に乗せてもらって朝一緒に練習へ向かう中で、日本語を練習してました。毎朝、短い文章やいくつかの言葉を教えてもらっていましたね。
ミキ(伊藤美紀)も、いつも話し掛けに来てくれます。私はかなり内向的で、自分から積極的に話し掛けるタイプではありません。でも、誰かが話し掛けてくれれば、その輪の中に入ることができます。
サニー(サンシャイン フォンテス)とローリー(タンチュリエ ローリー)がいてくれたことも大きかったです。サニーとは英語、ローリーとは私の第一言語であるフランス語で話すことができます。二人が話しているところに自分も加わることができたので、チームに入りやすくなりました。
それに、さっこさん(池田咲紀子)や優衣香さん(菅澤優衣香)といった先輩たちも、チームに馴染めるようにすごく助けてくれました」
浦和で衝撃を受けた「プレス」と「ビルドアップ」

――これまでさまざまな国やクラブでプレーしてきました。レッズレディースのサッカーには、どんな特徴を感じましたか。
「まず驚いたのはプレスです。これまで所属してきたチームでは、あれほどチーム全体で速くラインを上げてプレスするスタイルをあまり経験していませんでした。
それから、後ろからのビルドアップです。特にはな(高橋はな)が後ろからグラウンダーのボールを使ってビルドアップしていくプレーには、すごく感銘を受けました。それを見て、自分もビルドアップをもっと向上させなければいけないと思うようになりました。
狭いスペースでもプレーできることや、難しい状況からボールを失わずに抜け出せることにも驚きました」
――WEリーグ全体については、どんな印象がありますか。
「技術レベルの高さですね。選手たちは足元の技術がすごく高いですし、狭いスペースでもボールを扱って、そこから抜け出すことができます。それはどのチームにも感じます」
カナダからカメルーンへ。「いつか、この代表でプレーしたい」

――エスタ選手自身は、もともと守備の選手だったのでしょうか。
「最初はMFでした。子どもの頃はMFとしてプレーしていましたが、ナショナルトレーニングセンターに入った13歳頃からCBになりました。そこからは基本的にずっとCBです。
ヨーロッパへ行ってからは、CBにはより経験が必要だということで、若かった私はサイドバックでプレーすることになりました。そこでサイドバックのプレーを学びました。
なので、スタートはMFでしたけど、本格的にキャリアを積んだのはCBで、プロになってからサイドバックも学んだという流れです」
――カナダ生まれで、その後、カメルーン代表を選んだのはなぜですか。
「カナダ代表としてU-17女子ワールドカップに出場しました。その後、膝をケガしてしまって、代表に入ることができていませんでした。
転機になったのが2015年です。その年の女子ワールドカップでカメルーン女子代表を見て、本当に素晴らしいチームだと思いました。それをきっかけに、『いつかカメルーン女子代表でプレーしたい』と思うようになったんです。
もともと子どもの頃から、男子のカメルーン代表をずっと応援していました。それも大きかったと思います。
2019年にカメルーン女子代表でプレーするための手続きを進め、トレーニングキャンプにも参加しました。ただ、必要な手続きが大会までに間に合わず、2019年の女子ワールドカップには出場できませんでした。それ以降はカメルーン女子代表として活動しています」
――男子のカメルーン代表で好きだった選手は?
「サミュエル・エトーです。今はカメルーンサッカー連盟の会長なので、アフリカの大会に行ったときには実際に話す機会もありました。それはすごく光栄なことでした」
ケガを乗り越え、代表でつかんだタイトル

――昨季はケガに苦しみましたが、8月にはカメルーン女子代表としてアフリカネイションズカップに参加し、優勝を経験しました。
「昨季はケガがあり、自分にとってすごく難しいシーズンでした。
もともとネイションズカップは3月に開催される予定だったので、そのままの日程だったら、私はコンディションが間に合わず出場できなかったと思います。でも大会が夏に変更されたことで、幸運にも参加することができました。
代表への合流も少し遅れたので、最初からスタメンになれるような状況ではありませんでした。ですからカメルーンでのトレーニングキャンプでは、本当に一生懸命取り組みました。
最終的にはスタメンとしてプレーすることができて、チームの一員として決勝まで進み、優勝することができました。本当にうれしかったです」
――大会期間中には、浦和の選手たちとも連絡を取っていたそうですね。
「ワールドカップ出場を決めたときには、たくさんの選手から『おめでとう』というメッセージをもらいました。
チームはプレシーズン中だったので、『こっちではこんなトレーニングをしているよ』『みんな頑張っているよ』『戻ってくるのを待っているよ』という話もしていました。そして優勝したときにも、またみんながお祝いのメッセージを送ってくれました」
――浦和へ戻ってきたときには、チームメートが花道を作って迎えてくれました。
「すごくうれしかったです。長い間チームを離れていたので、ああやってみんなが迎えてくれたことで、『またこのチームの一員に戻ってきたんだ』と感じることができました」
――来年開催の女子ワールドカップでは、なでしこジャパン(日本女子代表)と対戦する可能性もあります。
「日本と対戦してみたいです。知っている選手と代表チーム同士で対戦するのは、私にとってすごく楽しいことなので。実現したら面白いですね」
日本語を学ぶ理由。「もっとチームメートと話したい」

――積極的に日本語を覚えようとしているそうですね。
「日本語を勉強すること自体が、まず楽しいんです。それが一番ですね。
それに、もっとチームメートとコミュニケーションを取れるようになりたい。その気持ちが、日本語を学ぶ大きなモチベーションになっています。
あとは、アニメが好きなこともあります(笑)。以前は英語で見ていましたけど、少し日本語が分かるようになってからは、日本語の音声で英語字幕をつけて見るようになりました。日本語を勉強することで、少しずつ理解できるようになっているのが楽しいです」
――アニメが好きなのは子どもの頃から?
「はい。カナダではフランス語で見ていましたけど、子どもの頃からずっと見ています。
姉が韓国へ留学していたこともあって、それをきっかけにアジアの文化についてもっと知るようになりました。それ以前は、日本について知っていることといえばアニメくらいだったんです。でも、そこからアジアの文化そのものに興味を持つようになって、それも日本へ来ることを決める一つのきっかけになりました」
実はダンス好き。「浦和ではまだちょっとシャイです(笑)」

――カメルーン女子代表でのSNSでは、ダンスを披露していました。
「はい、ダンスは大好きです(笑)。本当によく踊ります。
でも、浦和ではまだちょっとシャイなので、みんなの前では踊っていません(笑)。音楽はいつもイヤホンで聴いていますし、家では踊っています。普段ならロッカールームでも踊ったりするんですけど、ここではまだ少し恥ずかしくて……」
――長嶋玲奈選手は「もっとチームでもダンスを見せていいんだよ」と言っていました。
「そうなんですね(笑)。じゃあ、そのうち見せるかもしれません」
――音楽が好きなのは、家族の影響もあるのですか。
「父がDJをしていました。すごく有名なDJというわけではないですけど、アフリカ系のパーティーなどでDJをしていて、家には大きなスピーカーやターンテーブルがありました。
子どもの頃から家にはいつも音楽が流れていたので、音楽が自分の人生の大きな一部になったのは、父の影響が大きいと思います」
――どんな音楽を聴きますか。
「本当に何でも聴きます。アフリカンミュージック、ヒップホップ、R&B、オルタナティブ、K-POPも聴きます。特にBTSが好きです。
一つのジャンルだけが好きというより、とにかく音楽そのものが大好きです」
――周囲からは「シャイ」と言われていますが、自分自身ではどんな性格だと思いますか。
「かなり内向的だと思います。自分から最初の一歩を踏み出して話し掛けることは、あまり得意ではありません。
でも、誰かが話し掛けてくれれば、すごく自然に話せますし、そこからはオープンになれます。だから、最初の一歩だけがちょっと苦手なんです(笑)」
「もっとプレーして、チームの勝利に貢献したい」

――昨季はケガもありました。今季、個人として、そしてチームとしてどんなシーズンにしたいですか。
「昨季はチームとしてタイトルを獲ることができませんでした。だから今季は最低でも一つはタイトルを獲りたいです。このチームならもっと獲れると思っています。
個人としては、もっと試合に出たいです。昨季はケガもあって、自分がどんなプレーをできるのかを見せる機会があまりありませんでした。
もっとプレーして、チームが勝つための力になりたいです。そしてDFなので、試合に出たらゴールを防ぎたい。クリーンシートに貢献したいと思っています」
――現在はクラシエカップを戦っています。この大会をどのようなものにしたいですか。
「自分たちが望んでいたスタートにはなりませんでした。だからこそ、ここから勝点を積み重ねて順位を上げて、次のラウンドへ進まなければいけません。ですから、これからの試合は本当に重要です。勝つことが必要になります。
AC長野戦は大宮戦から中2日で迎える連戦なのでリカバリーもすごく大切ですし、短い間隔で試合が続くからこそ、チーム全員の力が必要になります。誰が出ても力を発揮できるように準備して、みんなで戦っていきたいです」

MatchPreview

チームメートが語る、エスタ マイ キス 〜Who is MAYI KITH Easther

DF 13 長嶋 玲奈

「1対1になっても不安にならない。取り切ってくれる安心感があります」
「エスタは、本当にコミュニケーション能力が高いと思います。日本語もかなり話せますし、ほかの言葉もいろいろ話しているイメージがあります。私が言った言葉の意味が分からなければ、そのままにせずにちゃんと内容を聞いてくれる。そういうところを見ていても、とても頭がいいなと思います。
普段は英語で話すことが多いですけど、私たち日本人選手とは日本語を交えながら英語で話しています。シャイではあるんですけど、話し掛ければちゃんと話してくれます。
プレーヤーとしては、やっぱりスピードが飛び抜けています。エスタが1対1になっても、あまり不安にならないんですよね。むしろ、そこでしっかりボールを取り切ってくれるので、こちらとしては本当に助かっています。
一緒にセンターバックを組むときも、こちらの指示をしっかり理解してくれますし、エスタから私に『右』『左』と日本語で指示してくれることもあります。英語で言われて一度頭の中で考える時間が入るのではなく、日本語で直接伝えてくれるので、プレーしている側としてはすごくありがたいです。そういうところも含めて、本当に賢い選手だと思います。
エスタがサイドバックでプレーしているときも、背後へのボールを取り切ってくれることが多いので、こちらがカバーに行かなくても大丈夫な場面があります。スピードだけではなく、ヘディングの強さもありますし、身体能力の高さは一緒にプレーしていてすごく感じます。
対人の強さは、このチームにとって大きな力になると思います。新しいチームに慣れるまでは難しいこともあると思いますけど、もっと慣れてくれば、エスタの良さはさらに出てくるはずです。私も同じDFとして、良い競争をしながら一緒にやっていきたいですね。
普段のエスタはシャイなので、代表活動などで踊っている姿をSNSで見たときはすごく意外でした。『こういう一面もあるんだ』って(笑)。私はまだチームではその姿を見られていないので、ダンスを踊ったりする一面も、遠慮せずにもっと出してくれていいんだよ、と伝えたいです。
これからもっとチームに慣れて、サッカーでも普段の姿でも、いろいろなエスタを見せてほしいです。私たちは全然受け入れるので、遠慮せずにどんどん自分を出してほしいです」
FW 19 サンシャイン フォンテス

「相手にとって危険な場面でも、エスタがいつもカバーしてくれる」
「エスタと一緒にトレーニングするようになって感じたのは、守備ですごくアグレッシブな選手だということです。その守備は間違いなく彼女の大きな強みだと思います。タックルに行くときも、ゴールを防ぐときも、体を張ることをまったく恐れません。チームのために自分の体を投げ出してでも止めようとする。そういうプレーは、私たちのチームにとってすごく大きいと思います。
身体能力も高くて、とにかく速いです。相手にとって危険な場面になりそうなときでも、エスタが最終ラインにいると、最後は彼女がカバーしてくれる。そういう場面を何度も見ています。
攻撃面でも、後ろからボールを配球してビルドアップに関わることができます。守備だけではなく、ボールを持ったときのプレーも含めて、エスタがプレーする姿を見るのはすごく楽しいです。
エスタがウェストバージニア大学でプレーしていたことを知って、『二人ともアメリカの大学サッカーを経験しているんだ』という共通点ができたのはうれしかったですね。
普段はサッカーについて話すことが多いです。戦術のことだったり、トレーニングや試合のことだったり…。でも、サッカーだけが私たちの生活のすべてにならないように、一緒に日本のいろいろな場所にも出掛けています。
東京を一緒に巡ったり、鎌倉へ行ったり、大阪で待ち合わせをしたこともあります。最近はみんなで東京ディズニーランドにも行きました。2日間のオフの初日に行って、たくさん食べて、いくつかアトラクションにも乗って、すごく楽しかったです。次の日はみんなでゆっくり休むことができました(笑)。エスタと一緒に日本をいろいろ冒険できるのは楽しいですね。
エスタは、最初に会うとすごくシャイな人だと思うはずです。自分からどんどん入っていくタイプではなくて、心を開いてもらうには、周りから少し働き掛ける必要があると思います。私もそういう一人で、よく夕食に誘っています。今では週に何度も一緒にご飯を食べに行くことがあります。1年くらい一緒に過ごす中で少しずつエスタのことを知ることができたので、これからもっといろいろな一面を知っていけるのが楽しみです。
それに、チームでの姿からは想像しにくいかもしれませんけど、実はダンスが大好きなんです。TikTokを見ると、すごく踊っています(笑)。でも、チームにいるときはまだ本当にシャイで、そういう姿をほとんど見せてくれません。
だから、あのダンスを知っていると、『実はこんな一面もあるんだよ』って、みんなに教えたくなりますね(笑)」
通訳 平木 里花

「スピードやスライディングだけじゃない。すごく考えてプレーしている選手です」
「エスタはすごく知的というか、本当によく考える選手です。『そこまで考えるんだ』とびっくりするくらい、一つのことを深く考えています。
シャイだからこそ、いろいろなことを考えるのかもしれません。周りのこともよく見ていますし、自分がどういう立場にいるのかということも理解している。そのあたりは、すごく感じます。
ただ、ずっとおとなしいわけではないんですよ。私や外国籍選手だけでいると、海外で流行っている動画のダンスを急に踊り出したり、歌い出したりします(笑)。でも、日本人選手やコーチングスタッフがいるところでは、あまりそういう姿を見せません。『もっとそういう姿を出してもいいんじゃない?』と言うんですけど、『日本人はシャイだから』と言ったりして(笑)。周囲の雰囲気を感じ取っているんだと思います。
プレーヤーとしては、スピードやフィジカルを生かした体を張った守備が目立つと思います。特に昨季の埼玉スタジアムでの日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦を見て、あらためて『やっぱりすごいな』と感じました。ただ、エスタの良さはそこだけではありません。
すごく真面目ですし、特に日本語を覚えようとする努力は本当にすごいです。センターバックというポジションもあって、試合中の掛け声もしっかりしていますし、日本人選手に日本語で伝えようとしています。そういう部分は試合を見ているだけではなかなか伝わりづらいかもしれません。そういうエスタの良さも、もっといろいろな人に知ってもらえたらいいなと思います。
ピッチを離れると、日本での生活をすごく楽しんでいます。自分からいろいろな場所へ行きますし、本当に行動力があります。みんなで東京ディズニーランドへ行ったときも、私は会話をつなぐ役目ではあったんですけど、私がいなくても会話が続いていました。日本人選手が英語を頑張って、外国籍選手も日本語を頑張って、お互いの言葉を使いながらコミュニケーションを取っている。その姿を見ていて、すごくすてきだなと思いました。
日本の文化も好きですね。来日したときから『NARUTO』のシャツを着ていましたし、携帯電話のロック画面も『NARUTO』だったりします。シャイではあるんですけど、ただ話さないというタイプではなくて、話し始めると意外とオープンなんです。自分の好きなものだったり、自分らしさだったりを見せるのは上手なのかなと思います。
家ではLEDライトを部屋に付けていて、音楽に合わせて光るようにしているみたいです。お父さんがDJということもあって、音楽が身近にあるのかもしれませんね。
普段のエスタと、サッカーをしているときのエスタは本当に違います。普段はいつもニコニコしていて、かわいらしい印象が強いんですけど、ピッチに入ると目つきがキリッと変わって、すごくクールになる瞬間があります。そのオンとオフのギャップは、外国籍選手の中でも一番大きいんじゃないかなと思います」
(取材・構成/田中直希)
試合情報





2026/27 WEリーグ クラシエカップ リーグステージ 第2節 vs RB大宮アルディージャWOMEN マッチハイライト

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